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あー、もー馬鹿。おかーさんの馬鹿。こんなんでわかるわけがない!
[地図は、やっぱり点と棒にしか見えない。絵が下手にもほどがある!]
だいたい、たびかごって、何よー!
祭以外に、こんななんにもないとこに来るってのも、珍しいな。
[違う、という言葉に瞬いて。
バイクの事を問われると、ああ、と言いつつそちらを見やり]
いや、俺はここの生まれ。
今回は、久々の帰郷なんで、荷物つきなだけだ。
はい。
今、声が上がった方です。
[小さな集落の中、少女の叫び声は綺麗に響いたことだろう]
…兄さんには手伝いに回って欲しいんだけどなぁ。
[小さくポツリ]
[部屋からでようとした使用人が振り返り]
「そういえば琉璃様、史人さんが村にいらしてるみたいですよ。
久しぶりに会いに行かれてはどうですか?」
んっ?史人が?
確か3年ぶりだったっけ?
そうだねちょっと散歩が寺探しに行ってみようかな。
[ピンクのワンピース、スカートには白いレースのふりふりつき、
桜模様のショールを肩からかけて]
じゃあ、ちょっといってくるね。
[裏口からこっそりと史人を探しに外へとでていった]
……どうでもいいが、なんかさっきから外が騒がしいな。
ああ。そっか。
祭りの準備とか言っていたもんな。
なら、問題ないのか。
[なんとなく知っている声のような気もしたが、少しだけ寒気がする声だったので、ほおっておいた]
それはそうね。
慣れない人には細くて怖い道らしいし。
あれ、ずっと一緒に来たわけじゃなかったの?
[少しだけ誤解が解けたかもしれない。まだ少しだけど]
…気の無い返事。
折角の綾姉の晴れ姿にケチつけるの?
[ジロリ。実兄よりも従姉の方が大切だとでも言わんばかり]
ふぇぇ!
ハタゴ?
[声をかけられて、そっちを見る。なんか呆れられてる気がする。むぅ。]
はたごって読むの、これ。
おにーさんものしりー。
……ってことは、とまれる場所?
自分の、得意分野…。
[ふ、と少し考えて]
…小説、かな。
身体を動かす仕事が出来ない分、やれるのは書くことだけだった。
誰にも負けない、とは言えないけど、私が出来る、唯一の、仕事。
[利吉の言葉を受け、改めて確認するように呟いて。きゅ、と胸の前で両手を握った]
でも器用貧乏って、ある程度のことは出来る、とも取れるよね?
やろうと思えば出来る。
けど、本職には及ばない。
広く、浅く。
そんな、印象。
[ぽそり、呟かれた言葉には気づいていたが、今はかわしておいて]
お前、この状況でどーやって二人乗りしろと。
峠越えて少し行った所で偶然会ったんだよ。
[荷物の山を指差しつつ、言って]
……ケチつける気なんてないって。
冗談でもそんなことしたら、それこそ親父やら伯父貴らに殺されかねねぇだろーが。
なんにもないというのは、謙遜だろう。
少なくともこの村には風情というものがあるさ。
それに、美人なお二人もいらっしゃる。
[目を細めて、それぞれを指差す]
祭か……確かに集めた資料にあったかもしれないな。
見ていくのも、悪くない。教えてくれてありがとう。
二人は…ご兄弟か。なるほど確かに仲が良い。
俺はしばらく逗留するつもりだ。またあったらよろしく。
[声の上がった先を見遣り、くすりと笑う。
車の窓を閉めて、道なりに車を進めていく]
宿屋のこと……ほほう。物知りさんだぁ。
せんせーに聞いたのに教えてくれなかったんだよ!ひどいよね!
[こぶし握って、ちたちた上下に動かす。だってじっとしてられないんだもん。このいかり、後でぶつけちゃる!]
そうそう、よそから。
ここには、おかーさんのおかーさんがいるから、おかーさんに言われてきたのデス。
おにーさんは?
ずっと一緒に歩いてきたのかと思ったのよ。
荷物を確保してきてくれたことは褒めてあげましょう。
[偉そうに言いながらもニッコリ。
お土産のこうかはばつぐんだ!]
うん、私もちゃんと殺してあげるわ。
[続いた台詞には別の色のニッコリが浮かんだ]
[裕樹の言葉には目をパチクリ。
美人って誰?しかも二人って??]
…お祭りになると、外の人増えるよね。
[車を見送りながら、困ったような顔で呟いた]
[物知り、と言われ「これくらい常識だろ…」と思いかけるが、相手は小学生くらいのようだからそんなものか、と思い直す。]
俺か?
俺は…。まぁ、似たようなもんだ。
知り合いがここにいるらしくてな。たずねて来た。
[言いながら、旅籠へ歩を進める。]
どこにいるのか、
ここはボクの推理力が試される場面でもあるわけでっと…。
[考えるまでもなく騒がしい少女の声が聞こえ、そちらの方を見ると、
道の向こうによく見知った顔と、見知らぬ顔が入り混じっている]
お〜い、史人〜。玲ちゃん。
[両手を振って声変わり前の少年のような声で呼びかけ、そっちの方へ近寄っていき]
っと見知らぬ顔の人も。
はじめまして。
[ぺこりと挨拶]
史人の娘?もしかして彼女?
[涼の方を見てからからかうような笑みを浮かべて史人を見る]
利吉さんも、本読むんだ。
どこかで読んでくれてると、嬉しいな。
この集落を題材にした小説も書いたことあるの。
[沈みかけていた表情が明るさを取り戻す。心底小説を書くのが好きと言うのが伝わるだろうか]
探偵は、器用貧乏じゃなきゃ出来ないんだね。
だから、利吉さんの仕事となり得る、かな?
[相手の笑いにつられ、クスリと笑みが零れた]
風情ねぇ……ま、それは認めるが。
ああ、まあ、縁があったら、また。
[美人って、どこに、と思ったのは、心の内に止めて。
走っていく車を見送る]
ずっと一緒に、って、なんで?
わざわざリクエストする、って事は、よっぽど食べたかったんだろ、これ。
[でも、食べ過ぎるなよ、とさらり言いつつ]
…………あのな。
[笑顔と共に向けられた言葉に、ちょっと戦慄して]
……と、ああ、そーいやあ、榛名や琉璃も、変わりないか?
[強引に、話題を逸らした]
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