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[ザ・プチパニック]
ちょ……!!
そこのお姉さん、なんて格好なんだよ!
思春期まっただ中の青少年には刺激的だから!
せめて、これで隠して!
[わたわた近くにあったシーツを彼女に被せ、
ぐるぐる巻きにしてみた]
あっ、僕は決して怪しいものでは!
アマンダさんを送り届けたら、うっかり寝てしまっただけで、決してやましい事なんてありませんから!
……ていうか、誰なんですか?あなた。
アマンダさんの双子の姉さんとか。
[パニックすぎてなにやら意味不明なことを早口でまくし立てる]
[アマンダは、どうしてユリアンがパニック状態なのかわからない。シーツでぐるぐる巻きにされて、不思議そう。
その表情には、ユリアンも見覚えがあるだろうか]
ん…? ああそうか、人は服を着なくてはいけないのか。
毛皮が無いって、不便だね。
[観点がおかしいが、アマンダは気にしない。
そして「双子の姉さん」とか言われてようやく理由(の一部)がわかって納得]
ああ…、そうだね。うん。
ティルも、ここまでは知らないかな?
私は、アマンダだよ? 君の、知っている。
眠っているのは…千花に借りていた器(身体)。
私は人の姿をとるのが、とても苦手だから…ね。
姿と意識を交換していたんだ。
[そう言いつつ、首元に手をやり愛しそうに撫でる]
[アマンダの唇に笑みが浮かぶ。仮面で無いその表情は柔らかい]
千花は眠ってる。
今は、私が人の姿を取る、手助けをしてくれているんだよ。
[「私が元の姿で元気な時は、人形に千花を着けてあげれば起きてくれるんだけれど」なんて呟きにも似た説明は、ユリアンの耳を通り抜けて行ったかもしれない]
[頬を赤らめながら、彼は叫ぶ。
多少互いの話が食い違っていても気にする余裕はない]
「アマンダさん」が「千花」で、
「千花」が「アマンダさん」ってこと?
しかしとりあえず人間の女性の時は、男性の前では絶対服を着てください。
そんな綺麗な姿をみせらられたら理性が持ちません。
[本人も変なことを口走っている自覚なし]
−北部・門−
[青い天は今日も遥か彼方にまで続いておりますが、空気はどこか乾いているように思え、町ぜんたいから活力がほんの少し失われているように感じられました。それは力あるものにしかわからない程度の違いだったのかもしれませんけれども。
朝のお祈りもせずに、ベアトリーチェは北の門の近くまで来ていました。こっそり、きょろきょろ、建物の陰から辺りを窺います。こどもが外に出るのは危ないと云われていますから、なるべく自衛団の人たちに見附からないように、そして人ごみに紛れて門番の眼を掻い潜ろうとしていたのです。]
[町ではない、外の世界へ、二歩、三歩、大きく足を開いてあゆんでゆきます。頭の上に広がるそらはおんなじの筈なのに、なぜだか違って見えました。長く続く道の遠くには、古めかしい建物があるのが眼に映ります。あれが遺跡なのだと、すぐにわかりました。]
「ああ、……足りない。」
[矢張り書の力と言えど、ほんの欠片だけでは。
しかし、持たせ過ぎては、器が壊れてしまう]
…… メーラ、足りない、の?
[虚空を見上げながら、ぽつんと呟きます。
けれどもその声は弱くて掠れてしまっているし、緑の眼の光は薄くてぼうっとしていて、少しだけ淡いいろになっていたかもしれません。]
[アマンダはどうしてユリアンが赤くなっているのかわからない。
不思議そうに首を傾げて、説明しようと試みる]
そう、姿と意識は交換してた。
けれど、私は私。かわらない。
君の知ってる【アマンダ】のまま。
…まあ、落ち着け。うん。
[滑らかになったとは言え、いつもと変わらぬ口調で言い切る。
続く言葉の意味はよく判らないが、ベットから降りて背を向けた]
…とりあえず、服を着ればいいのかな?
[そのまま服を取り出し、シーツを床に落として着替え始める。
髪で体の曲線は見えないけれど、余計に目の毒なんて気付かない]
ちょ!人の話きちんと聞いてたのか?
[彼は彼女から目を逸らしつつも、
しっかりと視界の端で彼女を凝縮。
たぶん精霊には理解できない複雑な少年ごころ]
しかし、じゃあ、今なんでそんなに苦手な人型をとってるんだ?
別に今まで通り千花の中にいたっていいだろうに。
……何か人型にならないといけない理由とかあるの?
[...はとりあえず意識を逸らすため、話をふる]
[ズボンを履き終え、シャツを着ながら振り返る。千花の身体は凹凸がないから胸当て着けてなかったりしたけど、たぶん見えなかったはずだ]
ん? ちゃんと聞いているよ?
[アマンダはきちんと聞いている。
精霊なので、複雑な少年ごころを理解できていないだけ]
[人型の理由を問われれば、気まずそうに視線を逸らす]
…あー、うん。
まあ、なんだ…力を二つに分けていると、倒れやすくてね?
迷惑をかけまくっているようだから…ね。
[実際には、自分に力を分けているせいで倒れやすいのを心配した千花が、力を還しただけなのだが。概ね間違ってはいないはず]
…ああ、そうだ。昨夜はありがと、ユリアン。
[最後に上着を羽織ってから、感謝を込めて微笑む]
[人形の中に完全に入らなかった理由はさり気なく誤魔化す。
「君の無意識の力で千花お気に入りの器が壊れたら困るからです」とか言える訳が無い]
[微笑まれて彼は戸惑う。
彼女が彼に笑いかけると言うことなど数日前まで想像すらできなかったから]
まあ、あそこに放置して置くわけにもいかないし。
感謝なら、力を貸してくれたこの子に。
[ふわり、三の花の蝶に意識をやり]
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