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[衝撃と混乱で、暫く気を失っていただろうか。フィロメーラはどうなったのだろうか。 オトフリートとブリジットに言われた言葉を思い出す。]
壊れて欲しくないと、心から望めばいい。
そして、壊れたものは---治せる。
[言われたことを、音にしてつぶやいてみる。
その時、少し遠くで何か大きな力を感じた。これは…何?
目を瞑って探る。…あぁこれは、同じ、竜族の気。
先ほど見た赤く美しい竜だろうか?否…違う。]
[その気の方に向かおうと立ち上がると、いつのまに居たのか、オトフリートの肩に見た白梟が先立って飛び出した。
きっと、この竜の元へとつれていってくれるのだろう。
…それを見てどこかで、オトフリートである、ということにも気がついていたかもしれない。]
私、行ってくる。
[そこにいる人たちに告げて立ち上がると、単独行動は危ないから、とアーベルが立ち上がった。
また何かにひっかかったら、と少し不安だったので彼女はほっとした表情を見せる。]
→祭壇へ
[白い梟の後についていき、祭壇らしき広場について、息を呑む。
そこにいた、漆黒の竜に目を奪われる。あぁ、なんて、なんて。
そしてその向こうに見える苗床の魔の姿に、少し身を硬くする。
その場にある、黒い書物にも。]
あぁ、あれは…あのひとの。
[そっと、*見守る。*]
[白い梟の後を追い、迷宮の奥に消えていった
イレーネとアーベルを見送る。
さてどうしたものかと考えていると、何処かから、
葉がふわりと飛んできた。
まるで「付いて来い」と言わんばかりに。]
行こうか。
あれが飛んでくる方向を辿っていけば、外に出られるかもしれん。
[この場に残っている面々の顔を見回してから。
一歩、踏み出した。]
[奥に行きたそうだったじっちゃんをひきずり、
葉の導きに従い歩きながら。
色々と考えていた。
今までの事、そしてこれからの事を。]
外に出たら、ちゃんと部下の連中に「心配かけてすまん」って言っとくんだぞ、じっちゃん。
あいつら、本気で心配してたんだから。
[外に出たら、ユリアンに食事を奢る事にしようと思った。
『鍵の書』盗難の共犯と誤解したお詫びに。
勿論、そんな事はおくびにも出してやらないが。
まあ、何にせよ。
ちゃんと言わなきゃな、*「ただいま」って。*]
─街外れの草原─
[草をはんでいた葦毛の馬は、ふと首をあげる。
顎の下には深紅の逆鱗。
主人たる炎竜と同じ意匠の文様が刻まれている。
書が結界内に持ち込まれた事で、封護結界の力の流れが変わった事を、街を包む結界を展開した方も気付いたのだろうか?
封護結界は、封じねばならぬものを深く取り込み、封じる必要の無いものを排出しようと動き出すだろう。
街を包んだ結界が次第に薄れて緩むのを感じ、馬はその中へと駆けだした。]
−ブルーメンガルデン家の前−
[いつものように扉を開けようとして延ばした手は、途中で止まりました。ぼろぼろの格好で入ったのなら、きっと吃驚させてしまうに違いなかったからです。それに、家にはあかりもついておらず、シンとしずまり返っているようでした。]
お父さん、お母さん。
ごめんなさい、ありがとう。
[ぺこりと頭を下げて云います。その言葉はきっと届きはしなかったでしょう。]
……お休み。
[ふっと眼を落すと、そのそばには墓場に置いて来てしまった筈のスケッチブックがありました。指環をした手をまっ白な紙に当てますと、わずかに集まった光が、ベアトリーチェのイメージとおりの絵をそこに画きだしたのでした。]
[ベアトリーチェはなにかに急かされるように、はやくはやくと前へ足を出します。薄闇に包まれた通りには不思議と誰も居りません。円い月だけが、走るこどもをしずかに見守っておりました。]
−Kirschbaum・一階−
[カランカランと、扉に備えつけられたベルは来客を知らせます。出迎えるハーヴェイは、いつもとは違っていたでしょうか。けれども、なんにも云わずにベアトリーチェの好きなオレンジのジュースを差し出します。]
こんばんわ、ハーヴェイ。「……いいえ、影輝王。」
[こどもの声は途中から、小夜啼鳥を思わせる澄んだものになりました。]
[王は若しかすると、疾うに知っていたのかもしれない。そして、彼女の主君も。人の数年は精霊にとって短き時とは言え、何も伝わらないなどという事は考え辛いのだから。そんな事を、今更になって思う。
彼女の科白に影輝王は深く嘆息し、苦い表情を浮かべて言葉を発する。]
「ええ、解っています。
謝罪により赦されぬのなら尚更の事、
犯した罪は自らの手で償うべきだと。
けれど、“私達”には時間が無いのです。」
[少女を通して語る彼女の面差しは、影を帯びていた。
幾度も力を行使したこの器の許容量はオーバーしており、少女と彼女が傷付いた事で、その存在は酷く不安定になっている。『鍵の書』の封印により受けた力が失われれば、後に待つのは――]
「影輝王、これを。」
[小さく首を振り、彼女は右の人差し指から指環を外して、カウンターの上に置く]
「天聖なる君に、返還を願います。
私は天に還る事は叶いませんから。
……この子を、輪廻の輪に戻す為に。
それが私に出来る、せめてもの事ですから。」
[微笑みを浮かべたのは、彼女だったろうか、少女だったろうか。
それを見る影輝の精霊王たる彼は、変わらず厳しい表情を浮かべていた]
[ベアトリーチェは代りにグラスを手に取り、ごくんと喉を鳴らします。柘榴石のようないろをした果実のジュースはとても甘いのに、ほんの少し苦さをも感じる気がしました。それでも、勢よくいっきに飲み終えてしまいます。]
ベアトリーチェからも、お願いがあるんだ。
これを、皆に渡して欲しい。
[そう云って置いたのは、先程のスケッチブックでした。]
……ベアトリーチェの、好きだった世界だよ。
[そこに画かれていたのは、たくさんの人たち、場所、……思い出。
ベアトリーチェの記憶の結晶とも云えるものでした。]
[――それが、神の御子とも呼ばれたこどものお話。
もし誰かが、町のひとにベアトリーチェ=ブルーメンガルデンのことを聞いたのなら、それは幼い頃に病気で没くなってしまったこどもだと答えることでしょう。そうして、天の神さまはなんと無慈悲なのだろうと云うのでしょう。
力なきものに、その記憶はもうありません。お父さんとお母さんにも、もちろんです。ただぽっかりと、理由の知れない、きみょうな穴が空いているばかり。]
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