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うん、お休みなさい。
[寝る、との言葉に頷いて、部屋の外へと。
廊下に出て、ユリアンから言われたこと>>95にはぶんぶんと力強く首を左右に振った。]
ちがう。
ユリお兄ちゃんはあたしを守ってくれた。
だから、本当はあたしからお礼を言わなきゃ駄目なの。
…ユリお兄ちゃん、守ってくれてありがと。
[多少ぎこちなかったかもしれないが、笑顔を作って礼を口にした。*]
─ 前日/1階廊下 ─
[呼び止められたのは、使用人部屋へと向かう途中のこと]
ユーリ。どうした?
[緩く首を傾いで名を呼べば、問われるのはミリィやカルメンがどうなったのか。>>96
それに、一先ず部屋に安置した事を伝えて]
……そこは、お互い様、だろ。
俺が知ってる女の慰め方は、ここじゃ使えんからな。
ローザの方見てくれて、助かったよ。
[さらりと返した言葉は、何気に問題発言かも知れない。
そんな、どこか軽い調子は続いて投げられた問いに影を潜め]
……死なれるのと、死ぬの、か。
こわい、っていうんなら、どっちもどっち、だな。
死ぬのがこわくない、なんて口ではあっさりいえても。
実際、それが間近に迫れば……こわいもんだろうから。
[推論の形は取っていても、実際には、それは過去に自分が感じたもの。
勿論、はっきりそれと告げる事はしない、けれど]
ん……気にすんな。
こんな状況じゃ、色々と変な考えも出てくるだろうし。
[ごめん、という言葉に、返す口調は柔らかい。
翠にも僅かな刹那、穏やかさが宿る、ものの。
それはすぐに、消え失せて]
お前も、ちゃんと休めよ。
……あと、なんでもいいから、腹にいれとけ。
[そんな言葉を投げかけ別れた後、使用人部屋へと向かう]
―翌朝 広間―
[広間へと行く前。
クロエから話が聞けていれば、彼が蒼花だったことを聞けたか。
祖父から聞いた『生け贄』、というのは正しかったのか。
絶望に似た思いが少女の中に拡がるものの、エーリッヒと交わした約束。
様々な事に埋もれ押し流されかけていたソレを思い出し、支えと希望として奮い立たせる。
エーリッヒの違和感は気がついてはいる。
しかし、それは祖父の死や、そこから起きた様々な出来事でそうなってしまったのだ、と、少女は考えて。
少女の表情は昨日浮かべた感情のないものとは違い、
覚悟や決意に満ちたものが浮かんでいる。
その想いに呼応するかのよに、ツルバラは両腕へと伸びて花を咲かせていく。]
[少女は知らない。
自身に受け継がれたものは、蒼花が『場』にあれば朱花に。
朱花が『場』にあれば蒼花に変化する性質をもので。
両親も祖父と共に『場』に巻き込まれ。
母親が蒼花に目覚め、その末に人狼に喰われた事を。]
[御伽噺や言われても、うちんとってはそれ以上でもそれ以下でも無ぅて。
得た情報が断片的過ぎて、全部が繋がるっちゅーことはあらへんかった。
やから、うちは今でも自分の力しか信じられへんでいる]
[皆んこと信じたくても、信じられへん想いも燻っとった]
― 翌日 外 ―
クロ。ビチェ。
[その向こうの無残な姿のアベさんに、顔色が蒼を通り越して白くなった。
争ったような周囲には血の付いた銀色の毛も散っていた。狼も手負いとなったらしい。流石は剣を鍛える人だ。
それでも爪と牙には勝てなかった。御伽噺の通り。
彼との約束も守れなかった。やれることを出来なかった。その結果を前に鼓動が暴れて痛みを覚える]
……ごめん。
おれ、分かってなかった。
[アベが晒していた蒼の意味を深く考えなかった。馬鹿だった。頭を垂れ、胸の前で強く手を組む]
戻ろう。手負いは危険だ。
アベさんも、運ぶ。
[ビチェ>>84の願いに頷いて、アベさんの遺体を自分の上着で包む。スティレットと空身の鞘はクロが持とうとしただろうか。そのままになりそうなら一緒に包んで運んだ]
―屋敷・個室→―
[目を覚ましたのはいつものごとく、朝の少し早いくらいの時間。
昨日は水以外には特に口にしていなかったが特に気にならなかった]
さて……
[昨晩にアーベルが死んだことはすでに知っているが、そこに皆がまた集まりとなるのだろうか?と考えて、いく先を少し考える。
クロエの悲鳴が聞こえたような気がして、そこはひとまず避けることにした。
クロエに会う前に、ローザにあっておこうと、その姿を探す]
─ 翌日/温室 ─
[悲鳴聞こえてからしばらくして、背中ん痛みで目ぇ覚めた]
…… ッ つ ……
[背ぇ丸めてたせいで凝り固まってしもうたのと、昨日受けた打撲痕。
寝転がったまま壁に沿って背を伸ばしよると、ぴきぴきと音が聞こえそうやった]
… い ったぁ …
…… あれ … うち ……
ああ …… せやった
[地面の上で寝とったことを不思議に思うたけど、直ぐになんでここおるんか思い出した]
……… また … だれか ………
[襲われたんやないかっちゅー感覚があってん。
息苦しさはもう、消えんもんになっとった。
死ぬまで付き纏い続けるんちゃうかて思うくらいに慢性化しとる]
ど しよ …… 着替え …… て られへん か
[こないなところで寝てしもたさかい、汚れた夜間着着替えぇべきか思うたんやけど、それどころでもない思い直して。
凝り固まった背中伸ばしてから、うちは温室出てった]
─ 翌日/使用人部屋 ─
[いつまでも、ぼんやりとはしていられない。
そんな思いから立ち上がろうとして、視線が向いたのは左の上腕。
シャツの袖には、その下に巻かれた包帯の形が浮かび上がっていた]
…………。
[その部分を右手で軽く撫でた後、上着を羽織る事で覆い隠す]
さて。
どこまでいけるか、な。
[零れ落ちたのは、そんな呟き。
ふる、と首を軽く振った後、部屋を出て、歩き出した]
―翌朝 少し前―
手負い…。
ベルお兄ちゃんを襲った人狼。怪我、してる?
[広間へと向かう前に聞こえたユリアンの言葉>>108に、確認するように口にした。]
―屋敷・二階廊下―
[部屋を出てすぐ、温室からでてくるローザを見つけて]
おはようございます。ちょうどよく探していたところでした。
[挨拶の礼の後には、気遣わしげな微笑みを浮かべて]
お気分は大丈夫でしょうか?
昨日は…いろいろと大変な様子でしたので……
[その様子は苦しそうに見えたこともあり、気遣わしげな様子はその後さらに深まった]
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