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―昨夜・食堂→自室―
クロエちゃん。
……引き摺られないようにしなね。
死者の思いは重たいものだって、そんな話を聞いたことがある。
[そんな一言は伝えられただろうか。
確認できるならクロエのフルネームも確かめて部屋に戻った]
処刑なんてのが始まったら次だって来るよなあ。
……素面じゃやってらんね。
[一杯分だけ貰った綺麗な酒は机の奥に避難させて。
取り出したのは商品にするはずの苦蓬の酒。
普段なら薄めるそれをそのまま口に含む]
……こんな飲み方嫌いだってのに。
[本気で一口で酔うわけでもないがスイッチにはなった]
[シャツを脱いでベッドに放る。
黒ずんだ短剣を革の箱から取り出して。
柄頭の飾りを外すと鋭い先を心臓の上に当てて、押し込んだ。
顔を顰める]
……これくらい、でいいかな。
[刃の溝に紅い色が流れてゆく。
表面に奇妙な紋様が浮かび上がったのを見て引き抜き顔の前に掲げた]
猛るものに、吾が血と、死を捧ぐ。
ダーヴィッドが絶たれし生を供として。
クロエ・アーロンの身を死の牙より護り給らせ。
牙折りの名、轟かせられ。
[床に座し目を閉じて呪を唱える。
何度か深呼吸をしてからゆっくりと腕を下ろした]
……気持ち悪ぃ。
やっぱ、冒涜してる気もするし、さ。
頼むから、せめて効果はあってくれよ。
[胸に残った痕へと当て布をしながら机に近寄る。
まずは水を一杯飲んでから、黒ずんだ短剣を片付けて。
とっておきの最後の一杯を貰った。
これで悪夢は見ないで済むかなと思いながらベッドに潜り込んだ]
―深夜―
……そうね、ユリアンさんは他所の人だし。
[同胞のコエに、村の人間を襲うよりは気分的に楽かと告げる。
とはいえ餌と見定めた者に対しては、誰であろうが残酷に振舞えるのだが。
優先されるべきは自分たちなのだから。
ミハエルを選ばぬ同胞には気づいていたものの、
それを指摘する事は特にしなかった。]
―朝―
ん……流石に彼女を食べてしまうのは、あからさまかしらね。
[喰い先はそちらでも構わないのが、
夫に嫌疑が増す事はなるべく避けたいと口にして。
リヒトが出した案は、どちらに転ぶか分らないものなので
少し眉を潜めるだけで、是とも非とも言えなかった。
自身の不安は、正しく先を見るための妨げになりかねないため、
訴えずにおいていた*]
―朝―
…ねえリヒト、今日は貴方にお願いできるかしら?
見張りは私がやるわ。
ヴァイスにはやっぱり休んでいて欲しいの。
[体調の宜しくなさそうな夫を気遣い、
誰を襲うにしてもと同胞に先を頼んだ*]
─ 昨夜・宿屋/食堂 ─
[うとうととする傍らミハエルの声を聞き、>>122若いながらの洞察力に関心する頷き。
伝承の通り狼が銀を不得とするならば、幾ら隙があるとて一歩間違えば自らが怪我を負う可能性もある。確実に命を奪うのであるならば油断を誘うに越したことは無い。]
――――…ンン
[娘は眠たそうに眼を擦り各々の話に耳を傾けていた。けれど睡魔には勝てぬのか頷く回数も徐々に減って。クロエが席を立つ様子なら、力なく返事を返して。狼の伝承で持ち切りとなる茶会の最中、聞こえてくる喧騒にやおら意識を戻す事となるか>>113>>114]
どうし、たんだい……?
[ふぁ、と欠伸を噛み殺しながら騒がしくなる出入り口からは自衛団員らがクロエを呼びつける声が聞こえる。引きとめようとしたところ、心配しないでと伝えられ、後引かれる想いになりながら伸ばしかけた手を下した。]
…そん、な……誰か、殺されて…しまったの?
お爺ちゃんの決まりごとはもう止まらない…?
[辺りを見回し誰が欠けていたのかを数える。
見知ったもの達は誰一人として欠けてはいない。
では誰かとなり、赤毛の男の名が上がれば、
外の向こうへ視線を投げ、]
……本当に、人狼と疑わしいから処刑を?
ちょっと話が通じ無さそうな人で吃驚したけど、
あの人は寧ろ人狼を許せないとも言ってたような…
…―――――
[悲哀に満ちた相貌で去りゆく自警団を見詰める。
最早、後戻りは出来ない処まで来てしまったのかと想えば
娘はぺたりとその場にへたり込んだ。]
― 早朝・宿屋/自室 ―
ン……
[娘は身じろぎと共にふとした違和感を覚えた。すらりと伸びた脚は敷布の波につま先立て、真新し肌触りから察するに此処が自分の家で無い事に気がついた。かたい感触、傍らにはブリジットから貰った本が置いてあり、読むうちに眠りについてしまったのだろうと想う。ここ数日に溜まった疲れで、かなり深い眠りに陥ってたようで。]
そっか…ちょっと寝付けなくて夜更かししたのだね
[うぅんと伸びをすると娘は寝巻にしていた薄手のワンピースを脱ぎ捨て何時もの黒めの普段着に着替え始めた。あらわになる腿に刻まれた銀の聖痕が朝日を受けて鈍い輝きを放っていた。身支度を整え終わると、ベッティの声に返事をして幼馴染に合図する。]
…どうしたんだい?今開けるから、待ってて
[寝ぼけ声で部屋のドアを開くと其処には愁いを帯びたようなベッティの姿。部屋に入り込む、鉄錆の匂いと嗅ぎなれぬ厭な臭いに娘は想わず口許を押さえて。]
―――…うそ、ブリジットが、なんで?
なんで、如何してなんだい…!?
[幼馴染から説明されたのはブリジットの死それも、人間が為した業ではないと覗えると、すぐさま部屋を飛び出し、ブリジットの遺体が安置してある部屋へと向かった。敷布に滲む紅い染みは既に黒く変色し始め、時間経過を想わせていた。]
ブリジット…
嘘だよ、昨日だって…普通に喋ってたじゃないか
[ふらりと部屋へ入り込むと物言わぬ亡骸に、声を掛けて。返事が帰らぬと解っていても、声をせき止める事は出来ず。]
……あの本の続き、もう読めなくなっちゃったんだね
[細くはかない声で紡ぐ音色は、僅かに震えていた*]
─昨夜/宿屋・食堂─
[視線を向けた相手は自衛団に連れて行かれてしまい、これと言った反応を見ることが出来なかった。
戻るまで待つかとも思ったが、疲れもあって部屋へと戻ることに。
片付けをすると言う概念は無いに等しいため、使用したカップ等はそのままとなった]
─朝/宿屋・自室─
[眼を覚ましたのは部屋をノックする音が響いた時。
眠い目を擦り、パペットはベッドに置いたままにすると夜着のまま応対に出た]
何だ…?
───……!
あの作家が人狼の手にかかっただと!?
そうか……しかし何故彼女だったのだろう。
[ベッティから経緯を聞くと、驚きに翡翠を見開いた。
見開いた瞳は直ぐに閉じられ、悼むように僅か俯く。
ふと紡いだ疑問に答えはあっただろうか。
着替えてそちらへ向かう旨を伝えると、その場でベッティとは別れた]
(作家が襲われたと言うことは、ゼルギウスは無事なんだろうな。
と言うことは、ユリアンは人狼では無い、のか…)
[口には出さず、自分の持つ情報を整理する。
それでも念のため結果を聞くべきか、と考えながら夜着から普段の服へと着替え。
パペットを再び右胸の内ポケットへ、十字架を左胸の内ポケットへ仕舞うと部屋を出た]
─ →宿屋・ブリジットの部屋の前─
[作家の部屋は知らなかったが、騒ぎになっているために場所は容易に知れて。
集まっている者達を順繰りに見遣った]
(最初に見つけたのはアーベルとベッティだと言ってたっけ。
第一発見者が2人って言うのは、どうなのかな。
ベッティは信じたいところなんだけど…)
[自分が自衛団長を見つけた時のことを思い出しながら、密かに思考する。
翡翠は第一発見者の一人であるアーベルへ。
しばし見詰めた後に、翡翠は部屋の中のゲルダへと向く。
親しきを喪ったその姿に、悲しげに眉尻が下がった]
─昨夜回想─
[平穏と言えば平穏な時間。
湯を使いたいと請われた時>>137は、一度席を立って湯温を確かめたりと、従業員業務もこなしつつ。
一時、諸々の憂い事は忘れていた──のだが。
それを打ち破る、唐突な物音>>113 >>114。
様子を見に行くのはユリアンに任せ。
その後、自衛団員がクロエを連れて行こうとした時>>138には、手荒さに割って入ろうとするものの。
当人の笑みと、蒼鷹を同行させる事で、ひとまず引き下がった]
……始まった……か。
[茶会とその片付けの後、部屋へと戻り。
一人、その場で誰を視るべきかに思い悩みつつ──夜明けを迎え。
ブリジットの死を知る顛末となる]
(……なん、で)
[掠める疑問。
次に浮かんだのは、このバカ、という一言で。
けれど、それらは心の奥に零れるに止め]
……良いのかな、って、言われても。
他に、言いようがねぇし。
[口にしたのは、否定でも肯定でもない言葉。
ここではカードは切れない。
どうせ切るならば──過ったのは、そんな思考。
悠長に全員を視ている余裕がないというなら、切るべき相手は選びたかった。
勝っても負けても笑える相手に、と]
……ん、ああ。
わかった、そっちは任せる。
[皆に報せに行くというベッティ>>130には、こう声をかける。向けられた、気遣うよな視線には、微かに笑んで見せた。
その後に向けられた、ゼルギウスの言葉>>132。
ふ、と。蒼が伏した]
……ほんっと。ゼルの兄貴には言われたくねー。
[最初に口をついたのは、憎まれ口]
……ま、わーってるよ。
俺にできる事は、ほとんどないけど、な。
[短い言葉はどのような意図に取られたか。
自衛団の元へ行く、というゼルギウスから託された伝言>>133に、ああ、と短く頷いて。
その伝言の先である、イレーネの訪れ>>135は、ゼルギウスと入れ違いのよに。
ちょうど、部屋を出て、廊下に立った時だった]
─ブリジットの部屋前─
……ブリジットが、死んだ。
人狼に、襲われて。
[投げられる問いに返せたのは、こんな問い。
それから、先の伝言を手短に伝える]
……ん、まあ、すぐに戻ってくるとは思うけど。
きついようなら、下で休め。
[そんな言葉を向ける間にも、ベッティの報せを受けた者たちが集まってくる。
亡骸の傍で声を震わせるゲルダには、かける言葉もなく。
部屋の横の壁に寄りかかり、しばしそのまま、目を伏していた]
――…ヴァイスを休ませるならお前さんもついててやれ。
狩りなら一人でも上手くやるさ。
好物のアレ、喰うなら残しといてやるけど……
[如何する、と尋ねる聲を同胞へと向けた]
─ブリジットの部屋前─
[立ち竦むようにその場に立つ自分に声をかけたのは幼馴染。
人狼、と。そして娘の名を聞けば、流石に表情は青くなる。]
……ブリジットちゃん、が……。
[流石に中には入れず、悼むよう目を伏せて。
夫の行方を聞けば、顔色悪いままそれでも安堵の息を付いた。
気遣うような言葉と伝言に、固い笑みは辛うじて向けられた。]
……ありがとう。
[それでも棒のように足は動かず、
暫くその場に居れば人が集まってきた。]
―朝・自室―
んーあー。
[芳香の効果はあったかなかったか。大欠伸でノックに答えた。
脱ぎっぱなしのシャツをとりあえず羽織って扉を開けに行く]
どうしたの、ベッティちゃん。
……ジットちゃんが?
[取引相手としてではなく、村の子として呼んでいた名前で聞き返す。片手で自分の口元を覆いながら説明を聞いた]
そうなんだ。ベッティちゃんとアーベルが一緒に発見して。
わざわざ連れ立って怪しまれる理由なんてないよな。
そこはどっちにも取れる。うん。
[頭が痛い。口に出さないと考えが纏まらない]
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