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[真っ先に答えたのは、知らぬ気配。くすと笑いながらこくと頷き。]
ほぅ……なるほど、ね。
と、貴方も茶会のご招待客かな?
はじめまして。
私はカミーラ。こちらの茶会の手伝いに来た者だ。
[胸元に右手を沿え軽く会釈を。]
−館・廊下−
[とん、と軽い音は靴の音。
懐かしい館を軽く見回すものの、聞いていた数よりも明らかに多い気配の数に眉が酷くよる]
……何の騒ぎだ…?
[誰かに会う前から気疲れが堪えないような気がして、とりあえずは気配の多くなるほうに足は向かう]
まいご。なのだろうか。
[なんとなく、そんな気がしてきました。]
セレスティンには、待っている人がいるのだね。
それでは、行かなくてはならないよ。
さみしい思いをさせてしまうに違いないから。
[神妙な顔で答えましたけれど、一緒にと言われますと、少し考えこみました。
でも、どこへ行けばいいか解らないのですから、迷う理由だってありはしないのでした。こくこく、二回頷きを返します。]
時空の、王殿…。
[さらりと告げられていく言葉に、つい声が零れた。
それから、時の竜の声の調子にそこはかとどころでなく増す不安]
…………彼の時の…ようですの。
[言の葉に力が宿ると言うたは一族の誰であったか。
言わずとも起こったであろうけれど、後ほど後悔したは当然の事]
[呼びかけの声は、料理が仕上がった辺りに届いたか。
振り返り、瞬き一つ。
見た目は覚えのない姿ではあるが、口調は明らかにこちらを知っていて]
……お褒めに預かり光栄です、とお返しするべきかな?
[冗談めかした口調で返し、奥方の言葉にはそうか、と呟いて]
……気配も増えたようだし、多少、皿の追加は必要か。
[続く言葉は、どこまでも日常的なもの]
まあ、いずれにせよ、これだけ力を持った者が多く集まっていれば、滅多な真似はできまいよ。
当代の精霊王が打ち揃って…ん?また一人増えたようだな。
[近付く陽光の気配に顔を扉に向けた]
14人目、風来坊 ハインリヒ がやってきました。
[人間界。近代に近い様相のその時代。ヨレたTシャツにデニムのジャケット、擦り切れたジーンズを身に纏った、うだつの上がらなそうな男がぶらぶらと道を歩く]
だぁー、ったく。
どうしてこうも面倒な仕事ばかり入ってくるかね。
もうくったくただ。
[かなりお疲れの様子で歩みを進め、何かの事務所のような看板が掲げられた家の扉を開ける。だらだらと歩いて広間へと入り、どさりとソファーに腰を下ろした]
たでーまー。
おいディーデ、珈琲ブラックで。
今度はもうちょっと簡単な仕事をだなぁ…。
[共に仕事をしている者の名を呼び、珈琲を注文。ついでに仕事についての文句を良いかけたところで、広間に居る者達に気付いた。ソファーの背に全体重をかけた状態から軽く上半身を起こして]
んあ、客か?
本日の営業は終了ー、また明日お越し下さいませ。
[慇懃に言ってまた背凭れに体重をかけたところで、違和感]
(俺んとこのソファーってこんなに良いもんだったっけ?)
[しばし熟考。ややあってがばっと再び上半身を起こし、慌てた様子で辺りをキョロキョロ見回す]
………ってどこだよここ!!
[ようやく自分の事務所ではないことに気がついた。見慣れぬ調度品、周囲には見知らぬ顔ばかり。否、一部見た顔も居ることは居ただろうか]
[どうやら事務所の扉が『白き貴婦人』の館へと繋がってしまったらしい。おそらく今頃はその時空の扉も閉まっていることだろうが]
違うのかな?
時空竜なら、わかるかな?
[首を傾げつつ、もらすのは呑気な一言]
寂しくはないかもしれないけど、すごく、心配させちゃうね。
心配させるのは、ダメ。すごく。
[妙に力を込めて言い。
肯定の返事を得たなら、先に立って、とことこと広間の方へ。
案内役の白梟は、やはりどこか思案顔のまま]
あぁ、私もすぐそちらへ向かうよ。
[台所へ向かうラッセルと見知らぬ男に軽く手を振り。]
……そういえば、って……気付いてなかったのか?
[雷撃王の言葉には思わず肩を竦め。]
相変わらずと言えば相変わらずだが……幾らなんでも普段と違う事くらいわかるだろうになぁ。
や、我ら精霊同士では人の形なぞあまり意味がないかも知れぬが……。
[その時、また増えた気配に瞬き。]
[口にすれば、気にかかるは愛し仔で。
こちらへ向かったとの言葉から、この場に至るは知らぬ者ばかり。
半ば腰を浮かせ、呟く声は会話の邪魔をせぬ程に小さく]
わたくし…セレスの様子を見て参りまする。
[するり、と扉へ向かおうとして。
また新たに現れた姿に目礼だけして通り過ぎ…かけて、振り向く]
…ハイン殿?
[苦手意識が根強く残る故に、気配は忘れてはおらず。
何がなんだかといった表情が浮かぶのを止められぬ]
[聖なる麒麟の呟きを耳に止め、一つ息を吐く]
ま、あんまり深刻にならん方がいいだろ。
雷撃の王も、ああ言ってるのだし。
[軽い口調で言うのと、覚えのある声が絶叫するのは、どちらが先か]
……はあ?
ハインリヒ殿……ですか?
駄目。すごく。
[妙に力がこもっていたものですから、ついつい真似をしてしまいました。思わず、拳もぎゅっと握ってしまいます。
解るのか、解らないのか、それも解りませんでしたけれど、ひとまずはセレスティンの後について、とてとて、進んでいきます。
やがて、ざわざわ、ざわざわ、たくさんの声が聞こえてきました。]
Kirschbaumみたいだ。
……?
[ふと。
廊下を歩いていると前方のほうに小さくて黄色いふわふわしたものと白くてふわふわしたものが見えて、足を止める。
首をひねる。
それからその取り合えずふわふわした集団から遠巻きに後ろを再び歩き出した。
昔の翠樹の姿を思い出したが、どうやら違う存在であるらしい]
苦手?
ああ……時空竜の連れの彼女か。
[思案顔の男の様子に、こちらも軽く眉を寄せ。
何気ない口調で続けられた言葉に、貴紫は微か、険しさを帯びる]
……心の魔……?
あれが動いている、って?
[また、面倒なのが、と。
口をつくのは、ため息混じりの一言]
え? あ──。
[己の名を呼ぶ2つの声。それには聞き覚えがあり、姿も見覚えがあり]
ナタ・リェにオト──おとーさんじゃん。
[オトフリートの名を言い直したのはどんな意図からだったか]
……もしかして俺また精霊界来たとか言う?
[以前この二人と出会った時のことを思い出しつつ訊ねてみた]
[カミーラの言葉には小さく笑って]
いや、気付いてなかったわけではないが、我が伴侶殿は少々気まぐれなのでな、姿形が変わったくらいで驚いてはおられぬのさ。
[言ったところで、今度は人間の闖入者]
おやおや、本当に千客万来だな。
うん、ダメなの。
[同意を得たためか、繰り返す言葉には妙に力が入っていたっぽい。
それから、とてとて、と広間へと進み]
…………。
[ぴた。
何かを感じたよに、足を止めて振り返った]
……光の力。
黒いにゃあさん、連れてたひとみたい……?
ううん、もっと、強い……の?
[どんな覚え方だ]
又聞きの情報ですがね。
この辺り一帯も、些か妙な気配がある上、
何より力が集い過ぎている。
どうされます――影輝王殿。
[口元を隠すように手を当て、問いを重ねた]
……だから、誰がおとーさんですかと。
[わざわざ言い直された一言に、思わずジト目になった]
いや、精霊界じゃない……ね。
それよりも、人間界に近い……恐らくは、妖精界だ。
[きょろりと見回せば、どこか自分とは違う雰囲気を纏った者達が数名]
……なんだか俺が矮小に思えてくるのは気のせいか?
ヒトが居ない気がするのデスガ。
[漠然とした感覚ではあるが、感じ取っては居るらしい。何故か語尾が片言]
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