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自衛団は恐らく問題ない。大人しくしておけば。
それより…
[同業者2人への揶揄も込めて、端末に声が返る]
隠れ蓑にするには上等過ぎたようだね。
早めに排除したほうがよさそうだ。
[少女が面倒だと零す相手は、直接見ずとも容易に知れる。
躊躇いなどは欠片も感じさせない声で、今日の『目標』を示唆した]
さて。
無理につつくことはないと思うが。
[露店の少女の鈴については、運んでいない彼にそれ以上答える言葉はない。
仕事に関係のないことに口を挟まないのはいつものことだ]
─詰所─
[手巻きタバコをふかしたまま詰所の扉を開く]
[ノックもない来訪だったが、軋む扉の音に中に居た団員全員がこちらを見た]
よぉ、一人捕まったって聞いたんだが。
その辺の話聞かせてもらえっかね。
[いつもの調子で声をかける]
[団員がピリピリしているのを承知の上での言葉]
[返ってきたのは、あんたもか、と言う溜息混じりのもの]
ほぅ、俺以外にも聞きに来た奴が居るのか。
……レナーテ?
ああ、あの筋肉馬鹿な。
[その言葉に眉根を寄せる団員も居たが、知り合いならそっちに聞け、とも言われ]
アンタ達から直接聞かねぇと気が済まねぇんだけどな。
あの女、聞いたことちゃんと覚えてるか怪しいしよ。
[そんなことを言って粘り、聞けるところまでの詳細を聞く]
[と言っても得られたのは疑わしいから連行したと言う証拠も何もない曖昧なもの]
そうかい、それで犯人じゃなかった場合はアンタらどう始末をつけるのかね。
まぁ良い。
一つ忠告だ。
外から来た人間ばかり疑ってると足元を掬われる可能性がある。
この事件はいつから起きていた?
二年ほど前からスローペースではあるが起きてたんだろう。
仮に同一犯の犯行なんだとしたら、街の人間が関わってると考えた方が自然だと思うがね。
尤も、街の人間であるアンタらには疑いにくいだろうがよ。
信用の無い外部の人間である俺からの忠告だが、頭の隅には入れておけ。
顔見知りである方が警戒されることも少ないだろうしな。
[その言葉に団員達はどんな顔をしただろうか]
[見境が無くなっている者は激昂しかけ]
[比較的冷静な者はその可能性に肝を冷やしたかも知れない]
[掴みかかられる前に扉を開け身体を半分外に出し]
ああ、それと。
団長が引き取ったっつーガキ、カヤっつったっけか。
あいつには用心しておいた方が良いかもしれねぇぜ。
[それが何を意味するのかは敢えて全く説明せずに]
[外へ出て扉を閉めた]
[残された言葉に自衛団の連中はどちらの意味で捉えただろうか]
[カヤの言葉に苦笑いを浮かべ]
ええ、本当に厄介
いっそ、彼が連れて行かれれば良かったのに
……まあ、それが適わない以上、私たちでやるしかないねぇ
[それは、ライヒアルトの案に同意するということ]
色々面倒臭い、あいつ。
[マフラーを鼻の上まで引き上げ帽子を目深に被ったまま。
屋根の上、誰にも聞こえぬ場所で少女が小さく呟いた言葉は
宙に消え、風に拾われる事も無く。
偶然にも当の彼が自警団で、自分の事を*話しているとも知らず*]
─詰所→大通り─
[詰所を後にしてからは調査を開始するために大通りを通り広場へと向かう]
無能は無能なりに動いてくれると良いんだが。
捕まえろとまでは言わねぇが。
万一あのガキが犯行に関わって無いにしても、団長の引き取り子ってだけでも狙われる可能性はあるだろ。
[己としては疑っては居るのだが]
[自衛団員の尻を引っ叩くための言葉は果たしてどこまで効力を発揮するのか]
[大通りに賑わいの多い場所に来ると]
[しばらくの間は移動しがてら]
[昨日消えたと言う露天商の目撃情報を集める*ことにした*]
…あいつ身体でけーから、
オレの「針」で眠りきらなかったりしねーだろうな…
[肩を竦めて、小さく呟く。
たん、と屋根の上を走りながら、背中の籠が揺れた。]
ただなー
あいつ、どうやっておびきよせるか、だよなー…
[ふむ、と、小さく首を傾けた。
少なくとも自分は只の「子供」扱い、
話しすらちゃんとしてもらえていないところを見ると、
呼び出したところでまともに応じてもらえるか自信は無い。
それどころか、もみあいになった場合の事を考えると
どう考えても勝てる相手ではなくて。]
……ああ、そうだ。カヤ
[ふと思いついたように、カヤに声を掛ける]
どうせなら『依頼主様』に掛け合って、自衛団が捕まえた人を収容所に送るように手を回せない?
ん?
回せる…っていうか、お願いはできるぜ!
返事が聞けるかはわかんないけど、こっちから告げる事は出来る。
[端末から聴こえた声に、言葉を返す。]
―孤児院―
[いつものように食事を終え、子供たちを教会から程近い孤児院まで送り届ける]
おや。
あれは…
[玄関先に立つ自衛団員を見、眉を寄せたのは昨日のこともあってか。
暫く待ち、団員が去ってから職員の立つ玄関へと向かった]
今の人、自衛団ですよね。
何かあったのですか?
[心配そうな顔をした職員の口から、昨日会った孤児院出身者の失踪を聞くのは*すぐ後のこと*]
眠らせずともできないことはないが。
…そうだね。
何なら、ぼくが呼んでもいい。
[万一のことを考えればリスクは高いけれど。
提案の声はあくまで淡々としたもの]
―大通り―
[宿のすぐ近くまで戻ると聞き込みの形でベッティの消息を追う]
[旅支度の時に使う店][普段から取引のある一角]
[目撃証言が消えるのは目抜き通りをそれた途端だった]
団長さんの家はすぐそこ。
裏というほど治安が悪くは、ない。
[人通りが極端に少ない場所でもない]
[ただ表とは違って無人になる時間も短時間ならあるのだろう]
[その中でただ一つだけ]
「んー、カヤが誰かと家に走ってくのは見たけど」
[暗い時間だから確信はないと言われ]
[少年を問い詰めようとした所で母親が出てきた]
[巻き込まないでと追い払われる]
[その時は頭を下げて去ることしか出来なかった]
[クラヴィーア家の人間の生活時間帯は疎らだ。
家人の気配はまだあったが、敢えて起こしはしない。
皆の揃う機会は年月を経る毎に減り、昔は在った書き置きもなくなった。
――にも関わらず、弟宛てに残したことの真意を知るのは彼女ばかり]
「おはよう。
練習所行ってくるけど、練習きちんとやるかは怪しいと思う。
疲れてるなら、家で寝ててもいいから。」
[内容はなんてことの無いもの。
普段通りに用意した朝食の傍に置いて、家を出る]
「まあ、わざわざ言わなくてもサボるんでしょうけど。」
[隅に書かれた一言は、余計だった。]
[朝早くから人の集まる練習所は、今日は閑散としていた。
エリザベート自身、感覚を忘れぬよう軽く弾いただけで、
露店の開きだす時間帯になると誰にともなく断りを入れて広場に向かった]
[捜すのは未だ見習いの商人の少女の姿だったが、
今日も店は開かれていないようだった]
どうだったか聞こうと思ったんだけど。
[顔を傾け、首筋に手を当てる。
わざわざ宿まで赴くことでもないかと踵を返すと、
ちょうど背後にいたらしい人物にぶつかった]
あ、と――ごめんなさい、
[謝罪を紡ぎつつ顔を上げた先には昨日の自衛団員がいた。
その物々しい雰囲気に、*眉を顰めた*]
―路地裏―
後でもう一度聞きに戻るか。
カヤ君にも確かめないと。
[それ以上は本当に何も出てこない]
[家周辺の様子を細かく探っても争った後一つない]
[逆に路地としては綺麗過ぎて不自然を感じなくもなかった]
……クソッ。
[無人の団長宅の壁を叩く][苛立ちの理由は幾つもある]
[何よりも連れ去られた少女がどうなるかが心配で]
[誰彼構わず叫んで当り散らしてしまいたかった]
……疫病神、とも言ってられない。
使えるものは使わせてもらわないと。
[自分に言い聞かせるように呟く]
[一呼吸に数十秒をかけて大きく息をする]
[数度繰り返して肩の力を抜いた]
あいつにも札を用意して、協力させる。
必要ならばまた囮でも何でもしてやるさ。
[低く言って向かったのは山の手とも呼ばれる一角]
[確認するのは隠されようとするかもしれないローズの*調査結果*]
─大通り─
[情報を集めている間、意外な人物と出会った]
[先日情報収集のために訪れた娼館で働いていた娼妓の一人である]
[向こうも己のことを覚えていたらしく、こちらへと近付いてくる]
[男はどうやら裏の女性には受けが良いらしい]
よぉ、こんなところで会うとはな。
そうだ、聞きたいことが…。
[そう言って露天商の名や容姿を告げ、見かけなかったかと訊ねる]
[しばらく考える素振りを見せて返って来た言葉は]
……なに?
その名を呼ぶ声が聞こえた?
[そんな気がした、と問いには返され]
[詳細を聞けば夕方、露天商が宿屋を出た後辺りの時間帯であることを知る]
[場所は、自衛団長宅の傍の路地]
[そして呼ばれたらしい少女がその路地へと入って行った気がするとも]
……どんな声だったか覚えてるか?
[更なる問いには首を傾げられた]
[名を呼んだのは一度のみらしく、また人のざわめきもあってそこまでは覚えていないと]
そうか、それだけでも収穫だ。
礼はまた店に行った時にでも。
[そう言って笑みを浮かべながら咥えていた手巻きタバコを右手で摘み]
[左手で娼妓の頤を捉えると、約束だと言うように軽く口付ける]
[手巻きタバコを戻すと娼妓と別れ、引き続き聞き込みを続けた]
[カヤの返答に、そう、と呟くと]
じゃあ、とりあえずお願いしようかな
だって、『私の獲物』を横取りされるのは無性に腹が立つし
[そう言ってクスクスと哂う
そして、ライヒアルトの提案には]
ああ、任せれるなら任せるけど
何だったら、私も手を貸そうか?
[組んだ手に顎を乗せ、助力の要・不要を問う]
―――公衆浴場―――
[カコーーーーーーーー……ン。
そんな音が鳴り響く場所で、レナーテが頭からお湯をかぶって体の汚れを洗い流した]
うっひょー!気持ちいー!
[プルプルと猫のように首を振って、勢いよく髪についた水を吹き飛ばし、大股で湯船に向かい、肩までざぶりとつかりこんだ]
おー!おー!
いい湯じゃないかー!
[レナーテがこのような場所にいる理由は何か?重大な理由があると言うのであろうか?]
やー、やっぱ風呂があるなら、一度は入っておかんとなあ。
場所によって、色々な温泉があるからたまらんな。
[特に無かった]
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