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─ 宿・二階 個室 ─
[呟き>>94には軽く肩を竦めるに留めておいて。
薄い笑みと共に告げられた言葉に、ふ、と小さく息を吐いた]
……自分で言うかね、それ。
[迷わず殺しておけ、という言葉に突っ込みを飛ばす。
喉に触れる仕種には、負担をかけてやしないか、と僅かに眉が寄った。
殺す殺される、という話をしている時に場違いだな、とも思いはするのだが]
……素直に殺されてくれると思ってないから、悩むんだろーが。
とはいえ、今ここにいる面々でそれが出来そうなの、俺だけだから。
悩んでばかりも、いられんのよね。
[心情は元より、他の部分でもそう動けるのは自分くらいのものだろう、というのはわかっている。
もっとも、容易くないのもわかっているし、勝算があるかといわれれば。
やっぱり、笑うしかないのだけれど。**]
[少女>>96に驚かれて、苦笑が浮かんだ。
ブローチでは足りないかもと考えながら歩いていた。
同じ所を見て呟くから同じことを考えているのだとばかり思っていた。間違ってもいなかったようだけれど、驚かすつもりはなかった]
そうだけど。
ベアの命には代えられないもん。
[少女の言うとおりだから、ちらりと父親を窺った。
背中を向けたまま何も言わない。好きにしろといわれているようだ]
僕も好きだった。
だから雨の日も嫌いじゃなかった。
[入口で止まってしまった少女に首を傾げた。
少女のような自覚はなく、残念そうな顔をしながら枕元に置きっ放しだったブローチを取った。
金具が壊れて飾りも歪になってしまったのをポケットにしまう]
またあんな風にのんびりしたいね。
[遠い日常を懐かしむように呟いた]
[記憶違いではなく其れは宿の主人の大事な品。
フォルカーに釣られるように宿の主人を見遣れば
その反応に微か苦笑にも似た笑みを浮かべた]
私の、命。
[自らの胸に手を触れさせる。
とくとくと一定のリズムで命の音が伝う。
少女が少年を大事に思うように
少年もまた思ってくれているようで嬉しかった]
うん、フォルと一緒なら何処に居ても楽しかった。
雨の日も、晴れの日も……
これからもずっと一緒ならいいのに、な。
[もう大人だからと一緒に居る機会を減らしてきたけれど]
私も、あの頃みたいにのんびり過ごしたい。
─ 宿二階・個室 ─
[出来そうなのが自分だけ、と言われて>>97まぁなと返す。
だからこそ、おそらく一番の脅威と見たアーベルを真っ先に殺しにかかったのもまた理由の一つだから。]
ぃつデも来レばぃイさ。
幸ぃ、利キ腕もこぅだ。
ひょつとシたら、ぉマぇでモ勝てルかもしンねえぜ?
[固定された右手を軽く上げると、痛みに微かに眉を潜める。それを見て、また友人が何か言うやもしれないが、聞かぬふりをしたかもしれない。
眉を潜める様を見て、それが何を思ってか見えて。
少しだけ、瞼を下ろした。]
ぉレも、こノ中じや、多分ぉ前しか殺せねぇ。
[つけた優劣の順番の、一番下は友人だった。
子供によく囲まれる友人が、子供より後に死ぬ事を厭う事を知っていたから。だからこそ、目を閉じたまま眉根が寄った。]
………なンで。
[こうなったんだろうな、とは、声にはならず動くだけだった。]
……喉渇ぃタ。
[そう言いながら、今は部屋を出ようとする。
ひとまずは水と、ヘルムートを運ぶ為に置いてきた長物の元へと。
ここで切りかからなかったのは、獲物が近くにないから
……だけだろうかと、思うのは胸中の最奥でのみ**]
[リーゼロッテから今日は誰を襲うかと、問われればおそらくそれにも友人の名を挙げるだろう。
だがそれも一時しのぎ。
もし自らがオトフリートを殺せば、彼女の牙は別に向けられる。
そうなったら、誰を?
イレーネとは言えない。おそらく自分にとって、彼女の生は自分が人として生きようとする最後の線。切れればどうなるか分らない。
ならば子供のどちらかか?
見えない答えを探して、ぐるりと思考が回った**]
[武器となる銀器を手にしたとしても
少女がそれを向けられる相手は限られているかもしれない。
守りたいものがあれどやはり情もある。
信じきっている目の前の少年、フォルカーを傷つける事はない。
たとえ何があっても彼に対しては抵抗さえしないだろう]
― 宿一階・自室 ―
うん。ベアの命。
何よりも大切だから。
[少女>>99をまっすぐに見て、しっかりと頷いた。
どこか嬉しそうに見えて心が温かくなる気がした]
うん、いつも一緒に。楽しかった。
もう子供みたいに遊んでばかりもいられないけどさ。
また一緒に本読んだり、歌を歌ったりも出来たらいいな。
[部屋の入口まで戻って、少女の手を握った]
嫌なこと、全部終わったら。
また、そうしてくれる?
[何よりも、と少年の口から紡がれれば>>104
白い少女の肌がぱっと桜色に染まる。
他意はないとはわかっていても
やはり嬉しいような恥ずかしいような気がして
はにかむような笑みを浮かべそわりと視線が揺れる]
ん。フォルも宿のお手伝いで忙しいものね。
おじさんもフォルが居るからきっと心強いんじゃないかな。
――…私も、ね。また、フォルと一緒に遊びたい。
[手に触れるぬくもりに顔を上げゆると微笑む]
うん、全部終わったら。
[しっかりと頷いて彼の言葉に応じる]
――…これからも一緒に居たいな。
[こんな状況で贅沢な望みだろうか。
それでも思いを言葉にして少女は少年に小さく笑ってみせた**]
[少女>>105が頬を染めるのを見て、また少しドキドキした。
この気持ちが何なのか、まだよく分かってはいなかったけれど]
そうかなあ。
雑用しなくていいのはありがたがってるかもしれないけど。
[褒められると照れ臭くて天邪鬼を言ったりするけれど、誇らしげに頬が染まるのは隠しようがなかった。
私も、と言わるとまた嬉しそうに何度も頷く]
じゃあ、約束しよ!
[戻る前、小指を立てて少女に伸ばした**]
雑用だけじゃなく、そのうち
料理のお手伝いもフォルの役目になるかもしれないよ。
苦いスープが有名になったら困るもの、ね。
[約束の言葉と差し出された少年の小指>>107
少女は同じように小指を立てて、少年の其れへと絡ませる]
ん、約束ね。
[指きりのフレーズを口ずさんだ。
この約束を守りたいと思う。
守るために努力をしよう。
既に事件の犠牲者はたくさんいて
御伽噺のようにめでたしめでたしとは言えないけれど
これ以上犠牲が増えないように
少女は微力ながらも力を尽くしたいと、思う**]
― 宿一階・自室→食事スペース ―
そうだね。料理も覚えなきゃ。
[少女>>106の言葉に素直さを取り戻して頷いた。
そんなことで有名にはなりたくない]
うん、約束するよ!
[小指と小指を絡ませて、言葉を合わせ約束しあう。
力及ぶかは神のみぞ知るけれど、思いを確かにして厨房から出た]
はい、べアこれ。
ないよりはきっとある方がいいよね。
[装飾品として置かれていた銀食器の箱を下ろす。
5本のナイフのうち、一本を少女に渡して一本は自分で持った。
残りは箱に収めたまま、配膳台の上に置かれた**]
─ 宿・二階 個室 ─
[肯定の言葉と、右腕を上げた時の様子>>100に、また眉が寄った]
……痛いなら、格好つけんなよ。
[思わず入れた突っ込みは、黙殺されたか。
その後に続いた言葉には、ふ、と息を吐く]
……は……嫌なお互い様もあったもんで。
[殺せるのは自分だけ。
言わんとする所は掴めて、それ故に。
引っかかるものがひとつあったのは、心の内に収めておいた]
……なんで、か。
ほんとに、なんでなんだかねぇ。
[問うた所で、誰も答えられなどしないであろう、疑問。
この状況で、それはより強く、感じられるが。
今は、それに嘆くばかりではいられなかった]
……で、ライヒ。
お前は……お前自身は。
これから、どうするつもりなんだよ?
[部屋を出ようとする様子に、僅か、険しさを深緑に移しつつ、問いを投げる。
自分がどうするかは、粗方決まっている。
その中から何を選択するかは、今の問いへの答え次第]
─ 宿・二階 個室 ─
[オトフリートの突っ込みには、別にそんなつもりねぇ、と言わんばかりに睨むが、痛みに顔をしかめる中では効果は薄いか。
お互い様には全くだというような素振り見せるが、友人の胸中までは量れない。
扉に手をかける前に、投げられた問いを、拾った事を後悔した。
それは今一番痛い問い。
見なかったふり、がどうしてか出来ず。
ゆらと視線が友を向いた。]
ぉレは
どう…
[ほんの一瞬、表情に浮かびあがったのは。
子供が途方に暮れた時に見せるような、黒い陰。
自分がどんな顔をしていたかは無論知れないが。
無意識に隠すように、視線を反らした。]
……ゎ、かンね。
出来ネえ事ハ、決まつてンの、に。
[出来ることが遣りにくいことばかりで、身動きが取れない事はひしひし感じていて。
こぼした声が掠れていたのは、喉が枯れただけではなかった。]
─ 宿・二階 個室 ─
[ゆら、とこちらを向いた視線を受け止める、深緑は静かないろを湛え。
途方に暮れたような陰りと掠れた声に、ふ、と短く息を吐いた]
……出来ない事は、か。
んじゃ、質問、変えよう。
[言いながら、注意を引くようにとん、と足音を立てて、一歩距離を詰める]
お前、この状況で。
……何をしたい。何を、望む。
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