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[晴美の反応はどうだったか?
七重の怯える視線と疑問の声に]
壁に書いてあったの、
『 Sapphire は 人狼 』って、ときさんの時と同じように。
[亜佐美が霊能者だと言っていたことはまだ言わなかった。]
―― PCのある部屋 ――
[七重姉とふたりきり。
静まり返った部屋に物音は一つも立たない。
ふと掛けたままのカバンに気付いて、手を触れる。
結局中務に上げず仕舞いだった煎餅が、素材越しに触れた。]
…なんであやまるの? 七重姉ぇ。
[聞こえた途切れるような、謝罪。
僕は咎めるような口調ではなく、
ただ、本当に不思議に思えてそう尋ねた。
確かに中務は知り合いだった。
だからと言って僕に謝罪されるのはちょっと違うと思ったし、
中務にも失礼だと思ったけど、口にしなかったし、
態度にも示さなかった。
もし七重姉がひとであるならば。
一番辛いのは多分彼女自身だから。]
[会話はどれくらい続いただろうか。
ドアが開く音と共に、ryouの姿が見える。
僕は反射的にじっと彼女を見つめた。
しかしそれは気付かれない程度で止め、
変わりに静かにしてね? という合図を送った。]
書き込み? 知らない。
最初の書き込みの場所も、実は未だ見てないし。
[アートさんやryouに案内されたベッドの部屋の途中、
多分その書き込みは見ていないはず。
知らなさそうな七重姉には、簡潔に判定らしきものが
あったことを告げた。]
―― PCのある部屋 ――
[ryouの話は続く。
前々から感じていた違和感が、引っ掛かりを見せる。
なんだろう? この違和感。
綾野さんを見舞ったときもそうだった。
妙に脅えていないというか、なんていうか…]
えっと、ごめん、Sapphireさんって誰だっけ?
[続けられる話の途中に、僕は間抜けを装って、
言われたIDが誰なのかをryouに訪ねた。
アートさんから預かった携帯には、違う結果が記されている。
でもそれはまだ、言わない。
嘘つきの子には、まだ、言わない。]
[まさか忘れられてたなんてことは露とも知らず。
小さな呟きのあと、一歩踏み出そうとして足を止める様子に少し悲しそうな顔をするが、質問への肯定の返事を貰うと少し俯き、]
……………そう……ですか。
その言い方からすると、まだ狼は?
[狼がいたという言葉が出てこなかった以上、そうであると知りつつも敢えて訊ねてみる。]
はっ、それはお互い様だろうが。
俺もお前も、少なくとも元は同じ人間だ。
違うのは、人を殺したかそうでないかの違いだけだ。
[聖が瑠衣か綾野を殺したと、なかば断定したように言い。
大きく振った鋏はかわされ、足払いに体勢が崩れかけ。]
っ、そ!
[辛うじて転ばなかったのはやや強引だったためか。
武術云々を習っている聖に比べ、分が悪いように思えたが。
同時に力ではこちらに分があるのが分かった。
なお強引に、隙を伺おうと距離をじりと詰めかけ。]
─PCのある部屋─
[不思議そうに訊ね返して来る晴美には、途切れがちに謝罪を繰り返すしか出来なかった。
謝ることで手を掛けた当人からも、周囲の人間からも赦されるものではないと解っていながら、口は謝罪がついて出る。
それが止まったのは、涼からの問いと、晴美からの判定を告げられた辺りだった]
それ、って…。
[言葉が出なかった。
自分達が実際に人狼ゲームに巻き込まれているのだと、今になって理解する。
ゲームみたいだと、綾野が死んだ時に思っていたことが現実になっていたとは思ってもみなかった。
それを考える余裕すらも無かったのだが]
人、狼……。
本当に、蒼が人狼、なの…?
[この状況では普段のふざけた敬称も出て来なかった。
告げられた判定には難色を示す]
/*
あ。やな予感してルール見てきたんだけど。
『※C国狂人、妖狐、天狐、冥狐は人間にも人狼にも数えません。』
これ、今日こっち誰か吊られないと終わるんじゃ(汗
[じっと、奏の様子を見る。少し悲しげな様子には、心がちくりと痛んだが。
敵か味方か。それを判断できないだろうか。真剣な眼差しで見つめて]
…まだ、見つかってません。
[たずねられた問いには、そう返すしかなかった]
間違いないな。
[薄ら哂う。
相手が詰めようとした距離を、こちらからも詰める。
押し倒すようにした力は少しばかり余って、上に下になって転がる。
頬に灼熱感が走った。流れる血を、自分で舐め取る]
だが、それだけの違いじゃない。
一対一で来るとは、LiGを知ってる者として迂闊じゃなかったかな。
[首に向けて伸ばした手、そこから伸びるのは鋭い爪。
だが戦闘そのものは素人に変わりない。相手の刃がどこにあるのか、意識は捉えきれておらず]
うそ? 書き込みが? それとも…
[疑問を返すけれども、それには答えは得られなかったようで。
彼女の口から蒼さんが霊能者だと言っていたことが告げられる。]
誰も、見ていないなら本当? よく判らないな、その推理。
[同村したときには、もっと判りやすい推理を、
していたような記憶があるんだけど…。
しかしryouはさっさとこの部屋から出て行ってしまう。
カマ掛にもならない問いかけは、
あっさりと蒼さんという言葉を導き出して。]
――ねぇ、七重姉。すこし、落ち着いた?
[再び静かになった部屋、僕はryouの言葉に少なからず、
いろんな衝撃を受けている七重姉に声を掛けた。]
もし落ち着いて話を聞けるようなら…
[その後の言葉は告げず、にっこりと微笑んだ。]
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