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[その女性の声はそれまでとは違った華やかさを纏うか。
その様子と周りの様子に苦笑しつつ]
ここのコレクションはなかなか逸品ぞろいですぞ。
きっとヘルガさんも楽しめるでしょうな。
特に今回のメインはワシも初めて目にする代物。
それだけでもここに来る価値があるといえましょうな。
[そういって、ちらりと横目で金髪の青年と小動物を見遣る。
勿論、二人?の間の話など知る由もないが]
そうだね、好きな仕事をして生きて行けるのが一番。
……ま、親には散々文句も言われたけど。
[苦笑めいた面持ちでこう言って。
それから、続いた問いには]
……ああ。はしゃぎすぎて、疲れたんだろ、きっと。
[何かを感じてがくぶるしているなんて、さすがに言えない]
…アラァ、どうしたのかしらァ。
いい毛皮してるのに、寒いのォ?
[か細い鳴き声に何を感じ取ったのか、女の物憂げな眼差しは氷のように冷たい。ある意味さぞ寒気がしただろう。
しかし、イイ感じに固まるその飼い主の様子に、自尊心を刺激されたのか、唇が甘い弧を描く]
…ゥフフ、初心なのネェ。
[首を傾げる青い髪の青年の様子にも温度の戻った眼差しを向け、煙管をふかした]
文句言われたって、結局やりたい事やってるんならいーんでない?
ほら、それで飢えるなら問題だけど。十分飯食ってるっしょ。
[苦笑の混じる言葉に、けらりと笑いを返して。
続く言葉に、あぁ。と納得した面持ちで]
疲れたんならしゃーないか。
そんなに遊んでたのかー?
[くつくつと笑いを零すものの、
まさか何かにがくぶるしてるなんて知る由もない。
そして、その"何か"から笑みと共に会釈をされれば
やっぱり見たことねーな…とか思いながら、
老人と会話する様子を傍目に眺めて]
[ザムエルの苦笑には、弓のように細い眉を微かに上げるのみ]
アラァ、ザムエルさんも初めてなのォ?
…門外不出というのもあながち嘘じゃなさそうネェ。
目利きの鑑定家がいらっしゃる前に出すんですからァ。
[ザムエルを持ち上げるように、媚を含んだ笑みを向けた]
[ぽんぽん、と白いふわもこを撫でてやりつつ。
女の笑みと言葉は気づかない様子で避けた。
旅暮らしの中で、この手に関わるとろロクなメにあわない、というのがすり込まれているらしい]
ま、家を出てからは、やりたい事しかやってないけどね、俺は。
それで食べていけてるんだから、まあ、そういう意味では幸せかな。少しずつ評価もされてきてるし。
[アーベルの言葉に頷きつつ、またカーバンクルをぽふぽふと]
色々と、はしゃぎ回ってたからな……。
[それはそれで、間違ってはいないが]
[何かを伺うような女性の言葉と、なにやら怯えた様子の小動物と、二人の青年のそれぞれの様子を見比べて]
初心、と言うものなのか…?
[はて?と首を傾げ]
余り若い者を困らせてやるな、と言っても、このような年寄りよりは若い方が良いだろうが。
[或いは、これも経験、か?と密かに思ったかも知れず]
―オストワルト邸―
[丘の上、その邸に入り、ペンを取る。
書き付けた紙を、いつものように笑って渡す。]
それじゃあ、部屋を借りるわ。
どこかしら。
──────
■名前:ナターリエ=キアストライト(Natalie=Chiastolite)
■年齢:27歳
■自己紹介:絵描き。デザイン系らしい。
アンティークの類が好きで、そういうデザインを手がけている。
ただし使われる色は白と黒のみ。
絵の具もあるが、鉛筆もある。
村には、13年前に、両親を亡くし、祖父母を頼りにやってきた。
──────
ワシもさんざん頼んではいたのだが、な。
結局今まで見せては貰えなんだ。
それだけ大事なのか、それだけ曰くつきなのかまではワシも知らぬが…。
古いオルゴール、と言うだけでも価値があるものだからの。
[言葉と笑みに含まれたものを知ってか知らずか淡々と]
アラァ、私は何もしてませんわよォ?
[女にとってちょっと値踏みするくらい何かした内に入らない]
ゥフフ、そんなことありませんワァ。
渋い叔父様も素敵でしてよォ?
…そうネェ、ザムエルさんがそうおっしゃるなら気をつけますワァ。
[紐よりもパトロンの方が魅力的なので、嘘はついてない]
んじゃ、十分でしょ。
家を出たのに、逆にやりたい事やれてなかったら
何のために家を出たのか意味無いだろーし。
[研究で評価されるとか親を見返せるぐらい凄いと思うけど?
と、肩を竦める。ぽふぽふと撫でられる白い生き物に苦笑交じりの笑みを向けて]
すっごい、金掛かりそうな趣味……。
[女性の言葉に、僅か眉を顰め。
思わず視線を向けた先に光る耳飾にどういう意味か、ぽつりと呟いた。
どうやら、青年は光り物に興味が乏しいらしい]
[さらりと値踏みをするかのような言葉を口にするのを聞けば、また苦笑を浮かべて]
流石に、お仕事柄か世辞が上手いようですな。
そうですね…無事に店が開店したら通わせていただくことにしましょうか。
[彼女の思惑がどこにあるかまでは流石に気づかずに]
[少しは慣れたとは言え、これ程大勢の中に放り込まれるのは恐らく初めてのことだった。]
[所在なさげに窓のほうに目を遣っていたが、オルゴールの話題が聞こえると視線を其方に移す。]
[肩を竦めるアーベルの言葉に、まあね、と頷いて]
家を出た事を、無意味にはしたくないからな。
見返されてくれるほど、大人しい親じゃないよ……。
[それから、独り言のように呟き、席を立つ]
さて、と……。
ローゼが参ってるらしいし、少し、休ませてもらおうかな。
それじゃ、また後ほど?
[軽い口調で言いつつ、ホールを出て*2階の客室へと*]
フゥン、ザムエルさんがそこまでネェ…。
女の好む作り話かと思ってましたけどォ、曰くとやらも少しは信憑性があるのかしらァ。
[重たげに瞼を伏せて、赤く染めた爪を唇に押し当てた]
……にーさんの親っつーか。
家系って、どんなんなの…?
[エーリッヒの言葉に、数度瞬きを繰り返し。
相手が席を立てば、ひらりと手を振りながら見送って。
机上へ置いたままの紅茶を手に取り、残りを流し込む]
[オルゴールの曰くについては首を傾げるのみで]
流石にその曰くとやらを確認するわけにも行きませんでな。
件のオルゴールは美術品としての価値も高いと聞いているので、ワシとしては其方の方が気にはなっているのですよ。
結局は商売の話になってしまうのが困り者ですが。
[目の前の女性にそう語って。
その爪と彼女を飾る宝飾に赤を好むのだと認識して]
・・・・あ、
おやすみ、なさい。
[小さな声は金髪の青年には届いただろうか。]
・・・あ、あの?
[女性の視線に自分が何かしたのかと思ったのか、少し俯きがちになる。値踏みされているのに気付いている・・・わけではなさそうだ。]
[アーベルの声に視線を投げれば、耳飾りへの言葉と気付く]
アラァ、これはさすがに趣味で買った品はありませんワァ。
贈り物ですのォ。
[赤い爪で軽く弄ると、耳飾りは深紅の光を煌かせる。
贈り物と言うよりも貢物という言葉が相応しい品だろうか]
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