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[赤毛の少女、ヘンリエッタ][の差し出す]
[濡れ布巾を受け取り][手指を拭う。]
ありがとう。
……だいじょうぶ。もう、うごける。
[そっと顔色を伺う様な][視線]
[メイド姿の女性が][案内を申し出ると]
[頷き][少女には軽く会釈]
[そっとテーブルの隅に布巾を乗せ]
うん。ばしょ、おしえてほしい。
[女性へと向き直った。]
…それでは。
[ギルバートと名乗る男性に頷いて、そのまま扉の外と一つ足を踏み出すが]
…ああ。申し遅れました。
私のことはネリーと。
[ふと、こちらが名乗っていないことに気付いて振り返る。
相手の名前はかつてローズマリーとの話の中で記憶していたのだが。先の知らせで、余程気が動転していたのかも知れない]
―広間→廊下―
きいてもいい?
……いま、なにがおきている?
さっき、ここからひとが、……
[言葉を切り][少し考える仕草]
ひとがしんだのは、きいた。
こりつしている。でられない。
じんろうがいる。
…
[ここから近いのは厨房だろうか、と思案しながらそちらに足を進める。
男性に問いを投げられ、暫し何と言ったものかと悩む]
…“人狼審問”。
[結局、一番簡潔な答えを口にした]
でも、もう…見つかったそうです。
じ、ん、ろう、しんも、ん。
………………
[其の言葉が。][認識された途端、]
!!!!!!
[ぐらり。]
[蹌踉めき]
[驚愕][恐慌][混乱]
[眼球が零れそうな程][目を見開き]
…ええ、
[厨房の扉に手をかけて、肯定の声は途中で止まり。
訝しげに振り返って、眉を寄せる。…彼は怯えていた]
………。
貴方は…
[“人狼”という言葉は普通に発していたのに、それを追い詰める儀式に彼は過剰とも言える反応を示す]
…何があったのですか?
[答えが返ってくることはあまり期待してはいなかった]
……なにが、あった?
[ぶるっ][身震いし]
[己の身体を抱き締める]
わ、から、ない。おもいだせない。
でも、こわい。とても、とても。
[ほう、と息を吐き。
心配するような表情を作る]
……本当に、大丈夫ですか?
まだ、顔色がお悪いようですが。
[本来ならば怯えを見せた時点で労るべきであったろうけれど、彼女には余裕がなかった。
思い出せない、との言には軽く眉を顰めるも]
…そうですか。
[大丈夫かと言う言葉には、][こく、と][頷き]
……へいき。
はやく、おもいだしたい、から。
なれないと。
[憔悴してはいるが][きっぱりとした口調で]
[男性は平気だと言うけれど、あの様子はどう見ても尋常ではなかったと思う]
くれぐれも、無理はなさいませんよう。
[一応はそう告げて。
立ち上がったのを確認し、厨房へと足を踏み入れる]
―…→厨房―
[厨房に入り]
[ネリーに示された場所で手を洗う。]
[このような僻地にどうやって水を引いているのか]
[或いは汲み上げているものなのか]
[潤沢に流れる水で、手を再度清める。]
―厨房―
[先程の調理からさほど時間が経っていないせいか、チーズの香りが仄かに残っていた。
蛇口を示し、男性が手を洗うのを眺めながら、傍にあるタオルを手に取り。
流れる水から手を離すのを待ち、それを差し出した]
[差し出されたタオルを受け取り、手を拭く。]
ありがとう。
[湿ったタオルを返しながら]
……さっきのは、みながじんろうを、ころしにいった。
ちがう? もう、しんだ?
──じんろうがしんだら、みんなあんしんするはず。
でも、みんな、……
[適切な表現が見つからないらしい。][眉を寄せ]
……こわい、かんじだった。
だから、ネリーも、ヘンリエッタも、こわがってる?
じんろうが、つかまっていないから。
[小首を傾げ][琥珀色の眸をメイド姿の女性に向ける]
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