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大好きだ、ヴィヴィ。
[カルメンの代わりにはなってあげられないけど]
ゆっくりゆっくり、休んで。
[囁く]
[わらう]
俺、ひとりでもきっとだいじょうぶ。
―研究室―
[カタカタとキーボードを打つ音が響く。研究室に、人の姿が増えていく。ノーラの傍を離れずに、周りを覗いながら]
返事は、あったの?
[画面が見えないので聞いてみる。
時折、咳が漏れる。絞められた後遺症か、まだ、首が、喉が痛かった]
[咲き続ける花]
[連写]
[一枚一枚の微かな動き]
[ゆっくり咲いていく花]
[ふっくらとした白い花びら]
[しっとりとした白]
───くちなしの花、みたいだ。
[甘い匂い]
[背後からキータイプの音がする]
[少しだけ、顔をそちらへと向けた]
…―― 無いのに…投与したの
[底深い 憤りを滲ませる 声。
息を、1つ吐く。ベアトリーチェの問いかけ。
眼を閉じる。頸を絞める それが
脳裏に浮かぶから。
――ひとを、ころした。]
――… 私たちの治療については
「研究所に来い」
――… 石化したものは
[詰まる。]
… 「助けられない」
――… ピューリトゥーイの中和剤は
…「無い」
――… ゼルギウスは
……「研究所に、 居る」
……「待って いる」
─研究室─
[やや遅れてやって来た場所。
画面に映るのは、銀髪の後姿。
投げかけられる問いに対する答えたちに、は、と一つ息を吐いて]
……これに、答える気があるかはわからんが。
ピューリトゥーイを始めとする数種の薬。
それは、何を目的として作られた。
単なる治癒薬生成の過程で生み出されたものとは、とても思えんのだが。
[研究資料の紛失と、発見。
それがなければ、浮かばなかったやも知れぬ疑問を。
画面を睨むように見つつ、淡々と投げかけた]
[ピューリトゥーイを始めとする数種の薬。それは、何を目的として作られた。]
他ノ目的(ぷろじぇくと)ノタメニ
[銀の髪が笑ったかのように揺れた。]。
[ブリジットが画面に出た問いと答えを読み上げる。
二つ目の答えに、杖を握る指の爪が、キリ、と杖を傷つけた]
……そう、なのね。
[石になった姿。もう戻らないと、あきらめていたけれど、それでもやはり落胆は大きく。
耳を通り過ぎる、ライヒアルトの問い。
小さな咳が、又漏れた]
─研究室─
……他の目的の……ため。
[笑うような仕種と共に、返される言葉>>#8。
天鵞絨に宿るのは、苛立ち]
つまり、この場所は治癒目的だけでは、なく。
それ以外の用途を意図して作られた場所である、と。
そう、捉えて間違いないという事か?
[再度の問いは、確かめるよに。
意識の隅を過ぎるのは、不正、癒着──ヘルムートから聞かされた幾つかの事]
―――ッ!!
[笑うように揺れる銀髪。
いばらの葉に似たいろの
眼を見開くは怒りにか。]
私たちは
実験動物ではなくてよ…。
[最初は知らない。
その意味するところは―――]
ゼルギウス
―――御前は何者なの
───。
[読み上げる声]
[シャッターを切る手を止める]
───現在と昔で、意図が違うと?
[軽く瞬き、首を傾げる]
[声で届くのかわからないのだけれど]
─研究室─
……最初は、知らない。
初期は、治療施設で間違いなかった、と。
つまりは途中から、それ以外……他の目的のために。
使われる場所になった、というわけか……。
[零れ落ちるのは、嘆息。
天鵞絨は、僅かに伏し。
ブリジットの投げた問いに、ゆっくりとそちらへ焦点をあわせた]
[しゃがみ込んでいたらライヒアルトに抱えられた。ごめんねと言おうとしたけど、唇が動くだけ。
今、一番欲しいぬくもりに触れた事で気持ちは落ち着いたけど、体は。
右手が未だ動く代償のように下腹が重い。
研究室に運び込まれ、モニターを見つめる。ゼルギウスへ言いたい事は罵る言葉ばかりだから、質問がある人の邪魔をしないように黙っていた。]
治療の為じゃ、無かったなんて。
[少しでも良心や善意があるかもなんて、甘すぎる考えだった。
目覚めてからの事を思い出す。]
一体、あたし達になにをさせたかったの。あなたの望みはなに。
[銀の髪の後ろ姿を睨みつけた。]
アーベルさんも来たのね。
何だか、興味なさそうに思ってたの。
[シャッターを切る音とアーベルの声。後はあの二人だけと、あの部屋に残してきた二人を思った]
二人とも、大丈夫、かな…。
[咳混じりに呟く]
興味?
[ベアトリーチェの言葉]
[苦笑]
知っておくことは───悪いことじゃないでしょ。
[頭を撫でる]
[未だ、右の手は動く]
[正確には]
[右の手が動くようになった、だが]
……だんまり、か。
[何者かという問いへの答えはなく。
ナターリエの投げた問いへの答えに、天鵞絨は細められる]
……は。
仕事熱心なのは勝手だが、な。
人の研究成果を利用してまでやるのは、感心できんな。
[浮かぶ憤りの一端は、研究者としてのそれ]
[シャッター音にはちらと
いばらのいろの眼を向けるが
重なる問いかけに
またモニターを見て]
―――答えなさい。
[しかし返るのは違うもの。
ベアトリーチェの呟きには瞬いて。
――ヘルムートとダーヴィッドがいない。]
[眩暈。よろめきそうになりながらも踏ん張る。]
何様よあなた。誰にも誰かの命を自由にできる権利なんか ない!
[声を荒げて叫んだ。バンドの数値が上がった事は見なくてもわかった。]
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