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逃げたら演習にならんだろうがっ!
[そも、この演習自体が無茶振りです。
というのは、突っ込まれても聞かない]
と、いうか。雷雲召喚が、なんで、こうなるんだ……?
[呼び出された兎の前歯に、思わずぽつり、呟く。
呆れていたのが悪かったのか、回避行動は遅れがちに。
回避のための呪を紡ぐ余裕もなく、とっさに横に飛んで避けるものの、鋭いそれは僅かに右の腕を掠めた]
……当たれば、それなり、と。
[ダメージ受けても、冷静に分析するのは研究者根性のなせる業か]
界と我を結びし我が盟友、我が意にそいて、翔べ!
異界龍・戦!
[ともあれ、今はそれはちょっと横に置いて。
傍らに浮かぶ水晶龍を直接突っ込ませる]
―砂漠エリア・岩場―
[吠えられた言葉に耳をぴくぴくと動かして]
じゃあ、その主人ごとずるいんだ。
[とっても無茶苦茶なことを言っている。
伸びる砂の触手はフーゴーの後ろ足を掴み、一瞬右前足でガッツポーズ。けれどもすぐにそれは粉砕されて]
そんなー!
[ちょっとショックだったり、でも落ち込んでる暇はない。
こちらに咆える声、大気が振るえ砂埃が舞い上がる。自分の足場も震えて崩れおちていく]
甘くはないとは、思ってたけど…、これはっ!さすがにっ!
[ぴょんぴょんと、崩れる岩を足場に下り、
足を滑らせて地面に落下していく]
みーーーーっ!
[反転して流砂の上に落ちた、先ほどの崩れた岩の一部に着地。
そのまま岩の破片が沈む前に、フーゴーのいる足場の方にかけて跳躍。]
完全に動きとめる以外に手はなさそうだね。
[足場を駆け上りながら、フーゴーの方へ向かう。
途中、背中の小さなかばんから種を取り出し、数個岩の中に埋め込む。
フーゴーからは死角になっているので種には気づかないはずだ。
もっとも魔力感知をされればすぐにばれるものでもあるけど。]
フーゴー、悪いけどさっさと決めに行かせてもらうよっ!
[足場を駆け上がり、そこにいたフーゴーの方を見ながら]
「むぎ おりなす じゅそ ことば すなよ まえ しかい うばえ」
[猫目石が光り、右前足をフーゴーの目に向けた。
黒いもやのようなものが、フーゴーの目を包もうと現れ]
目にゴミが入る呪いだよっ!
―森エリア―
[動くのに支障が出そうな分はどうにか受け流し切った。
嵐はまだ吹き荒れている。力のぶつかりあいで乱れたそれが逆に目隠しともなる]
よし、行ける。
[小さく呟く。上から迫った黒曜龍も囮の一つとして。宙を駆け下り、再び駆け上がるようにしてリディの背後へ回った。剣を振り上げ…柄の部分で首筋を打とうと振り下ろした]
ぉおー。成功した。痛そうだ。っと今の内今の内
[前歯がゼルギウスの肩を掠めたことで、集中が欠けたのか単に分析してたからかは知らないが。足を引き。近くの石でげしげしっとして影の拘束を強引に抜ける]
よっしゃー、これで逃げー…れない〜?いくら演習だからって…
[ぴったりと次元の歪みも見つかりません。水晶龍が突入してくるの二重構造]
『少しは真面目にやらないといつまでもこのままじゃない?』
それはやだ。じゃぁ……まあゼルギウス導師にはある程度しられちゃってるし…いっか。
[門は未だ開きっぱなし。そこから何が飛び出てくるか。いつもいうことは聞かせれないが]
<ντεκα>
[己の世界にあり、この世界にはありえない音程を紡げば、門からの力が流動し、今までの出鱈目さが嘘のように完成されたマグマの渦が水晶龍を迎撃に向かう]
[痺れが取れぬままの行動。
動きに制限がかかるのが道理で、雪崩落ちて来る黒曜龍に対応出来るはずも無く]
きゃんっ!
[暴風に煽られたか、リディに届いたのは黒曜龍の尾。
頭をぺしんと叩かれた。
瞬間、暴風が揺らぐ。
ただでさえ維持の難しい上位精霊。
集中が切れたことで、パンッと言う音と共に暴風の威力が格段に落ちた。
渦巻いているのは普段連れ歩く風精のみとなっている。
ついでにリディは叩かれたことで軽く目を回していた]
[そんな状態で背後に迫るイヴァンに気付ける筈が無い。
風精が気付いて騒いでいたが、リディの耳には入らなかった]
はきゅ!
[難なく首筋を打たれ、奇妙な悲鳴を上げる。
意識を失ったリディは真っ逆さまに地面へと落ちて行った]
……ほう。
[紡がれぬ、知らぬ言語による呪。
それに対して目を細めたのは、僅かな時間]
界と我を結びし我が盟友、我が意にそいて、散れ!
異界龍・散!
[マグマの渦を、打ち消すよりは避けさせるべき、と判断し、水晶龍を分裂させて素早く避けさせて。
自身は先に受けた傷から溢れた真紅を一滴、『魔本』へと吸わせ]
……界と界を結びし『書』よ。
……我が生命の滴、贄と見なし、『門』を開け。
……氷雪の先、霧の狭間に在りし牙。
……氷の獣、束ねし王の咆哮を、ここに!
[紡いだのは、獣王召喚の呪。もっとも、本体の召喚ではなく、その力──氷雪の嵐を呼び起こす力のみを引き出しているのだが。
平原に響く、咆哮。
それが呼び起こした嵐はマグマの渦を飲み込み、それを生み出したユリアンへ向けて広がってゆく]
―砂漠エリア―
[主人ごとずるいは、聞き流した。獣僕には答えに窮する所だったので。
咆哮で岩場を崩したが、流石にそのまま流砂に飲み込まれてくれるほど相手も甘くなく。舌打ちがわりに鼻を鳴らした。
魔力探知はしなかった為、ロミが何をしたかは不明。種の匂いもごく薄く、現時点ではかぎとれない。
こちらに向かってくるロミは危険だが、ぎりぎりまで引き付ける為にその場に留まる。いつでも飛べるよう、羽根を広げ低く呪を唱える事はしなかったが。]
[ロミが放った呪いは、回避するまえに視界を覆った。
つむいだ攻撃の呪文を慌てて変換させた。]
!!がっ!!
『 ワザワイヲ ハネノケヨ 』
[放つは反射。不完全なそれは、正しく向こうに返るかどうか。
―森エリア―
[気絶を狙うからには当然、支えるつもりもあったのだが]
ぐ。
[使い方への抗議か、剣が暴れかけた。片手で抑えきれないほど]
イリス、頼むっ!
[呪を紡ぐ余裕もなく黒曜龍を呼んだ。
その前から見えていたのもあったのだろう。黒曜龍は宙を滑り降りてリディの身体を受け止めようとした]
うぉっ。あんなこともできるのか。カリンもできる?
『さぁ?今度試してみましょ』
[分身した龍に感心してる間に、どでかい魔力を感じ、氷雪の嵐が巻き起こり、マグマの渦は抗うようにぶつかったが、飲み込まれる]
ま、あのぐらいのじゃこんなもんだよな。っと
門の奥に隠されし秘宝をもちて我が身を守り。その勲を誇り給え
[一度見せたからいいかな。と思いつつ、今度はがんばって詠唱してみれば、ぽんと、自分の手にでてきた。それは――]
…………こんな氷嵐を傘一本で防げるかぁぁぁぁぁ
[仕方なく?でもないのかなんなのか。傘を振り上げて、思わずカリンだけ上空に弾き飛ばして、自分はしっかりと氷雪の嵐に直撃した]
─森林エリア─
[コントロールしていたシルフは未だ先程より弱い渦を作り成していて。
リディを支えに行くまでに至らない。
成す術なく落下していたが、黒曜龍のお陰で難を逃れた。
黒曜龍の背中で、リディはぽてきゅうと意識を失ったまま。
そして左手にはマーカーが張り付いたままだった]
[呪いはかけるのに成功したかに見えた。
いずれにせよ、効果が出るまで待っては、また飛んで逃げられてしまう]
とっておきいくよっ!
[呪の言葉を紡ぎ、意識を集中させ猫目石が強く光りを放つ]
「そのみ するどき むち そのみ こうそく なわ こえ おうじよ したがい あらわれ」
[声に応じるように、岩に埋め込んだ種が淡い光りを放ち魔力を発する。
それはいくつものイバラの蔓となり、岩を砕きながら伸びていき]
「こたえよ したがえ そのみ わがみ」
[イバラの蔓は意思を持つかのように、フーゴーに向かっていた]
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