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[拳がライヒアルトに命中した瞬間、激しい衝撃が右腕を駆け抜けた。どれだけ氷の密度を上げたとしても、所詮は氷。残った波動は生身で受けたのだ。ダメージなないはずがない。それでも痛みを堪え、唇の端から血を流しながらも、体重を乗せて振り切る。その勢いは防げる筈もなく、床の上に転がり、壁に頭からぶつかった]
あた!
[出た感想がそれだけだった]
[殴られた勢いで吹き飛ぶ最中、現れたのは複数の黒い尾のようなもの。
それがクッションの役割を果たしたのか、床に叩きつけられる衝撃はわりと緩かったものの]
……さい、あく。
[ぼそり、呟く。
その姿は、獣の耳と尾を備えた、獣人の如きもの。
内なる獣の力が、一部具象した状態。
……何気に五年前、保護された時の姿とも言うのだが]
[しかしそこで力尽きた]
[へたへたっ、と座り込むと]
はぁー…
[大きく息をついた]
…どうやらそっちも勝ったようだな、ゼル。
[軍刀にも。紅蓮の炎にも抵抗する術がなく。ただ受けるに任せ…そして倒れ付す]
…すまん…アル
[蚊の鳴くような小さな小声はただ傍で主の身を守る金色の龍にだけ*届けられた*]
[ちりり、とあちこちの髪の毛の先から焦げた煙を上げつつ]
そんじゃそろそろ〆と行こうか。
来いよ、ロックヴァイパー。
[名を呼ぶと、せり上がった岩礫が次々と連結し。
さながら大蛇のような様相を作り上げる。
大きくうねり、己が向かうべき対象を見据え]
──行け。
[侵略の号を為す。
岩蛇が駆け始めた直後、残っていた岩礫を掌底や回し蹴りで弾き飛ばし。
岩蛇がカルメン達へと到達するまでの牽制とする。
地響きと揺れを生み出しながら、岩蛇はその巨体でカルメンとベアトリーチェの両方を跳ね飛ばそうと迫って行った]
[18][07]
やれやれ、皆さん、無茶ばかりですね。
[無茶の原因を作った側の親玉は自分だというのに、そんなぼやき]
さて、導師はまだ立て込んでいますから、私も少しは働きましょう。
[指輪を嵌めた手に、もう一方の手を重ねて六芒星の印を描く]
『いってらっしゃい』
[古代語とは思われない詠唱と共に、ナニかが次元回廊に押し込まれた...もふっと]
いつつ……。
[全身に残った闇の波動が、全身の魔力の流れを阻害してしまい、まるで治癒魔法が働かない。この状態で追撃されては……。ゼルの背中を冷たいものを走ったが、次の瞬間ライヒアルトが変身した]
ハイ?
[思わずポカンとしてしまう]
『アル、大丈夫、か?』
[右腕の漆黒の問い。それに、何とか声を絞り出し]
ああ……ここで、これ以上侵食させたら、金ダライじゃすまねぇだろっ!
すまん……負担、かけるっ……。
[金ダライ、に妙に力が入ってるのは、きっと気のせい。
ともあれ、周囲を見回して。
目に入ったのは、倒れたナターリエの姿。
なんか見つめられてる気がしないでもないが、今はそちらが大事、と駆け寄った]
相棒殿、生きてるかっ!
『ゲルダ、ゼルギウスおめでとう』
『ライヒアルト、ナターリエは、お疲れさまでした』
[どこからか響いた声と共に、「もふっ」と巨大な白い固まりが二つ転がってくる。良く見ると、それがプチふわふわが大量に固まって、まりも状になったものだと判るだろう]
『勝利したお二人は、しばしの休憩の後、最終試験場へ向かってもらいます』
『残るお二人は、追試会場へ...あちらも中々賑やかですよ』
[巨大ふわふわまりもは、ころころもふもふと固まって転がりながら、四人の元へと近付き、彼等の目の前で、ぽふんと弾ける]
[見る間に大量のプチふわふわが、それぞれの身体をつつむようにまとわりついた。しっかり回復しているのだが、傍目にはプチふわふわの群れに襲われているようにしか見えないに違いない]
勝つには勝ったけど、体中ボロボロっす……。しかも闇の波動のせいで、治癒魔法使えないっすからね……。
[元々さっきライヒアルトに使った反治癒魔法は、土壇場で思いついた代物だった。元来ゼルが使う治癒魔法は細胞の再生能力を上げて治癒する方法で。そのベクトルを変化させれば、再生能力を落とすことができるんじゃないか? と思ったのだ]
……成功するとは思わなかったけど。
[その無茶のせいで治癒魔法が使えない一つの原因とは思ってない]
『主は生きている』
[纏っていた黒い布を金色の龍はどかして、変化したライヒアルトに見せる。
左腕を主に。ほとんどがところどころ火傷で覆われている。その中には今回の戦いではない古い火傷もあるが]
…勝手に…殺すな
ふわふわの仲間なのか…?あいつ…
[ライヒアルトを見つめ呟く]
[そこへオトフリートの遣わしたふわふわ隊が]
…こいつらがこれほど待ち遠しかったのは初めてだよ…
[流石に全身傷だらけで、大人しくされるがままでいる]
/*
>>+38
おじょーさん、支援だからカルメンの描写後、支援RP居れるだけで良いのだよ。
ダイス振る必要無し。
……そっ、か……。
[金色の龍の返事と、ナターリエ自身の声。
勿論、試験で死にはしないとわかっているけれど。
零した声に宿るのは、強い、安堵の響き]
……っと。
[そこに転がってきた、ふわふわの群れ]
……こら、回復してくれるのはありがたいが。
尻尾にじゃれんじゃねぇ……。
[突っ込みどころが微妙です]
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