情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 エピローグ 終了 / 最新
[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [11] [12] [13] [14] [15] [16] [17] [18] [19] [20] [21] [メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
[一人ぶつぶつ呟くブリジットには一瞥をくれてやるだけ。
本当に興味のあるもの以外には、あまり関わろうとしない性質故に。
宿屋に残る者達には形式上の会釈を向けて。
どことなく嬉しそうなイレーネをエスコートしながら、宿屋を出て娼館の裏口へと共に*向かった*]
[驚きや困惑の反応には気付かずか、気付いても気にならないのか、どちらにしても気にしていない様子で。無関心に対してもそれは同様、どの人物にもひらひらと手を振り]
やあ、今晩は。
そしてさようなら、またお互い無事であいまみえる事を望むよ。
[数人が店を出ていく姿を見送った]
恋かい。良いじゃないか、恋とは人生の見せ場だ。
衝動かい。良いじゃないか、衝動とは人生の演出家だ。
良いね、若いというのは。そう思わないかい、女将。
私もまだ若い? それは光栄。しかし私は何歳だったか。
女将は何歳だったか――
[出て行った内の青年と少女についてか、そんな事を女将に向けて話し。最後に言いかけてじろりと睨まれれば]
……ああいや、これはやめておこう。
私はまだフルーツを食べていない。
[ノートなどの束を脇に置くと、フルーツを指でつまみ、縦に長く積み上げ始める。そのうちにできあがるのは赤黄橙薄紅の鮮やかな、けれども今にも倒壊しそうな塔。満足そうにそれを眺め]
塔。やあ、これこそ塔ではないか。
木の棒などで行わないところが……
そう、あえて! フルーツなどでやるところが。
私の讃えられるべきところだよ。
女将。
讃えたければ幾らでも讃えてよいのだよ。
客人諸君も止めはしない、好きにしたまえ。
[店中に響く声で言う。女将は呆れたように溜息を吐き]
塔……
塔。ふむ、……
[それから塔を見据え、暫く考え事をしていたようだったが]
……世界が、塔だったら、どうするね?
[ふいに、ぽつりと零す。問いかけの形ではあるが、誰に向けて問うたわけでもなく]
塔だったら……
塔だったら。
――バベルの塔だよ、諸君!
[次には大声をあげて椅子を揺らしながら立ち上がり]
そう、バベルの塔だ。知っているだろう。
神は驕りし人々の計画を砕かん。
人々は言葉を分かたれそれによって分けられた。
もしこの世界が塔……その塔なら。
我々は……またしても分かたれるのではあるまいか。
今度こそは個々で言語を持つようにまでされるかもしれない。
真の個人主義だ、群れの消滅だ。
すなわち文化と生態系の緩やかな退化、もっといえば死だ。
嗚呼、なんて恐ろしい。
そうなれば小説とても消えてしまう。
何を書いても自身の日記にしかならないのだからね。
実に……恐ろしい。
[演説じみた口調で矢継ぎ早に語った後、テーブルに手をついて再び席に就き。積んだフルーツを少々零しながらも食してから、束を取って腰を上げ]
さて。お邪魔したね、女将。
代金は明日原稿料が入るので気長に待っていてくれ。
無論。明日以降来ないという事はないから安心するとよい。
――この世が塔でない事を願って!
[カウンターに向け、また店内に向けてそう言い残すと、腕を振るように大きく手を振り、店を*後にした*]
[ユリアンが暗いうちに帰って行ったのは、おそらく彼の親方と自分らへの配慮だろう。
それから日が昇り始めた頃に目を覚まし、桶の水で体を清めて、持っているなかで一番上等の衣類と帽子を身につけ部屋を出た。
外で帳簿をつけていた女将に昨日分の代金を渡すと、いくらか引かれた分が戻ってきた。
それを鞄にしまい。]
「何時もの通り裏から。
くれぐれも、粗相するんじゃないよ?」
[念をおされこくりと頷く。]
[そうして老人の屋敷へと向かおうとして、ふいにオトフリートの言伝を思い出し女将に伝えた。]
「あぁ、流石というか。用意いいわね医者センセ。ちょうどいい案配だわ。
あんたも、飲んで行くの忘れないように。」
[頷き、鞄の中から薬が入った紙袋を取り出し中身を水で流し込んだ。苦みを覚え眉をしかめる。
もう一度水で喉の奥へ流し込んだ後、娼館をでて、老人が待つ屋敷へと向かった。おそらく今日はほとんど一日、そこから出ることはないだろう。**]
お持ちしましたよ。
[娼館の裏扉をノックする。
出てきたのはトウが立ってもまだ美しさを見せる女。
客を鬻ぐことは減っても、これが彼女の矜持だ]
「朝飯でも食べてくかい?」
[つい、と腕が伸ばされる。
それが絡みつく前に軽く右手で押しやって首を振る]
薬を届ける先はここだけではありませんから。
お邪魔したらそれだけで済ませるつもり無いでしょう。
[ニィと女の唇が紅い三日月を描く。
こめかみを押さえて鞄を抱えなおす]
嘘じゃありませんからね。
ああ、痛み止めも入っています。それでも間に合わないようならご連絡下さい。他も、用意してはあります。
[再び女の顔を捉えた翠の温度は低い]
――薬とも毒ともなる。
詮無いのは承知しておりますが、お忘れなきように。
[苦笑う女の手に唇を掠めさせる。
女はそれで諦めたか、後ろ手を振って中へ入っていった。
彼もまた踵を返してそこを離れる]
おはようございます。
[すれ違う村人らとは柔和な笑みで挨拶を交わす]
ええ、今はバウムさんのところに。
後でそちらにも寄りましょうか。
[たかが半年、されど半年。
いつのまにかその姿は村の中に*溶け込んでいた*]
11人目、新妻 ノーラ がやってきました。
えぇ、いってらっしゃいアナタ。
[契りを交わし、共に暮らし始めた幼なじみの鉱夫を送り出し、
取り込む洗濯物の、おひさまの香りを胸いっぱい吸い込む。]
ふふ…幸せだなぁ、わたし。
[小さく鼻歌をうたいながら、洗濯物を畳んで。
二人で囲んだ食卓を片付けたら、姉の宿を少しだけ手伝いに。
エプソンの上からまだ膨らみはじめる前のお腹をそっと撫でるたびに、なんとなく笑みがこぼれてしまう。]
まだ、もう少し先だけどね。
[三人で囲む食卓を思い浮かべ、自分の頬に手を当てた。*]
12人目、青年 アーベル がやってきました。
お早う、ギュンター爺。
[村の入り口。朝陽を迎え入れるように、外へ向け門は聳える。
その傍に佇む老齢の団長に歩み寄り、すっかりと白くなった髪に眼を細めた。片手をジーンズのポケットに突っ込み、片足に体重を預ける]
どうしたのさ、変な顔して。まあ、いつもの事か。
見回り御苦労様、若いのに任せればいいのに。
[返ってくる答えと言えば、その“若い”自分達が頼りないからだ、などとの御小言めいた台詞。苦笑すら滲ませず、青年は平然とした風で老人と向かい合い]
人には向き不向きがあるんだよ。
[そんな軽い物言いと共に、笑った]
根詰めるとよくない。
たまには息抜きに、うちにおいで。
白のいいのを仕入れたんだ。
甘いのばかりって言ってたから、食事によく合う辛口。
[言うだけ言って、碌に相手の言い分も聞かずに踵を返す。
何処にいたのか、真っ白な毛並みの猫が、青年の足に絡みつくようにするりと身を滑らせた。彼が屈み込み手を伸ばすと、白猫は当然のように腕に飛び乗り、肩口に収まった。
薄い笑みを浮かべ、立ち上がって歩を踏み出しつつ、頤の下を擽る。
*なぁ、と小さな鳴き声が零れた*]
[帰る、というオトフリートに軽く挨拶をして。
やって来たブリジットには、特に態度を変える事無く、こちらも軽い挨拶を向ける。
連れ立って出て行く二人には特に感慨ある様子でもなく、それ故かユーディットの表情の微妙な変化にも気づかぬまま]
ああ、帰ろうか。
[ごちそうさま、と女将に笑いかけ、酒場を後にする。
自宅に戻ってからも、楽譜の確認やイメージの練り直しなどに没頭して。
結局、眠りに就いたのは深夜の事]
─昨日─
[イレーネとしばしの時間を共にした後は、明日の彼女の負担を考えて早々に娼館を後にする]
……………。
[裏口から娼館を出て、一度振り返る。
先程までイレーネと共に居た場所を見つめてから、娼館を離れた]
[その後向かった先は村はずれの丘、そこに佇む一本の木の上に登る。
工房に戻ると技師があれこれ言ってくるため、一人になりたい時は専らここへ足を運んでいた]
……今の俺じゃあ、なんにもしてやれねぇんだよな。
[虚空を見つめながらぽつりと呟く。
今自分がこの村に留まる最大の要因。
その一つを想い、小さな溜息が出た。
自分が好意を向ける数少ない人物が、明日辛い思いをするのだと考えると、僅かに苛立ちが募る。
工房に戻る気も失せ、そのまま器用にも木の上で眠り*始めた*]
[翌日、目が覚めたのは夜明け前。
まだ薄暗い中起き出して、窓越しの空を見上げる。
しばしそうやってから窓を開け、流れ込む大気の感触に目を細めた後。
メモ書き用の手帳と、飴玉の入った袋をポケットに突っ込み、テーブルの上に『散歩してくる』という走り書きを残して、窓からひらりと外に出る]
……晴れて、空が見えれば。
少しは、まとまり良くなるかな……?
[そんな事を呟きつつ、当人だけは気ままな*散歩へと*]
[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [11] [12] [13] [14] [15] [16] [17] [18] [19] [20] [21] [メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 エピローグ 終了 / 最新