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―>>107>>108>>110同刻・広間―
え……?何、言ってるの!それどころじゃないわ!!
[取り乱す演技をしている自分が少し馬鹿らしくなってきた。
随分合理的で非情なことを言うこの子供はなんだろう]
まるで獣に食われたみたいな……人狼に、襲われたみたいに……!!
[人狼と聞けば少しくらい驚いてくれるだろうかという期待に反してトビーは落ち着いていた。>>110
流石に自分の演技に自信がなくなってきた。
もしかすると、そんなに怖いことではないのかもしれない。
死体を見た瞬間、確かに自分は恐怖を感じていた。だがそれがどんな感情だったか思い出せない。
自分はもう『恐怖』というものがわからないから間違えたか……]
[他の人でも試してみよう。使用人達にも伝えたほうが良いだろうし。
そう考えて、トビーを残し広間を飛び出した]
―アーヴァインの部屋―
[死体に素手で触れることはなるべくしない。血には病が隠れている時があり、手袋を置いてきた今、余計な危険を招くことはしたくなかった。
それでもなるべく近づいて、その惨状を目に焼き付ける。
肉片と死体と、足しても一人に足りない。千切り取られた部位は、内臓の柔らかな部分だろうか。
暫く後ユージーンから声をかけられ、邪魔にならないよう、アーヴァインの前からは離れた。]
悪い、任せる。
[顔色変えず肉片を拾う彼に後を任せて部屋からは出た。嫌に冷静な様は少し気にかかったが。
外にいたギルバートの声が耳に届くと頷いた。]
まず間違いないだろうな。
野良犬やただの獣にやられた、よりはよっぽど可能性が高い。
[ただの獣の仕業なら、わざわざ屋敷にまで入り込むはずがない。
逆に人狼に見せかけた人の仕業という可能性はあったが。ここまで遺体を切り刻める人間がいたら、それは人狼以上にたちが悪いものだと思う。]
…とにかく、ラッセルをここから離そうか。
[動けないでいるギルバートに、そう指針を出すのと、彼らが動き出すのは同じか先か。]
[最中で、ラッセルがギルバートをひつじと称するのを聞いた。]
……ひつじ。ギル、も?
[比喩のようにも思う。だがその前に呟いた言葉が気にかかった。]
狼じゃない……。
[ぽつり呟き反芻するも。
その場にいた者に意味を問われても、緩く首を振り返すだろう。
思い当たる事はある。だが、それが真か虚言なのか、未はまだ確信もてずに。
その場に居たものを促し、そこを去ろうと。**]
―玄関前―
[愕然とした。つり橋が燃えている。
トビーによると使用人達が逃げたという。
ならば火をつけたのも彼らか。]
そ、そんな……。
[演技ではない落胆の声。
もし逃げた使用人達の中に人狼がいたら、とり逃したことになるではないか!!]
[つり橋はほんの短い時間で燃え尽きていった]
こいつ…。
[ラッセルを見る内なる目が険しくなる。
ひつじとおおかみ。童話などに出てくる組み合わせ。
兄はひつじで狼じゃない。
ギルもひつじ、すなわち狼ではない。
答えを知るのは、当人と自分たち狼らを除けば一人しか居ない。]
……占い師か。忌々しい。
[こんな所に紛れていたのかと。低く低く呟いた。]
─アーヴァインの部屋前─
[何度か苦しげに呼吸を繰り返す。
ギルバートの服を掴んで居た手に触れられると、一度だけピクリと反応したが、抗うことは無かった。
手は小刻みに震えている]
………。
[下へ、と促されると素直に頷き。
ギルバートに支えられ立ち上がる。
服を握る手はそのままに、反対の手は胃の辺りを抑えるようにして、階下へと向かって行った]
─ →広間─
[連れられて来たのはひとまずは休めそうな広間。
ソファーへと誘導され、座るとラッセルは膝を抱えて縮こまる。
現場から離れたお陰か、酷い吐き気はどうにか治まっていた]
……おおかみ、いる……。
…ひつじ、たべる…。
たべられちゃう……。
[膝を抱えたまま、ラッセルはぶつぶつと呟いた。
水を貰おうと使用人を探しても見当たらないことに、ギルバートが疑問に思い始めた頃のことだったろう]
[ピュエリアの声が届くと、気配は穏やかになり。]
あまり無理をしてはいけないけど、じっとしたままも危険だから気をつけるんだよ。
できれば踊り子の君か、俺たちの傍まで来れるといいんだが。
[また浚われないように。人狼騒ぎに乗じてうっかり人間に殺されないように。
そう小さな仲間を促した。**]
―玄関前→廊下―
[とりあえず中へ戻ろう。
雨脚が弱まっているとはいえ、父の本――人狼に対する武器となるだろう本が濡れてしまう。
マンジローとトビーにも声をかけ館の中へ入る]
[マンジローとトビーがそばにいれば声に出さぬよう、どうしようかと考える。居なければ一人ごちていたかもしれない。
自分の能力はまだ失われていないだろう…以前の自分と思考が違うままなのだから。
ならもしかすると、まだ人狼はそばにいるのかもしれない]
―廊下→広間―
[ソファーの上で縮こまるラッセルを見て、やはり人狼は一般的に怖いものでよかったかと一人納得する。
怯えている人間には…励ましか?慰めか?そっとしておくのがいいのか?
知識からいくつか方法を引き出してみたが、感情が伴わずどれが最善か分からない。
恐怖や怯えとはどんなものだったか……記憶を手繰ってみても答えはみつかりそうにない]
えーっとー……。
[ああ、そうだ、彼は人といるのが苦手なのだった。なら放っておこうか。
セシリアはラッセルを横目に見ながら、少し馴染んできた席に*座った*]
―回想・館内―
[広間をハーヴェイと共に出ると会っていなかったときの事を話したり。
ほとんどはハーヴェイから話を聞き、小さい声でかすかに漏らすだけの返答。それでもハーヴェイはちっとも嫌がらず会話を続けてくれた。
自分の事よりはハーヴェイの出来事の話の方が多かった。]
……!!(びくっ
[聞こえてきた悲鳴には身を震わせて驚き、すぐに隣にいたハーヴェイにぎゅっとしがみつく。
震えが止まらない、怖い、怖い、怖い…。その悲鳴の正体はしってはいけないものの気がして。]
―回想・館内―
……ハー…ヴ……
[ただでさえ小さい声は震える唇から漏れ出るせいか、さらに小さくか細い。
広間に行くように促されるとぎゅっとしがみついたまま首を横に振る]
……(ふるふる
[ハーヴェイにそっちに行ってほしくなかったから、一人で行かせたくなかった。
けれどもハーヴェイに信じろといわれて笑顔を返されればおとなしく頷いて広間に戻ることにした。]
―回想・館内―
[足取りは重い、途中広間からでたセシリアと出会うと]
……!(びくっ
[向けたのは明らかな警戒の色、今は誰もかれもが怖い、幼い記憶に刻まれたことが脳裏をよぎるから。
アーヴァインの話を聞き、セシリアが他の人にも伝えてくるとあわてて立ち去っていく。
早く広間にいないと、ハーヴェイにそう言われたから、そこが今一番安全な場所のはずだから。
そう思いふらふらと広間の方へ向かう。]
―広間―
[一人で広間に戻る。戸を開けるとそこに人はいただろうか?
椅子に座りハーヴェイの戻りを待っている。外ではつり橋が落ちていたかもしれないがそんなことには気づかない。]
……っ!
[体の震えが止まらなかった、ぎゅっと自分の身を抱くようにして俯き震えている。
ハーヴェイが広間で待っていろといったからここが一番安全なんだ、すぐにハーヴェイが迎えにきてくれるはずだから。
そう自分に言い聞かせ震えている]
……(ふるふる
[震えはまだ収まりそうにない]
―主人の部屋―
[他の者が部屋から出た後も、墓守は黙々と作業を続けた。
暫くは廊下で話す声もしていたが、じきにそれも遠くなる]
流石に良い気持ちはしませんね。
[粗方の肉片を一所に集めたところで、立ち上がり背を伸ばす。
病の知識等墓守には無い為、掌も袖も膝も赤黒く汚れていた。
換気をしようと窓の傍に立つ]
―広間―
…っ(びくっ
[広間で震えていると戸が開く音、驚いてすぐにそちらに視線をやるとラッセルとギルバートの姿。
ラッセルはおびえていたかもしれない、それにギルバートはそれにつきそっていたかもしれない?
何をしていたにせよ自分はかかわらないように離れている。
特にラッセルの様子は怖かった、冷静じゃなくなった人は何をしだすかわからない、それを幼いときに惨劇とともに教えられている。]
……
[しばらくしてセシリアも広間に戻ってくる、そちらにも警戒したように視線をやり椅子に座る様子を見てから、
ハーヴェイが広間に来るのを待っている。ハーヴェイの戻りが*待ち遠しい…。*]
[問いに対する返答はいつもの風だったか、代わりにに広間に戻るように伝えられる。]
でも、アグレアス一人じゃ。
何かあったら…心配…。
[ぎゅっとしがみつき首を振りかけるコエ。
アグレアスからは返されるのは優しいコエと声。信じろと笑顔を返されればおとなしく頷く]
わかった、アグレアス。
何かあったらすぐに呼んでね、広間で…待ってるから…。
[広間でまっているとアグレアスのコエが聞こえた。
それは自分にかける優しいコエではないもの。
占い師、忌々しいと]
アグレアス……占い師…いるの……?誰…?
[それは人の中でも特に気をつけなきゃいけない怖い相手。
隠れていても自分たちを見つけ出す怖い人]
私達、殺されちゃう?皆私たちを殺そうとする…?
[問いかけるコエは不安に*震えていた。*]
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