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[じーっと見つめられて僅かにたじろぐが、にっこりと笑顔を向けられると]
……そっか。んじゃ、俺も一緒に待ってっか。
[そう言って、エルザの横に*座り込んだ*。]
[誰かの声が聞こえた]
…違う。
[小さく呟いたその後。
顔を上げ、声の主を知る]
あ。
[いつものようにはできなかった。
戸惑い、間が空く。
『月』は今は隠れているけれど]
違うの?
なんか、絵師様だってみんな言ってるけど。
[きょとんと首を傾げる]
ご兄弟で絵師様になるなんてすばらしいって。
みんな褒めてるよ。
ミハエルは、音楽もすごいし、絵もお描きになるんだって。
ん?
[広場付近まで来て、人の流れ。塊が図書館から出ていることを知り]
どうしたんだ?あん?オトフリート先生が絵を?…そうか。
[など聞いて把握していた直後に、新しい絵師が。という声に見れば人ごみの向こうにミハエルの姿]
二人で一緒に絵師様でも良いと思うんだけどな。
[にへらと笑って]
そういえば、ここに来るまでべたべた触られたりしなかった?
なんかおばーちゃんとかおじーちゃんとか、ありがたやありがたやって感じだったけどさ。
[もちろんそれだけではないが。]
で、どっか行くの?
[書庫から出て来ると、手にしているのは、大きな白い布。綿毛草の糸で丈夫に織られたそれは、普段、古い書棚の埃よけの覆いとして使っているものだった]
ああ、どいてくれないか。
[絵の周りにたむろしている客達を下がらせて、その布をキャンバスに掛けてから自分の上着を取る]
…それなら良かったかも知れませんね。
それが、できることなら。
[微かに笑みを]
触?…いえ。
むしろ…
[続く言葉の代わりに、辺りを示した。
それが幸運なのか不運なのかは分からないが]
ええ。
図書館に。
ミハエルはおとなしいよねー
ユリアンはさわがしいけど。
[お前に言われたくないというようなことを言った。]
……んー、
まあこんなときだからね。
すぐ終わるよきっと。
あ、でもそうすると触られる?
[と、周りを見て、
青い髪をその先に見つけて手を振る。]
って、図書館行くのかぁ。
わたしも行こうと思ってたんだ。
オトせんせーにも一度本出してもらわないと。
[絵が完全に布に覆われてしまったことで、覗き見るのは無理と判ると、一人、二人と図書館を出て行く者が多くなる、その出入りの狭間から、外に居るミハエルとリディの姿が見えた]
持っていくまでも無かったか。
[呟いて、戸口へと向かう]
そっか。ミリィ先生も起きないか
[そういえばなんでミリィ先生は。など思う。原因不明な分だけそちらが怖く思いつつも視線はミハエルに。頼む…か]
ん…遠くないな。ちょっとどいてくれや
[小声で呟き。ちょうどリディが手を振るのが見えたので人をかきわけて進み]
よう、ミハエルにリディ。
[いつもどおり気軽に声をかけれたはず]
元気なのは、いいことですよ。
[そんなことを言いながら、少しだけ緑が陰る]
…そう、ですね。
早く見つけて、終わらせないと。
…触る?
[それがどうにも分からずに、首を傾げ。
手の振られるほうを見て。
幼馴染みの姿にやや複雑な顔になる]
かぜ?
だいじょうぶ?
[ユリアンがくしゃみをするのに、
横から首を傾けて見た。]
おなかいたいとか 足いたいとか かぜとか
体こわしてるひと、多いの。
[少なくともミハエルはお腹痛いに対して
肯定していないのだが。
戸口の方へと中から音が聞こえれば、
座ったままそちらへと目を向けた。]
絵師殿がおいでになったようなので、場を譲ってもらえるか?
[まだ残っていた、ほぼ常連ばかりの客達にそう行って扉を開けると、仕方がないなと言った様子で、人々は図書館を後にする。人気のなくなった図書館の戸口に立って、男は外に居る幼なじみの弟を呼んだ]
ミハエル。入って来い。
[絵師殿、とは呼ばなかった]
やっほう、アーベル
あ、まだ貰いにいってないや。かいがら。
あとで貰いにいくね!
[そんなこと言って、にやりと笑う。
それからミハエルを見て、むーと唸ると、]
ならミハエルも元気じゃないとー。
そ、さわるさわる。
だってご利益ありそうじゃん? 絵師様って。
[酷い曲解だった。]
まあお勉強だよねー
海のお勉強だけど。
怪我したけどね、海に行きたいって思ったけど……
[扉が開いてオトフリートの姿が見えたので
ぱっと笑顔を見せたけれど、
絵師の弟―今は絵師、なのだけれど―を呼んだので
立ち上がるのは、やめておいた。
ミハエルの姿が見えて手を振り、
その脇にまた二人知った顔を見つけて
そちらにも手を振る。]
ごきげんよぅ〜。
[声は明るい。]
って、あ、ミハエル呼ばれてるよー
オトせんせーに。
[ぱちと瞬いて、顔をいつもの笑顔にすると、
少女は教師に向けて手を振った。]
やっぱ、あとでいこーっと。
その前に、アーベルのところで、巻貝貰おっかなー。
ちょうだいっていったら、おじさんたちくれる?
[アーベルに尋ね、*首を傾げた*]
んあ? ……いや、多分大丈夫。
[鼻を擦りつつ、そう返答。
そこで戸口から出てくる人たちに気づくと]
あー、そろそろかね。
[そう言って腰を上げる。]
[元気、という言葉には困ったように笑うだけで]
そんなものありませんよ。
[ご利益云々には至極真面目に答えた]
…はい?
[声が聞こえ、顔を上げる。
少し怪訝な顔をしながらも、図書館に向かおうとし]
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