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開くもので、閉じるもので、結ぶもの。
[それはまるで、ばらばらのように思えました。]
なにを? ……世界を?
[ひとりごとのように、声を零します。]
[影の精の言の葉に、困ったように微笑んで]
辛くはないよ。
僕は、辛いとは思わないから。
ただこういうときに、こういう状態なのが、とても申し訳ないなって思って。
でも、ありがとう。
君も優しいね。
[アマンダは至近距離で掛けられた声に、再び瞬く。
(色んな意味で)悲痛な声で鳴く千花を片手で宥めつつ、現状把握。
どうやら倒れたらしいと気付くと、ダーヴィッドを見上げて]
えっと、ありがと。 …ご内密に?
[とっさに出てきた言葉は、彼がいつか言った言葉だがアマンダは気にしない。
それよりも、何とか自力で立とうとふらつきながら身を起こす]
…いや、そんなこと言ったって…。
[先達の竜の言葉に、むぅ…と唸る。
力から生まれた彼とは違い、この若竜の場合はより生き物に近い存在。
魔法的な能力が発達するのは、まだまだこれからなわけで。
火気から力を得て己を満たすすべすら、きちんと身につけていないほどでして。]
[ベアトリーチェが紡いだ言葉を聞き、一時思考を止める。]
ああ、そんな伝承があったっけな。
……さて、ね。
何を開いて、閉じて、結ぶのか。
俺にはさっぱりわからん。
[そもそも、使ってはいけないモノではないのだろうか。
『鍵の書』とやらは。]
[ベアトリーチェのなぞなぞにもにた唄に]
それが「鍵の書」?
そもそも、この世界を壊されたくなかったら、
初めから「鍵の書」なんて作らなきゃいいのに?
作った人は何考えたんだろう……。
[ぽつんと呟いた声は風にも乗らず誰にも聞こえない]
……彼ら?
[誰の事だろうか。]
あ、もしかして俺達も容疑者?
[ユリアンとか、エーリッヒとか、俺とか。
場合によってはベアトリーチェも?]
[アマンダは気が付いたようだ。
ブリジットの言葉に目を伏せた。]
強い絆…。そうか、済まなかった。
しかしなんだ…鈍いな。
[三対のうちの一つを見て、溜息。
それから、アーベルを見て]
悩ましいものだな。あれがもう一対とは。
まあ……君はまだ若いし、これから発展していく訳だが。
[若竜の反論に、一つ、ため息]
自身の事にのみ囚われ、周囲を見誤れば、結果的に力の均衡を乱す事となる。
……まあ、妙な話だが、今のこの地には十四の力が全て揃い、均衡を成している。
他の中での個の在り方を知る、修行と捉えるのも、一つの手かと。
在り方からだと、どうしても、分かりあえるものではないのだからね。
[時の竜に頷いた。]
そうだね。
もしも僕が最初にその犯人に接触したとしたら、君をよぼうかな。
[悪戯っぽく笑う。
しかし続いた言葉には、そうかな、と首を傾げて]
事実確認に一番手っ取り早い方法だったから、なんだよね、本当に。
百聞は一見にしかずと、言うでしょう。
[本当のことを言うのには、慣れてる。
そして間違いなく本当のことを言っていると、伝えるのにも。]
[隣に座る男の人の様子に、きょとりとしたかおになりました。]
どうか、した?
[名前を続けようとして、聞いていなかったことを思い出します。]
ベアトリーチェ。
ベアトリーチェ=ブルーメンガルデンだよ。
[頭をぽりと掻きつ、ダーヴィッドを見やり]
あー……まぁ今後チカラ使うのを見られるかも知れないし、先に言っとこっか。
僕も、人間じゃない。精霊ってヤツさ。
何の精霊か…くらいは、言わなくてもわかるよね?
[ちょっとだけ意地悪そうな笑みを浮かべて。]
[何とか立ち上がれれば、意識のない間に何があったか判らないまでも、こちらを見る視線には、大丈夫と言うように手を振る]
ああ、うん。それなりに。
ありがと。
[無理と無茶はするものだと言う持論は、賢明にも口にせず。
支えてくれるダーヴィッドに頷き、千花を胸に抱いて囁く。
千花は眠り、大地に立つ足は先程よりもしっかりとしていた。]
[火の竜の反応と、まわりのヒトならざるヒトの反応に、くすくすと小さく笑みをこぼす。]
影の王に気づいていないのも、なかなかなものだったと思うけれど。
[悪戯っぽく]
「…"も"?」って。
ダーヴィッドさん、本当に何も気が付いていないの?
三人は互いに干渉しあうものなのに。
[思わず自分のことを棚にあげて言ってしまった]
戦いになるなら、ね。
そして、その時に俺が動く事ができたなら。
[言いつつ、展開したまま無限鎖を右腕に巻きつけて]
……じゃあ、こう返そうか?
少なくとも、俺は言葉を疑うつもりはないから、無理に見せなくともいい、とね。
[闇雲に動いても、『鍵の書』を盗んだ犯人を捕まえる事は不可能。
犯人を、どこから絞り込むか。
それが問題だ。
しばし、その場で*黙考。*]
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