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見知らぬ他人…… って。
そういう言い方をすると、詰まらなく聞こえます、ね。
[眉を寄せた。
とは言え、とうに先に進んでしまっているエーリッヒには、そんな表情など、見えなかっただろうが。
また開いてしまった距離に、足を進める。]
――へえ。
[家族、への反応は、極めて薄かった。]
[少し距離が出来たことで一呼吸。
すぐに体勢を直すユーディットに向き直る]
……追いかけられるのは趣味じゃないの。
黙ってやられるのもね。
[沈黙の後、口を開く。
それはかの少女の声ではなく]
アナタの趣味なんて知らないわぁ。
興味ないもの。
[しゅるり。
纏っていた影を解除、少女の中から赤で彩られた人物が現れる。
同時に影で刃を形成。
走りこんでくるユーディットに合わせ突如ユーディットに向けて駆け出す。
間合いを狂わせ、鎌の軌道から抜けようと。
同時に地面から頭を擡げる影の刃を繰り、右下から斜めにユーディットを斬り上げようとする]
…なんだ?
[僅かに眉根が寄る]
なんだか、何でもかんでも怪しいな、この街は。
[既に廃墟なのだからそれまでといえば、それまでだろうけれど]
[取りあえず、誰と誰がやり合っているのか、位は確かめるべきかと。
まず周囲を見回し、それから、上を見る]
……登って行けそう……だな。
Reine Luft……Anfang.
[解き放たれるのは、糸を目覚めさせる言葉。
獣化すればすぐではあるが、消耗の度合いを考えれば、こちらの方が負担は少ない]
Erstarren Sie…….
[続いて、それを硬質化させ。
鉄骨に絡め、それを手がかりとして上へと登ってゆく]
…だから、僕は他人の過去に興味ないんですって。
[けらりと小さく笑う。
表情こそ見えないものの、声色で憮然とした様子なのは理解出来た。
ふと、追い越していく少女の背中に視線を向けて。
ぴたりと足を止めた少女の数歩後ろで、自らも歩みを止める。
此方まで止める筋合いなど無かったのに、何となく。]
――ええ、
下らないですよ、実に。
[それが、どうかしましたか。と。
投げられる言葉に、冷やかに翠を細めて。]
[てぃるの様子は少女を咎める調子はなく。]
…………プロテクト…
[てぃるが再度口にしてくれたおかげで、
次は噛まずに発音出来るが意味はわからず
モニターの制御機構を操作する時にあった
防御壁のこととは気付かず]
…………
[ウィザードの件にもきょとんとしていたが、
続く言葉に勢い良く頷く。
てぃるが勝手に声を行使したことを
叱りにきた人物ではなさそうだし
危害を加える様子もみせないので、
少女はまた操作盤に向かい合うように
てぃるに背を向け……球体も一つはレンズの方向をかえ]
[走りこまれて距離感が掴めずに鎌は空を切った。]
っちょ、なんでこっち来るのさっ!
[左から振った鎌は空中でしなり、そのまま下へと慣性で鋭く戻る。
下から襲う刃はその鎌の動きで防ぎつつ、前へ走っていた体は軽い跳躍で右へと避けた]
あれぇ、キミ、誰さ?
[遅れてついてきたスカートとエプロンに裂け目が入ってしまったが、構わずそのまま跳躍の着地の足で地面を蹴り、下へとしなった鎌の柄を相手の左脇に向けて叩き込もうと手を横へ振りつつ、緊張感の無い声をあげた。]
[天高くに在った陽は時間の経過につれて地に沈み、
闇に落ちゆく空の下では淡い茶は限りなく色を失う。
ゆったりとした動きで振り向く。
ふわりと広がる、髪。]
そう――
[深い緑の眼が細められる。]
…さて、どこまでいってみるかね…。
[ブーツが礫を踏む。
じゃり、と音がした。
そのまま時折難しい顔をしながら青少年は歩いていく。
旧華街を次第に離れていく足は、自分が隣人のほうへと向かっていることを知らない]
…?
[僅かに足が止まる。
聞き覚えのある声]
……んん?
[ぴたり、と足が止まる]
――貴女に、何が判ると。
[ポケットから零れ落ちて。
風に揺れる白金が、微かな呟きを拾う。
その響きは、苛立ちを吐き捨てるように。]
モノじゃないんだから黙って立ってるわけないでしょお?
[クス、と笑みを漏らす。
下からの一撃を防がれると小さく舌打ち]
誰だって良いじゃない?
ここに居る、今アナタと戦っているという事実さえあれば。
ここはそのための場所だもの。
[問われた答えと共に真っ赤な唇の両端を吊り上げる。
問いと同時に繰り出されてくる柄には出現させたままの刃を身体の左側へと滑り込ませ、打ち合わせる。
良く撓る柄から追撃を考慮し刃をその場に留まらせ、自身はユーディットの横を背後へすり抜けるように一足飛び。
その間も置き去りにされた刃を繰り、ユーディットへ突き刺そうとその刃を伸ばす]
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