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[カーバンクルがちょこりと座る様子に、ん。と頷いて。
と、エーリッヒの紡ぐ言葉に、何だそれ。と眉を寄せる]
…魂が抜かれるって、
んな、魂だけがどっか行った、っつー小説みたいな…
[眉を寄せつつ、自分の口走った言葉に僅か思い当たれば僅かに目を見開く。
昨夜そんな単語を、逸話を、…実際に聞いたではなかったか。
脳裏へと浮上する可能性に行き当たれば、思わず頭を抱えて]
……オルゴール?
[屋敷の主の容態は…それはもう最悪とも言える状態だろう。
物憂げに半ば伏せて見せた瞼の下で、女の瞳は冷たく光る]
…ァラァ、嘘だと思われますのォ?
どうしてかしらァ?
[傍近くに居た女には、少年のぼやきが届いたのだろう。
ほんの少し目を見開いて、幾度か瞬いた]
/中/
うぅ、ありがとーございます…[甘い香りに慰められつつ、めそり]
初回吊りさえ、逃れれば…なんとかなりそう…ですよね…。多分。
というか、何とかしますが!
一応、暫くは潜伏の体勢は続けてみます。うん。
事の流れ次第では、足掻けるかも、しれませんし!(ほろり!)
うん…あたしは元気だよ。
[オトフリートの言葉には小さく笑んで…]
…もう、お嬢さんでも、良いです…
[皆に言われると、嘘を付いているだけあって訂正するのも虚しくなってくるのか、軽く視線を落とす。
しかし、すぐに顔を上げ]
…庭園…
[一度行った外のことだろうか、と小さく]
[少女の思惑を知る由はなく、
女性の疑問を含んだ声は敢えてそのままに]
了解致しました。
それでは、失礼致します。
[恭しく礼をして、その場を立ち去ろうと]
[艶やかな微笑には、もうそろそろ慣れたのか。これといって真新しい反応も示さず。
ヘルガの伏せられた瞼の下で冷たく光る瞳には気づかずに聞かれた問いへと返答する。]
主が体調が悪くて、使用人達が慌てている。ここまでなるものか?とは思うが、それは百歩譲っていいとしよう。
……でもさ。ヘルガさん。馬車を頼んでも呼んでくれなかったんだろ?
面会できないとかいうならともかく、そりゃさすがにここの使用人達が普通する行動じゃないだろ。失礼だとかなんだとかで。
ってことは、そんなんじゃなくて、もっと何か違うことがあるんじゃないかなー…と、なんとなく思っただけ。
出したくない理由ができたとか
[それなら、この慌てようも納得がいくし、と。続けつつ、何があったのだろうなーとややこしくなければいいけど。と思いながらさらりと答えた]
[ちょこん、と座ったカーバンクルの様子に、ほんの一瞬笑みが掠めるものの。
青年の口にした言葉に、それは険しさに飲み込まれた]
……恐らくは、な。
と、言うか。
あんな状況を作れる物、俺は今の所、他に知らん。
とはいえ……だとしたら、何故ってのも、あるんだけどな。
[最後の部分はため息混じりの呟きで。
翠の瞳は、夜空の月へと向けられる]
[無意識に零れたのは囁き]
ィャネ…鋭い子ォ。
気付かれる前にィ…捧げちゃおうかしらァ…?
[くすくす…笑い声の波紋が拡散する]
――→ホール――
[話し相手を求めて足を運ぶは階下のホール。
そこも変わらず使用人達が慌ただしくしていたけれども]
やはり話にはならなそうだの。
[そう呟いて、近くにいた者に茶を頼んで、見れば数人の招待客がやはり所在なげに話をしているのに気づいて]
こんばんは。
皆さんはこの騒ぎについて何かご存じですかの?
[と問いかけ、手近な椅子に掛け運ばれた茶を飲みながら。
それぞれの憶測や思惑を交えた会話で、少しずつ状況を*把握していくのだろうか*]
だって、フロイラインって。
[あきらめたような少女の声に、思わずそう言うも。
言った本人は反対を向いている。
困ったように、彼女はブリジットを見た。]
…?
[オトフリートの背中から視線を戻すと、目を瞬かせた]
…ふろいらいん、って…
何か、あだ名…とか、そういうのじゃ、無いの?
[…こう言う所の知識はあまりに少ない。
育った環境故でもあるのだが…
じー、とナターリエを見つめる]
…―――そりゃ、邸内が慌しいわけだ…。
帰る挨拶、とか言ってる場合じゃねーな…こりゃ。
[はぁ、と溜息を吐く。語尾は何処か苦笑めいているものの
その表情は険しさを映し出して]
…でも、…俺は全然詳しくねーけど…
例えば、触っただけとかで魂って簡単に取られるもんなのか…?
[ぽつりと、呟いて。もし、違うのなら。そうじゃなかったら。
それは意図的な力が加わったものになりはしないのかと]
……
[純粋な目に見つめられて、彼女は少したじろいだようだ。]
ええと。
お嬢さん、っていうことだけど。
[さすがに、幼い少女に向けて、というのは言いにくかったようだ。]
[月下を歩んで、庭園へと向かう。
辺りを包む冷え冷えとした空気ですら、
普段と異なるように思えるのは、オルゴールの影響か]
おや。
レーヴェ様、シード様。好い夜ですね。
[形式的な挨拶の言葉を述べて、
ベンチに腰掛ける二人――と一匹に一礼]
[ユリアンの説明に、ゆったりと女は頷く]
アァン…なるほどォ、それもそうですわネェ。
私はてっきりィ、引き止めて下さってるのかと思ってましたわァ。
[一度に帰っては寂しいでしょうとでもいうように、肩を竦める]
出したくない理由ですのォ…イヤですわァ、まるで――
[物取りでもあったようと言い掛けて、ザムエルの声に口を噤む]
アラァ…ザムエルさん、ご機嫌いかがァ?
……私達もォ、ちょうど話していたところですわァ。
[探るような瞳を睫毛の影に隠し、*鮮やかな笑みを向けた*]
…っ!?
[実はお嬢さんという意味だった。
目に見えてショックを受けたように身を固まらせている。
…もし、本当の意味を教えていたら、少女はどんな行動に出ていただろうか]
…じゃ、じゃあ、フラウ、っていうのはっ?
[しばらくして、ようやく動けるようになると、気になっていたもう一つの呼び名について尋ねる]
帰る、って言っても、恐らく帰しちゃもらえんだろうな。
[月を見上げて綴る言葉は、どこか冗談めかしていたものの。
翠の瞳には真剣な色彩が宿っているか]
俺が知る限りでは、触れただけで、という事はないらしい。
でなければ、複数の人手を、転々とはできないはずだ。
[だから、と。言いかけた所に声をかけられ、その続きを飲み込む。
月から下ろした視線の先に、執事の姿を捉えれば]
……や、こんばんは。
[立ち上がって、挨拶を返し]
ええと…
[とてもショックを受けた様子に、これ以上言うのもどうかと彼女は思ったのかもしれない。
呼びかえていた執事さんをちょっと恨む。]
え、ええと。
もうちょっと、年が上の女性、のこと。
[とってもあいまい。]
[エーリッヒの言葉に、ふ、と息を吐いて。
続く言葉が飲み込まれれば、僅か瞬きながらも
向こうから見える人影に気付けば、僅かに視線を上げる。
月明りでは僅か判断には難しかったものの、声を投げられれば
聞き覚えのある声に、あぁ、と頷いて]
お疲れ様です、クリューガーさん。
―――…今日は、大分お忙しいみたいで。
[大丈夫ですか?と、自らは座ったまま、眉を寄せて問い。]
お話の邪魔をしてしまいましたか。
申し訳ございません。
[謝罪の言葉を口にして、再び頭を下げる。
しかし、弓なりに細めた瞳が象るはいつもの微笑。
色は緑を保ちながらも、何処か月を思わせるか]
いいえ、シード様。
お客様方をお引止めする事になり、
大変、御迷惑をおかけしております。
引き止める…か。
ま、そうかもしれないけど
[でも、居ようと思う人間ならともかく。わざわざ帰ろうとする人間を帰さないような真似はしないだろ。
と、続けそうになったのを、仮説が浮かんだに過ぎないことで、変に騒ぎ立てるわけには行かないと。口を噤む。
それに、わざわざ不安にさせる要素を与える必要もないとも思い]
寂しいだけだったら、まあ可愛げがあっていいけどもね
[と、話をあわせつつ、その後、ヘルガが言いかけた言葉に自分もそうかもなーと思っていたら、ヘルガがザムエルに声をかけ、笑みを向けているのにつられて自分も視線を移す。そして騒ぎのことについて聞かれれば]
ヘルガさんの言うとおり喋っていたんだけど、わっかんない。
寂しがっているから引き止めているのか。あるいは
[自分の仮説を簡単に語った。それをどう受け取ったのか。
人生を自分よりずっと長く生きてきたザムエルの考え込むような表情からはうかがい知れなかったけども]
…
[ナントイウコトデショウ。
呆然と口を開け、ナターリエを見つめている。
つまり、少女と初めて出会った時…から、お
嬢さんと言われ続けていたのだ…
しかも、ちゃんと他の人とは区別して]
…
[ゆら、と、階段の手すりにもたれかかると、肩を落とした]
…執事さんにはー…あたしの歳ー…言ったのにー…
あ。ええと。
大丈夫よ、きっとほめ言葉よ
[少し慌ててそういい募る。
ちゃんと年齢あたりまで言っていなくてよかった。]
若く見えるというのは良いことよ?
だからそんなにがっかりしないで?
[扱いが子供に対するように見えるのはきっと気のせいだ。]
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