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身がホロホロと崩れて、味が広がって……いや、美味いなこれは。
[空腹も手伝ってか、普段の倍の速さで手を動かしている、と、ダーヴィッドの視線に気付き、不思議そうな顔を向けた]
人狼が真の意味で救われることはあるのかな?
俺もそれは聞いてみたいねぇ。
[ちらとエーリッヒに再度視線を向けるも、食事を邪魔するようなら、気にせずと手を振るだろう]
カーラちゃんは、人狼の絵本、聞いたことある?
あの中で、人狼がどうなるか、知ってるかな。
[テーブルの上、置きっぱなしの絵本を手に取る]
おう、生半可な態度じゃ勝てないだろうな。さすがにブリジットとその旦那さんの関係とまではいわんだろうけど
まあでも…あの団長諭破でもして自由を得るってのはどうも無理っぽいなぁ
[と、ダーヴィッドにいいつつ、人狼の有無よりもさっさか自由を…と考えていたためぼんやりと呟き]
じゃあしゃあないから、また暇つぶしに針でも…
[そんなときに広間に戻ってきたローザと目があったのは偶然ではないと思う。別に睨まれてるわけでも怒鳴られてるわけでもないけれど、しばし固まりました]
あちゃ、ごまかされた。
[残念そうな、それでいて飄々とした顔。
エーリッヒに話が掛かった時のゲルダの様相も、その眼差しは捉えて]
ふゥん。なーるほーどね。
…あ、はじめまして、ですよね。
俺、ダーヴィッド=アメディックです。
自己紹介、また忘れてたな。
[不思議そうな表情に気付き、今更のように自己紹介を]
ゆっくりと寝ることにでもしますです。隊長
[なんとなくローザに敬礼しました
…まあその場限りのかもしれないのは当たり前であるが、実際胃の調子が変なのは変わらないので、広間にいる面々に挨拶をしてそのまま自室へと*引っ込んだ*]
しん、の、いみ?
[違う意味もあるのだろうか、と首を傾げる。
それから絵本のことを訊ねられると、首を横に振った]
ない。
でも、じーちゃ、に、おはなし、きいたこと、ある。
じんろー、が、どんな、すがたか、は、きいた。
[聞いたと言っても軽いさわりの部分だけで、今回のような実在すると言う話では無かったが]
いっそ一方通行の重さで勝利宣言…は、痛すぎるな。
んぁ?
ゼルギウス、そんなん考えったの?
数日何事も無いのを待った方が楽じゃないか?
[ローザの姿に固まったのを見て含み笑い]
御丁寧に、ありがとうございます。
わたしは、エーリッヒ=クライバーと申します。
今お話されていたゲルダさんとは昔馴染みでして、ほんと世間は狭いと言いますか、巡り合わせの妙と言いますか……、面白いですね。
ダーヴィッドさんは行商ということは、広い範囲をまわってらっしゃるのですよね?
もし宜しかったら、お話聞かせてくださいね。
何かの購入と引き換えでなかったらですが。
ま、そんな深い考えは無いよ?
[やはり、カルメンの頭を撫でながら軽い口調]
そっか。それなら、必要無いかね。
聞きたいなら、この絵本借りて、カーラちゃんに読み聞かせも考えるけど。
[深い意味は無いと言われれば、素直にそれを聞き入れて]
でも、じんろー、の、すがたを、きいた、だけで、ほかは、しらない。
えほん、の、じんろー、どうなる、の?
[興味が向いたか、聞きたいとダーヴィッドにせがむように言う。
撫でられながらせがむその様子は、幼い子供のように見えるかも知れない]
巡りあわせの妙ってのは、確かにありますね。
私も旅していると、本当にそう思いますよ。
[紡ぐ口調は徐々に営業用のものに変わり行く。
旅多きゆえに、経験から深く頷いて。
ふと、思い出したのは]
…話し、ですか?
そう言えばゲルダちゃんにも強請られましたね。
二人でお聞きになるのなら、対価はゲルダちゃんの方からいただきましょうか。
――…その日の食事当番とか?
それなら、後で読んだげるよ。
今日この後でも。
もう遅いし、明日でも良いけど?
[小さな笑みを浮かべ、カルメンに問う。
どちらにしても、暫く後、眠る時は自室に戻るの*だが*]
んー……じゃあ、あしたー。
カーラ、おねむ。
おへや、いく。
[疲れもあってか絵本を読んでもらうのは明日にして。
今日は寝ることを選択する。
クロエの洗い物が終わっているならクロエと、そうじゃないならダーヴィッドに頼み部屋へと連れて行ってもらうことに*なるだろう*]
[しばし歓談を楽しみつつ食事を終えた]
御馳走様でした。
皆と主の御心に感謝を……。
[片付けを終え、しばらく後に広間を後にする。
次第に人影はまばらになり、やがて誰もいなくなる]
―自室―
[汲み置きの水で体を拭き、着替えて寝床へ潜り込む]
(ここに来てからそう時間は経っていないのに、随分と長く感じる。 一人でなく、皆と居るからだろうか。 それにしてもこんな所で思わぬ再会があるとは、それも人狼の容疑者として? なんだろうな、見えざる手の導きが働いているような気もする)
[窓に視線をながすとその向こうには大きな月]
(綺麗だがなにか哀しさを感じるな……、しかし満月か……)
[瞼を閉じると、その光も消える。 そして意識は闇の中へ]
……
…………
…… ………………。
ん?
[どれほど時が経ったのだろう、何か物音がしたような気がしてふと眼が覚めた。 窓の外の月は厚い雲に覆い隠され、薄明かりだけが僅かに地上に届いていた]
(……喉がカラカラだ。 水差し……も空か)
―自室→広間―
[暗い廊下を辿る]
(確か、濾過水の桶があったよな……)
[眼が闇にまだ慣れず足もとがおぼつかない]
? これは? なんだ?? 鉄のニオイ
鉄!?
[広間を通り台所へ向かおうとしたが、そのニオイに足が止まった]
(ギュンター殿のようだが、しかし……。 だが間違いない、これは血のニオイだ……)
[雲間から月が顔を覗かせる。 月明かりに照らし出されるは半身が血濡れた姿]
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