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覚悟あんなら、上等。
貫けよ。
……他の道、選ぶ気ねぇんだろ?
[語られる覚悟に、返す言葉は淡々として]
……止めた所で、止まる気もねぇんだろうに。
ただ、それをやるなら、俺の選択肢もひとつだけ、って事さ。
[確かめるよな言葉に、静かに返す。
蒼は、深緑を見つめたまま]
は……勝負に出た賭博師が、そんな簡単に引っ込めるわけ、ねぇだろ。
俺の掛け金は、命から何から、全てなんだから、な。
[さらり、と返す言葉は、外での暮らしを伝えるものでもあった]
あ、痛た…っ!
[全身を叩きつけて、痛む身体を引きずるように娘は立ち上がり。
駆け寄って呉れた人達を見詰め、ごめんねと伝えて。]
腰と、脚、打ったくらいかな…
是でも頑丈に出来てるから、うん…
[よろりと上体を起こし、心配して呉れる面々に謝って。]
(脚、少し捻った、かな)
[右脚を擦りながら、ゆるりと立ち上がる]
―宿屋・食堂―
[ミハエルにライヒアルトをと頼みながら、ゲルダからとめる言葉があるなら、その言葉を撤回するだろうか。
ただ、後でちゃんと治療を受けることを念押しながら]
ゲルルン、部屋までいくなら連れて行くぞ?
[そう幼馴染に気遣う言葉]
…ベッティ、ありがと
えっと、冷やすものがあったら持ってきて欲しいんだ
其れからでも部屋戻るか決めていい位だし
[この場にライヒアルトが居なければベッティにそう頼んで。
よろりと立ち上がり、一歩二歩歩み出して。]
リヒト。
話、部が悪くなるようなら言って、ね。
[離れている同胞にコエをかける。
もう一人の幼馴染が、真っ直ぐに自分を殺すと言った事はしらない。]
貫けって簡単に言うが……
俺は得物を持ってねぇぞ?
[アーベルに軽く肩を竦める。
人間を殺す為に得物は必要ではないけれど。
気付かなければ良いと思いながら
彼ならばわかっているんだろうなとも思う]
お前さんが靡けば止まるかも知れねぇぜ。
なんて、な……。
イレーネを危険に晒すなんて、出来ねぇか。
ゼルギウスに怒られちまう。
何だってこんなに頑固なのかねぇ。
賭博師だった、なんて、知らなかったぞ。
ほんとに、薄情な奴め………。
[込み上げるこの苦い感情は何なのか。
初めて感じるモノだから漆黒にはそれが何か分からない]
─宿屋・食堂─
[途方に暮れていると、ベッティから背中をぽんと叩かれ。
ライヒアルトを探して来るよう言われる]
分かった、探して来る。
[ベッティに頷くと二階へと上がり、各部屋の扉を開けてライヒアルトの姿を探した。
そこで見つからなければ浴場や宿屋内で居そうなところを探してみるも、見つけることは出来ず。
少し息を切らして食堂へと戻って来た]
ダメだ、宿屋内には居ないようだ。
外に出たのかも知れない。
[食堂に居る者に報告して、ゲルダの傍へと寄る]
……俺を殺さないなら。
俺は、イレーネを殺す。――か。
はっ、莫迦だな。
俺がどっちを選ぶか、分かってンだろうによ。
莫迦だよな、あいつ。
[同胞の聲に漸く聲を紡いだ]
わかった、冷やすものだな。
あんまり無理すんなよその足で。
[ゲルダの言葉に頷いて、冷やした水を汲んだ桶とタオルを手にして、
それを用意して持ってくるのと、ミハエルが戻ってくるのは同じ頃か]
そっか、アーベルの姿も見えないし、また…男の会話中ってやつか…?
イレーネのことほっぽりだして…幼馴染なんだろうがよ…。
[そう口にしながら、水で冷やしたタオルをゲルダの足の、ひねったらしいところあたりへ]
……別に、得物なんて、いらないんじゃね?
[肩を竦めるライヒアルトに、けらりと笑う。
人狼にとって、最も慣れた得物がなんであるかは、知っている。
その後は文字通り、身体に刻み込まれているから]
……わかってんなら、こだわんなよ。
俺は、俺の道を行く。
お前は、お前の道を行く。
……その道がかち合うなら、ぶつかるだけさ。
[返す口調は淡々と。薄情、との評には肩を竦めて]
元々、戻ってくるつもりなんてなかったからな。
……十九の時に、これと同じ騒動に巻き込まれて。
そこで、一度死んだようなもんだから。
[人と獣の狭間のもの。
生来の異能と合わせて、それが大切なものたちに害を及ぼすなら、故郷を捨てると。
そんな決意は、誰も知らぬこと]
─宿屋 食堂─
[ミハエルが見つけきらなかった二人の場所を、
知ってはいるが口にはしなかった。取り込み中なのは知っていた為。
暫くの間様子を見ていたが、ゲルダへ手は足りているのを知ると。
少しほっとした表情を見せた。]
……私、詰め所の方へ行って来るわね。
……やっぱり、もう一度見ておきたいの。ゼルの顔を。
[そういい残し宿を出ようと。]
アルが、そう言ったの。
[自分を殺す、という言葉に何も感じないわけではないが
それをどうと言う資格はない。
同胞のどこか苦しくも聞こえるコエに、一度視線は落ちる。]
アルは、死ぬ覚悟も死なせる覚悟も
……置いて残す覚悟もしてるんでしょうね。
[伝え聞きした言葉だが、そう決意したが為の言葉にみえて。]
――…いいのか、そんな事言って。
人でなくなっちまうかもしれねぇぜ?
ま、同じになりゃ……俺の手、拒めなくなるかね。
[深緑が金へと変わる。
殺して、喰らって、いつもはそれで終わりだから試した事など一度もないが。
その『感染』させる可能性を知らぬわけがない。
リヒトは純血の人狼なのだから]
道が違うというなら、同じにすりゃいいだけだったんだ。
は……、ほんと、莫迦だな。
[馬鹿げた考えだと思う。
幼馴染がそのようなこと望むわけがないのに]
――…災難だな。
こんなことに二度も巻き込まれるなんてよ。
[十九の時、その言葉にピクと片眉が跳ねるけれど
何がひっかかったのかはその時には分からない]
─宿屋 食堂→─
……大丈夫。
[向ける笑みは、小さい。
転ばないようにと言われれば、
よく夫と連れ立っては転びかけ、
毎回のように手を借りていた事を思い出した。
その手は、もうないから。]
転ばないように気をつけるわ。
いつもよりずっと。
[そうミハエルに告げて、宿を出た。]
そんな覚悟するなんて……
莫迦野郎だ。
[ヴァイスルヴも何処かで覚悟していただろうか。
それが過れば聲が微かに震えた]
――…嗚呼、気をつけてな。
俺は、宿の厩舎にいるから。
[彼女が行く先を告げたから
自分も居る場所を告げる。
言わずとも彼女の嗅覚なら見つけられるのだろうけど]
[ベッティから貰った水とタオルで脚を冷やしつつ。
暫くそのまま休めば、それなりに動きもマシになるか。
唯、余り長い時間は走れそうにはないけれど。]
…そっか、御免ね
―――…でも二人とも何話ししてたんだろう
[昨夜から何処か様子が可笑しいのは解っていた。
募る焦りに、そわりと落ちつかなくなり。]
…二人とも、何か知らないかい?
[そう告げて。外に出るらしきイレーヌへと視線をよこし。
小さく行ってらっしゃいと告げて。]
……本当に、大丈夫なら、良いけど…
[人でなくなる、同じにする、という言葉。
思わず、苦笑が滲んだ。
自分の中には、既に人狼の因子がある。
再度、傷を受けたならどうなるかは──わからない、けれど]
……さぁて、どうだかねぇ?
俺が筋金入りに頑固なのは、お前が一番良く知ってると思ってたけどー?
[深緑が金色に変わるのを見ても、蒼は動じた様子を見せない。
代わりに、というわけではなかろうが、ただならぬものを感じた周囲の動物たちがざわめきたった]
……ほんっと、災難な上にいい迷惑だよ。
じいさまが、それを知ってて俺を隔離組に入れたかどうかまでは、わからんけどね。
[軽く、肩を竦める。瑠璃を握っていた右手がポケットに戻り、ダイスを放した]
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