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次の日の朝、自衛団長 ギュンター が無残な姿で発見された。
噂は現実だった。血塗られた定めに従う魔物“人狼”は、確かにこの中にいるのだ。
非力な人間が人狼に対抗するため、村人たちは一つのルールを定めた。投票により怪しい者を処刑していこうと。罪のない者を処刑してしまう事もあるだろうが、それも村のためにはやむを得ないと……。
現在の生存者は、貴族 ミハエル、騎士 ダーヴィッド、召使い ユーディット、職人見習い ユリアン、ランプ屋 イレーネ、未亡人 ノーラ、少女 ベアトリーチェ、研究生 エーリッヒ、青年 アーベル、読書家 ミリィ、学生 リディ の 11 名。
『…何処に、居る?』
[その言葉は、聞こえるものにしか聞こえなかったかも知れず。
風に包まれた青年は、その手を伸べて群集を探るように目をやり…]
[本人から腕が伸ばされれば、左手はその腕を取り一気に抱え込む。]
…リディ!?無茶するなっ!…大丈夫だったか?
[しかし、如何せん人ごみの中…このままではにっちもさっちもいかなくて。]
[青年は近辺で一番人がすくなさそうな場所を考える]
………………しっかり捕まってろ
[青年が思いついたのは脇にそれるのでも、交代でもなく前進]
[先頭にでてしまえば、そこなら人並みは途切れてる]
[源泉を囲む柵の上に、蒼い風は立ち。]
『…逃がさんよ。』
[唇が紡ぐ人ならぬ声は、そこらの人々には聞こえなかったかも知れず。
強い風が、手を伸べた先に。]
[この人込みでは、見物をしようにも、下手に追い掛ける訳にもいかず。ユーディットの手を握った儘に、人の流れに乗るようにして、ゆっくりと動く。よくは見えないが、逸れるよりはずっとマシだろう]
……………?
ユーディット、どうかしたのか?
[黙り込んだ彼女の方を、ちらと見て――]
[それから、天高く投げられた花輪へと、視線を移す]
[…全てが止まったかのような感覚。
いや、実際、止まっていたのかも知れない]
…ぇ?
[…時が動き出した時、頭に響く声。
誰?そして…言っていることが、分からなかった]
[何か不思議な感覚。
子供は首を傾げた。
でも周りの熱気のせいで、あんまりよくわからない。
何か聞こえた。
それはまるで、きょうだいとの会話のように。
あの人との会話のように。]
……っ!?
[突然変わった風。
何か、どこか違うエーリッヒの様子……と、消えた団長。
いや、それより何より。
その風から感じる力は]
……マジか、バカ親父。
[呟き。
どこまでもどこまでも、その物言いにはミもフタもなく]
[鼠の呑気な声にやっぱり苦笑して]
[びく、と顔が強張る。
気配が、空気が、一気に変わる]
[顔は上げられなかった。
恐らくそれは一端だったのだろうが、それでも]
[たんっ、と。
着地するのとほぼ同時に、目の前の源泉に落下するエーリッヒ。
その上に、ふぁさ、と落ちた、白い花輪]
……何がなんやら……。
[半ば呆然としつつ、呟いて。周囲を見回す]
……うはー…びっくりしたー…。
流されてちょっとうっかり河を渡るかと思った。
アーベルにぃ、ありがとっ!
[抱え込まれれば、保護先を見上げて短く礼を告げて。
アーベルの言葉に従うように、人波を掻き分けて前の方へと進む。
視界の開けた、先に]
[―――一陣の風。]
……え?
[漸く追い付きはしたものの。
風の音とは異なるそれは、彼の耳には届いたのか、否か――
視線を僅かに、動かしただけで。考える間もなく、]
[ざっぱあああぁぁぁぁんっ]
[なんだか物凄い音が、全てを掻き消した]
[人混みの向こうで何が起きたか。
少女二人を支えるのに集中するしかなかった男にはよく解らず]
[それでも何かが起きたことだけは……]
[そして全てを切り裂くように、盛大に上がった水の音]
………何事だ…?
[気遣う主の声にも気付かないまま、空間に”響いた”声に、目を見開く。]
――まさ、か。 [――声もなく、呟き]
[しかし、彼女の想いも虚しく、”王”の力は風となって
――誰かを飲み込んで。]
逃がさない…って……
[…誰を、と。
彼女の疑問に応えはないまま、気配は拡散し消えた。]
…誰かは…知らない、けど…今は…お祭…
[微かに眉をひそめ、マフラーの下で小さく呟くと頭を振り…]
物騒なこと、言わないで…
[その言葉には棘があり。少し不機嫌なのは、もし、この声が皆に聞こえていたならば…すぐに分かっただろう。
顔を上げれば、着地しているユリアン…
そして。何故か源泉の中に入っていて、頭の上に花輪を乗せるエーリッヒ]
…は?
[人並みをかきわけ見えるのは…]
[”何か”が、違うエーリッヒ
…がエーリッヒに戻ったのか源泉に落ちる瞬間で]
[抱えてるリディもなにかしら訝しげで、
先頭でエーリッヒを追いかけたユリアンも訝しげで]
…………ユリアン…一体何が…?
て、言うかだなぁ……。
……何をどーすれば、俺と団長のおっさんを見間違えられんのかと……。
やっぱ…………どーしよーもねー、昼行灯……。
[ため息しかでない現状が、凄まじく虚しい。
いや、それどころではないのだろうけど]
[少女は、不思議な面持ちで、辺りを見回した。力あるものの声…それは、どこか遠いところから響いてきたように感じられる。そして、あの風は…?]
[風と共に金色の光が、自衛団長を包み込んだようにも見えて…
バシャン!!
]
…ぬぅぁ!
[背中から源泉におっこち、びしょ濡れで身を起こす。
あたまふるふる。]
[なんとなく、ユリアンのぼやきが聞こえてしまい。少女はなんともいえない顔で、問い返す]
「あの…やっぱり、妖精王なんですか?それで、人違い…?」
[なんかもう、いろいろイメージが崩れそうな気がしていた]
[状況が上手く掴めず、呆然としていたところに、アーベルに声をかけられ、はっと我に返り]
いや……俺にも、何がなんだか……。
ていうか、おーい、エーリッヒ!
無事か、生きてるかーっ!!
[どこかぽかん、としつつ答えた後、ふと気がついて呼びかけた]
[今思えば如何して“声”だと思ったのか]
[似ていたから、だろうか?]
[我には返ったが、源泉に突っ込んだ青年の心配までは未だ頭が回らない。
…冷たくはないだろうけど]
[とりあえず、子供は問題を先送りすることにした。
忘れるかもしれないけれど、それはそれ。
落ちたからか、少し落ち着いたのだろう。]
ええと、
ダーヴィッドさん、ミリィさん……
助けてくれて、ありがとうございました。
[お礼の言葉を告げる。
だんだんと収まってゆく騒ぎに、ほっとする。
籠の中は死守したようだ。]
何をやっているのだか……
[呟くその声は、事態を理解していないようで]
[微かに聞こえたユーディットの声に、振り向いて。
僅かばかり眉をひそめ、顔には疑問符を浮かべている]
………そうなのか…
[ユリアンの返答に困惑したまま
ユリアンの後を追おうとした時に気づく]
………ギュンター団長が…消てる?
[源泉の所で待ち構えているはずのその人の姿がない。
クライマックスに席を外す…理由が見えず
かと言って今いないのは事実で]
[聞こえてきたミリィの疑問に、はあ、とため息。
一部の者には青銀と見える瞳には、何とも言えない、虚ろすぎる表情が]
……ああ、認めたくねぇけど、間違いない……。
今の、妖精王…………俺の、親父……。
[その一言を。
口にしたくないのは。
多分、心からなのではなかろうか]
[女の子に声をかけられると、少女は慌てて体勢を立て直す]
わたしこそ、ごめんなさい。ちゃんと避けようと思ったのに、結局巻き込まれてしまって…怪我はない?ベアトリーチェ。
…まぁ…今年は、ユリアン、って…事だよね?
[勢い余って源泉に飛び込む輩も居なかったわけではなかったのだが…どう判断して良いのか良く分からず…源泉を覗き込むようにして見て…]
…まぁ、寒いから…ちょうど、良いかも知れないけど。
[少し無責任なことを言うと、ふと、毎年恒例の…声が聞こえない]
…?
[いつもなら、此処で自警団長が、おめでとう!という声と共にやってくるのだが…]
ならいいけど……って、問題違うだろ。
[どこかぼんやりとしているものの、落ち着いてはいるらしいエーリッヒの様子に、ひとまず大丈夫そうだな、と思った所に、アーベルの呟きが]
……え?
団長のおっさんが……消えた?
[言われて見れば、確かに。
走りこんだ時には確かにいた、自衛団長の姿はどこにも見えなかった]
やーしっかし…お話に違わず、随分張り切ってるなー…。
[びしょ濡れの状態で身を起こすエーリッヒを傍目に見つつ
姿を消した自衛団長のいた場所へと視線を移せば
…ぽつりと、状況から脈絡の無い言葉を呟いて。]
けど「違う」とか、どーなの。
[ただ、一言。
―――低いその声は、誰の耳に届いたかどうか]
[問い返されて、少女は微笑む。子供の優しい気持ちが嬉しくて]
ええ、大丈夫よベアトリーチェ。心配してくれてありがとう。
[そう言って、そっと頭を撫でた]
[呼ばれる声は、何処か遠く。]
[繋がれた手に込められた力に、ようやく、はっと意識を戻して。]
[主の顔を見、もう一度、空を見上げて。
わからない、と言うように、ふるふると首を振った。]
[落ち着いてきた周囲に抱えていた腕を解いて。
礼の言葉を受けて微笑む]
無事で何よりだ。
君も、ね。
[赤髪の少女にも微笑んで。
先程までの体勢などすっかり忘れてる模様]
……団長まで、温泉で溺れてる…わけじゃないだろうし
[青年は暫し考える…がある1点に思い辺り
周りに聞こえないようユリアンに囁く]
……今団長が消えたと騒ぐと、観客が動揺し事故が起きる危険性がある
とりあえず、エーリッヒを立たせて仕切らせよう
いやあれ、『さま』つけるほど立派じゃねーから。
[ミもフタもない物言いと共に、ため息をつき。
それから]
ん……どうか、したか?
[どこか、何か。少女の様子がおかしいような気がして、瞬き一つ]
[ミリィに、ふるふると首を横に振った。
子供はそれから、小さく頬笑んだ。]
大丈夫で、良かったです。
[それから、ダーヴィッドの言葉に、
もう一度、頭を下げた。]
ありがとうございます。
僕、転ばなくてよかったです。
転ぶの、怖いです。痛いです。
…消えた?
[ユリアンとアーベルの言った言葉に目を瞬かせ…]
…消えたって…
エーリッヒ、に、仕切らせるの…?
[…温泉に浸かっているエーリッヒを見て…アーベルにもう一度視線を戻す]
[少女とユリアンの会話に耳を傾けていただけだったが、その中の言葉に僅かに動きを止めた]
…妖精王、の?
[言われてみれば、先日の説明などが上手く繋がるような気はした。
リネットが言っていた『とんでもないの』にも納得できた]
……これは…失礼なことをしておりましたね…
[口調を正しはしたものの、衝撃が大きすぎたのか些かぼんやりした物言いになってしまっている]
[観客たちは大抵のことはイベントの見世物の一部と納得し、ぞろぞろ宿へと帰っていく。
団長が消えたことに気づいているものは少なく。]
……ん、そーだな。
騒ぎ、でかくしねー方がいい。
[アーベルの言葉に、わずか、表情を引き締めて頷き。
何やら呟いているエーリッヒへと近づいて]
ホレ、立てるかー?
[声をかけつつ、手を差し出し]
あー……。
[微妙に口調を正したダーヴィッドの様子に、困ったような色彩を青銀の瞳に浮かべ]
別に、かしこまんなくていーから。
今までと同じにしてくれた方が、俺としちゃ嬉しい、かな。
『まあ、フェーンは家出中だしねー』
[お気楽な声で、ネズミがぽつり。それに、黙ってろ、と言いつつ]
……んー……まあ、恐らく、隔離空間に放り込まれただけだろうから。
事が片付けば、無事に戻ってこれるよ。
[妙に必死なミリィの様子に首を傾げながらも、素でこう返し]
[首を振る侍女に、訳が解らないと言った様子で、僅かに頭を傾け]
……幻聴でも、聞こえたか?
[彼にとっては、冗談のような事を]
[それから源泉に近付こうとして、見た事のある長い髪の女性を認め]
ノーラ、だったか?
[誰かを探しているような様子に、つい、声をかける]
[頭を下げられ少し慌てたような様子で首を振り]
礼など言われることじゃない。
私が勝手にやったことだしね。
[言い訳みたいなことを言っていたらベアトリーチェにもまた頭を下げられて]
ああだから気にしなくていいから。
怪我がなかったようで良かったよ。
[観光客にとっては団長など知らないわけで…
ともかくこのまま、まず観光客は散るにまかせて]
[その間、村の者が忽然と消えた団長の存在に騒ぎださないよう、
呆然とする自警団の所に行き話しをする。]
[ついでに法被も1枚…源泉からでた後かぶせる者をと]
[ダーヴィッドににこっと頬笑むと、
子供はきょろきょろあたりを見回す。
そういえば、さっき、リディさんがいたなぁ。
そんな風に思っているようだ。]
あ。
助けてくれたお礼です。
[気にしなくて良いという騎士の人に、
子供は苺チョコを手渡した。]
………仕切らせるのは…無理そうだな
[法被を持ちつつ戻ってくれば、
ぼんやりとするエーリッヒの頭にそれを乗せ
イレーネの言葉に、己の認識の甘さを苦笑する]
[優しい騎士の言葉に、少し安心した表情で、少女は、改めて名を名乗る]
本当にありがとうございます。私ミリィ=カーティスと言います。お祭りの間、森番の祖父のところに遊びに来ているんです。
[…何かぼーっとしているエーリッヒにこめかみを掻き…]
エーリッヒー?
[ぺち、と頭を叩くユリアンの気持ちが良く分かる気がした]
さすがに、そこまではしてねーよ。
[そんな事したら、お袋に何言われるか、とは、心の奥に止め]
……ここと、何ていうかな……空間の重なった、違う場所?
そこにいるはずだ。
一応、衣食住の保障もされてるはず。
[眉を寄せつつ、何処か腑に落ちない様な表情を浮かべ。
はたりと気付けば、ててっ、と最前列へと並ぶ3人の元へと駆け寄って]
……えーと。えーと。…お疲れ様?
ユリアンにぃも、エリにぃも、だいじょーぶ?
[どこかボンヤリした様子の金髪の青年を見遣れば
僅かに言い淀んだ後に、2人へと声を掛けてみる]
[しかし、と言い掛けて、困ったような色に気が付けば口を閉ざす。
上下間の厳しい中に居た為に少々では済まない躊躇いはあったが]
…それなら今まで通りにさせてもらうよ。
それとさっきから気になってたんだが…フェーンとはユリアンの名なのだろうか?
[今更な話だが聞けていないのだから仕方が無い]
[イレーネとアーベル、双方の言葉に、はふ、と息を吐いて]
……ああ、どっか、とーいとこに行ってるっぽいわ。
[それから、声をかけてきたリディに]
ああ、俺はなんてことない。
こっちは、どーだかわかんねぇけど。
[ベアトリーチェが見回すのを不思議そうに見遣る。
少女が探しているのが先程流されて行った少女と気付かず]
え?
…ああ、ありがとう。
[手渡される苺チョコに嬉しそうに微笑んで]
[赤髪の少女の名を聞き、自分も名乗ろうと]
私はダーヴィッド=ブラウンフェルズ。
街の騎士団に所属している。
休暇が取れたので祭りの見学に来ているんだ、よろしく。
ん、そーしてくれると助かる。
つか、俺、かたっ苦しいの、苦手なんだよな。
[どことなく安堵したようにこう言って。
投げかけられた問いには、一つ、頷く]
ん、ああ……俺の、まあ、『本来の名前』っていうかなんていうか。
普段名乗ってるのは、『人としての名前』だからね。
ユリアンにぃは大丈夫そーだねっ!
そして、ちょっと遅れたけどおめでとー?
[返事を返されれば、安心したように小さく息を吐いて。
そのままエーリッヒへと視線を向ければ]
……まぁ、このまま湯冷めしなければ
風邪がぶり返すことも無いだろうけど…
こんなにぼんやりしてるとか…頭打ったかな。
[ちょっと失礼]
……大暴れして、また風邪でもぶりかえしたのか…
[そうでなくても、源泉に使っている今はいいが、
そこからでたら風邪がぶり返すだろうな…と思いつつ…かと言って]
ここに、エーリッヒを座らせっぱなし…てわけにもいかないだろうな…
[外気で身体が冷えるのと、
水分を拭い去るのとどっちが早いだろうか?
……ぼんやりとした姿に前者の方が速そうで溜息1つ]
[苺チョコを受け取ってもらったから、
子供は嬉しそうな顔でわらった。]
おいしいです。
[それから、少し考えて、源泉の方に行こうかと。]
幻…聴……。
[主の言葉に、反射的に首を横に振りかけて、ふと聞きとがめたかのように、]
聞こえ…たんですか……?
[逆に問い返すような声は、消え入るようで。
ノーラの手を打つ音に掻き消されて、主の耳には届かなかったかもしれない。]
[おめでとう、と言われて一瞬きょとん、とし]
あー……。
今の妙な出来事で、一瞬忘れてた……。
[それってどうなんだ、という突っ込みは多分届かないだろうが。
ともあれ、立ち上がったエーリッヒの様子に、やれやれ、と息を吐いて]
……おま、ホントに大丈夫かあ?
[問いかける声は、一応心配そうではあった。
呆れた様子もあったが]
…寒くない?
[エーリッヒの様子には一つ瞬きし…もそもそ。
ふと、リディの言葉に、思い出したように]
おめでと、ユリアン…
んで…誰か、決まってるの?
[くす、と小さく笑い…]
[互いに首を傾げ。奇妙な光景かもしれない]
……いや。
何かを探しているのかと、思った。
[それで、何と無く気になったから、声をかけてみた、と。
ただ、それだけの理由だったのだが]
我々の思想からすると考えられないな。
[肩を竦め苦笑を零して。
そうして一度視線を落としたがすぐに表情は取り繕う]
…では、改めて。
ディナ・シーのデーヴィッドだ。読み方が違うだけだがな。
それと、ユリアン。
『此方』ではどちらの名前で呼んだら良いだろう?
つーわけで、まー…
ユリアンは誰と幸せになるんだかわかんねぇけどお幸せに、っと。
[肩ぽむ]
去年はサニーがとって、その直後にノーラちゃんにプロポーズしたんだっけかなぁ?
……まあ、なんていうか。
ある意味、血筋ってヤツ、かなあ……認めたくないけど。
[ため息混じりに、でも、軽い口調で言って。
相手の名乗りには、よろしく、と笑み]
ん、どちらでも、呼びやすい方で。
ヴィントは、昔からの付き合いだから、慣れてる方の名前で呼んでるだけだからね。
…嗚呼。
いえ、誰かいない様な気がしたものだから…。
[ミハエルの言葉に、源泉の方を示して]
それにしても…団長さん、何処に行ったのかしら…
[後の言葉は独り言の様でもあった]
あははっ!まー忘れる気持ちはわかるけどね。
さって、相手は誰なの?
[イレーネの言葉に続くように、くすくすと笑いつつ
いつもいる筈の場所に、姿が無いことに気付き、小さく声を上げる]
……って、あれ? ユリアンにぃ…ヴィントは?
うん?
[ユーディットの返答に、目を其方に向け]
……疲れているだけだろう。
[肯定とも、否定ともとれない答え]
[それから今更、繋いだ儘の手に気付いて――というか、自分から取ったのだが]
……………。
もう、逸れないから、いいな。
[言い訳めいた言葉。手を離す。
序に、もう片手のうさぎの細工飴も、如何したものだか、と]
[金髪の少女から受け取った苺のチョコはすぐに食べるには惜しく。
もう少し後にしようかと手にしたままで]
そういえば…あちらに駆けて行ったな…
[結局何が起きていたのか、この男は知らないままだった]
[繰り返される己の名前に間違いはないと言うように頷いて]
あっちに行ってみるかい?
人は大分少なくなったようだが。
[源泉のある方を指差して]
へ? 誰かって……。
[イレーネの問いに、きょとん、と瞬き]
え? あ、えーと。
[更に、エーリッヒに肩をぽむ、と叩かれれば、また困惑して]
ええと、まあ、何だ………………。
……教えねぇ。
[最後の一言は、ぽそっと小声]
ん、結構あったかい…。
[ぽわぽわと湯気をあげながら、柵を乗り越える。]
あー、そっか…ユリアンは灰色の小さい恋人にコクるんだっけか。
って、だから、教えねえっての!
別に、どーでもいいだろーがっ。
[リディの問いにも、早口にこう答え。
それから、続いた問いには一つ瞬いて]
ヴィント?
ああ。暴れるから、避けさせといた。
多分、そこらにいるんじゃね?
[さらり、と問いに答え。
……当の相棒は、ちょこまかちょこまか、こちらへ向かっている所だったりするのだが]
ええ、そうですね。きっと、競争の結果が出ていると思います。
[ダーヴィッドに促され、少女は歩き出す。実のところ、結果はかなり、気になっていた]
[血筋。
つまりは妖精王もこうなのだろうか。
己の種族の王をイメージしていた所為か、なんとなく奇妙な感じ]
此方こそ、改めてよろしく。
ふむ…では私も少なからず呼び慣れた方で呼ばせてもらおう。
…
[ユリアンの答えにはわざと、むぅ、と小さく呟き]
…いけずぅ。
[ぼそり。しかし、すぐに笑みを浮かべ]
多分、そこら、って…ヴィント、必死にユリアンのこと探してるんじゃない?
[見えるのは、鼠飼いの男――もとい、ユリアンを中心としたグループばかり。
暫く眺めていたものの、視線を戻して]
団長がいないのか?
大方、実行委員会の会長といったところだろうが……
職務怠慢だな。
[会った事もない彼にとっての認識は、その程度]
先程の水の音も気になるしな…
[ミリィの言葉にそう返しながら、ベアトリーチェの後を追う。
途中、地を走る鼠の姿を見つけ]
ヴィント?
ついでだ、乗っていくかい?
[鼠の前に手を差し出し、乗るのならば肩に移して共に行こうかと]
……ま、色々とあるわけで、うん。
[また何となく、ため息。
妖精の森を統べる王が、実はお気楽で妻に頭が上がらないとか。
……広めたくないのが本音ではある。何せ自分の親だ]
ん、それでいいよ。
は、ともかく、これからどーしたもんかねぇ……。
[必死に笑いをこらえていたが、ふと、聞き覚えのある声が聞こえ…]
ぁ…ミハエルさんに…ノーラさんに…ユーディット、さん…?
こんばんは…みんなも、見てたの?
[団長が居ない、という言葉に少し迷ったが、騒がせない方が良い、という言葉を思い出し、軽く首を傾げた]
職務…
あの団長さんに限って、怠けるなんて有り得ないと思うのだけど…
[声にはそう返しながら、人の集まり始めた源泉を眺め]
……行ってみましょうか?
[何気なく誘ってみる]
[返ってきた答えは、肯定とも否定ともつかないものだったけれど、それ以上訊ねる事はせずに。
「いいな。」という声にも、小さくはいと頷いて。]
………ぁ。
[ふいに感じた冷たい風に、手が離された事を実感する。
今までの、色んな事が怒涛の様にだーーーっと流れていったりなんかして。]
すっ、すみません…でした……。
[……色んな意味で真っ赤になって恐縮しまくり。]
……って、お前らなぁ……。
[なんか妙な方向に流れて行く話に一つ、ため息をつくも。
内心では、追求されない事にほっとしているとかなんとか。
一方、話題の相棒は、手を差し出されて、きゅ、と言いつつ一つ頷いて、ととと、とその手に乗っかっていたり]
……そうか。
[聞こえる溜息に聞かない方が良いのだろうと判断。
ユリアンの印象から推察するしかないので意外に話しやすそうだとかしか考えられていなかったりするのだが]
これから、か…
一応結界の綻びは改めて探したんだがな。
別の手を探した方が良さそうだとは思った。
…はっきり言ってしまえば収穫はまるで無し、だ。
[なんだか色々と自分と葛藤していたが、イレーナの声にようやく辺りの状況も見えてきて。]
…あ。こんばんわ、です…。
[大慌てで、ぺこりと頭を下げて。
それから、源泉近くの一団を見やり、小首を傾げて。]
………あの。
ところで…皆さん何をなさってたんでしょうか…?
[今更。]
……そう、なのか。
事故か何かでなければいいのだが。
[ノーラの言葉に頷き、源泉の方へと歩みを進めようとしたところで。
自分の名を呼ばれた事に気付き、其方に顔を向ければ、イレーネの姿]
そんなところだ。折角の祭りだ、出し物は見なければな。
それにしても、見知った顔ばかりだ。
[他のメンバーを見て、ぽそりと]
[それから、何故だか縮こまっているユーディットの方を見て]
……別に、君が謝る事はないだろう。
[誤魔化すように、うさぎの細工飴を口にしてみたり]
[花輪を渡す相手→鼠…に対するつっこみが緩いような気もしつつ
けれど、追求するきもなくて。
近寄る一団にヒラヒラと手を振る]
俺は一応、結界の綻びって言うか、継ぎ目は見つけた。
恐らく、団長が放り込まれた隔離結界の入り口……。
あれを、基点にして、結界を綻ばせれば。
あるいは、破れるかもしれねぇ。
…ですよね…
舞姫の舞、とは、違って…少し、激しいですけど…
まぁ…なんとも、縁があるみたいね。
あたし達は、村の住人で…年が近いし…よく、お祭でも話すけど。
[三人の方を少し見て…視線を戻し]
…?
何をしてたか…って、さっきの追いかけっこのこと?
[そういえば、まだ、村に来て間もないんだっけ?と実行委員の方を見て]
継ぎ目……入り口?
[先程の、圧倒的な気配を思い出す。
一陣の風と共に発生したかに見えた金色の光。
それが向かった先は――]
…さすがに天上は調べようとは思わなかった。
成程、其処に継ぎ目があったのか。
それを基点にするのはわかるが、綻ばせる為の方法は?
あ…
[手を振るユリアンを見れば、競争の結果は、聞かずとも知れた。少女はそっと、微笑を浮かべる]
おめでとう、ございます。
[届くかどうかも判らないほどの声で囁く]
[どうやって、という問いに、ため息一つ]
あー……問題は、ソレ。
以前、似た状況になった時は、親父の誤爆を誘発しながら、そこらにいたのを巻き込んで。
その時に生じる、余分な衝撃で、どうにか綻ばせたんだが……。
はっきり言って、はた迷惑なんだよな……。
[ふと、遠い目。いや、過去にやっておいて今更、とも言うが]
[謝る事はないと言われるも、更に申し訳なくなって、]
すみ… [ません、と言いかけて、口をつぐみ。]
ありがとう…ございます…。[代わりに感謝の言葉を。]
[源泉の方に近付いて見れば、くしゃみをするエーリッヒの姿。
周囲のかける声に、ああ、やっぱりこういう扱いなのかと、少し納得しつつも]
……温泉とは、着衣で入るものなのか。
[何か、勘違いをしている。]
[無事に源泉の傍には辿り着けたが、其処に広がるのは大惨事。
ずぶ濡れの金髪の青年に呆気に取られ、浮かぶ花輪を見遣って]
…ユリアン、相棒のお届けだ。
[どうしたものかと考えた末、とりあえず肩の鼠を彼に返そうと]
あ……ああ。
ありがと、な。
[消え入りそうなミリィの祝福の言葉に、やや、早口になってこう返し]
……と、ヴィント。無事だったか。
どーもね、騎士さん。
[それから、ダーヴィッドに連れて来られた相棒に気づいて、手を差し伸べる。
相棒はぴょん、と跳ねてその手に飛び乗り、肩へと駆け上がるなり、てちぺちと抗議してきた]
[イレーナの言葉に、こういう行事(敗者?が温泉に沈められる事含む)なのかと納得しつつ、合流した面々に改めてこんばんわと頭を下げて。]
[花冠を得た勝者の特典は知らぬままに、おめでとうございますと祝いの言葉を。]
[源泉に入るエーリッヒ…
そして、小さく呟くミハエルの言葉に、目を丸くし]
…まぁ…エーリッヒ、だし…
[…説明になっていない気もする]
ぁ…ダーヴィットさんも…
…えっと…こんばんは…
[もう一人、お下げの女の子…名前を思い出そうとして…
出かかる所で思い出せず、頭を下げた]
[言葉をそのまま脳内に再現していって。
暫く、沈黙]
…確かにかなり傍迷惑だな…
[ふぅ、と息を吐き、僅かに視線を巡らせ]
……隔離空間に一時的に封じられるだけ。
だから皆には暫く我慢して貰おう…と、割り切れるなら、だな。
限定なのか。
[納得した。何故か物凄く、納得した。]
[それはそれとして。漸く遣って来た実行委員に、毛布か何かは無いのかと尋ね。あれでも一応、血縁らしいのだし。誰か――恐らくは団長だろう――を探していたようだが、流石に風邪を再発させそうな男を放っておけないとは思ったか、すぐさま防寒具を調達に]
「誤爆…誘発…」
[話を聞いた少女に、なんとなく想像出来るのは、激しくおおざっぱ且つ、ダイナミックな光景だった。ちょっと目眩がした]
まあ、ね……。
とはいえ、このまま大人しく捕まるわけにはいかねーってのも、俺としてはある訳で。
まあ……できるなら、やりたくねーけど、さ。
[思わず漏れる、ため息。
青銀の瞳はやや、翳ったか]
[ユリアンのの苦笑には気付かずに、激しい争奪戦に晒された花冠に手を伸ばし。]
それにしても…すごく……激しかったです……。
[ちょいちょい、と手早く整え直して。にっこり。]
…
[皆がエーリッヒに書ける言葉にこめかみを掻き…]
…源泉に住む?この際。
[ミハエルの納得したような声に、軽く首を傾げるが…まぁ、彼が納得するのだから、それなりの理由があるのだろうと、小さく思った]
[己の肩から彼の手に移るのを見届け、抗議のようにてちぺちしているのを見て笑いつつ]
私に礼を言うよりヴィントに謝った方がいいんじゃないか?
[言いながら少し肩を竦め]
[イレーナの挨拶に気付けば其方を向いて]
こんばんは。
[と、返したところに、源泉に浸かる青年に、呆気]
んー、まあ。
見てて物足りなかったから、ついつい本気で乱入しちまったしなー、俺も。
[にっこり微笑むユーディットに返しつつ、浮かべるのはやはり苦笑で。
……今更ながら、後先考えてなかった、と思い知っていたとかいないとか]
……ああ、うん、まあ。
後でじっくりと、話し合いの機会を持とうかと。
[相棒の様子に笑いながら言うダーヴィッドには、てちぺちされている反対側の頬を掻きつつ言って、一つ頷いた]
[男が想像しているのも恐らくは少女と似たようなものだろう]
彼らを巻き込むのは本意ではないが…
[賑やかに、楽しげに騒ぐ彼ら。
ほんの数日共に居ただけの自分でも躊躇うのに、彼なら尚更で]
…まぁ、いざというときは私を利用するのも手だろうな。
[ほどなくして、団員が着替えをもってきて、脇の仮設テントでもそもそ着替え。
髪の毛は拭いたがまだぬれたまま、セーターの上にコートを着る。]
[それでも、と少女は思う]
「それでも、それしか方法が無いのなら、やるしかないですよね」
[伝える言葉には、どこかふっきれたような力があった]
[恐らく、過去にやった事と二人の想像は食い違ってはいないだろう。
そこはやはり親子、やる事の指向性は同じといえる訳で]
まあ……さすがにね。
五年も一緒にいると、色々と。
……って、利用……って?
[苦笑めいて言った後、思わぬ言葉に、きょとん、と瞬き]
[少し固まったダーヴィットに苦笑し…]
…勢い余って、落ちたんです…
[そういうと、ヴィントがペチペチやっているのを見て]
…やっぱ、大変、だったんだ。
[ちっちゃいし、人がいっぱい来たら怖いだろうねぇ。と、小さく笑い…ユーディットの手に持つ冠を見て]
ん…まぁ、男の格好いい所を見せる、って感じかな…
それで、色々ジングスもあるみたいだし。
[着替えに行ったエーリッヒを見送り、やっぱり溜息。
……片手にあるうさぎの細工飴の所為で、様にならないのだが]
[ユーディットの思惑に気付く由はない]
って……ミリィ?
[少女から投げかけられた言葉は思わぬもので。
一瞬戸惑うものの、諦めちゃだめ、という言葉は、素直に頷けるもので]
……ま、そうなんだよな。
正直なとこ……俺としても、ここで大人しく強制連行されるわけにゃいかねぇ。
まだまだ、やりたい事があるからな。
[わずか、笑む。
青銀の瞳には、多少なりとも勢いが戻ったかに見えて]
話し合い、ね。
[相変わらずてちぺちしている鼠の様子に、ユリアンが謝り倒すのみしかないような気がしてやはりくすくすと]
[何となく視線を感じた気がして青髪の青年を見遣る。
そういえば先程流されて行った少女を追っていたような…。
その少女も青年のすぐ傍に姿を見付けて安堵]
先程はすまなかった。
私はダーヴィッド=ブラウンフェルズ。
街の騎士団に所属しているが、今は休暇で祭りの見学に来ているんだ。
[よろしく、と二人に向けて笑んだ]
[――とりあえず。
よくわからないけれど、勝者に渡せばいいのだろうとユリアンに綺麗に整えなおした花冠を渡して。
ぱたぱたと主の元に戻り、再びちょこんと後ろに控え。
――花冠争奪戦の理由を知って、赤くなったり青くなったり、今年の舞姫だから進呈役という事で…と自分を無理やり納得させて誤魔化したりするのは、*後の話。*]
[湯冷めしなきゃいいが…と思いつつ
それにしても、団長は何処に消えたのか
どうして消えたのか…祭り開催からなんだか不思議なことがおきていて]
[青年はそれが偶然なのかそうじゃないのか…
ベアトリーチェから貰った苺チョコを食べながら考えこんでいる]
[少女は、ユリアンに祝福の言葉が届いたことだけで、すっかり満足していた。だから、花冠の行方は気にせずに、ダーヴィッドに、ぺこりと頭を下げる]
それじゃ、私そろそろ帰ります。ご迷惑をおかけしました。ありがとう。
みんなおやすみなさい!
[そう言って、ひらりとスカートを*翻した*]
[相変わらずてちぺちされつつ、ダーヴィッドに一つ頷く。
多分、彼の想像は間違っていない。
と、やっているところにユーディットから笑顔で花冠を渡され]
……えっと、これ……。
ど、どーしろと……。
[わかっているけど、それだけに、色々と困ったとか何とか]
五年、か…
思い返せば一瞬だが…その中に居る限りでは長い時間だ。
[その後の問う声には、少女の言葉もあって明言はせず。
ただ曖昧に笑むだけで]
…では、抗おうか。
妖精王の本気に打ち勝つ為にも。
ん?ぁ…くれるの?
…ありがと。
[ベアトリーチェからチョコを受けとると、微笑んで口に入れる。
ふと、ユリアンに花輪が渡され…]
…どーしろ、って…村の、住人なんだし…
知ってるでしょ?
[…一つ瞬き。
とても顔見知りが多い時に渡されていることには気付いていたのだが]
[問いの答えがなかった事には、少しだけ疑問もあったけれど、今は、それは押し込めて。
抗おうか、という言葉に、ん、と頷く]
……ま、やれるだけはやらねーとな。
[ふ、と。口元に浮かぶのは、悪戯っ子の如き笑み]
[駆け去りながら、ユリアンとダーヴィッドに言葉を伝える]
「信じれば、きっと道は開けるって。おじいちゃんが言ってました!私も、そう思います」
[それが、どんなに傍迷惑な方法であっても、ただ何もせずに別れるのはイヤだったから。少女は*心を決めていた*]
ん、ああ……お休み、気をつけてなー?
[走って行くミリィを見送って]
…………。
[青い瞳が一瞬、どこか。遠くへ向いたように見えた事に、果たして誰か気づいたろうか]
……つうか、俺もそろそろ……帰って、寝る。
なんか、どっと疲れたっぽい……。
[手にした花冠を見やって、ぽつり、呟き]
勢い余って…?
[そういえば人混みに飲まれて殆ど見えていなかったが、彼が一番前を走っていたような。
青年が向かったテントの方を見遣って]
風邪をひかないといいんだが…
[ぽつり、呟く]
[と、ミリィが頭を下げるのに気付いて]
気をつけて。
[と声をかけて見送った。
止めた方がいいんじゃないかということを男は知らない]
[多分騎士に視線を向けたまま思考に没頭していたため
その当の相手から話しかけられ、青年は慌てる]
あ…すいません不躾に見つめて。
俺はアーベル=エアハルトといいます。
こちらこそよろしくお願いします、ダーヴィッド
[と、苺チョコを食べるのを止めおじぎした後自己紹介]
[隣にいるリディは、元気よく友人を助けてもらったことの礼をしている]
[遅れて彼も、ベアトリーチェから苺チョコを渡される。
……貰う理由が無いだの何だのと言っていたのだが、昨日のぬいぐるみの御礼だと言われ、仕方なく、それを受け取って。
片手に、食べかけのうさぎの細工飴。もう片方の手に、苺チョコ。
――なんというか]
……餌付けされている気分だ。
[ぼそり、呟く。]
…おやすみなさい…
[ミリィを見送るが、やはり、名前は思い出せず…こめかみを掻き]
…ぇぇ。勢い余って…
風邪…は…ひかないと、良いんですけど…
まだ、お祭りは続きますし、彼、実行委員ですし…
[ダーヴィットに小さく頷くと、ユリアンの方を向き…]
…ん。お疲れ様…
で。いつ渡すのかな?
[くすり。ユーディットのタイミングは、また思い出させるのに最適だったらしく…小さく笑む]
[イレーネの言葉に、むう、としつつそちらを見やり]
って、あのなー……。
わかってっから、困ってんじゃんよ……ったくぅ……。
[呟いて、また花冠に目をやって。
……それから、その場にいる面々に、適当に挨拶しつつ。
ベアトリーチェに渡された苺チョコを手に持って。
相棒にてちぺちされながら、*家路についた*]
[悪戯っ子のような笑みに返すのは、似たような表情。
規律の許にある種族としては珍しくもあるかもしれない]
信じれば、か…そうだな。
自分で信じなければ何も変えられはしない。
[ありがとう、と遠く去る彼女に向けた]
信じれば、か……。
ま、確かにそーだよな。
んじゃま、くじけず頑張るためにも、今日は休むとしますかねっ。
立ち向かって、変えてくためにも、なっ。
それにー。
……なんか、どっと疲れたしな。
『フェーン、自業自得』
[相棒の突っ込みにうるせーよ、と返しつつ。
んじゃ、また、と言いつつ*ひらりと手を振った*]
[ダーヴィットの言葉にコクリと頷き]
あいつ…エーリッヒ、最近風邪をひいたばかりなだけに…心配ですね。
[ミリィが去り、何故か困った様子のユリアンも去り
青年も後片付けの仕事が終ったら*自宅へ向うのだろう*]
…好きな、人…いるんだったら、チャンス、だと思うけど…居ない、の?
[軽く首を傾げるが、ユリアンは溜め息と共に頭を掻き…皆に挨拶をして…]
…ん。おやすみ、ユリアン。
[その背中に軽く手を振った]
いや、幾度か見かけていたのに名乗らなかった此方の落ち度だ。
[だから謝らないで欲しいと苦笑して。
リディには二人を助けるのに手一杯で君を助けられなかった、と謝罪する]
[イレーナの言葉には不安げな様相]
実行委員か…あまり休む間もなさそうだな。
大事無いと良いんだが…
[ふぅ、と息を吐き、去るユリアンに挨拶を返して]
…病み上がりであれか…
[本当に大丈夫なのだろうかとぼやき。
やがて散って行く皆に合わせて*宿に戻るだろう*]
[去る人々を見送れば、争奪戦の最中とは打って変わって、辺りは静かになる]
……結局、団長とやらは見付かっていないのか。
[苺チョコを食べ終え、自由になった片手を顎に当てて、呟く]
[花冠争奪戦の話は聞けども、ユーディットの百面相には、何故そんなに慌てるのだろうかと、不思議そうにして。寧ろ彼の感想は、]
言い伝えに頼るのも、どうかと思うのだが。
[その程度のものだった]
…はい。
でも…あれだけ、良い動きしてたんですし…
大丈夫、だと…思いたい、ですけど…
[ダーヴィットに小さく頷き…]
…では、あたしも…もうそろそろ。
おやすみなさい…
[頭を下げ、家へと帰ろうとしたが…ぁ、と振り返り]
…ダーヴィットさん。あの…闇に、奔る…風。
出来ました。
ランプ屋…「Fairy's fire」の、近く…に、出店、出してますから…
時間が、あったら…是非、見に来て、くださいね…
[小さく微笑むと軽く手を振り、皆に*背を向けた*]
[団長捜索にくわわろうとしたがあまりの気の抜けた様子にさっさと帰って休めと言われ、子供からイチゴチョコを受け取るとふらよろ帰路へ。]
ぁー…髪の毛凍ってパリパリ…。
そうだな。
方法も、とりあえずは見付かったし。
[それが犠牲を伴うものだと思えば重く圧し掛かったが。
一時的なものだからと振り払って]
…お疲れ様?
[何をそんなに疲れているのか。
追いかけっこをまともに見れていなかった男が知る筈もなく。
手を振るのに*緩く会釈を返して*]
[空を見上げる。木々の合間に覗く月が、光をきらきらと零す。
――けれどそれすら、昨日までと違うように思えるのは、気の所為だろうか]
[此処に来てからというもの、彼らしくない考え方が、多くなっているように感じる]
……戻るか。
[ぽつと呟いて。
途中までは行く道は同じだからと――主に、ひとりで帰すのに多少不安があったからだが――、苺チョコを配り終え、何処となく満足げなベアトリーチェと、少し様子のおかしなユーディットを伴って、夜の道を歩く。熊がどうだとか、そんな話を聞きつ]
[帰り際、エーリッヒに、(母に心配をかけぬよう)風邪を引くなと注意するのは*忘れずに*]
[――帰り道。
主と少女を後ろから見守りつつ、ゆっくりと歩く。
はむ、むぐむぐ。
少女に花冠のお礼にと渡された苺チョコを、小さく齧ると、口の中に甘酸っぱさが広がって。
はむ、むぐむぐ。
クマについて話す少女の声を聞きつつ、思うのは――
”王”の告げた声と、消えたらしい団長の事。]
[ぼんやりと歩いている内に、苺チョコは無くなって。
ここまででいいと言う少女の声に我に返って、さよならとおやすみの挨拶を交わす。
去っていく方には…家にしては大きく、屋敷にしては小さい建物が遠目に見えた。
あれが彼女の住む施設なのかな、と心に書きとめて。
月明かりに照らされる主の金色の髪を見つめながら、別荘への帰路を歩く。]
[――真夜中。
『ぽむり』
元の姿に戻って、帰ってきた道の逆を辿る。
ぱた、ぱた、ぱたた。
やがて辿り着いたのは、少女が眠るであろう建物で。
可愛らしいカーテンのかかる窓の外からこそりと覗き
――焦げ茶色の瞳に、金色の虹彩が過ぎって。]
………はぅ…。
[子供サイズの人影がたくさんと…クマの姿を見つけ、小さな吐息。]
[子供たちは、気配に聡い。
こっそりと細心の注意を払って、部屋を片付けていく。
最後に誘惑に耐え切れず、クマにきゅ、と抱きついて。
ぺこりと苺チョコをくれた少女に頭を下げて、部屋から去った。]
[お礼を終えて、一安心。
けれど、肝心の問題は、何も解決しないまま。
ぱたた。ぱた、ぱた。
月明かりの下、小さな影が駆ける。
あちら、こちら。
木のてっぺん。繁みのかげ。
頑張って探したけれど、何処へ消えたかはわからない。
月もやがて薄くなって。
しょんぼりと肩を落として、帰るしかなかった。]
[ぽふり。
人間へと姿を変えて、ベットに倒れるように沈み込み
――本日は温泉行きだからとイザベラに朝早めに起こされるまで、*夢も見ずに眠ったのだった。*]
[目を覚ましたら、部屋の中がとっても綺麗だったから、
子供は何度も、目をぱちくりさせた。
ぴかぴかだ。]
…不思議だなぁ
[ようやくそう呟いて、熊のぬいぐるみを抱きしめた。
優しいにおいがするみたい。
子供は、いっぱいはしゃいでいたからか、
またうとうとしてしまう。]
[次に子供が目を覚ましたのは、
こんこんというノックの音。
そのとき初めて、子供は聞いた。
今日はみんなで、*温泉にいくのだと*。]
[先輩侍女に起こされて、飛び起きて。
半分寝ぼけ眼のまま、温泉用の手荷物を詰めていく。
楽しみすぎて眠れなかったのか、なんて誤解が生まれたりしつつも、滞りなく準備は済んで。
あとは、主親子の号令を待つばかり。]
温泉。
地中から湯が湧き出す現象や、地下水が湯となっている状態、またはその場所を示す用語。その湯を用いた入浴施設も一般に温泉と呼ばれる。
[いや、そんな事を調べても仕方がないのだが。]
[準備と言っても、近場なのだから、然したる大荷物でもなく。
出来ていないとすれば、それは心の準備くらいなもので。
当然ながら、公衆浴場の類になんて、入った事はない]
…………むぅ。
[困った。]
[しかし、彼が困っていようがなんだろうが、女性陣の行動は早かった。
母は勿論の事、侍女のイザベラはとっくに全員分の準備を整えていたし、寝惚けていたように見えたユーディットさえも、乗り気のようだった]
[扉がノックされる音。]
[――溜息]
─工房・自室─
……あー……何かなー、もう。
[はふ、とため息をついて、起き上がる。
窓からは、通りの賑わいがこぼれ落ちてくる。
薄暗い部屋に差し込む光、それを跳ね返すのは紫水晶と白の花冠]
……あー……マジで、どうしろっつの……。
[紫と白を見つつ、ぼやくような呟きがぽつり、と]
………………………あふっ……
[花輪の追いかけっこの後始末が終れば自宅に帰る…
予定だったが、自衛団長が消えたとなってはそうはいかず。
青年も時間の限り自衛団長を探した…村の中に限られたが。]
[先日から始まった、村の外へ向えない…状況は収まることがなく]
[また、他の村の人々を見るに皆が村の外へ出れない訳…ではなかった。]
[むしろ、青年のように一歩も外へ踏み出せないのは異例のようで。]
[大概は村の内と外を通過する際に軽い違和感。
一部境界に近づくと
…掃除の時にいたある青年のように歩きづらそうにしている者もいたが]
[そもそも、大勢が自分のように外へ出られなかったら、
何らかの噂や騒ぎが起こるだろう…が無かったことからも
どうやら青年の方が異例のようで]
[見に憶えのない不思議な現象に
青年は途方にくれながら広場でグリューワインを啜った]
ま、ぐだってても、はじまらねぇか……。
[呟いて、起き上がる。枕の横に丸まっていた相棒がぴょん、と肩の定位置へ飛び上がった]
……さて、何か食いに出るか、ヴィント?
[肩に乗った相棒に問えば、返って来るのはきゅ、と言う威勢のいい返事。
それによっしゃ、と返してから、ふと、作業台の上の白の花冠を見やった]
[す、と。
青銀の瞳が細められる。
ごく小さな呟きがこぼれれば、白の花冠を銀色の光の粒子が取り巻いた]
……枯らしちまうのも、なんだしな。
[小さな呟きが零れ落ち]
[てちり、と相棒が頬を叩く。
その感触にふとした物想いから立ち返ると、ふらり、と外へ。
そのまま、宛もなく通りをぼんやりと歩いて行く]
[昨日の大騒ぎが嘘のように、でもそれでも十二分に賑やかな通りをぞろぞろと歩く。
その一団の一番最後に付いて行きながら、なんとはなしに周囲を見れば、見覚えのある人影がちらほらと。]
[村と外との境目。
その近くに立つ出店で珈琲を頼み、ぼんやりと其処を見遣る。
瞬間に首を傾げはするものの、村を出入りする人々。
ゆるゆると息を吐き出して珈琲を啜った]
…どうしたものかな…
[何気無く村の外に出ようとし、進まなかったのを思い出す。
妖精祭りの一環で何かあるのだろうかとも思ったが、己を除く周囲の人々にそんな様子は見られない。
祭りの間だけならば元々最後まで見ていくつもりで、問題はないが。
もしもこれが何時までも続くようならば]
……どうしたものか。
[もう一度、ぽつり]
[村の境界の謎と自衛団長消失の謎。]
[青年が答えが出そうもない謎をグルグル考えていると
見知った顔がチラホラ。]
[青年はユリアンとミハエルとメイドさんにヒラリと手を振った。]
[イザベラはまともに出店を見て回っていなかったらしく、母とともに、何やら色々と買い込んでいる。……温泉の後でもいいのでは、とは思うのだが]
[ちらと視線を動かすと、見覚えのある青い髪の青年の姿が見えた]
[母の方も見覚えがあったようで、無愛想な彼とは対照的に、にっこりと微笑を浮かべて一礼]
[手を振る姿が視界をかすめ、瞬き一つ。
同時に、相棒がきゅ、と声を上げる。
知った顔がわりと近場にいた事に今更気づいて、また瞬き一つして。
取りあえず、アーベルによ、と言いつつ手を振り返した]
[馬さんには負けてしまった。
けれど、ネズミにまで負けるわけにはいかない、と。
じぃ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
……無駄な意地を振り絞って、見つめ続ける。]
[少女は、今日も踊るような足取りで、宿屋から広場までの道をじっくりと時間をかけて歩いていた。途中お祭りの実行委員の若者に、自衛団長を見かけなかったか尋ねられたのを除けば、世はなべて事も無し]
…なのかしら?
[ぽつり、呟きが漏れる]
[青年はミハエルと一緒に歩く女性の礼に一瞬キョトンと]
[直後、毎年祭りの時期に村に来る彼女のことを思い出す。]
今年もきてたんですね、こんにちわ。
……不躾ですみませんが…もしかしてミハエルは…
[二人が並ぶと、何故今まで気がつかなかったのか…とは思う]
[振り返ったミハエルとユーディットにも、一応手を振って挨拶しておく。
一応なのは、視線が肩の相棒に集中しているから、だが。
当の相棒は尻尾をぴん、と立てて、じっと見つめるユーディットに対抗。
じぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ]
……いい加減にしろっての、ヴィント。
[ぽつり、突っ込み。多分、届いてないけれど]
[アーベルの問い掛けに、フィリーネは、母子なのだとにっこりと笑みつつ説明を。
これから温泉に行くのだと、のんびり世間話モード]
……………
[ユーディットと灰色鼠の対決は、(自分もやったことなので)止めるかどうか迷ったが。一応、母の前ということもあって]
……程々にしておけ、ユーディット。
[少々考えこみながら、広場の端まで着いてみれば、なんだか、いつかどこかで見たような睨み合い…しかも、人数が増えていたりする]
えーと…
[少女は一瞬、どうしようか?と考えて…]
でも、なんだか、可愛い。
[くす、と笑って傍観決定]
……ほどほどにしとけ、ヴィント。
『でーもー』
……ムキになんなよな。
『だってさー。人間相手ならともかく、同族に負けるのは、やっぱりイロイロあるもんー』
はいはい……って、同族?
[……気づいてなかったらしい。素で]
……ていうか、普通、同族の方に妥協点が出てこねーか?
『…………』
[沈黙された]
[母子と言われれば、確かに似てると深く頷き。
ただ、温泉と言う言葉に…ミハエルを見る。]
[紳士然とした少年は、あまり公衆浴場になれているようには見えず。
そしてふと気づく…]
…………まさか、ミハエルを”女湯”の方へ連れて行く気では…
[ミハエルの年は知らないが、彼ぐらいならまだボーダーラインだろう。
それに相手はフィリーネ…きっと連れて行くに違いない。
けれど、当のミハエルは…]
[そう思って…ふと気がつけば]
[どうやら火花はちりかけたがミハエルは鼠と勝負せず
ミハエルに従っていたメイドが鼠と静かなバトルを繰り広げている。]
[つぶらな黒い瞳と焦げ茶色の瞳が、一歩も引かぬとばかりに見詰め合って。なんだかもう、完全に意地というか引っ込みが付かない状態に。
――小動物に本気で対抗する時点で既に試合に勝っても勝負に負けてるようなものなのだが。]
……っ!
ぁ…。すみませ…ん……
[主の声に、はっ、と我に返って、瞳を伏せる。
止められるのが、もう少し遅ければ……負けていた…と思いながら。]
[ミハエルの静止でユーディットが視線を逸らした事で、対決の幕は引かれ、相棒はきゅう、と一鳴き。
やや残念そうだったのは、今度は完勝できる自信でもあったからなのか]
……いい加減にしろな、俺が疲れる。
[ため息混じりに言いつつ、小さな頭を指先でつつき]
[フィリーネは、アーベルの問い掛けに、きょとんとして。
くすっと口許に手を当てて、笑い。そんな事をせずとも、
“混浴があるそうだから”
――と、笑顔で言い放った]
[当の本人は、運良くというか何と言うか。聞いてはおらず。
ユーディットが瞳を伏せる様子に、小さく息を吐く]
…ありがとう…
[ランプを渡すと、代金を受けとる。
…今日もまた、気分はすぐれては居ない。
なぜならば、また、夢を見たからだった]
…妖精…そんなに言うなら、自分で連れていけばいいじゃない…
ましてや… … …が、妖精だなんて…
[マフラーの下でモソモソと呟いた]
[地理は頭で覚えるよりは体で覚える質。
幾度か向かっている広場には大して迷うこともなく。
けれど途中でふと思い立ち、近くを歩く実行委員を捕まえた]
すまない、『Fairy's fire』の出店は何処だろうか?
[かくて、幾度も人に道を確認しながらその出店を目指そうと]
…………そ、そうか…そう言えばそうだったな。
[今、この場にエーリッヒがいたら
例えどんな状況でもこの一行にひっついていきそうだ…]
[青年はフィリーネの返答に軽い眩暈を感じながらも
このまま、ミハエルを放っておく→あら大変…でいいのか考える。]
[でも、きっとこの女性に何を言っても実行するに違いない。
――――彼女はそう言う人だ。]
[何か…言えないかと思案してはみたが、青年には思いつかず
心の中で、ミハエルに対し無力な己を謝罪した。]
[ふと。誰かが"妖精"、と言った気がして…少し顔を上げた]
…
[顔を上げれば、お下げ髪の女の子。
こっちを見ている、と言う事は…]
…いらっしゃい。
[…聞かれたのだろうか?
まぁ…聞かれていたとしても、世迷い事にしか思われないだろう、と。
いたって普通に接客態度を示した]
[取りあえず、勝負はついたようなので、ぐるり、周囲を見回し。
当初の目的だった腹ごしらえのために、屋台の並びの方へと歩みを進め]
……お。
[目に入ったのは、煌めくランプの出店と、その前で足を止めている、赤髪の少女]
よ、こんばんわだな。
[数瞬、ためらうも、いつも通りに声をかけた]
[少女は、声をかけられたことに驚いたように瞬いて、少し慌てた様子で、ぺこりと頭を下げる]
あ、こんばんは!綺麗なランプですね。
[ぴょこりと赤いお下げが跳ねる]
[沈黙気味のアーベルに、フィリーネはにこにこと微笑むだけで。
御付のイザベラもそれを止めない辺り、楽しんでいるのかと思いきや、単に食べるのに忙しいだけのようだった]
[彼はと言えば、アーベルと母の会話に漸く気付き、顔を上げて。
少しばかり様子のおかしい青年に、首を傾げる]
……どうか、したのか?
[きょとんとして、瞬き、数度]
…ん?
[声が聞こえた方に顔を向けると、ユリアンの姿を見つけ]
ぁ…ユリアン、こんばんは。
[軽く手を振り、挨拶をする]
…んで、そっちは、どう?
売れ行き…
[…頭を下げる女の子に、軽くマフラーの下で微笑んで]
…ん、ありがと…
そう、言ってくれると、嬉しいわ…
[そして、ユリアンの方を見て固まる女の子に一つ瞬き]
[目的のランプ屋は広場からあまり離れてはいないようで。
比較的容易く辿り着くことができた。
……あくまで比較的、だが]
おや…こんばんは。
[其処にランプ屋の主だけでなく二人の見知った顔を見付けて。
笑みを浮かべて会釈を向けた]
『妖精、連れて行くって?
……イレーネが言った、の?』
[少女の呟きに、ネズミが目をくるり、とさせつつ問いかける。
声には、戸惑うような響きがあったか]
[出店の並ぶ大通りの途中にある休憩所。椅子に腰掛けてテーブルに肘をついて、人の行き交う通りをぼうっと眺めていた]
[昨日の事とはまるで関係無く――とはいえ大半が単に知らないだけだろうが――今日も今日とて人は多い]
…杞憂…だと良いけど。
[結局あれから自衛団長は見ていない。出会った知り合いにさり気なく聞いてはみたが、皆首を傾げるばかりで]
[いつもの屋台通りをゆっくり歩いていく少女の姿。
その手の中には2本の苺チョコの他に、竹串が5本ほど。
途中で屋台を発見したらしい。当たり前のように購入して
そして半分以上食べつくしている]
増えたなー…屋台。
[口に出した言葉とは裏腹に、ぼんやりと考えを巡らせながら歩を進めれば
ランプの屋台の前に、見慣れた青年と友人の姿。]
あ。ユリアンにぃと、ミリィはっけーん?
[ひらりと苺の刺さった竹串ごと手を振って近づいた。
…ちらりと「あ、お邪魔だったかも」と思ったのは口に出さず]
[少女は、身体と一緒に停止していた思考を、小さな友達の声に呼び戻される]
「ヴィント…!ええ、そう。そんな風に聞こえたわ…聞き間違いかもしれないけれど」
[一瞬固まるミリィにきょとん、としつつ]
……どうか、したか?
[不思議そうに問う。その様子は、いつも通りの素。
それから、イレーネの方を振り返って]
ん、売れ行きはそれなり。
……なんかこう、気がのらねーんで真面目に出店やってねぇってのも、あるけど。
[師匠が聞いたら後が怖いけどな、と冗談めかして言いつつ]
んで、そっちの景気は?
…ぁ。ダーヴィットさん…こんばんは。
[軽く頭を下げると、小さく笑んで…ふと、明るい声が聞こえると目を向けた]
…リディも、こんばんは。
[軽く手を振り…
ミリィ、と言う名前に、ぴん、と思い出し…ぁぁ、そっか、ミリィか、と心の中で頷く]
[フィリーネの鉄壁の防御に見える笑顔に圧倒されていた所に
本人ミハエルから声がかかる。]
…・…・………いや…その…
[待ち受ける事体に気がついてないであろう表情。
その表情に見詰められ、青年は絶えきれず視線を逸らす。]
[が…青年は失敗した場合が怖いが、ある作戦を思い付く]
……ミハエル…男の友情を知っているか…
[少女の答えに、ネズミはきゅう、と声を上げ]
『……聞き違いなら、いいんだけど。
もしかすると、王の力を授かってる……のかな?』
[呟くように言いつつ、尻尾をゆらりと]
(落ち着いて!落ち着くのよ、ミリィ!)
[勘の良い人間…或いは妖精になら、少女のこんな心の声が聞こえたかもしれない]
…こんばんは、ユリアン。
[しかし、やっぱり、声は小さい。そして、もう一人、昨日助けてくれたダーヴィッドの声に振り向く]
あ、こんばんは、ダーヴィッドさん。
[こっちの方が嬉しそうに聞こえたかもしれない]
…それなり…
って。気が、乗らないの?
[軽く首を傾げて。
少し心配になったのか眉を少しひそめた]
…まぁ…それなりなら、怒られない、かも、だけど…
あたし?
あたしは…結構、買っていってくれる人、居るみたい。
[と、ランプ達の方を見て…視線を戻す]
[瞳を伏せ、敗北感に打ちひしがれていた彼女には、お母上の言い放った爆弾発言は幸か不幸か耳に入っておらず。]
はぅ…。
[小さく吐息を零して。せっかく温泉に行くのに、いつまでも落ち込んでいられないと顔を上げる。
余り遠くない所にもう一つの集団が形成されつつある事には気付ずに、主と青年の友情についての会話(?)を、ちょこんと後ろに控えて*聞いているらしい。*]
[そうして、駆けてきた元気な女友達には、本当に嬉しそうに手を振って]
こんばんは、リディ!昨夜は大丈夫だった?
[人波に流されていた姿を思い出したらしい。原因は自分なのだが]
っと、よーリディか。
今日も良く食べてるな、お前。
[呼びかけてくる陽気な声に、ひらりと手を振る。
言い方が直球過ぎるとかは、全然気にしてない]
…………?
[それから、ミリィの小声の返事にきょとん、と。
何か様子が違うような気はすれど、その理由には思い至らなくて。
肩の相棒は、呆れた様子で、へしょり]
[じっと見詰めてみた]
[何故か目を逸らされた]
[訳が解らない]
[そして突然の台詞に、訝んだ表情に]
……男の、友情? いいや。
[いきなり何を言い出すのだろうかと思いつ、言葉を返す]
[ユリアンが手を振るのにひらと返し。
イレーナが手を振る先の少女に気付き、昨夜源泉の傍で少し話した少女と気付けば頭を下げた]
こんばんは。リディだったかな。
[改めて問うように昨夜聞いた名を繰り返す]
そう、ランプが出来たと聞いたから見に来たんだが…
忙しそうだから改めての方が良いかな?
[当然、子供は温泉常連。
混浴があることなど知っているが、
特別、おかしいとも思っていない。
話の内容が聞こえないから、とととと、
小さな足音で、
皆の方に、近づいた。
一緒に温泉を行くんだと、そういえば話は聞いていた気がする。]
…ぁ。
[ぽん、と手袋を嵌めた手を叩き]
はい、出来たんです。
…そう、ですか…?
知り合い、ばっかりですから…
それに、取ってくるのも、すぐ、後ろにお店、ありますし。
[別に構わないですよ?と軽く首を傾げ]
「王の力…イレーナさんが、妖精さんなの?」
[言葉を発してから、いや、と思い直す。妖精が、妖精を連れていく、という言い方をするだろうか?]
[問いかけに、はふ、と一つ息を吐いて]
ん、どーもな。
一つだけ……どーしても形にならねぇ石があって……それが、どーにも引っかかっちまってるって感じかな。
[作業台の上の紫水晶を思い出しつつ、またため息を一つ。
それから、並べられたランプたちを自分も見やって]
ああ、結構見かけるな、お前の作品持って歩いているの。
今年は、売り上げ勝負にもならねーかもなー。
[何となく苦笑しながら、軽くこんな事を言い]
あ、イレーネさんもこんばんはっ!
ここ、イレーネさんのお店だったんですねー?
あたしも見て良いですかー?
[かけられた挨拶にへらりと笑みを返しながら店へと近寄って。
ミリィの言葉に一瞬首を傾げ。事に思い当たればぽむ、と手を打って]
あぁうん、全然へーき!
っていうか、アーベルにぃが助けてくれたというか?
……相変わらずーって、だって苺美味しいんだもん。
[全然自力では大丈夫じゃなかったことを白状。
ユリアンの言葉にえへへーと竹串を振って]
[構わないと言われてしまえば断るわけにもいかず。
何より自分が完成品を見てみたくて]
じゃあ、お願いしてしまおうかな。
[結局は自分の欲求に負けた]
『……はっきりとはわからないけど……でも、違うかなぁ。
王から使命を授かってきてるなら、もっと早く、フェーンに気づいているはずだもん。
だから、多分……力を与えられた、人間』
[少女の疑問に、ネズミはやや、自信なさげにこう答え]
そう、助けてもらったの。良かった。
私も、ダーヴィッドさんに助けてもらったのよ。
[少女は微笑んで、ダーヴィッドに視線を向け、そちらで交わされている会話に、軽く首を傾げる]
ダーヴィッドさん、ランプを注文されていたんですか?
[ユリアンの言葉に、小さく、ぁぁ、と]
…確かに…元から、形のある、物を…加工、するからね…
紫水晶、かぁ…
[少し考え…]
…確かに、難しいかも…あの、色が…上手く、使える…気が、しないから…
[あたしはランプだから、専門外なんだけど、と小さく苦笑し]
ん、だから、少し…早く、出店、畳むかも。
…まぁ…この場所も、なかなか、良いし…
作れる量も、あたしのは、ガラスだし…
色々、宣伝もして貰ってるし…ね。
[そう言って、軽く見上げ…所々の出店に吊されたランプを見て]
[青年はミハエルの両肩をはしっと掴み
それから1つ深呼吸……]
…………古来から伝わる伝統で、
男の友情とは…深めるには風呂が一番だと聞く。
ミハエルに会えたのも縁だ。
折角だから親交を深めたい。
[そこまで言うと今度はフィリーネに向きなおり。]
と、言う訳で俺は御子息ミハエルと男湯で親交を深めたいと考える。
親子水入らずの所悪いのだが…
[唐突に、脈絡なく出来るだけ一気に捲くし立てる。]
[何が"と、言う訳"なのか、自分でもよくわからず
普段無口なだけに、喋り慣れないので支離滅裂になりながら]
[リディに小さく頷き]
ぇぇ。見ていって…?
見てるだけでも、綺麗だと、思うから…
[灯は入ってないけどね。と軽く微笑み…]
ぁ…はい。少し、お店の方、見ててくださいね…
[ダーヴィットに小さく頷くと、出店の奥にある、店の扉を開けた]
[アーベルが熱心に何かを言っている。
子供はそれをきいて、悲しげな顔をした。]
みんな一緒に入れないのかなぁ……
[繰り返すがこの子供にとって、
温泉=混浴である。]
えーと、ダーヴィッド、さん!こんばんはっ!
はい、リディであってますっ!昨日は有難う御座いましたっ!
[ダーヴィッドに頭を下げられれば、慌てて頭を下げ返して
ミリィの言葉に、へらりと笑みを浮かべつつ]
うん、ミリィも無事でよかった!
ミリィが流されてくのを見たとき、どうしようかと思っちゃった。
あの人ごみで、怪我したら大変だもんね。
[へら、と笑みを向けて。]
いや、苺が美味いのは認めるけど。
……その串の数を見るに、食いすぎじゃないのかと。
[言ってもムダだろうとは思いつつ。つい、突っ込んでみた]
ん、なんかこう……な。
毎年、色々考えてるんだけど、どーも、あれだけは形にできねーんだよなぁ……。
[また一つ、息を吐いて]
それもいいんじゃね?
祭りのシメ辺りに店離れられねーのも、なんか侘しいし。
宣伝、かあ……。
[あちこちのランプを自分も見やり]
俺の場合は、そーもいかねーし、な。
宣伝になったとしても、師匠の名前に乗っかるとかは、絶対したくねーし。
[ミリィの問いに首を横に振って]
注文していたというわけではないんだ。
少し話をしていたらイメージが湧いたらしくて。
自分の愛馬をイメージにしてもらったから、気になってしまってね。
[苦笑混じりに少し肩を竦めてみせた]
[何か掴まれた][何か演説された][何か頑張ってる気がした]
…………そうなのか?
[青年の支離滅裂な勢いに気圧されて。
取り合えず――何と無く、納得しかけた]
[が。]
[フィリーネはと言えば、ベアトリーチェの姿を認め、彼女の傍に行って。
少女と同じように、しょんぼりと残念そうな顔になる。
みんな一緒に入りたいよね、と話しかけながら]
……一緒に……?
[話題の渦中の人物は、困惑中]
[人の流れに逆らわず歩いて。そこには特に意思は無く、ただ流されているだけ]
[…と、ある一角に人が集まっているのを見て、足を止める。確か此処はランプ屋だったか]
[そして其処にはやはり恒例の面々。何となく笑みが零れた]
[心配してくれる友達の言葉に、嬉しそうに少女は頷く]
私も、リディが怪我でもしてたら、どうしようかと思ったわ。
あ、でもリディは、私より運動神経が良さそうだから、怪我なんてしないかもしれないわね?
[ガラスで出来たランプを両手でしっかりと持つと、店から出てくる…ガラスのベルの自己主張は激しく]
…おまたせ…
[扉は勝手に閉まり…出店の方へと戻ってくると、台の上にランプを乗せる]
…少し、色は濃いですけど…ね。
[馬は誇らしげに足を上げていて…蔓を纏いながらも、草の上に立っていた]
いや、二人が限度で君を助けられなかった。
昨日も言ったが…だから礼は言わないで欲しい。
[リディの元気の良さに笑みを誘われながらそう言って。
イレーナが奥の店に入っていくのを見送る。
見ていてくれと言われたものの不届きをするような者は見られず。
本当にランプをただ見ているだけで、単に客の様相]
[ダーヴィッドの言葉に、少女は、ああ、と頷く]
馬のモチーフのランプ…なんだか、物語みたいで素敵ですね。
[わくわくと、イレーナの入っていった店の方を覗き込む]
[イレーネの言葉に、わ、と小さく声を上げて。
遠慮がちに、ランプの一つ一つを掲げて見てみたり]
運動神経は…良い方だとは自覚してるけど、
流石にあの波で止まるのは無理だったかなー?
ミリィとベアちゃんを見つけたときに、止まろうと試みたんだけど
そのまま流されちゃったし!
[けらりと何でも無い様に笑って。
ユリアンに食いすぎと言われれば、こてりと首を傾げつつ
手に持った竹串をちまちま数える。]
……えー?…いち、にい…
…7つだよ?多くないよー。
[真顔で反論。]
[残念そうな女性陣にどうしたもんかと言う表情]
あ…ベアトリーチェ…いや、だがな…
…………あ………
[青年は気づく…混浴の説明をミハエルにすればよかったんじゃないか?]
[…青年は気がつかなかった自分の思考に凹みつつ、
まず、ミハエルに混浴自体を説明した。]
僕は、皆と一緒に入るのが好きです……
[施設に女の子もいるけれど、
子供たちはみんな仲良く、
一緒に入って遊ぶから。]
[じっと居並ぶランプを見ていたが、ガラスのベルの音に顔を上げ。
台の上に置かれた青い馬を見詰める]
これは……
[そう言ったきり、言葉を失う。
ただただ見詰めるばかりで、言葉は無い]
…ダーヴィット、さん、店番、ありがとう、ございます…
[もそもそ。
軽く頭を下げると、新しいランプへの目が悪くはない事を知って…少し安堵する]
[子供はミハエルの表情を、
とても不思議そうに見た。
何度も言うが、混浴が普通の子供にとって、
それを嫌がる気持ちなんて、
ま っ た く わ か ら な い の だ 。]
……うん、まぁ…ベアトリーチェぐらい小さい子なら…
そう気にするもんでもないんだろうがな…
[青年は頭を掻きつつ、説得を始めたミハエルを見る]
……ミハエルは…そうはいかないんだ、紳士だから
[よくわからん”紳士”と言う括りを口にしつつ
ベアトリーチェの頭を撫でる。]
[…ふと、ダーヴィットの様子が少し変わったのを見て…]
ぁ…あの…どう、でしょう…?
[イメージと…合わなかったのだろうか。
もし、そうならば、少し申し訳なくて…
それよりも、嫌いなイメージだったらどうしよう。
不安が募る]
[少年と青年の男の友情だとか。
金髪の婦人と少女が残念がる様子だとか。
はっきり言ってよくわからないまま、小首を傾げて聞いていたが。
あなたも一緒の方が楽しいと思うでしょ? と問われ、
素直に頷こうとして。
アーベルによる”混浴”の説明に――真っ赤になって、ぶんぶんぶんぶんと首を横に。]
[アーベルから紳士という言葉を聞いた子供は、
首を傾げて、ミハエルを見た。]
紳士……
僕は紳士きらいです
[皆で楽しめないものは嫌いらしい。
子供は素直にそういった。]
[ベアトリーチェのいるその先を見ると、金髪の女性に何か必死に訴えている少年が目に入り]
…
[嗚呼、親子なのかと思ってみたり]
[何時も冷静な印象だっただけに珍しいなと思ったり]
だって、あたしだとミリィとベアちゃんの2人も助けられなかっただろーし
あたしはアーベルにぃに助けてもらったし。
やっぱりお礼は言わなきゃですよっ!
[ダーヴィッドの言葉にきょとん、と言葉を返しつつ
新しいランプを見やれば、わぁ!と小さく歓声を上げて]
えー!?多くないよっ! むしろ持ち金を全部叩いて、
苺チョコを買い占めようとしなかった辺り褒めてよー!
[ユリアンとヴィントに向かって、両手を掲げて抗議。
しかし、抗議内容の次元が違う。]
…忙し…過ぎ……。
[団長は行方不明だわ、お祭りはにぎわってるわで、あちこちひっぱられて忙しいったらない。
ようやくひと段落ついて開放されて、よろよろと通りを例の派手な法被を羽織ったまま歩く。]
[フィリーネは、残念そうだった]
[本当に、残念そうだった]
[しかし、もうそんな年齢ではないだとか、自分も男であるのからだとか、必死な様子に加え、見かねた(というか、漸く食べ終えた)イザベラの口添え、序にユーディットが否定するのもあって、諦めかけているようだった]
[ベアトリーチェの視線と、次いだ言葉に、溜息ひとつ]
……紳士だとか、そういう問題ではない……
[なんだか、ぐったり。]
[メイドが懸命に首を横に振って反対しているのを見
少し安堵の溜息をつけば、ベアトリーチェの意見に苦笑し]
けど、その紳士は、ベアトリーチェに熊のぬいぐるみをあげたり
優しく接してくれている。それでも紳士は嫌いか?
[と、言ってみる]
[イレーナの声にはっと我に返る]
あ、…ああ、すまない。つい見入ってしまった。
…凄いな、こうも私のイメージに近くなるとは…
[言って、はたと気付き]
すまない、腕を信じていないわけじゃないんだ。
イメージと合い過ぎていて驚いてしまって…
[上手く言葉が見付からずに自分の中から拾い集めながら。
どうしたって支離滅裂になるのは避けられなかったが]
紳士とか、問題じゃないですか?
[首を傾げて、子供はミハエルに尋ねた。]
僕は、皆と一緒に、いつも一緒に入ります。
……いっぱいの方が、楽しくて、あったかいです。
[少女は、幻想の世界を走る馬の姿に魅入られたように、じっとランプを見つめている。どうやら、周囲の喧噪も耳に入っては来ないらしい]
それ、幾らなんでも論点が違うだろ。
[全力の抗議に、さくっと切り返し]
ちゃんとバランスよくくわねーと、体調と体型、崩すぞー?
そもそも、屋台の食いモンってのは、偏りがちなんだから。
[いきなり違う方向の話になってたりする]
[子供は、アーベルの言葉に、むぅぅと唸った。]
……紳士って難しいです。
ええと。
[もう一度、子供は首をひねる。]
僕はミハエルさんは好きです。
……アーベルさんも好きです。
[果たして紳士とは何なのか。
子供はよくわかっていないまま、
ただ思うままに伝えた。]
[何と答えたものだろうか。言葉の選びに迷う。
肩を叩くアーベルを見上げ、再び、溜息を吐きつつも]
……助かった。礼を言う。
[もし、あのまま温泉に行っていたら――逃れられなかっただろう]
[心底、ほっとする]
[リディの明るい声に少し気が楽になるが…目の前の者の評価、は…]
…良かった…
[イメージと近かった…らしく、その言葉に影はなく。
小さく安堵の息を吐くと、マフラーの下で微笑み]
…ランプとして、辺りを照らす事は出来ませんけど…
暗い中に、一筋の、光を…表したかったので…
[そう言うと、つつ、と球体に付いている一本の線をなぞり]
[ベアトリーチェの言葉に柔らかく笑み。
やっと余裕が出来て、先ほど手を振ったユリアンと
増えた顔見知りをランプ屋の前に見つけながら]
それがちゃんとわかって、ちゃんと言えれば充分だ、ベアトリーチェ。
[「俺もベアトリーチェも、ミハエルも好きだよ」
と言ってベアトリーチェをなで]
[多分わかってがいるだろうが言えないでいる
ランプ屋前の集団一人にちょっと笑う]
がーん!決死の反論がいとも容易く跳ね除けられたー!
[ユリアンの言葉に、思わず擬音語を口に出すショックの受けよう。
別方向の話へ説教が始まれば、むぅと唸りつつ]
……お祭りの間だけだもーん。
ちゃんと学校戻ったら普通の食生活に戻るし。…多分。
た、体型、は…。
[珍しく言い淀んだ。ちょっと図星だったらしい]
[出されたランプをしばし見つめ、それから、一つ、息を吐き]
……光……かぁ。
[何となく。何か。掴めそうなそうでもないような]
[……なんというか。
頭がくらくらするのは振りすぎたせいではないと確信しつつ。親切心溢れる青年に、感謝の意を示すように、
にこ、と笑む。
ベアトリーチェの言葉には、困ったような笑みを浮かべて、そっと頭を撫でて。]
私と一緒でも…さみしいですか?
[優しく問いかける。]
[アーベルの言葉に、
よくわからないまま、子供はこくりとうなずいた。
頭を撫でられて、嬉しくなったから、
わからなくても良いと思ったのかもしれない。
ユーディットにも頭を撫でられて、
問いかけられたら、子供はぶんぶん首を横に振った。]
お姉さんと一緒、嬉しいです。
[えへへと、小さく、照れ笑い。]
僕、お姉さんも、好きです。
[如何やら遠巻きに見ている(ついでに珈琲を購入した)うちに、事態は収拾したらしい]
[金髪含有率のやたら高い集団へと少し近付いて]
こんばんは。
…温泉、ですか?
[それぞれの手にしている物を見]
あれで決死かよ……。
[大げさな反論に、呆れたように呟いて。
それから、反論にはいはい、と言いつつ、ぽふぽふ、と頭を撫でてやる]
ま、そーゆー食生活ができるのも、祭りの時だけだしなー。
が、駄菓子だけじゃ人間生きていけねーから、それは覚えとけな?
[に、と笑いつつ。言い澱んだ言葉には、敢えてそれ以上の追求を避けた]
…………
[よく解らないうちに、危機は回避されたようだった]
[フィリーネも、皆の会話を聞いて漸く納得したらしい――
十歳の少女と同じ理論で納得する、というのはどうかとも思うが。
ノーラの接近に気付いて、小さく頭を下げ、そうだと答えて微笑む]
[ミリィ…の方を見ると、ランプを見つめ、ぼんやりとしているように見え…
ダーヴィットさんと同じなのかな?と軽く首を傾げる]
…何か、思いつきそう?
[ふと聞こえた、ユリアンの声に少し笑んで]
[光か、というユリアンの呟きに、我知らず少女は頷く]
ええ、闇に奔る光、闇を裂く光…闇から生まれ、彼方へと旅立つ光…
[夢見るように呟いた]
[安堵の声に己の動揺を悟り、小さく苦笑を零す]
ああ、それで…
[指が辿る線を見遣り、呟く。
驚きと感嘆は未だ自身の中の大半を満たし。
言葉は相変わらず上手く出てこなかった]
[奔放なフィリーネの息子と言う立場は色々大変なんだろうな]
[等と考えつつ、ミハエルの礼に緩く首を横にふり]
説得したのはミハエル自身だ。
けど、自分で選択できて良かったな。
[と、笑むメイドに会釈を返しながら]
ん、ああ……。
[イレーネの問いに、僅か、笑んで]
何となく……かな。
光……俺にとっての、光、とか……そういうもの、カタチにできねぇかな……って。
[それが何か、わってねぇけど、と苦笑しつつ。
それから、ミリィの夢見るような呟きに、瞬き一つ]
闇から生まれ、彼方へ……ね。
[呟かれた言葉の一部を、小さく繰り返し]
[ミリィの言葉に一つ、目を瞬かせ…
想像力が豊かなのだろうか?
言葉を小さく復唱し]
…流石に、お祭の中じゃ…
火を灯しても、周りが、明るすぎるでしょうけど。
[ダーヴィットに申し訳なさそうに苦笑すると、小さく、ゴメンね、と馬を指で撫でた]
[アーベルの言葉を聞いて、
子供はとても残念そうな、悲しそうな顔になった。]
アーベルさんはいかないですか?
皆でいきたいです……
[それから子供は、やってきたエーリッヒに
ぺこり、と頭を下げる。
昨日のことを思い出す。]
エーリッヒさん、ええと、大丈夫ですか?
僕、見てなかったけど……
[……エーリッヒがあれわれたのが今で良かった、本当に良かった]
[さっきのカオスな時に現われたらと思うとぞっとし
収拾がついた今現われたことで青年には心の余裕。]
エーリッヒ……風邪はぶり返さなかったか?
[珍しく、あまり邪険にしてない言い方]
[アーベルの言葉に、どう答えたものかと迷ったが]
……それは、そうだが。
切欠は君がくれたのだろう。……感謝する。
[先程の慌てた様子は何処へやら、普段の無愛想な表情に戻って]
[ベアトリーチェとアーベルの好きという言葉の遣り取りに、ほわほわした温かいものを感じつつ。
青年に投げる視線に、ランプ屋に集まる集団に気付いて、ぺこりと頭を下げる。
そして、少女の言葉に、ふわりと笑んで。]
私も貴女も…ご主じ……えぇと、その…好きですよ…。
[「ご主人様も、好き。」
…とは、なんとなく気恥ずかしくて言えなかったらしい。]
決死だもん! うわーん、ユリアンにぃの意地悪っ!
[ぺし、と軽く相手の腕を叩きつつ、
笑みを浮かべる様子からは本気で無い事は容易に察しが付く。
撫でられれば、叩く手を止めて]
だって、苺チョコとか綿菓子とか、お祭りのときしか食べれないし。
学校戻ったら、尚更お菓子あまり食べれないし!
お祭りのやってる今のうちに食い貯めしとくのー。
[覚えとけ、という言葉には素直に頷きつつも
述べる理由を聞けば、何だか信用が薄い。
ランプのほうへと視線を向ければ、
ミリィの様子にくすくすと笑って。]
ユリアン…に、とっての、光…かぁ…
…確かに、難しそう。
[ユリアンにつられて笑みを零し…]
…でも、何か…朧気ながら見えてる、って事だよね?
そう、思える…なら。
それなら、そんなに、時間は…かからない、と思う。
[ベアトリーチェに言われ…ふと、別に行ってもかまわない状況で]
……いかない理由もないし…地元過ぎて案外行かないからな
たまには温泉も悪くないか…
[と、ベアトリーチェの希望をのむ]
[アーベルとベアトリーチェの遣り取りに、不思議そうに]
先程、男の友情がどうだとか言っていただろうに。
[思いっ切り、真に受けていたようだ。]
[ミハエルが警戒している理由もわからず、
子供は首を傾げた。
が、アーベルの返事を聞くと、
とても嬉しそうに顔を輝かせる。]
嬉しいですっ……!
あ、ええと、お店の人たち、誘ってもだめでしょうか……
[むぅと、唸る。
子供はやっぱり、大人数で入りたいようだ。]
[返答を聞いて、そう、と頷いて。増えた金髪(エーリッヒ)には会釈]
できればそうしたいのだけど、ね…
[ベアトリーチェの誘いには少し困った様に首を傾げた]
[温泉に行く予定など無かった為に、当然準備はできていない]
あー、わかった、わかったから。
[腕を叩くリディから手を離して]
わかったから、人の商売道具、殴るな。
[苦笑しつつも、その表情はどこか楽しげで。
取りあえず、これ以上は言っても無駄かと悟ってか、菓子については反論しなかった]
準備は大丈夫です。
あそこの人、貸してくれます。
[ノーラに、子供は嬉しそうに言った。
エーリッヒに撫でられるのも、やっぱり嬉しいらしい。]
でも、落っこちるの、だめです。
危ないです……
[それからフィリーネがエーリッヒに誘いをかけるのを見て、
ととと、と、店の方に近づく。]
こんばんは。
[ミリィの呟きを聞き、馬に伝えてやると喜ぶだろうかと考える]
いや、このランプは闇の中にあってこそだろう。
賑わう光を裂く必要はないだろうしな。
[笑みを浮かべてイレーナを見て。
謝罪の言葉と共に馬を撫でるのをまた見詰める]
[ミハエルの律儀な物言いに笑みなが…]
[だが、続く真顔での言い分に目が中を泳いだが
けれど、のんびり風呂で話すのも悪くないだろう]
………そうだな、言い出したのは俺だったな。
[それから、ベアトリーチェの提案:店の方にいる人達…に関しても
別に反対する理由もなく、コクリと頷く。]
[ベアトリーチェの声に、やってきた人々にようやく気付く。
ノーラに、ぺこりと御辞儀して。のほほんとした声を掛けてきたエーリッヒにも、会釈を。
アーベルの彼に対する心の声は、もちろん気付かない。]
…ふふ。
とても賑やかになりましたね…。
[ベアトリーチェの嬉しそうな様子に、ぽつりと。]
ん、俺にとっての光。
闇から……導くとか……んー、そんな感じ、かなぁ。
[ぶつぶつと、独り言のように呟いて]
まあ、なんだ……上手く、掴めればいいんだけど。
なんとか……師匠が帰ってくるまでには、カタチにしてぇな。
…まぁ…そうなんですけどね。
[ダーヴィットの言葉には小さく頷き]
でも、お披露目、出来ないのが…残念です。
[もう一度、ランプに視線を移し…戻す]
闇から、導く…?
[ユリアンが闇の中にいる?
何か…何か、あったのだろうか…?
小さく、頭によぎったが、軽く頭を振り]
…ん。
お師匠様…も、気に入って、くれると…良いね。
[小さく微笑んだ]
あら、そうだったかしら。
じゃあ…御一緒させてもらおうかな。
[頷いて、フィリーネにも良いですか?と尋ね]
[店のほうへと駆け出す少女を見送る]
[近くにいくと、とっても綺麗な品物の数々。
子供は目をきらきらさせる。
だが今はそれを言いにきたのではないと、
子供は完璧に唐突に話の流れも考えずに
すっぱり、と尋ねた。]
えと、
皆で一緒に、温泉いきませんか?
[見事なまでの要点のみの話だった]
[殴るな、ユリアンに言われれば、
けらりと笑みつつ叩く手を止めて。
と、やってきたベアトリーチェに気付けば、
苺チョコを握った手をひらりと振って]
ベアちゃんこんばんは!
[一人?、と少女がやってきた方向へと視線を向けて]
[疑問系の呟きには、曖昧な笑みを返すだけで。
その後の、師匠が、という言葉には、一つ、頷く]
とはいえ、師匠の目は厳しいから。
半端な覚悟じゃ、いどめねーけど。
[少女は、女の子に気付いて、にっこりと笑いかける]
こんばんはベアトリーチェ、昨日は苺チョコをありがとう。とっても美味しかったわ。
[何故か、目を泳がすアーベルに首を傾げる]
ああ。そうだ。
[……彼は妙なところで、素直らしかった]
[ノーラの申し出に、フィリーネは勿論、とにっこり。
皆を誘いに行く少女を、嬉しそうに見守っている]
…や、うん…残念っすけど今日は風呂は遠慮しときますわ。
ちーと風邪気味で熱っぽいし。
[すまなそうに断ると、残念そうな顔のフィリーネ。
じゃあ、と更に出してきた提案]
あ?その後に食事っすか?それなら是非に喜んで〜。
確かに祭りの間は真の闇など訪れることもなさそうだ。
[くすくすと笑って周囲の様子を見回し。
村から離れれば可能だろうかとも考えたが。
村から出ることの出来ない自分を思い出し、考えるだけに留め]
…温泉?
[唐突なベアトリーチェの誘いに思わず首を傾げた]
[皆からかけられた声に、
子供はうなずいたり、笑ったりしている。
それから、もう一度、言った。]
ええと、今から温泉に行くのです。
みんなで入ったほうが楽しいから、
だから一緒にいきませんか?
[でもお店があるから、無理かなぁと、
口の中で小さく呟いて、ちょっとしょんぼりする子供。]
…そだね。お師匠様、いつも…厳しい、から。
[子供の頃は優しかった覚えがあるが、物を作りたい、と言ってから…彼は厳しい態度を取ってきていた。
ソレは、ランプ作りをしていた自分にも例外はなく…
懐かしいなぁ、と小さく思うと、ベアトリーチェの言葉に]
…温泉?
[一つ瞬きをすると、少し考える]
[フィリーネから快諾を受けて、礼を言い此方もにっこり]
[冷めかけた珈琲を少し啜り]
…?
[丁度ユーディットがびくりとしたのが目に入り、首を傾げたり]
[食事の提案を受け入れたエーリッヒに、フィリーネは嬉しそうに笑う]
[彼はそれには気付いておらず――
何だか人が段々と増えていく様に、大丈夫なのだろうかと思う]
ぇぇ。ソレこそ…部屋で、一人…居る時…ぐらいにしか…
お祭の間はまず外にいますしね…
[出店の事もありますし、と笑い…]
…温泉…
[どうしよう、と、悩んでいる]
いや、みんなでって……。
いくらなんでも、唐突じゃね?
[ベアトリーチェの言葉に、まだ少し呆気に取られて。
……肩の相棒はきゅきゅ、と乗り気だったりするけれど]
ん、まあ、厳しい人だから。
だから逆に……信頼してついてけるっつーか。
期待に応えたいっつーか。
そういう気持ちになってんだけどな。
[それから、師匠に対する言葉に、笑いながらこう返し]
[不思議と素直なミハエルがなんとなく新鮮で笑みつつ]
[エーリッヒが温泉にはいかないことに少し安堵する。
やはり、どうも苦手だから。]
[リディのさっくり了承する元気な声が耳に届く。]
すご…い……。
[雪だるまのように増えていく人数に、目をぱちくり。
全員入れるのかしら? なんて内心心配していたり。]
ええと、お店があるなら、無理にとは言わないです
[イレーナと、ユリアンの様子を見て、
少ししょんぼりしているのは隠しきれないが。
子供はそう言った。]
……ええと、よくわからないですけど、
一緒に温泉に行くって約束らしいです。
[またぎき万歳。]
温泉…楽しそう、ね。だけど…
[少女は、再び、ちらりとユリアンに視線を向けた。まさか混浴なんてことは、もちろん考えてもいないけれど、一緒に温泉に出掛ける、という可能性を考えただけで…]
…………。(プシュー!)
[顔から湯気が出るほど赤くなった]
[ふと、視線を感じてそちらを見れば。
首を傾げてこちらを不思議そうに見るノーラがいて。
馬のランプに怯えたのを見られたらしい事には気付いたけれど、さすがに説明するのは恥ずかしくて。
眉根を下げた曖昧な笑みで、誤魔化しごまかし。]
…だね。
厳しく…甘やかされなかったから、なんとか…
此処まで、成長できたんだし…
あたしには…もう、厳しい言葉はかけてくれないけど…
[…そして、ランプ屋を開店し、それなりに客が来るようになって…彼はおめでとう、と言った。
…ランプを作り始めて、初めて優しい声を聞いた]
…いや…お店は、周りの人に見ていて貰えば良いんだけど…
約束、なの…?
[あまり、身体に自信がないしなぁ。
とは、流石に言えず…]
皆でって…
[どの皆なのだろう、とまた首傾げ]
そうだな…ではまた、祭りが終わった頃に残っていれば。
…その前に買い手が見付かってしまうかな。
[この素晴らしい出来ならば、と笑って]
温泉、温泉っ!皆で入るって、すごくたのしそー。
[楽しければ何でもいいらしい。
ベアトリーチェのしょんぼりした様子に、苦笑を浮かべつつ
軽くその頭をなでて。
ミリィの様子を見れば、小さく笑みつつ言及せずに]
いや、俺は……今日は店出してないから、ヒマっちゃそうだけど……。
[ベアトリーチェの残念そうな様子に何となく罪悪感めいたものを感じて、こんな事を口走り。
……それから、ふと感じた視線を辿って振り返ったミリィの様子に、思わずぎょっと]
……お、おーい?
大丈夫か?
[……何だか最近、やたらと微笑ましげな視線で見られる気がする]
…………むぅ。
[そんな事を思って、賑やかな皆から顔を背け、不機嫌そうな表情に]
[いきなり煙を噴出しかけたミリィに、驚いたりもしたが]
ま、俺はまだまだ、だからな。
……まだ、拾ってもらって、五年しかたってねーしさ。
[何となく、苦笑しつつ。
この村に保護されてからの五年間を思い返して]
……俺も、いつか。
そういう風になれるの……かな。
[後半の呟きは独り言の如く、風に散って消える]
[子供はイレーナが何を考えているのかなんてわからず、
多分、と首をひねった。
それからダーヴィッドの言葉にこくこくとうなずく。]
ええと、あそこ。
[来た方向を指差す。見えるだろう。]
[子供はとても期待してみなの答えを待っている。]
[残念ながら、今の彼女の位置からは馬のランプは人に隠れて見えず。何かあったのかとは気になったものの、まあ良いかと曖昧な笑みに誤魔化された]
[何だか向こうで薬缶が噴く様な音が聞こえた気がする]
…ぇぇ。その時は…是非。
[…とは言う物の…あまり、他の人に売る気はなかったりする。
出来れば、馬の相棒である彼に譲りたいのだが。
…キープしておこうかな、と少し思いつつ]
…でも、五年で…あんな、綺麗な細工、作れるようになったんだから。
あたしにだって出来たんだし…ユリアンなら、出来るよ。
[ユリアンの自身の無さ気な声に、もそもそと…言い終えると、微笑んだ]
[ユリアンに大丈夫かと聞かれると、少女は益々赤くなって、かろうじてふるふると頭を振る]
あ、あの…私、ちょっと、あんまりランプが素敵で…ぼーっとしてしまって…頭が、ふらふらしてるみたい、です。
[何か殆ど意味不明だった]
[なんだか不機嫌そうな主を、心配そうに目で追って。
もしかして、親子水入らずで入りたかったのかしら…なんて思ったり思わなかったり。
いきなり真っ赤になったミリィには、狽ヘぅ、と驚いて。
温泉って大変なところなのかしら…?と、あわあわ。]
[イレーネの微笑みに、まだどこか苦笑めいてはいたものの、笑みを返して]
ありがとな。
ま、頑張ってみる。今は、先の事より、目の前の課題だし。
[部屋に置いた、紫水晶を思い出しつつ、一つ、息を吐いて]
……まあ、確かにすっげー出来のランプだけど……。
頭ふらふらって、大丈夫か?
実は気づいてないだけで、熱とかあるんじゃ……。
[ミリィの返事に、結構真顔で心配してみたり。
肩の相棒の様子は以下略]
……………
[ユーディットの視線に気付いて、ぴくと眉を]
……余計な事、考えていないか?
[増えていく人々に、彼とは対照的に御機嫌そうな母を、視界の端に入れつつ。イザベラはのんびりとその傍に控えている]
[ベアトリーチェが示す先に、やはり見覚えのある面々が揃っていて。
一度其方に会釈してから少女に向き直る]
…私が共に行っていいのだろうか?
皆は村の者だが…私はそうではないだろう?
[困ったような表情を向けている]
[イレーナがキープを考えているなど露知らず。
もしもその時まであるようなら自分が買って帰ろうかなどと]
[ミリィの様子には何事だろうとか思った]
…あたしが…
[一番、年不相応な身体をしてるんじゃないだろうか。
居る面子を見て、そう思ったり思わなかったり…]
…イメージって、いきなり湧いてくる物だし…
あんまり、気負わなくても…良い、と思う…
[息を吐くユリアンにもそもそと言うと、ミリィの様子にはやはり、瞬き一つ]
…みんなは、行くの…?
[どうしようか迷った末、小さな声でもそもそと]
いえ、あの、大丈夫です!
わ、わたし、ちょっと頭を冷やしてきますっ!
[心配そうなユリアンの様子に、いよいよいたたまれなくなって、少女は逃げる様に身を翻した]
もちろんです。
僕は、みんな一緒にいきたいです。
[にこにこと笑って、ダーヴィッドに子供は言った]
村の人とか、関係ないのです。
[器用に片眉を上げ、投げられた視線に心臓が鳴る。]
いっ…いいえっ!
[やたら勘のいい主の言葉に、ふるるるると千切れんばかりに首を振って否定する。
……必死過ぎて、逆にバレバレとかは気付かない。]
……えっと、その…全員入れるかな…とか……。
[幾人かは混浴に行かないと、入りきれないよな予感。]
ん、そうする。
まあ、ヒントらしきものは掴めたし。
[にぱ、といつもの笑みを取り戻して頷いて。
それから、唐突に身を翻したミリィにきょとん、と]
って、おいおい!
いきなり走って、大丈夫なのかって!
[さすがにちょっと、焦ったらしい]
どうしようか、な…
[と、ぼんやり呟いたところでミリィが身を翻して。
…何故か知らないが何となく察した]
[ベアトリーチェの言葉に更に考え込んでから]
…では、ご一緒させてもらおうかな。
[関係ないという言葉に少し嬉しそうに]
ダーヴィッドさんもカモンカモンっ!
折角観光に来たんだから、名物の温泉も入っていかないと損しますよっ!
って、わ、ミリィ!温泉行かないのっ!?
[ミリィは踵を返したのを見れば、え?と
思わずその腕を捕まえようと手を伸ばすも
届かずに少女の後姿を見送って]
[いつもの表情になったユリアンに、心の中で安堵して…駆け去っていくミリィにユリアンの方を見て…]
…何かしたの?
[軽く首を傾げる。
…ベアトリーチェが何だか悲しそうな表情をしているのを見ると、行かないとは言えなくて…少し、複雑な心境]
……そんなに、狭いのか?
[彼の感覚では、十人も入れない風呂等狭い――ようで。
こういう時に限って、彼女の感じている予感には気付かない]
ともかく。
行くのなら行く、行かないのなら行かないで、はっきりすべきだろう。
いつまでも、ここでぐだぐだと言っていても仕方無い。
[後半の言葉は、わいわいと騒いでいる皆に投げかけ。
ずっと外にいては身体が冷えやしないかと、母に対する心配から来るものだったが]
[急に身を翻した少女を、小首を傾げて見送る。
少女に慌てた声を掛けている青年は、昨日の勝者で。]
…邪魔したら…馬さんに蹴られちゃいますね…。
[なんとなく察して、小さな笑み。
昨日の活躍の様子なら、人込みくらい軽くすり抜けて捕まえるに違いないと、傍観決定。
――馬が怖い訳ではない。決して。]
って、別になにんもしてねーよっ!
[単にボケただけで、と誰か突っ込みそうな答えをイレーネに返し]
あーっと……。
[しばし、どうしたものかと悩んだものの。
やっぱりほっとくと心配だな、と思った矢先]
……だから、言わんこっちゃないっ!
[こけたミリィに気づいて、そちらへ走る]
ああ、お邪魔させてもらうことにし……
[リディに答えていたところに、ミリィが転ぶのが目に映って]
………
[どうしたものかと、沈黙。
それでも動かないのは彼に任せようと思ったからか]
あいた…
[もともと足が早いわけでもなく、そんなに大した勢いでこけたわけではなかったが、さすがに、おもいっきりこけたので、鼻の頭は地面としっかりランデブーを果たしていた]
ああ、もう私の馬鹿…
…ホントに?
[少し尋常じゃないと思うけどなぁ。
とミリィに駆けていくユリアンの背中を見て…
自分は周りの出店の人に声をかける]
…あたし、温泉、行ってきますので…
出店の方、お願いします…
[明るい声が返ってくると、頭を下げて…出店の中から出ると、大きく伸びをした]
[あ、転んだ。
子供はただ見る。見る。じぃっと見る。
一緒にいきたいなぁと思って、見る。
それからミハエルの声がきこえて、うなずいた]
行きます。
あ、ええと、僕は当然です。
[にこにこと笑う。無邪気だ]
ミリィが扱けたのを見れば、あ。と声を上げて。
思わず駆け寄ろうとするものの、
ユリアンが走り寄るのを見れば、その足を止めた。
任せれば、良し!と心の中でガッツポーズ。]
あ、あたしも行く行くっ!
[ミハエルの言葉を聞けば、勢い良く手を上げて]
[声をかけたところで、赤いお下げが人込みを駆け――
転ぶのも視界に入り、全くと思ったが、ぽんと母に肩を叩かれる]
[フィリーネは、青春ね、とか言い出しそうな、微笑ましげな表情。
生憎と、彼にはその意味は解らなかったが]
[追いついてきたユリアンに、視線を向け。一生懸命少女は立ち上がった]
大丈夫です!あの、気にしないで、温泉に行ってきてください!
[皆の楽しみを邪魔してしまっては、と焦る]
[彼女には十人も入れる巨大な風呂が当たり前なんて、主が思っていることなど知らず。
昨夜探し回った時に温泉も少しは目に入ったからの言葉だったのだけれど、実際入った訳でもないのに主の言葉を否定はし切れなくて。
――後悔は後で悔やむものと相場は決まっているし。]
……はい。
移動しながらでも…お話は出来ますね…。
[主の言葉に頷いて、後ろにちょこん。]
…ま。後から追いかけてくるかな…?
[入るんだったら…とこめかみを掻き…]
…で、行くの?
[もそもそと、ミハエル達の近くに移動し…]
いや、気にするな、って言われても……。
[大丈夫と言われて、真に受けられるような状態でもなく。
がしがし、と青の髪を掻いて、一つ、嘆息]
そんな状態でそう言われても、ちょっと信用できねーぜ?
具合悪いなら、悪いなりに送ってくし。
そうでないなら……。
[言いつつ、集団の方を軽く、振り返って]
ベアトリーチェに付き合ってやれよ。
ちらっと見たけど……ちょい、残念そうだったしさ?
嗚呼、私も勿論。
[皆が言うのに合わせ、小さく手を挙げて]
[フィリーネの微笑ましげな表情が目に入り、何となく彼女とは気が合いそうな気がした]
ご、ごめんなさい…
[少女は、嘆息したユリアンの前で俯いた。その赤いお下げ髪の中では、ぐるぐると思考が空転している。送ってもらうなぞとんでもない話で…確かにベアトリーチェはがっかりした顔をしているようにも見える…でもでもでも……エンドレス]
『……ねー。
あんまり考えすぎない方がいいよー?
ただでさえ、フェーン、どーしよーもない鈍感なんだから。
混乱すると、ボケたおしちゃうよ?』
[さすがに見かねたのか、ネズミ、ぽつりと。
言い方がミもフタもないのは、ある種已む無し、か]
[ミリィの事は、鼠飼いの男――ユリアンに任せておけばいい、とは母の判断で。
フィリーネもまた、ノーラとは気が合うと思ったのか、にこっと笑みかける]
そうだな。行くか。
[イレーネの言に頷き、歩み出す]
[ぞろぞろぞろ。いつの間にやら、なかなかの大所帯である]
[さんざん、無限回廊を周回した挙げ句、少女は、他の人のいる場所の方が、まだマシかもしれないという結論に達した]
あの、一緒に行きます。
[擦り剥けた鼻を見られたくなくて、顔は俯いたままだったけれど]
[少女の返事に、ネズミ、ゆらりと尻尾を揺らして]
『んー?
一番の馬鹿は、フェーンだと思うけどねー。
今日もずっと、一人でぐるぐるしてたし』
[なにやら意味深なことを、ぽつり]
「やっぱり、妖精王のことで、悩んでいるのかしら?ユリアン…」
[ヴィントの言葉の意味には微塵も気付かず、少女は心配そうに、胸に手を当てる。その胸元に提げた青い花に]
[俯く様子にどうしたものか、と思ったものの。
やがて、返ってきた返事にほっと、一つ、息を吐き]
そっか、じゃ、急いでいこーぜ。
……さっさと移動始めちまったようだしさ?
[歩き出した一団を軽く見やり。
ぽん、と促すように肩を叩いてから、歩き出す]
『うーん、まあ、それもあるけど。
それ以外にも、色々と、ね』
[気になるなら『聞いて』みたら、と。
ネズミ、他人事口調でさらり]
はい!
[きゅっと、胸元の青い花を握りしめ、少女は歩き出す。いざとなったら、温泉の入り口で皆を待っていればいい、と漸く思いついたことなどは、勿論口にせず]
[年齢も何もかもてんでばらばらな集団の大移動に、周囲の人もなんだなんだと時折振り返っていたが、彼はそれを気にする事もなく。
すたすたと――それでも、皆と離れ過ぎないように歩みを進め、イザベラの案内で、特に問題という問題もなく、無事に温泉まで到着する。
祭の最中は、無料なのだそうで。やはりあの派手な法被を纏った人が、受付をしていた]
[元気のいい返事に、ちょっとほっとした表情を見せ。
わいわいと威勢のいい集団を追いかける。
……金髪含有率の高さ故か、見失う心配はなさそうだった]
[まさか後ろの二人に目印にされる金髪だとは思わずに、
子供はてけてけついていく。
時折きょろきょろ視線をさまよわせて、
やがてついた法被……
ではなく温泉。
嬉しくなった。]
[時折感じる視線に振り返る…が、見る側も見られる側も移動していたためか、視線が合う事はなく…軽く首を傾げ]
…
[…法被を着た人が受け付けをしていて…]
…んー…混んでる…って事は…ある?
[聞いてみたら、というヴィントの言葉は、二度目のことで…一度目はとても幸せな気持ちになれたのだけれど…と少女は考える。ユリアンの悩みに不用意に口出ししていいものか?気になるのは確か、なのだが]
[温泉の入り口にいた明らかに祭り実行委員、な人の姿を見た時、ふと思いついて、少女は問いかけた]
あの…団長さん、見つかりましたか?
[考えている様子に、ネズミはゆらりと尻尾を振るのみで]
『……自分から、言わないからね、フェーンは。
知りたいと思った事は、聞いた方がいいよー。
……とにかく、鈍感だし』
[「いやあ、一応探してるんだけどねえ」という返事に、そうですか、と頷いて…心の中では「一応」なのか?とちょっとだけツッコミを入れつつ…少女は溜め息をつく]
[結局、ちゃんとやってきたユリアンとミリィにこっそりと微笑んで。はぐれないように主の後ろを付いていく。
受付では派手な法被の人がいて。
無料という言葉に、目をぱちくり。なんて豪快な。]
[団長の話ははじめて聞くはずだが、
子供はすでにそれを教えてもらっていたから、
特別驚くことは無い。
ミリィと会話する実行委員を見た。]
早く見つかると良いですね。
コエが届けばいいのになぁ。
[どうして一人しか、無理なんだろうなぁと思う。
あのとき、聞こえたコエと風は、もう聞こえない。]
[温泉にたどり着いた所で、ようやく先に行った集団に追いついて。
さすがにと言うか、にぎわってるな、と思いつつ、ふと空を見上げて嘆息]
光……。
[小さな呟き。どうやらまた、意識が細工に飛んでいたらしい]
やー温泉。ひっさしぶりー♪
[温泉にたどり着けば、どこか嬉しそうに両手を上げて。
ミリィと自衛団員の会話をちらりと耳にすれば
無言のまま、何かを考えるように視線を空へと向けた]
[到着後]
[追いついて来た姿に微笑みつ、とりあえず法被の人にタオル等の貸出を頼み]
…結構多い…のかしら?
[出入りする人を見、ぽつり]
[中に入ると、子供はお風呂セットを持ったまま、
混浴の扉を開けた。
子供はいつも混浴だから、
なんの気もなしに、てとてとと入っていく。
ぱぱぱと衣服を脱ぎ捨てると、
次の誰かが来る前に、ぱたぱた風呂に走っていった]
[ミリィの問いに、ふ、とそちらを見やって]
ん?
ああ……そーだな。
五年前の、なーんにもなかった俺に、示された道だし……。
やってて、楽しいし、な。
…ギュンターさん、まだ見つかってないんだ…
[大丈夫かな、と小さく呟き…貸し出しを申し込むと、タオルを受けとる]
…
[そっと辺りを見て…]
…
[自分のコートの胸元を見た]
[法被を着た受付の人は、後から後から入ってくる一団にあんぐりと口を開け。
次いで、困ったように頭をかきかき、口を開いた。]
「あー、すまんが2〜3人くらいは混浴の方に行ってもらえないかな。
さすがにいっぺんにこの人数はなあ…」
[タダと言うこともあって、かなり盛況らしい。
無理にとは言わないが、と言いつつも切実そうに訴える。]
雪見露天風呂とか、出来るかなー?
[わくわくしながら係の人からタオル数枚を受け取れば、
女湯の方の扉を開いて。
ベアトリーチェが混浴の方へと駆けて行くのを見れば
引きとめようかと思いつつも、それより先に姿が見えなくなって。
まぁ、いいか?と小さく首を傾げつつ]
[イザベラから荷物を受け取って、アーベルと共に脱衣所へ]
[が、続く後ろの二人――ユリアンとダーヴィッドは呼び止められた。何でも、人が多いのだとかなんだとかで。混浴なら空いている、のだと]
……………
[危なかった、と思った。]
[ちらと後ろ二人を見、多少気の毒には思ったが。それはそれ、これはこれ。
彼は母に挨拶をして、さっさと中に入る。
「込んでるなら、私とミハエルは混浴に」なんて言いかけていたのは聞こえない。聞こえないったら聞こえない]
ふふ、本当、さっきもイレーナさんと話している時は楽しそうでしたね。
[そうやって、自分達の創りあげるものの話をしている二人が、少し羨ましかったことは、内緒にした]
「五年前…もしかして、こちらに来たのが、その頃ですか?」
[思いついて、聞いてみる。これくらいのことなら、失礼にはならないかと思って]
ん、まあ……なんでかんで、お互い好きだからな、自分のやってる事が。
[にぱ、と笑いながらこう返す。
その内心の想いに気づいている様子はなくて。
……とか言っていたら、混浴に回ってくれ、と頼み込まれてしまい]
……マジですか。
[引きつりながらも、他に犠牲者(?)がいる事だし、と諦めた]
[突然のことだったから用意など何も無く。
タオルやら何やらを借りているうちに出遅れて]
……は?
[自衛団の一人に呼び止められ、混浴しか空きがないと聞き。
混浴?と思わず問い返す。
しっかりすっぱり頷かれ…共に止められたユリアンを見た]
……ん?
[意識に響いてきた問いに、軽く、まばたく]
ん、ああ。ここに来たのは、五年前。
……その直前に、親父と一騒動やらかしてね。
前にいたとこに居辛くなって飛び出して……その時の反動でぶっ倒れたのが、ここの村外れだった。
[問いに答える声は、どこか、苦笑を帯びていたか]
[ユリアンの言葉に頷いたところで、彼が混浴に回るように、と言われたのを目撃して、少女は、なんとなく微妙な気分になる]
いってらっしゃい。
[小さく呟いて、じーっとその背を見送った]
[タオルを受けとると、女湯の方に入り…マフラーとコートを脱ぎ、手早くタオルに身を包む]
…
[起伏が乏しい己の身体に、むぅ、と眉をひそめ…湯に浸かりに*行こうと*]
[係の人から一式を受け取って、集団と共に中へと]
[後ろのほうで呼び止める声が聞こえたが、それが誰だかは確認せずに女湯のほうの脱衣所へと向かう]
[じーっと見られる視線がなんだかイタイ気がするような、そんな気持ちになりつつ]
……いや別に、好きでそっち行く訳じゃないし……。
[つい、言い訳がましい口調でこんな言葉を返していたり]
「そうだったんですか…五年…いえ、それ以上、帰らずにいるんですね…」
[妖精王が実力行使に出てくるのも、無理はないかもしれない、と少しだけ思う。それでも、譲れない願いはあるのだけれど]
「…ヴィントが、あなたが悩んでいたって言っていましたけれど、細工のことで?」
[衣服を脱いでいた手が引っかかって、ふと止まる。
胸元を見れば、小さな石の付いたペンダント。
…此れを外すか否か。
―――何事かをぽつりと呟くと、一つ頷いて
今度は、シャラリと小さな音を立てて首元から外した。]
[タオルに身を包めば、イレーネの後を追いかけて
一足先に浴室へと向かう]
[受付は、おそらく人の良さそうな、成年男子を選んで頼み込んでいるのだろう。
さすがに女性に混浴に回ってくれとは言いづらいとみえる。
現に、彼女なんて、先にさっさと混浴へと入ってしまったベアトリーチェを追いかけられずに立ちすくんでいたりする訳で。
嘆息しながらも、混浴へと回ってくれた青年二人に感謝しつつ、女湯へと向かった。
もちろん。イレーナの微妙な態度には気付かない。]
ん、まあ……短い時間じゃない、かな?
[その『時間』の長さについては、敢えて深く語らず。
続く問いには、え、と短く声を上げ]
まあ……それも、あるし……それ以外にも……色々と。
[ある意味、一番の悩みは祭りの花冠の事でもあるのだけれど。
それは言わずに、奥の方に押し込めて言葉を濁す]
[本当は入り口で待っていようと思ったのだけれど、少女は小さく吐息をつく。結構混雑している温泉で、ぼーっと立っているのは、いかにも迷惑そうだったし、ユリアンは混浴に入ってしまうし、少しすっきりしたい気持ちになっていた]
…いえ、ユリアンとは関係ないですけど…
[一体、誰に向かって言い訳しているのか?]
「色々、ですか?」
[そんなに悩みが色々あるとは、正直思わなかった]
「昨日も言いましたけど、私に話して少しでもすっきりできそうなら、いつでも言ってくださいね?」
[金属音と共に装具を外して行き、ついで赤い衣服を脱ぐ。
騎士という肩書き通りに鍛えられた体には幾筋かの傷跡。
当人はそれを気にした風もなくタオルを巻いて。
…さて、どうしよう]
[妙な諦観(?)を抱えつつ脱衣場に入り、着ている物をぱっぱと脱いで行く。
身体は割りあい、しっかりと鍛えられていて。
……肩口に傷らしきものがある辺り、当人の記憶にない、という過去がただ事ではなかった事が伺えた]
[脱衣所で、少女は、ちらりと光るものに目を囚われた]
まあ、綺麗…
[輝く石を、数刻見つめ、やがて、くす、と微笑む]
リディも女の子らしいとこがあるのねえ。
まあ、ガラじゃない、って言われそうだけどな。
[相変わらず、声には苦笑の響きを交えつつ、こんな事を言って。
それから、告げられた言葉に]
あ、うん……どーにもなんなくなったら、頼むかも。
[曖昧な返事に、ネズミが呆れたように嘆息したとかしないとか]
[男湯は、混浴よりもずっとマシだとは言え、その分人は多く、滅多に肌を晒す事の無い彼にとっては、矢張り抵抗はあって。なかなか身動き出来ずにいると、アーベルに早く入らないのかと声を掛けられ、]
……解っている。
[不機嫌そうに返事を一つ]
[さっさと服を脱いで浴場に行き、手早く身体を洗うと、すぐさま湯に浸かる。それはもう、どっぷりと――肩どころか鼻まで浸かる勢いで。あくまでも、隅っこの方に]
[ふと細工師である筈のユリアンの肩に傷跡が見え。
あれはどうしたのだろうと瞬く。
しかしそれを聞くのも何だろうと疑問は抑えて]
[諦観気味の溜息をひとつ。
そうして、混浴の扉を開いた]
[入る支度を整えた所で、何やら悩んでいるらしいダーヴィッドの様子に気づき]
……ま。男に回れって言ってるくらいだし、妙齢の婦女子はいないっしょ。
[こんな事を言って、すたすたと。
妙齢の婦女子はいない。確かにいない]
[慣れない…というか初めての温泉に戸惑っている内に、お母上と先輩はさくさく湯船へと移動してしまったようで。
慌てて衣服を脱いで、ぱた、ぱたた、と。
追いかけかけて、走ったらダメとイザベラに怒られたり。]
[子供はにこにこと、お湯につかっている。
ぱちゃぱちゃ、
飛び跳ねるお湯が楽しいらしい。
扉の開く音に顔だけ向けて、ぱたぱたと手を振った。]
あ、ダーヴィッドさんとユリアンさんだ。
「ガラじゃないなんて、そんなことありません。だって、ユリアンの創る細工は、あんなに繊細で綺麗なんですもの…」
[それは、あなたの心がそうだから、だ、と言外の意味は伝わったろうか?]
「私、いつでも、待っていますから」
[脱衣所に入り、コートの釦を外し。先に入って行く少女たちに若いわね等と少し笑って]
[脱ぎ終えると、同じ様にタオルに包まって]
…さて。
[ちらと横目にペンダントを捉えたが、特に何も思わずに扉を開けた]
[ユリアンの言う通り、確かに妙齢の婦女子は居なかった。
一応、まだ、救われたような気分]
[ベアトリーチェの姿に苦笑しつつ、ひらと手を振って。
先に体を洗ってから…と移動]
[母譲りの金糸の如き髪に、翠玉の瞳。
まだ成長期の途中の整った顔立ちに、身体の線は細くて、肌の色も母程では無いにせよ白いものだから、身長が低いのも相俟って、少女のようにも見える――それが、彼にとっては、悩みの種なのだが]
[湯船に浸かった儘、溜息を吐く代わりに、目を伏せた。
濡れた前髪から滴が零れ、頬を伝い落ちて、波紋が広がる]
[少女は自分の、大切な花のペンダントも外し、温泉の中に入る。楽しげなリディの様子に微笑んで、背中を流しましょうか?と尋ねてみたりする]
[浴場に入れば、耳慣れた声が呼びかけてきて]
……未来の、はいたか。
[苦笑めいた表情でベアトリーチェに手を振り返し。
洗い場で手早く身体を流して、湯に浸かる]
[お湯の中でぱちゃぱちゃして、子供は他の場所の人たちの様子を探る。
といっても、声は大きいから、
コエにしようかななんて考える。
今は湯の中に隠れているけれど、
そろそろ子供も、少女に代わる年齢。
……しばらくはまだ安心させておこう。]
[そうして、女同士のおしゃべりや、暖かい温泉に、少しだけ不安を抱え続けている心も温められて、今夜の少女は、安らかな気持ちで眠れるような*気がしていた*]
そう……かな?
ん、まあ……ありがと、な。
[細工の事を例に出されて、苦笑する。
それは、師匠にも言われた事だから、意味は伝わったようで。
それ故の苦笑]
ん……助かる。
[待っている、という言葉には、小さく。ぽつりと
……その瞬間、青銀の瞳には安堵の色彩が浮かんでいたが、視える者は限られて]
[手早く流せば自分も湯の中へ。
温かい湯に沈めば、深く息を吐き出した。
ベアトリーチェのことは、きっとまだ気付いていない]
[――女湯もけっこう盛況なようだった。
混浴に回ってない分、当然かもしれないが。
固まっていたら邪魔になるので、フィリーネとイザベラからは少し離れて身体を洗う。
リディとミリィの楽しげな声に、耳を傾けつつ髪も洗って。
長い栗色の髪が湯船に浸からない様にタオルで高く上げてから、そっと湯船の隅に浸かった。]
はぅ……いい気持ち…。
[温かな湯に幸せそうに瞳を細めて、うっとりと呟く。]
[湯に浸かり、はふ、と一息。
ちゃっかりついてきた相棒も、湯の中でまったりしている様子。
青の瞳はややぼんやりとした様子で波打つ湯を見つめ。
少女の事については、気づいているかいないか、見た目じゃ不明]
[ぱちゃぱちゃ、
お湯が飛ぶ。
子供は湯につかったダーヴィッドに近づいた。
お湯の中をかきわけて。]
怪我、いたくないですか……?
[心配そうな視線に、軽く、そちらを見やり]
ん、どした?
[視線の先は肩口の傷だろう、と推測してはいるものの。
曖昧な口調で、こう問うだけに止めて]
[思わずぼんやりしかけたところに声をかけられてはっとする]
怪我…?…ああ、これのことか。
もう塞がっているから痛くなどはないよ。
[ぺち、と軽く己の傷跡のひとつを叩く。
少女に向け、苦笑混じりの笑みを向けつつ]
[ふと、なんだか俯き加減に湯に浸かっているイレーナに気付いて、小首を傾げる。
こちらの視線に気付くと、なんだか慌てていたようだけれども理由はわからず。
やがて入ってきたノーラに…意識は逸れて。
そんな彼女は、可もなく不可もなくといったところ。]
[子供はやがて、顔を真っ赤にすることだろう。
あったかいけどあついから、そうなったらふらふらとお湯を出る。
そのとき、湯気が身体のラインを隠すか隠さないか……
それは本人、*知る由もないこと*。]
ああ。…心配させてしまったかな?
すまなかったね。
[ベアトリーチェの笑みに此方も笑顔を返して。
暫くはそのまま少女と色々*話しているだろう*]
[ミリィと他愛無い話をしながらも湯船に浸かって、一息吐いて。
ふと、イレーネの様子に気付いて首を傾げつつも
その奥へと広がる雪景色に、小さく声を上げて湯船の淵へと移動]
わー!綺麗綺麗!
温泉に浸かりながら、夜の雪見とかちょっと乙だよねー。
[これにお酒があれば尚良し!と未成年らしからぬ発言]
[ミリィとリディのおしゃべりを聞いたりしていたけれど。
やがて、ほかほかと…むしろのぼせそうになって、湯船からふらふらと撤退。
お酒なんて飲まなくても十分ふらふらです…とか思ってたり。
一足早く出ていたフィリーネとイザベラは湯冷めしないよう髪を綺麗に乾かし、梳っている最中で。
あわあわと自分も乾かそうと頑張るも、長すぎて挫折。]
[何処か遠くを見る様な目。気付けば手は止まっていて]
…――
[ふいに此方に引き戻された様にはっとして]
[手早く続きを洗い、身体を流すと湯のほうへ]
[端の壁に凭れかかるようにして天を仰げば、髪が首筋へと流れる。
煌めく月のひかりを受け、彼の瞳は宝石の如き輝きを増して。
此処から見る雪の化粧を施された景色は、なかなかの眺めだった]
……気持ちいい。
[ぽつり呟き、外気の冷たさと湯の温かさの快い差異に、息を吐く。
白い息が、白い湯気と混じりあって、空気に溶けていく]
[けれど長く浸かっていれば、寧ろ熱く感じて、肌も上気して染まり始め。
隣の浴場から聞こえる声を何と無しに聞きつつ、目蓋がそっと落ちてくる。
……彼がのぼせるのが先か、アーベルが発見するのが先かは、*定かではない*]
[これから食事へと移動する(?)のなら、完全に乾かすのは無理と諦めて。
概ね乾いた髪を、首の横でゆるく三つ編みにして流し。
そして、空いた脱衣籠を片付けようとして、とんっと込み合う人に押され、身体が揺れて。
ぱさっ、からから…かつん。
散らばる衣類と――転がる、輝き。]
[雪見をしながら、湯船の淵へ腕をついてお湯へ浸かれば
足をぱしゃりと僅かに遊ばせて。
暫く楽しんでいれば、ミリィが僅かにのぼせたらしい。
ノーラに先に出る事を告げれば、
2人で脱衣所へと向かう為に、湯船から上がる]
[はっ、と慌てて散らばった衣類を転がる籠に入れ、
ペンダントを拾って手の平で表裏とひっくり返し、]
ぁっ…!
えっと…傷、とか、は……!
[あわわ、あわあわ、と大慌て。]
[硬質な輝きは、傷など知らぬと言いたげに輝いて。
――むしろ、その輝きに…焦げ茶色の瞳を丸くする。]
……ぇ?
これって……まさか…?
[驚く彼女の耳に、脱衣所の扉の開く音と少女たちの声が届く。]
[脱衣所へと繋がる扉を開けて。
ミリィに熱りが醒めるまで座っているように告げれば
一足先に、衣類を入れた籠の場所へと向かって]
……おろ?
[ユーディット座り込んでいる様子に、何事かと首を傾げる。
ふと彼女が手に持っている物に視線をやれば、見覚えのある物で]
[不思議そうに首を傾げるリディに、ぺこぺこと頭を下げ]
すみません…籠をひっくり返してしまって……。
[言葉どおり、籠の中の衣類は見事くしゃくしゃに。]
[慌てている様子に、んん?と更に首を深く傾げつつも
さほど気にした様子を見せずに、すてすてと籠の前まで歩いて行く。
ぺこぺこと頭を下げられれば、けろりと笑って]
あ、気にしないで下さいっ!
むしろ拾って頂いてありがとーございます。
[ぺこりとユーディットへ頭を下げる。
そのまま籠の中へ手を伸ばせば、一番にペンダントを拾い上げて]
[視線が向けられるのに気付けば、
きょとりとユーディットを見やり]
……? え?
やっぱ。服着る前にペンダントとか変ですかね?
[真顔で、的外れなことを]
……ぇ?
あっ、すみません…そんなつもりじゃ……。
[――はっ、と慌てたように視線を逸らして。ふるふるふる、と首を振る。]
その…大切にしてらっしゃるんだなって…思って…
落としてしまってすみません…と深く頭を下げる。]
[ふるふると首を振られれば、こてりと首を傾げつつ
それでもさほど気にした様子を見せずに、今度は衣類へと手を伸ばして]
そんな、1回落としただけでそんな謝らなくても大丈夫ですって!
あたしなんて、まだ数日間なのに既に何度か落としてるというか。
[さらりと、適当な扱い発言。けらけらと笑いながら衣服を身に付けて]
大切にしてるというか……長い事外してると、…怒られるというか…?
[何度も落とした、という発言には思わず言葉を無くしつつ。]
怒られ…る……?
[ぽろり、問いが口から零れるも。
「そろそろ行きましょうか」というフィリーネの声が聞こえて。]
あっ、すみません…行かないと…。
傷とか…付いてなければいいんですけれど…。
本当にすみませんでした…。
[もう一度だけ、ぺこりと頭を下げて。
後ろ髪を引かれつつ、*その場を後にしたのだった。*]
あ、引きとめちゃってゴメンなさいっ!
傷とか気にしないでくださいねー?
[頭を下げられれば、つられた様にぺこりと返し。
慌てて去っていく後姿を見つめながら、総ての衣類を身に付け終える。
ちらりと、胸元のペンダントへと視線を寄越せば小さく溜息を吐いて。
手早く身支度を整えれば、休ませている友人の元へと*戻っていった*]
[多少熱っぽいので入りにいくわけにもいかず、
休憩室のマッサージチェアでみんなを待っているうちに、
すっかり*眠りこけていたりとか…。*]
[一団と一緒に温泉へ行けば、何人かは混浴にまわされつつも
青年とミハエルは事前のやり取りを神様が見ていたのか
普通に男湯の方に行くことが出来て。]
[しばらく祭りの準備でそれなりに忙しかった身体をゆっくり湯に沈めながら]
[青年もミハエルも口数が多いい方では無いので、
極たまにポツリ、ポツリと言葉を交わすだけで]
[それ故に、ミハエルが茹蛸になる前に気づけなかったとか]
………………………………………ミハエル?
[湯気でぼんやりとしか見えない金髪に、
ぱちゃ、ぱちゃと近づいてみる。]
……………………………………………………
[青年の湯上り最初の仕事は、ミハエルの介抱になったとか。]
[バスタオルを脱衣所に引き、その上に寝かせ
もう一枚バスタオルを用意し、それをミハエルにかけ
水で冷やしたタオルをおでこに乗せながら。]
[混雑する脱衣所でミハエルが復活するまで*まったり*]
[重い瞼を持ち上げて、ゆるゆると視線を彷徨わせ、事態の把握に努めるが、思考が霞みがかったようにぼやける。それに気付いたアーベルに水分を摂取するようにとグラスを差出され、半身を起こすと、額のタオルがずり落ちた]
……、僕は……?
[喉を潤し、一息ついてから尋ねれば、数少ない青年の言葉から、事の顛末を知り]
そう、だったのか……
……大衆の前で、恥を……
[周囲の人々は然程気にしていないと思うのだが、彼にしてみれば重大な過失で。目に見えて解る程、どんよりと暗いオーラを纏う。混浴でなかったのが、せめてもの救いか]
……………
[たっぷりと、沈黙して]
……アーベル。
君には、迷惑をかけた……、世話になってばかりだ。
[ありがとう、と述べる言葉は極々小さく]
[頭を振って、溜息。徐々に熱が冷めると共に、意識が鮮明になるのを感じつ、緩慢に帰り支度を始める。
……くれぐれもこの件は内密にと、アーベルに*念を押して*]
[湯上りでほんのり頬染めた女性陣が、皆と合流する為に休憩室へ移動する。
――と。待ち疲れたのかマッサージチェアで寝こける青年が一人。
「あらあら、エーリッヒ君たら」
にこにこと笑って覗き込むフィリーネとイザベラからは、数歩後ろに控えた状態で。きょときょと辺りを見回して、主の姿がないか探してみたり。]
[きょろきょろしている様子を、観光客と見たのか。
売り子らしい、法被姿の年配の女性が近づいてきて。
「温泉名物、瓶入り牛乳(フルーツ・コーヒー・いちご味)はいかがー? 美味しいよー!」
にっこりにこにこ。にーこにこ。
温泉はタダでも、これでちゃんと利益回収してるのか。
それはもう鉄壁の笑顔で、押しの弱そな彼女に迫る。]
…ぇ、あの…その………。
「温泉の後は、腰に手を当ててこれをぐぃーっと一気飲みするのがお約束なんですよー?」
[勢いに飲まれて上手く断れずに、助けを求めるように辺りを見れば、本当にそうやっていちご味のを飲んでる少女の姿があったりして。
…他にも普通に飲んでる人もいるのだが、そっちは目立たないので気が付かず。
「何味にしますー?」 とか言われて、更におろおろ。]
[きらきらと雪の照り返しが眩しい昼下がり、少女は広場をゆっくり歩いている。殆どの屋台は暗くなってからの開店で、今は祭りの行事も小休止、午後の気怠い日差しの中、時間の歩みも緩やかに感じられた]
[昨夜は、友達と一緒に温泉に入るという珍しい体験と…その他諸々…の出来事に、すっかりのぼせてしまった。友達にも心配をかけてしまったから、会えたら、改めてお礼を言わなければと思う]
…そういえば、あのペンダント…
[休んでいる時に、微かに聞こえてしまった会話を思い出し、少女は僅かに困惑の表情を浮かべる]
[綺麗なペンダントだったのに、友達がそれを喜んでつけているという様子には何故か見えなくて。いつも自分の心に正直で真っすぐなあの少女が何か悩みを抱えているのではないかと、心配になる]
「もしかすると…あれも、妖精王の?」
[心が、揺れる…リディは大切な友達だ。でも、もしも…彼女がユリアンを捕えようとする一人なら…自分はどうするのだろう?]
[村の外には、今日も出る事が出来なかった。自衛団長もまだ見つかっていない様子だ。今年の妖精祭りには不思議な事が多過ぎる]
妖精の物語に不思議はつきものだけれど。
[ちょと傍迷惑な不思議よね、と、呟いて、少女は広場にしつらえられた舞台を見上げた]
[見上げたのは、その上空…ユリアンが、結界の繋ぎ目があると言っていた辺り]
「ほんっとーに、傍迷惑、ですからっ!」
[本当は、妖精王に聞こえては不味いのかもしれなかったが、思わず恨み言が漏れてしまったのは、仕方ないと、少女は思った]
[舞台裏には、行事に参加する人のための臨時の控え室や、衣装や装飾品の置き場に使われているテントがあった]
[一応見張りをしているらしい自衛団の若者の眠たそうな顔に、こんにちは、と微笑みかけて、少女は物珍しそうにテントの中を見て回る]
[作り物の妖精の翅を、少女はそっと手のひらで撫でる]
私も、妖精になれたらいいのに…
[柘榴石色の瞳が、どこか遠くを見つめて*揺れた*]
[――昼下がりの厨房。
午後のお茶を給仕し終えて、小さくハミングしながら洗い物。]
〜〜〜、〜〜〜〜♪
[ふと、何か思い出したのか、仄かに赤くなったりなんかもしつつ、全て綺麗に拭き上げて。
ほぼ、日課になりつつある、買い物籠を手に取って。]
『フェーン、フェーンー』
んー……。
『フェーン、起きろよー』
うー……。
[ネズミ、てちぺちてちぺちと頬を叩き。
相棒を起こそうと奮闘中]
─工房・自室─
[きゅーきゅー、という声が室内に響く。
場所は作業台の上。
台の上には小さな羽や光の意匠を模した銀のパーツがいくつも散らばり、その中心には部屋の住人が突っ伏し、見事に潰れている。
声の主──灰色のネズミは相棒を起こそうとしているようだが、どうにも眠りが深いらしく。
青髪の青年は中々目を覚まそうとはしなかった]
『フェーンー』
ん……。
『フェーン、いい加減に起きろよー。
今日は店出すんだろー?』
ん……みせ……。
『ししょーに怒られても知らないよー?』
ししょー……?
…………。
[ぴくり、と。
何かが反応した]
……やっべ!
[唐突に、唐突に目が覚める。
昨夜、温泉から戻った後、不意に浮かんだイメージを固めるべく試行錯誤を始め。
浮かんできた形を作り始めた後……の、記憶がない。
平たく言えば、そのまま眠ってしまった、という訳なのだが]
……あー……マジで何やってんだか、もー。
[ため息をつきつつ、作りかけの細工を丁寧に片付けて立ち上がる。
……通りはそろそろ、夜に備えた準備が始まる頃だろうか]
さて、と……。
残り半分、気合入れて売ってくとするかね。
[ぱし、と掌と拳とを打ち合わせつつ、呟いて。
出店の準備に取り掛かった]
[――ぱたり]
[少し固めの、本を閉じる音。
俯き加減に眉間をぎゅっと押えて、息を吐く。そうする仕草は、年不相応ながらも、妙に似つかわしくも見える]
[閉じたのは、日記帳。元々、毎日の習慣ではあった――のだが、勉学の復習代わりに使われていたそれは、此処に来てからというもの、その内容は様変わりして、その文章量も大分増えていた。良い事なのか悪い事なのか、彼には解らなかったが]
[優しいメロディーに合わせ、ふわふわの髪が揺れる。
湯上りに三つ編みしたまま、乾かしてしまった長い髪は、見事なまでに波打っていて。
後ろで纏め上げる事を諦めざるを得なかった栗色の髪は、うなじより高めの位置にリボンで一つに結われ、背中をふわふわと覆っていた。]
[仄かに赤くなりつつ手籠を、軽く持ち上げて。]
…はい。
買い物に…行って来ようかと…。
[そうして、少し迷いつつ口を開き]
ご主人様も…ご一緒しませんか…?
[目の前を、柔らかなウェーブのかかった髪が通り過ぎ――ようとして、慌てたように、止まった。ぺこん、と頭が下がる]
買い物。一緒に?
[不機嫌でも何でもなかったのだが、問い返す声に、僅かばかり怪訝そうな響きは含まれてしまっただろうか]
/中/
中会話無しでいっちゃおうかと思ったんですが、せっかく相談できるんだから、ちょっと使わせてもらいます。
現状、妖精COはされていない状況なのですが、私としては少しずつ狂COを始めています。ですので、間接的に(特にユリアンさんが)逃亡妖精だというのは、バレやすい事態を招いていると思います。
少し、押さえて欲しいとか、予定が狂いそうとか、何かあれば教えてくださいね。
………。
[不機嫌そう(に聞こえた)声に、余計な事を言ってしまった…と、きゅ、と軽く唇を噛んで口を噤み。
やや不自然な、沈黙。]
……いえ、あの…なんでも…ない、です。
失礼します…!
[くるり、踵を返し。ぱたたたた、と玄関へ。]
/中/
了解です。
基本的に、妖精COはハデにやるつもりでいるので。
今の所、特に問題はないですよ。
なんとなく、占われているような気もしてますので(>>163辺り)。
[黙り込んだ様子に、些か首を斜めに傾けて。
口を開いたかと思えば、ぱたぱたと逃げるように駆けていくユーディット]
ユーディット。
[それに、声を投げかけ]
一度口にしておいて、何でもなくはないだろう。
別段用事がある訳ではないし、外には出ようと思っていたところだ。
僕も行こう。
普段、僕に付き合わせてばかりだしな。
[母に挨拶と、外套を取ってくるから、暫し待てと付け加えて]
[――ぱたり。
投げかけられた主の声に、反射的に足を止めて。少し困ったような顔で、おずおずと振り返る。
けれど。
次いで、かけられた言葉は、叱責などではなくて。]
…は、はい…。
[なんだか夢のような(と言うには大げさだが)展開に、焦げ茶色の瞳を丸くして。
素直にこくこく頷いて、ちょこんと、待機。]
[母に出掛ける事を伝えれば、何時ものようににこにこ微笑まれ。
しかし、ついと一度視線を逸らし、少し不安げな表情で、「気を付けてね」と付け足されて。彼は、眉を寄せる]
母上?
……心配なさらずとも、大丈夫ですよ。
[ここ数日は、よくあることなのだから。
彼がそう言うと、母はそうね、と頷いて。紳士が淑女にするように、跪いて手の甲に口付けると、部屋を後にして。自室に立ち寄ってオーバーコートを手に取り、玄関へ]
[…結局、とてもじゃないが他の人の体の線など見る気にはなれず、皆が上がったのを見て、こっそりと上がって…集まっている様子は見れず、珈琲牛乳だけ貰って帰ってきていた]
…
[そして、店へと戻り…ベッドの中で寝ていたら。
…また、あの夢を見た]
…
[…寝起きで跳ねた髪。そして寝ぼけ眼は虚空を捉え…ポツリと呟いた]
…ハッキリしないなぁ…
[ふるるるる、と。それはもう真っ赤な顔で否定する。
ふわふわの髪がくしゃくしゃにもつれそうな勢いだ。]
きっ、気のせ……えぇと、そろそろかなって…。
で、では、行きましょうか…。
[ぎく、しゃく、と手足を動かし、先に立って歩き出す。
うなじまで赤かったのは、髪に隠れて見えたかどうか。]
[夢で見た内容を思い出しつつ…髪をくしゃり、と撫ぜ]
…王様の檻、悪い子…王様の命令…
まさか、ねぇ…
[小耳に挟んだ、村の外に出れない、と言う噂。
もしかすると、その王様とやらが仕組んだことなのではないか?
夢で見た光の言葉に小さく呟いて…]
…まぁ…まだ。
決まったワケじゃないし。
[消えた自衛団長。
ソレは、その王様の仕業だとしたら、どう考えても悪いのは王様で…
もう一度、何かが起こってから考えようと。
お祭の楽しげな空気に流された]
あまり振ると、髪が乱れるぞ。
[普段と変えているのに、勿体無い。
そう言って、外套を羽織り、革の手袋を嵌めて]
[明らかに、気の所為どころではなく可笑しい、ユーディットの挙動を奇妙に思いつつも、ぎこちなく歩き出したのを見れば、彼も、歩を進め始めるが]
……具合が悪いなら、イザベラに代わって貰ったらどうだ?
[風邪を引いているとでも思ったのか、そう尋ねる]
[身支度をすると、コートとマフラーを羽織りガラスのベルを鳴らす…]
…今日は何を食べようかしら…
[出店の人々に軽く挨拶をすると、足を動かし始めた]
[主の言葉に、わたわたと両手で髪を撫で付ける。
勿体無いって何が!?…とかまでは、気が回らないあたり、色々といっぱいいっぱい過ぎていたり。
けれど、ふわふわ気分も次の言葉でぺしゃんこに。]
イザベラさんとの方が…いいですか…?
[……質問の意味の履き違えもはなはだしいが、素だ。]
[ふらりと出店を見ながら歩いていく。
何か、お腹に溜まる物…そう考えた結果…]
…ありがとう…
[硬貨を渡し、フランクフルトを受けとる。
ソレを囓りながら、道を歩き…オカリナの音を聞いた]
…
[そう言えば、彼の店にまだ足を向けていなかった事を思い出し、その足はオカリナの音色が流れる方へ]
[話の繋がらないユーディットの言葉に、柳眉を顰める]
……………?
体調を崩しているのなら、休んだ方がいいだろう。
[扉を閉めて、別荘から村の通りへと出るも、足を止め]
[音色流れる出店。
燐光さながらの煌めきに惹かれる者。
音色を耳に留めた者。
立ち止まる理由はそれぞれながら、それなりに客足はある方で]
……何とか……完売はできそうかな……?
[だいぶ数の減ってきた細工たちを見やって、独りごち]
[もぐもぐ。フランクフルトを食べながら音色の元へと向かい…
音色が途切れると、軽く手を振り]
…こんばんは。
[細工の方を見て…視線を戻し]
…なかなか、好調?
[足を止めた主と、言われた言葉に。
ようやく、質問の意味に気付いて、目をぱちくり。]
…ぁ。
あ、その…大丈夫です…っ!
[元気です…とぴょこぴょこ跳ねてみせたり。
ついでに髪もぴょこぴょこ。面白いかもしれない。]
[声をかけられれば、よ、と言いつつ手を振り返し]
こんばんわだなー。
ん、まあ、それなりにペース上がってきた感じかな?
結構、いい評価ももらえてるし、手応えもそれなりに感じてる。
……そうか?
[ころころと変わるユーディットの表情と、ぴょこぴょこと跳ねる様子に、不思議そうに]
まあ、いい。行くぞ……
いや、今日は君の用事だったか。
[先を行こうとするも、何処へ向かうか解らずに、彼女の方を振り向いて]
…そう…良い評価、貰えたなら…売れるのが、早くなるかもね。
[うん、と頷き…よいしょ、とユリアンの隣に座り]
うん、ユリアンの、細工…
どんどん、難しい形に、綺麗に、なってくの、分かる。
[そう言うとフランクフルトを囓り]
[なんとか、誤魔化せた(?)事に胸をなでおろし。
にこ、と嬉しそうに笑んで、先に立つ。]
…はい。
では…、……と……を…まず先に。
[いくつかの品物の名をあげて、ぱたぱたと歩き出した。]
だと、いいんだけどな?
[早くなるかも、という言葉に、冗談めかして言いつつ。
綺麗に、という評価には、照れたような笑みを浮かべて]
ありがとなー。
でも、まだまだ師匠の造形にはぜんっぜん及ばねーし。
まだまだ、荒いよ。
[地図を手に、表通りから外れた小さな店に入り、不思議な匂いのする店内を物珍しそうに見る主を微笑んで見つつ、目的の品を代金と引き換えに籠に入れる。]
[用事を済ませて外に出れば、少し冷たくなってきた風に乗って、オカリナの音が耳に届いた。]
…まだお祭は続くよ。
[冗談ぽく言うユリアンにクスリと笑い…]
…ん、お師匠様とは、違うけど…
何も、同じモノを…目指さなくても、良いんじゃない?
ユリアンは、ユリアンの、好きなように…作った方が、良い物、作れると思うけど。
…こんな事、お師匠様に言ったら、怒られるかも、だけど。
[最後は冗談っぽく笑んで]
[普段とは逆に、ユーディットの後に付いて、ふわふわと揺れる栗色を視界に入れつつ道を行く。
庶民の店に入るのは、経験の無い事で、何気ない風を装いながらも、視線はあちらこちらへ]
[そうして買い物を終えて外に出ると、既に天の高くに月が昇っていた。
風に流れる澄んだ音色は、聞き覚えのあるもの。
先ず思い出されたのは、煌めくひかり。
……次に、奏者の男よりも灰色の鼠が目に浮かんだのは如何なのか]
いやほら、完売が早ければ、あとは祭りのんびり楽しめるしさ?
[どこまで冗談かわからない口調で返し]
そーだなー。
俺は俺だし、師匠は師匠。
全く、同じにはなれないもんな。
[何か思う事でもあるのか、青の瞳をわずか伏せ。
それから、最後の言葉にはそうかも、とこちらも笑って返す]
[せっかく主と一緒なのに、このまま直に帰ってしまうのは勿体なくて。
音に惹かれるまま、そちらの方へと少し回り道。]
綺麗な…音色ですね……。
[同じように耳を傾けている主に、ぽつりと呟く。
――まさか、ネズミの事を考えているなんて露知らず。]
…まぁ、そうだけどね。
[こちらとしては、あのランプを残すためには…売れ残るようにしないといけないのだけれど。
なかなか難しい…小さく思いつつ]
…みんな、同じになれたら…
一色単に、なっちゃうから…ね。
個性も、生まれないし…競争、激しくなりそう。
[それは困るかなぁ、と小さく呟き…]
お師匠様、恐いからね。
[元の顔が。ソコまでは言葉にはしなかったがくす、と笑って…フランクフルトを囓る]
みんな同じじゃ、面白くないだろって。
せっかく、色々と『違ってる』んだしさ?
師匠は目標だけど、でも、何ていうか……。
やっぱ、越えなきゃなんない人なんだと思う。
何にもない俺に道を作ってくれた人だけど……んにゃ、道を作ってくれた人だから、こそ。
……そのためにも、俺は俺でないと、ね。
[妙に真剣な表情で言った後。
怖い、という言葉に、*笑いながら頷いた*]
宝石細工の露店からだろう。
……見て行くか?
[鼠に気を取られていたとは言え、あの時見たひかりは、彼も印象に残っていたから、気紛れに*そう言って*]
…ん。違ってるから、見てて、面白いんだけどね。
…時々、色々違ってるのが…悲しくなるけど。
[少し、俯き…控えめな胸を見て。視線を戻す]
…そっか。
そういう、モノ…なのかな。
お師匠様、って。
[…自分のランプ作りを教えてくれた人は、基礎しか教えてはくれなかった…
後は、自分で全て積み上げてきた…つもり…]
…ん。
[俺は俺で…小さく頷いて、フランクフルトを囓り…
頷くユリアンに、やっぱり?と笑った]
…宝石細工…ですか…?
[宝石細工とオカリナとの意外な組み合わせに、小首を傾げるも。
見て行くかという言葉には、にこ、と*微笑んで頷いた*]
悲しくなるって、なんで?
[不思議そうに瞬いて、問う。
視線の動きの意味などは理解の範疇を越えていると見て間違いなさそうで]
んー、俺にとっては、かな?
俺にとっては、越えるべき人って、他にいないしね。
……あ、怖い云々は、師匠には内密にって事で一つ。
[にぱ、と笑いつつ、冗談めかしてこんな事を言い]
[昨日は楽しかったと子供は思った。
たくさんの人、たくさんの声。
いっぱい話した。
いっぱい笑った。
子供は今日も笑顔を灯した。]
熊さんにも何かお名前つけないと……?
[何が良いかな、と首をひねる。
答えは出なかったから、とりあえず熊をぎゅうとした。]
…まぁ…体型、の、事よ…
[…その不思議そうに問うユリアンには慣れてるのか…少し悩んで口にする]
越えるべき、人…
…今は…あたしにも、居ない、かな。
ランプを作ってる人、って、そんなに多くないみたいだし。
[そういうランプを作っている者の名前を聞かないためか、軽く頬を掻き…
小さく笑った]
…分かってる…あたしも、わざわざ…恐い思い、したくないし。
[テントの中でぼんやりしているうちに、すっかり日も暮れてしまったらしい。少女は、既に完璧に居眠りしている自衛団の若者を起こさないように、そーっと外に出た。先刻ユリアンのオカリナが聞こえた気がして、広場の方を見る]
[それから、洋服を着替える。
そのとき、子供は首を傾げた。
何に違和感を持ったのか、
しかし、すぐに部屋を出た。]
いってきます。
[まだまだ屋台は出ているはずで、
子供はとことこ、ぴょこぴょこ、
楽しみに、外に出た。]
体型……ねぇ。
[そんなに気にするモンなのかな、とか思いつつも、それ以上は追求せず]
あー、確かに、ランプ職人って、あんまり聞かないかも。
……なんて言ってると、思わぬ対抗馬が出たりするかもな?
[軽い口調で言いつつ、最後の言葉にはだよなー、と笑い]
[軽い口調で言葉を交わしつつ、意識は上空へ。
場所を意識すれば、力の流れ、気脈を辿るのは容易な事で。
……そう遠くなく、次の結界の開閉があるのは、予測できた]
さて、と……。
問題は、誰に窮屈な思いをしてもらうか、だけど……。
『てきとー、って訳にもいかないよねー』
ああ。
ある程度標的を定めて、力を絞りこまねーと……すぐに、見つかっちまうからなー。
…うん…体型。
[小さく溜め息をつくと、軽い口調で言われると小さく笑って]
…思わぬ対抗馬…寧ろ、歓迎、かしら?
そっちの方が…あたしが作ったほかにも、ランプ、見れるわけだし。
[と、目を細め…]
…ユリアンも、あたしが言ってた、なんて、言わないでね?
[目当ての人はすぐに見つけることが出来たけれど、話しかけるきっかけは見つけられなくて、少女は、舞台の裏手に隠れるように引っ込んで、小さく吐息をつく]
まあ……あんま、考えすぎんなよー?
[やっぱり理解の範疇は超えているらしい]
なる……そういう考え方もあり、か。
祭りの観光客から話が広まれば、その内挑戦者とかやってきたりしてな?
……了解、了解っと。
師匠に怒られたあげく、お前まで敵に回したら、生きてられねーし。
[軽く言って、に、と笑う。
その肩で呆れたようにへしょっていた相棒、何かに気づいたらしく、きゅ、と鳴いて首を傾げた]
[微妙だったので、
新しく、今度は、暖かなスープを買う。
コーンスープは子供が好きなもの。
ほかほかになりながら、てとてと、
広場の方にやってきた。
舞台がまだおいてある。
その向こうになんだか、
見覚えのある人影が。]
…うん。もう、成長しないだろうし…
[小さく頷くと、もう一度溜め息をつき…]
…ん、挑戦者…とは言わないけど…
好敵手?
そう言う人が、居ても…良いかな、って。
同じ分野で、ね。
…ん。
生きてられないは、少し、大げさだろうけど…ね。
[少し間を空き…くす、と笑うと、方の上のヴィントに一つ瞬いた]
…おはよう、ヴィント…?
[少女はぼんやり星空を眺める。東の国の物語にあった星の恋人同士は一年に一度しか逢えないのだったな、と関係のないことが頭に浮かぶ]
お互いに、競い合える……ってヤツ?
そういうのって、確かに、いると張り合いあるだろうな。
[軽い口調で言った後、ふと真面目な面持ちになって]
……大げさ……か?
[大真面目に問い返すのもどうかと。
その肩の上では、どこかを見ていた相棒が名前を呼ばれ、はっとしたようにきゅ、と鳴きつつ、尻尾をゆらり]
[見上げた星空に、何か不思議な気配を感じる。そう、あの自衛団長が消えてしまった夜のような…そして、僅かに張りつめて伝わるのはユリアンの意志の気配]
[呟きを聞いた子供は、
内心、ぽんっと手を打った。
まったく気づかないミリィの様子に、
なんだか、面白いというか、楽しいというか。
少し考えて、一度、ユリアンの屋台の方を見る。
イレーナと話しているだろうか。]
……ミリィさん、こんばんは?
[手に持っていたコーンスープを差し出すように、
子供はにっこり笑った。]
うん。
でも、敵対心剥き出し…とまでは行かなくて良いよ。
競うために作ってるんじゃないんだから。
[ふと、真面目な面持ちになったユリアンに言葉が詰まり…]
…別に、剣持って追っかけまわすワケじゃないんだし…
この村の、知り合いも…増えた、でしょう?
…まぁ、そう言う風に思ってくれるのは、嬉しい、けど。
[少し躊躇いながら言葉を紡ぎ…ヴィントにフランクフルトの欠片を渡す。
ふと、何かを思いだしたのか顔を上げ…ぼそり。
…コレは確信犯なのだが]
…そういえば。花輪…
[気になったのだから、しょうがない]
……まあ、誰送り込んでも後でぼこられ確実だよな……。
『それは覚悟の上でしょー?』
まーあな。
強制連行された挙句、強引に王位継承だのなんだの進められちゃ、かなわねーっつの。
『……今はむしろ、強制結婚が嫌なんじゃないの、フェーン』
[さらり。
言われた言葉が青銀の瞳に、一瞬揺らぎめいたものが宿す]
『まあ、どうするかは、騎士さんの考えも聞いてから、だねー』
……ん、ああ。そだ、な。
えっ!?
[少女は文字通り飛び上がった。心臓が、思い切り跳ね上がる音も聞こえたかもしれない]
ベ、ベアトリーチェ?…こ、こんばんは。
どうなるかは、相手のセイカクによるんじゃね?
ま、出てくるといいなっ。
[にぱ、と笑って言った後。物騒な例えに、そりゃそうだけど、と苦笑して]
ん……確かに知り合いは増えたな。
今年も新しく増えたわけだし。
[それから、軽い口調で言いつつ、フランクフルトをもらって嬉しげな相棒を眺め]
……って、え。
[意識から締め出しておいたものの話をされて、言葉を詰まらせた]
[ものすごく驚いている様子に、
やっぱりそうなのかと、子供は思った。
だから、にこにこ笑ったままだ。]
あったまります、飲みませんか?
[それから]
僕、ランプ、買いに行くのです。
施設に飾るのです。
一緒に、いきませんか?
[目的は当然、違う人だと、わかっているも。]
あ、コーンスープ?美味しそうね。
[なんとか微笑むことに成功はしたものの、赤い顔はごまかしがきかない…髪も瞳も赤かったから、そりゃもう、全身真っ赤だった]
…ん、そう言う話、聞いたら…教えてね。
[小さく笑んで…]
…だよね。
出店やってても…毎年、見に来てくれる人もいるし…
そう言う意味では、役得、かも。
[…言葉を詰まらせるユリアンにはくす、と笑い]
…渡す人、居るんなら…
早めに、渡さないと…チャンス、逃すよ?
…ぁ、それとも、もう、渡した?
[女の子にスープを差し出され、少女は軽く、首を傾げる]
私が貰ってもいいの?ベアトリーチェが、買ったんでしょう?
[そういえば、いつも、この子は、屋台で買ったものをみんなに配って歩いている気がする、と思い出す]
本当に、ベアトリーチェは優しいのね。
[少女自身も優しい気持ちになって、そっと金色の頭をなぜる。ランプを買いに、と言われると、少しだけ困ったような顔]
ランプ…え、ええ、いいわ。一緒に行きましょう。
[余計なことを考える頭を励まして、頷く]
ああ、その時は、な……。
[ほんの一瞬、瞳が陰り、言葉が澱む。
でも、それは一瞬の事で]
ああ、お馴染みさんも結構いるし、役得ってのはあるかも。
[早口に言った後、追い討ちにはため息一つ]
まだ、ウチに置いてあっけど……。
べ、別にいいじゃん、いつ、どうしようと、さ……。
[それまでとは一転、ぼそぼそとした口調で答え。
青の瞳を遠くに彷徨わせる]
僕は、ミリィさんがあったかいほうがいいのです。
[でも今はあついかもしれないと、
思ったとかおもわなかったとか…。
頭を撫でられて、にこにこ、
嬉しそうにした。]
一緒に、嬉しいです。
[近くにいったら、きっとミリィは
もっと嬉しい顔をするだろう。
そう思って、子供は、
てこてこと、そちらに向かおうとする。
当然、ミリィと一緒に。]
[少し、ハッキリしない口調に軽く首を傾げるが…その後の言葉には頷いて、フランクフルトを囓る]
…ん、置いてあるの?
[飲み込むと、ユリアンの様子に小さく笑い]
でも、折角、お祭で…花輪、投げ入れたんだしさ。
好きな人、居るなら…ね。
[花輪を投げ入れた者…その話はユリアンも知っているハズだし…
そう思いつつ…ね、とヴィントに首を傾げ]
ありがとう、それじゃ頂くわね?
[女の子の言葉に笑みを深めて、その気持ちを無にしないようにと、スープを一口]
あつっ…!
[猫舌なのを忘れていたとか]
あ、待って、ヘアトリーシェ…
[はふはふしているので発音もおかしい。というか、それ以前に向かう先におろおろしているのだが]
だって、持ち歩く訳にもいかねーし……。
[視線を彷徨わせつつ、ぼそぼそと呟き]
いやま、それは……そうだろうけど、さ……。
[ため息混じりに、こんな言葉を。
肩の相棒は首を傾げられ、きゅ、と鳴きつつこくこく頷いた]
[あつっという声をきいて、
子供は心配そうな目をする。
だがしかし、当然、
ゆっくり進む足を、止めるつもりもない。]
大丈夫ですか?
ええと、少しさましてから飲むと良いのです。
[といいながらも、
すでに二人の屋台はしっかりと見える。
子供はにこにこ笑いながら、
当然、ついたら、ミリィを放置して、
イレーナのところで、ランプを*眺める予定だ*。]
…まぁ、ソレは分かるけどさ…
持ち歩いていたら、皆に話をせっつかれるだろうし。
[昨年の様子を思い出しながら、小さく苦笑し]
…?
[溜め息混じりに言うユリアンに一つ瞬きをし…ヴィントが頷くのを見て微笑んだ]
…ヴィントが、もどかしいって。
はいはい、並んで並んで〜。一人一個だよー。
[本日は温泉蒸しケーキの無料配布。
ふんわりまぁるいスポンジ状の生地の中に、カスタードたっぷり。
プレーン、チョコ味、イチゴ味。
ちゃっかり隣でお茶も売られているとかなんとか。]
わかってんなら、言うなよっ!
[さすがにちょっと、拗ねた口調になったかも知れない。
去年の様子は、しっかりと見ているだけに]
……う……うるせえな、あっちもこっちも……。
[笑いながらの言葉に、相棒を横目で睨み。
それからまた、視線を夜空へ彷徨わせる]
…んー。
まぁ…ね。昨年は投げ入れてすぐに告白してたし…
工房とかに呼び出せば?
[人に聞かれたくないなら、と軽く空を見て…
ヴィントに睨むユリアンに]
…ずっと、一緒にいるからね…ヴィント。
分かっちゃうんじゃない?
うん、大丈夫。ごめんなさいね、心配させて。
[心配そうな子供に、にっこり笑って…それから、やっぱり少し困った顔で、彼女の向かう方向を見る。と、そこで、何やら子供達の行列を発見した]
あ!ベアトリーチェ!蒸しケーキですって、美味しそうよ?
ほら、イレーナさん、まだランプを並べていないみたいだし、先にこっちを貰って行かない?
ね、そうしましょう。
[いつもの少女には似合わない強引さで、並ぶ子供達の列の後ろにベアトリーチェの手を引いていく]
Moi j'ai pas de dieux
J'vivrai pas vieux ma vie c'est la fete
Si je t'ouvre les yeux
on va s'envole dans les cieux
[青年は唄いながらトテトテと広場への道を行く。
広場への道を辿りながら、昨日のことを思い出す。]
[些細な出来事だったのだが…目に見えて凹んでいたミハエル。
痛々しい様子に”内密に”と言う言葉に深く頷いた。]
……なにか…元気が出るもの……
[そう思案しながら思い浮かぶのは甘いもので。
良さそうなものを探しつつ屋台を物色。]
[オカリナの音が流れてきた場所をはっきり知っているらしい主と入れ替わり、いつもどおりの位置に戻って。
ぱたぱた、と、その背を見つめながら歩く。
――その途中で、なんだかいい匂いと聞き覚えのある声に、小首を傾げて。
主もそちらを見て、なんだか微妙な顔をしているような
してないような気配。]
……あれは、凄まじかったな。
[ふと、去年の盛り上がりを思い出しつつ、ぽつりと呟き]
呼び出しとかって、もう、ヒトゴトだからって気楽に言うなよなぁ、もぅ……。
[それから、情けない声でこんな事を言って。
相棒に対する言葉には、そうかもな、とため息一つ]
[そんなことを考えていたら、温泉蒸しケーキの無料配布]
…………………
[丁度良さそうだ…と、青年も列に並べば、
すぐ目の前に、赤い髪をおさげにした頭と、それに引っ張られる金髪]
………え〜と…ミリィ…?と、ベアトリーチェ…
…うん。
まぁ…元々小さい村だし、二人とも顔なじみだったしね…
[小さく頷くと…くすり、と笑って]
…あたしも、これでも女なんだから…
そう言うのは、気になるの。
[後ろから、声をかけられて振り向くと、青年と目が合って、少女は、にこりと微笑んだ]
あ、こんばんは。アーベル。あなたも蒸しケーキを貰いに来たの?
……………
[視界内に映った、見知った金髪の男に、複雑そうな表情。
思わず立ち止まり、其方――配布をしているエーリッヒの方を見遣った]
[他の集団は、彼の目には入っていない模様]
[よく見れば、甘い匂いに誘われたのか、知ってる顔がちらほらと。]
…こんにちわ。
[とりあえず、子供の列が凄いので近づかないまま、
ぺこりと頭を下げて挨拶を。]
それにしたって、良くぞできるもんだ、と思ったけど。
……って、気になるって言われても、俺にだって色々と都合があるわけで……。
[何か段々、言い訳がましくなっているような。
その様子に、相棒が呆れたように頬をてちり]
[昨日不思議な音を立てたり走り出したり…と
忙しそうだった少女は今日はいたって普通で。
青年はミリィの言葉にコクリと頷き。]
……けど、一人一つだから。
俺の分はミハエルに渡すつもりだ。
[一人1つのものがもう1つ手に入ったら
…なら、少しは元気が出たりしないだろうか?
と、青年は考えたようだ。]
はいはいー、押さないで押さないで〜。
まだまだあるからねー?順番順番。
…ズルしていくつもとっちゃだめだぞー?
[相変わらずの法被姿で、列の整理をしつつ蒸しケーキ配りまくり。
流石に忙しくていちいち人の顔なんか見ちゃいねぇ。]
[青年が何を思い出しているかなんて、少女には判らなかったので、あくまで普通に会話を交わす]
そうなの、でもどうしてミハエルに?
[そんなに仲が良かったろうか?と少し不思議で、問い返してみる]
…まぁ…最初っからそうしよう、って決めてたみたいだし…
[あれだけ激しい追いかけっこになったのも初めて見たけれど、と小さく呟き…]
うん、気になる。
[キッパリという]
…確かに、出店出してると、時間はとりにくいかもだけど…ね。
[ヴィントが頬に手をやるのを見ると、小さく笑い]
……風邪かしら…?
[首を捻る。昨日は結構長く湯船に浸かっていたようにも思えて、それで何となく納得してしまった。誰かの噂に上っているなんて思いもしない]
[もしかしたら夫も何処かでくしゃみしているかもしれない]
[と、甘い香りと共に子供の行列を発見]
[その中には昨日一緒に温泉に行ったメンバーも幾つか見受けられた]
[こちらに気付いて手を振るミリィ達に、にこ、と微笑んで。
足を止めたものの、なんだか一点(というか一人)を見つめて動かない主に、小首を傾げる。]
ご主人様…どうしましたか…?
[甘いものへの誘惑と戦ってるのかしら?なんて思ったり。]
[真面目にやっているようだし、そんなに警戒する事もないかと、息を吐く。あまりに嫌がるのも、相手に失礼だ。なんでもない、とユーディットに答えて、顔を戻す。
と、遅れて、他の面々にも気付いて。軽く挨拶を]
……? 僕が、どうかしたのか。
[ミリィの口から出た自分の名に、首を傾げる]
正直、執念っぽいもの感じたけどな、アレ。
[おかげで去年は見応えがあり。
そのため、今年の展開が物寂しい……と感じた結果かが現状だったりするわけだが]
んな、きっぱり言うなよなぁ……。
[見事に言い切られて、微妙に凹み。
続く言葉には、ため息一つ]
いや、時間がどうとかってんじゃないけど……。
[相棒にてちぺちされつつ、ぼそりと]
ああ…昨日温泉で…………
[そこまでいって、ミハエルに口止めされていたことを思い出す。
……どう説明すべきか…ベアトリーチェの頭を撫でながら思案。]
……友情を確かめあった証に……
[ … … 出 た 答 え は そ れ か … … ]
…愛の、力?
[執念=愛?
ふと浮かんだ公式に、瞬きをしながら呟き…]
だって、そういうのを、興味あっても良いのが…
女の子の、特権、だし。
[くすりと笑うと…その後の言葉に、軽く首を傾げ]
…時間の問題…じゃ、ないの?
[他に…何があるのだろう、と考える]
[わいわいがやがや、温泉蒸しケーキは大繁盛。
主の後ろで控えている彼女には、賑やかな子供の声に紛れて、ミリィとアーベルの会話はよく聞こえない。
なんでもないと答える主を、少し不思議に思うも小さく頷いて。
かけられたノーラの声にそちらを向いて、ぺこりと頭を下げて御挨拶。]
こんばんわ…。
ほんとうに…賑やかなお祭りですね…。
[舞やら追いかけっこやら、彼女の想像以上である事は間違いない。]
[少女は金髪の少年に微笑みかける。なんだか、初めて会った時よりも、表情が豊かになったような気がして、そんな彼を見ることが出来るのが少し嬉しい]
ええ、アーベルが、あなたに蒸しケーキをっ…て…
[言いかけたところで聞こえてきた、アーベルの返事]
……………
………………………
………………………………………
………そうなの。
[何と解釈したのかは、秘密だ]
……そういうモン?
[何となく首を傾げつつ、素でぽつりと呟き]
それって、どんな特権……っとに、周りは気楽だよなぁ……。
[それから、やや大げさにため息をついて。
投げかけられた問いには、ああ、と短く頷いた。
青の瞳がまたどこか、遠い所を見る]
嗚呼、…いいえ、此方こそ。
[くすりと笑って、ミハエルに]
[彼の母とは昨日温泉の後で少し話をしたらしく。何を話したのかは内緒]
[それからユーディットに向き直り、そういえば初めてだったわね、と呟いて]
ええ、毎年こんな感じよ。
楽しんで頂けていると良いのだけど。
[ミリィの長い沈黙に誤魔化したことがばれたと思った。
追求されたらどうしようと思った…が…
”そうなの”と、言われれば
誤魔化したことはばれていない?とホッと安堵し
安堵から少し笑みつつ、”そうなんだ”と、ばかりに頷く。]
[何か”解釈”されたらしいが青年に気づくよしもなく。]
…さぁ。
[あたしに聞かれても、と目を瞬かせる]
…女の子はそう言う、夢のある話は好きなのよ。
[と、軽く胸を張り…]
…
[ユリアンの様子に、見ている方向へと目を移してみる]
[ミリィがそんな事を考えているとは、思いも寄らない]
蒸しケーキ?
[言われてもう一度エーリッヒの方に視線を向ければ、確かに、それらしき物を配っている。しかし、何故自分に――と尋ねようとしたところで、途中で言葉に詰まる少女。そして、少女と、何やら安心した様子の青年を見比べて]
……………???
[益々、首を傾げた]
[話の内容は、きちんと聞こえていた訳ではないらしい。聞こえていても、アーベル同様、ミリィがなんと解釈したかは理解できなかったろうが]
毎年…。
去年も……凄かったんですか…?
[去年の主役が目の前になんて気付かずに、にこ、と微笑みながら問いかける。
ミリィの微妙な沈黙には、もちろん気付いてなかったり。]
……夢、ねぇ……。
俺は男ですから、わかりませんよ、と。
[ぽそり、と返す。
青の瞳が見つめているのは現実なのか否か、定かではなく。
ただ、そこには微かな陰りの色彩]
『…ぶっちゃけなぁ…去年勝ってりゃ俺が……。』
「にーちゃん!オレにもっ!!」
あー、すまんすまん、やるからっ!
[物思いにふけっていたのか手が止まり、子供たちに催促されて慌てて配りだす。]
蒸しケーキ♪ 蒸し蒸しケーキ〜♪
[鼻歌を交えつつ、通りをのんびりと歩いていく。
途中で出会った近所の人が、屋台で見かけないケーキを持っているのが見えて。
無料配布だと聞いた瞬間、彼女の行き先は決まった。
食べるものなら良し。無料なら尚良し。
…育ち盛りの少女の胃袋は底が知れない。]
お?もう皆揃ってる! やっほー!
[配布場で、見慣れた友人やら青年やらの姿を見れば
挨拶をしながらも、そちらへと近寄って]
[首を傾げているミハエルに]
…………ばれていない、安心しろ。
そのかわり、俺の分の蒸しケーキを持っていくといい。
蒸しケーキは……プレーン、チョコ味、イチゴ味
…だから、三種制覇は出来ないけど…
[と、告げる。]
…………あ…
[そこでようやく配っているのがエーリッヒだと気づく]
[…何を見つめているのか。
ソレも分からぬまま、視線を戻す]
…夢、ない?
恋沙汰とか。
[よく、小説とかもあるし…と軽く首を傾げ]
…まぁ、渡した後で良いから、渡したら教えてね。
[にこにこにこと、満面の笑みで、青年と少年を見比べていた少女は、友達の声に振り向いた]
リディ!こんばんは。昨日はありがとう。
……貰って来たら、どうだ?
[耳聡く聞き付けたらしく、ユーディットにそう言って]
[明るい茶の髪をした少女――リディがやって来るのを視界に入れつつ、今度は、アーベルの言葉に首を傾げる番だった]
そうか、ばれていないのは有り難い……が……
……何故、そうなるんだ?
[青年が甘いもので自分を元気付けようとしているだなんて、思わずに
[はふ、と息を吐いて軽く目を閉じ、それから、ゆっくりと開く。
その時には、既に青の瞳に陰りはなく]
まあ、夢はあると思う……っつうか。
夢のない世界ってのも、面白くもなんともないよな。
[にぱ、と笑ってこう返し]
……渡せたら……な、
[渡したら、という言葉への返事は、小さく付け加えられた]
[リディの元気な声に気付いて、ぺこりと頭を下げて。
視線が胸元に行きそうになるのを、瞳を伏せて隠す。]
元気…はい、皆さんそうですね…。
[追いかけっこを思い出して、ついでに色々思い出し
………
………………
………………………ちょっとお待ち下さい(熱暴走)]
[何故、ミリィが満面の笑みなのか理由はよくわからなくて、
青年は首を傾げるけど…凹んでるわけじゃなさそうだからいいやとも思う。]
[ミハエルに何故…と聞かれれば]
…あの後ずっとどんよりしていたから。
甘いものは良い…気分も晴れる…と思う。
これは一人一つだから…二人分の2つあれば
きっと…倍気分が晴れると思った
[数人に手を振られれば、へらりと笑みを浮かべ]
ミリィこんばんはっ! …ん?昨日?
[笑ったまま、不思議そうに首をコテリと傾げる。
本人にとっては、些細な事だったらしい。
と、エーリッヒの言葉に、さらに首の傾げる角度が深くなった]
アリくんって、あたし…?そしてチバラギMAX紅茶味って何!!
ってゆーか「あたしの好きな」って事はイチゴ味もう無いのー!?
[うわー出遅れたっ!と頭を抱え]
[エーリッヒの言葉にいささかショックは受けるが
でも、今回は自分の分はミハエルの分だから
あってもなくても自分は食べられないわけで]
……別に良い。
俺の分は、ミハエルに渡すから。
[ニヤリと笑うエーリッヒに、
ちょっと勝った気持で言う。]
[そうこうするうちにも列は進んで、少女達は先頭になる]
こんばんは、エーリッヒさん。ええと、私は苺味を。ベアトリーチェはどうするの?
[子供が自分のケーキを選ぶのをにこにこと見守る]
[視線を外したユリアンを見て、もう一度、その方向を見てみるが…無くなった物や増えた物は分からず…視線を戻し]
ん、だよね。
…物語でも、そう言うのを良いなぁ、って思うお年頃なのよ。
[いつものように笑うユリアンに、くすり、と笑う]
…ん。
[微かな声に、何となくだが言っていることが分かった気がして…小さく頷いた]
[何だか丁度良いタイミングで響いてきたリディの声に小さく笑って]
…て、…如何したの?
[熱暴走しているらしき様子にきょとり。ぱたぱたと目の前で手を振ってみたり]
ん、アリくんってそりゃー…
そこの真冬なのに胸元がばちょと見せてセクシーな季節感無い甘党さんのことだ。
[さらりとそんなことを言い。]
あー…イチゴ味ならまだ蒸してないのひと箱くすねてあっから、後で来たら横流しするぞ。
[リディの耳元でこそっと囁いてみる。]
アリくん大丈夫か!?
なんか甘いものでも拾い喰いして腹でもこわしたかっ!!??
ありえねぇ…こいつが甘いものを他人に譲るなんてありえねぇ…。
[ぶつぶつとさりげに酷いことを。]
[アーベルの説明に、意図は理解した、が]
……気持ちは有り難い、が……
[甘いものが好きではなかったのだろうか、と元紅茶事件を思い出しつつ。
エーリッヒの叫び声に、目を丸く]
拾い食いしていないし、勿論腹も壊していない。
甘いものは食べると元気が出る。
だからミハエルに二人分
[勝ち誇った表情で説明になってない説明をエーリッヒにしつつ]
お年頃、ね。
[くく、と笑いながらこんな事を呟き。
それから、よ、と言って立ち上がる]
さて、と……。
ちょいと、そこら歩いてくるかねー。
なんか、賑やかっぽいしさ。
[なにやら騒ぎになっているらしい辺りを見やって、いつもの調子で軽く言い]
あー、すまんすまん。
[寸ででミリィに支えられ、蒸しケーキの危機は回避された。
もしも此処で本当にてっくり返していれば、軽く暴動も起こったかも知れず。
つまり、ミリィはこの村の平和と平穏と村人たちを、危機から救ってくれたということだ。
おめでとうミリィ、ありがとうミリィ。]
……わ、本当!?1箱もっ!?
やったー!エリにぃありがとー!約束ねっ!
[囁かれた内容にうわーい!と両手を上げて大喜び。
とアーベルにぃの言葉に、叫びはしなかったものの
十分驚愕したらしい、手を上げたまま硬直]
……「甘いもので1ヶ月過ごす」とか
数日前に決意してた人の言葉じゃない…。
[アーベルの説明に首を傾げつつ。ぽつり。]
遠慮しないでいい…甘いものは勿論大好きだが。
けど、元気がない人がより食べた方がいい。
それに、おかげでオモシロいものを見ることが出来た。
[と、ミハエルにエーリッヒを指しつつ]
甘いもので1ヶ月は…まだ実行していないからいいんだ
[と、リディによくわからない説明をしつつ
エーリッヒに見返されて、コクリと頷く。]
む。
[何か小馬鹿にされた気分になったのか、軽く眉をひそめ…立ち上がるユリアンを見つめる]
…あたしも行く。
[よいしょ、と立ち上がり…]
…店の主でもないのに居座ってたら変な感じだしね。
[ユリアンの見やった方を見て…小さく頷き]
いいえ。大丈夫ですか?風邪とか、まだ完全に治っていないんじゃないですか?
[村の平和はともかくとして、自分と子供の分の蒸しケーキをしっかりと受け取りながら、少女は青年に心配そうな目を向ける。彼はすっかり忘れているようだが、最初に森の中で置いて帰ってしまったことを、まだ気にしているのだった]
いくらフィー姉ぇ似で天使のように可愛いとはいっても…、
ミハエルくん、男の子だぞ?
うん、恋に障害はつき物とはいえ…その壁は越えられねぇだろ…。
[盛大に勘違いしつつ、身もふたも無い言い方しつつ、遠い目。]
「あれは、妖精の輪の中だったから…」
[少女は思い返して、少し沈んだ気持ちになる。エーリッヒが、競争の時に妖精王に乗り移られたかのように見えたのは、そのせいではないのか、と思って]
[眉をひそめる様子に気づきつつ、に、と笑うだけで。
周りの出店の店主に出店の事を頼んで]
いや別に、店番してくれててもいーけど。
手間賃出せねーからなっ。
[冗談めかして言いつつ、騒ぎの中心の方へのんびりと歩き出し]
[何事かと振り向きかけたが、如何やら今のショックでユーディットが此方側に戻って来た様だ]
ええと、…大丈夫?
心此処にあらずって感じだったけど。
[背後では何やら妙な方向に話が行きつつあるようだが知ったこっちゃ無い]
好物を人に譲っただけで何故その解釈なんだ。
……いつでも色恋沙汰、桃色脳髄のお前と一緒にしないで欲しい。
[青年は静かに…けど、怒りMAXと言う表情でエーリッヒに告げる]
……実行する気ではいるんだ。
[そっか。と小さく頷くも、納得していいのか悩みつつ。
エーリッヒの言葉に、まずはミハエルを見て。
ゆっくりと、アーベルへと視線を戻して]
………カウント3、取った方がいい?
[吹っ飛んだエーリッヒを呆然と眺めつつ、何か違う]
んー、手間賃無いなら…興味ある方に行くわ。
[と、くすりと笑い…騒ぎが大きくなった方を見て…]
…何やってるんだろ?
[まだ、人混みで見えては居なく…ユリアンと共にその方向へと向かう]
[…と、先程まで此処に居たと思ったミハエルの姿がない]
[と思ったら]
……………あ。
[吹っ飛ばされるエーリッヒをズバリ目撃]
さて、と……こないだの様子から考えて。
親父の干渉がここに来るまで、あと1時間くらい、か……。
どうしたもんやら……。
[青銀の瞳で空を見上げつつ、ため息を一つ]
……また何か言ったのかしら…。
[状況は分からないまでも、この手の事は日常茶飯事らしい]
[…というかこの間も同じ様な光景を見たような]
きゃ!
[更に、盛大に吹っ飛んだエーリッヒに驚いて、短い悲鳴]
あ、あの、大丈夫、ですか?
[蒸しケーキが死守されているのを確認して、少女は感動した…かもしれない]
ちゃっかりしてんな、さすがに。
[手間賃ないなら、といわれてまた笑い。
それから、前方を見やって首を傾げる。
何やら騒ぎになっているようで人だかりができているが、それを掻き分けて進み]
……何やってんだ、こいつら……?
[落ち込んだり呆然としたり、吹っ飛ばされたりしてる面々に、思わずぽつりと]
……………はとこ?
[ミハエルの言葉に首を傾げ]
……似てない………
[と、感想をボソリ]
[今回はエーリッヒに対して罪悪感は0で
倒れたエーリッヒを気にかける様子はない]
[復活するなり、物凄い発言を聞いて。]
[更に。
ノーラの肩越しに、物凄いものを見て。]
[なんだか色んな葛藤が、すっこぬけた、ようだ。]
[そう?とユリアンに首を傾げ…
ユリアンの後に続き、人混みをかき分け…]
…?
[何があったのだろうか。
一つ瞬きをして、その惨状(?)を見ている]
[アーベルの呟きに、]
…………ありがとう。
[思わず、素直にそんな言葉が零れた。
これで似ているなどと言われたら、世を儚むところだった]
……そっか。
あの、無理は、……しないでね?
[いかんせん、アーベルに1ヶ月の話を振ったのは自分である以上
それを止める権利を持ち合わせていなかった。
と、ミハエルの呟きに、おや。と首を傾げて]
はとこ、なんだ? エリにぃ。
ごめんねー、はとこふっ飛ばしちゃって。
……手持ちが、使用済みの割り箸しかないけど
墓標としては問題だよねぇ…。
[真顔で悩み中]
[ミリィにつれてこられた先で、
こんなにおばかな出来事を見るなんて、
子供はもちろん思わなかった。
でも男の友情を確かめ合ったと
まじめに語ったアーベルも……
なんかとってもおかしかった。]
……はとこ。
[見比べた。
エーリッヒとミハエルを見比べた。
似てるけど似てなかった。]
[ユリアンとイレーネには]
………いつもの、エーリッヒの馬鹿な行動…
[と、告げ。
素直なミハエルの肩を叩きつつ]
………割り箸でも立派過ぎるくらいだ
[と、リディに]
[何がなんだかわからないものの、取りあえず、エーリッヒが何かやらかしたことだけははっきりとわかってしまったのは何故なのか。
そんな事を考えつつ]
……一体全体、何があったワケ?
[そこらにいる面々に、適当に問いを投げ]
[くるぅ〜り。ノーラの方を振り向く。]
ほんとうに…元気、ですよね。
[他に何と言っていいのか、わからなくなったらしい]
[ミリィの言葉で、またドンよりしたミハエルに困った様子で]
……エーリッヒが寝ている今なら三種制覇…も
慰謝料としてもっていってもいいと思う
[と、謎な元気づけをしつつ、
蒸しケーキの箱から三種類のケーキを取り出しミハエルに渡す]
…そう。
[アーベルの言葉にはそう言うしかなくて…
所々で聞こえてきた、はとこ、と言う言葉に軽く首を傾げ…]
はとこって…誰が?
あの、ミハエル?大丈夫?気分でも悪いの?
[いきなりどんよりしてしまった少年に、少女は不思議そうに声をかける。自分の言葉が原因だなんて、これっぽっちも思っていない]
[雪の上にくてりと倒れ臥す様は、何処と無く儚げで歎美な物語の一幕のようであったが、
中身は全く容姿には伴っていないわけで。]
[宛ても無く彷徨っていたら、何やら妙に騒がしい一角が目に入り。
不思議に思って其方へ向かう。
騒ぎの中心に居たのは…何だか見覚えのある面々]
…………。
[思わず絶句したまま、声がかけられない]
……………。
………ええ、そう…ね。
[勿論そんな意味で言った筈では無かったのだが。ユーディットにそう返して]
[新しく現れた2人には、微妙な笑顔のまま会釈]
[どよどよオーラを出しまくりの主に、ぱたたたた、
と近づいて。]
えっと、その……大丈夫、ですからっ!
[――何が大丈夫なのか自分でもわからないまま、力づけようと頭をなでなで]
[余計にトドメをさしたかもしれないなんて思わずに。]
[アーベルの言葉に、使用済みの割り箸を雪にぶすりと突き刺してみる。
名前すら書かれていない、墓標。
ちなみに、焼きそばソース風味。]
ミハエルさんと、エーリッヒさんは、
あんまり似てないと思います
[どよーんしている少年に、
子供は、そっと声を掛けた。
だってお母さんの方がそっくりだと、
思っていたから。
……もちろんそれは言わないけれど。]
/中/
時間厳しいので、中発言にて失礼っ。
襲撃先、どうしますかねー。
見た感じ、ラ・研・学は能力者っぽいので、初回はできれば外したく。
キャラ的に美味しい貴・召もできれば外したいような気も。
共鳴に当たるのはある程度やむなし、と考えて、残りメンバーから選ぶ感じでみてるんですけど、どーでしょか?
[次々とエーリッヒ=ミハエルのはとこが広まっていくのも、落ち込みに拍車をかける。それはもう深々と溜息を吐きつつも、アーベルから渡された蒸しケーキに視線を落として、そのうち二つを返す]
……一人一つ、というのが規則なのだろう。
僕の我儘でそれを破るのはよくない、し、矢張り君の分は君が食べるべきだ……
[其処は彼なりに、譲れない線らしい。妙なところで生真面目だ]
[ちなみに、残ったのはチョコ味。]
[背後から聞こえた声は、逢いたくて逢うのが怖い青年の声で、少女は、またまたぐるぐる空転を始めてしまいそうな頭を落ち着かせようと、せわしなく辺りを見回す。そして、丁度現れたダーヴィッドの姿に、思わず、意味もなく手を振った]
こんばんは!ダーヴィッドさん!
[投げかけられる言葉から、大体の事情は察して]
……まあ、予定調和か。
[強引にまとめた。ていうか、まとめるしかねぇ、という感じかも]
[ノーラの表情に何か引っかかる物を感じつつも会釈し…]
…ミハエル、さんと…エーリッヒ、が…?
[微かに聞こえた声に、少なからず微妙な顔になった]
…
[ぁ、ノーラの表情はこのためか。
非常に納得]
何事って言われても……ねぇ。
俺もさっきここに来たばっかりだし。
[意識に響く問いかけに、疲れたようにぽつり、と]
大丈夫じゃない……が、大丈夫だ……
[心配そうなミリィに、くらくらと眩暈がしそうなのを額に手を当てて堪えつつ、耐える。返答になっていない返答だったが]
……………
[とてとてと近付いてきたユーディットに、頭を撫でられ]
[ぴし。]
[そんな音がしたかもしれない。何かが崩れる音]
[青年はその辺に立てかけてあったスコップを取ると
軽くエーリッヒに雪をかけておく。
本当に埋めなかったのがせめてもの慈悲らしい。
リディの立てた割り箸の墓標がシュールな味わいとなる
――――――――――――――焼きそばソース風味だが]
[そうこうしてる間に、ちらほらひらはらと舞い落ち始めた花びらのような雪。
…このまま置いておけば、春には綺麗な桜の花でも咲きそうだ。]
はとこ…
[どんよりオーラな少年の言葉に、双方を見比べて]
[ついでに昨日談笑した貴婦人を思い浮かべ]
……似てないわね。
[結論]
/中/
遅くなって本当に申し訳なくorz
私もその五人はできるだけ外したく思っています。
が、具体的に誰と考えると少し難しく…
其方は誰にするかある程度は決めておられます?
[新たに来た人々に、なんともいえない困った笑顔で、ぺこりと頭を下げる。
何があったかなんて、聞かれても説明できない。絶対。]
……割り箸…。
[割り箸の墓標は、あまりにも哀れだったけれど。
雪に沈められた理由が理由だったので、そっと視線を逸らして見ない振り。]
あ、ダーヴィッドさんこんばんはー!
[墓標を建てる一仕事を終えて、満足そうに額を拭えば
ダーヴィッドが来た事に気付いて、挨拶代わりに手を振って]
いま、蒸しケーキの無料配布をやってる……って、あー!
あたしまだ蒸しケーキ貰ってないっ!イチゴ味!
え、エリにぃ起きてー!!
[墓標はそのままだけれど。]
[呆気に取られていたところにベアトリーチェが頭を下げ。
何やら勢い良くミリィに手を振られ。
ユリアンからも手を振られ、いい加減我に返った]
あ、ああ…こんばんは。
[出て来た言葉は普通の挨拶だったが]
[青年はダーヴィッドに気づき会釈。]
[ミハエルに苺味とプレーン味を返され、苺味をリディに渡しつつ]
……俺が食べるよりも、ミハエルが食べた方が良い。
適材適所…だ。
[3種制覇は置いておくが、ミハエルに一つ譲る件に関しては
青年も折れる気がない様で、頑な]
[大切で、大好きな主。
彼を、元気付けたかった、それだけだったのに―――]
『………ぴし?』
[何か聞こえたような気がすると思った、その目の前で。
崩れ落ちる、ご主人様]
/中/
いやいや、リアル大事に。
みんなキャラ的に動いてるから辛いと言うか、こっちが初回吊りを避けられるかって問題もあるんですけど(^ ^;
少・青・未もみんな味があって選び難いんですが、発言密度から考えると未、かなあ、というのは漠然と。
…ぁ、ダーヴィット、さん…こんばんは…
[微妙な表情で会釈し…
崩れ落ちる金髪の少年。そのまま雪が積もっていく金髪の青年。
端から見たら、この風景はどう映るのだろうか?]
…
[…ご愁傷様。
心の中で呟いた]
まぁ……大したことがないのなら良いのだが…
[向こうで倒れて割り箸の墓標を立てられた上に雪に覆われつつあるエーリッヒが果たして大したことではないのかは不明だが]
[とりあえず、”やらかした”事だけは、理解してしまい。]
狽キっっ、すみませんすみませんすみませんっ!!!
[もはや何に謝っているのかもわからぬままに、涙目。]
[割り箸の墓標に雪の墓土。
やたら金髪が映えるなあ、とか思いつつ]
……ん?
[ふと、ベアトリーチェの様子に気づいてきょとん、と瞬き]
エーリッヒに関しては、まあ……ある意味『いつもの事』としか、ね。
[埋められる姿にぽつり、呟く。
当然の如く、助ける意思などはないというか、それどころではないというか]
/中/
初回吊りは此方の方が危い予感。
発言の状況は皆見ていそうなので、未は票が集まりやすいのでは、と。
誰と決めるには皆惜しいので悩んではいるのですが…
うーん…色々絡んで貰ってるからアレなんですが…少かなぁと…
[動揺しまくる彼女の目には、周りの光景など映ってはいない。]
[なんとはなしに、距離をとって遠巻きに見物…もとい、眺められているなんて。ちっとも。]
[というか甘いもの……というよりも、
あの蒸ケーキをたくさんもらって、
喜ぶのはアーベルさんくらいのような……
子供はそう思ったが、
本人に言うことはやめた。
子供には当然、一個で十分だ。
ユリアンのきょとんとした様子には、
何も言わずに、にこと小さく頬笑んでみる。
代わりに、混乱するミリィの問いに答えた。]
お話、したくないですか?
[もちろん、
本人にしか聞こえないような小さな声で。]
[アーベルから苺味の蒸しケーキを渡されれば、
一瞬何事か判らずにキョトンとして。
それでも、手に持たされた物を理解すれば、笑みが浮かぶ]
[蒸しケーキを大事そうに抱えながらも、
ミハエルが崩れ折れた様子に気付けば、てててと其方へ近寄って]
[皆には改めて会釈をして。
案の定と云うかなんというか…微妙な表情しか浮かばない]
…何が起こっているんだ?
[どうやら理解の範疇外だった模様]
[ユーディットの謝罪の言葉も、
アーベルが蒸しケーキを差し出すのも、
リディが近寄って来るのにも、
気付いてはいたのだが]
[気力が尽きている。色んな意味で]
/中/
まあ、いろんな方向性から、俺は放置されそうですが(滅)。
吊り襲撃が被ると色々と辛いから、未は外してみますか。
そうなると、今俺の近場にいる少は、コントロールミスで当てた、というネタが確立するんで、ストーリー的には組み立てやすいかも。
……キャラ的には惜しいですけどね(^ ^;
何時もの……
[どんな何時ものなんだろう、と思ったり。
ふと視線を其方へ向ければミリィがベアトリーチェに引っ張られ…
邪魔にならぬように黙り込んだ]
[ダーヴィットの質問に]
…エーリッヒは万年色恋沙汰脳髄で
俺とミハエルにその脳髄で考えた変なことを言い出した。
だから俺とミハエルはエーリッヒをふっとばして埋めた。
その後ミハエルとエーリッヒのつながりが判明し
ミハエルが落ち込んだ。
[あってるんだか、あってないんだか]
[ベアトリーチェの言葉に、きょとん、と瞬いて]
え、あ……え?
いやまあ……ええと……。
[答えようがなくて、困ってみたり]
[ミハエルが気力が尽きている様子に、
暫く考え込んだ後。 …あぁ、と手のひらを打って]
ミハ君! このやるせな、い?気持ちを
力の限りぶつければ…気力、直りそう?
[または、蒸しケーキを食べてみるとか。と2択提案。
誰に、とか、何に、とは言わない。]
[ダーヴィットの言葉は尤もで…しかし。
何と説明して良いのやら]
…何か…ショック、受けたみたいです…
[もそもそ…結局、そうとしか言えず。
ミハエルとエーリッヒを見て…
ふと、ベアトリーチェの様子を見えた。
…ミリィをユリアンの方へ…?
そっちの方が気になるのか、視線はそっちの方に]
[少女には、判ってしまった。子供が何を言いたいのかが]
あの、それは…その…
[頬が赤く染まる。話したい、に、決まっている。決まってはいるのだが…]
/中/
頑張れ色々と。いやホントに。
キャラ的に惜しいのは皆ですから…いっそ自分がとか思ったり。
ストーリー的に組みやすいのでしたら…まぁ、諦めるしか。
では此方はそのようにセットをしておきます。
まあ、深く考えない方がいいって。
[呟きつつ、き、と青銀の瞳を空へ向ける]
……そろそろ、来るな……。
[呟いて、力を凝らす。
抗うための力を]
[ミリィとユリアン……
二人の様子を見ながら、
あとはこの二人に任せてもいいかなぁ?
と、半ば首を傾げる、無責任な子供。
ユリアンは放置して(酷いことだ)
ミリィの答えに、にっこりと頬笑んだ。]
がんばってくださいです。
[子供には善意しかない、多分。]
[アーベルの言葉をそのまま飲み込んで]
…えーと…
……とりあえず、自業自得ということだろうか…?
[結果それしか導き出せなかった。
説明の甲斐があったのかなかったのか]
[反応のない主に、傍に膝を付いてみるも。
――金糸の前髪に隠された表情は、見えなくて。]
………。
[かける言葉をなくして、瞳を伏せて。
不意に、感じた違和感に――空へと、視線を投げた。]
[頽れた体勢から、何時の間にか、地面にぺったりと座り込んで膝を抱えた(所謂体育座りの)姿勢へと変わっていて。流石にこんな事で泣いてなどはいなかった。酷く、それはもう無茶苦茶に、落ち込んではいたが]
……いや、流石に、死者に鞭打つ真似は……
それに……
[リディとアーベルの言葉に、ぼそぼそと返答して、]
わざわざ、掘り起こしたくない。
[最後の最後、本音が出た。]
[相変わらずアーベルの言葉に考え込んでいたが、ふとそれを切り]
…ああ、そろそろか…
[空は見ず、手元に力を集める。
彼の補助となる為の力を]
[何だか、若い二人に御任せしましょうみたいな空気を、女の子から感じたような気がしなくもなく…少女は、思わず、ユリアンを見る]
あ、あの…こんばんは。
[それだけ言うのがやっとらしかった]
[墓標の周辺にルーベンスの絵でもあるのだろうか?
何かの気配を感じつつ…]
[落ち込むミハエルになんて言っていいかわからず
その頭をそっと撫でる]
…
[少年から聞こえた「死人」と言う言葉に、思わずその墓標の方へと目を向け…
割り箸の墓標が目に入った]
…えっと…
[なんだか、昔捕まえたカエルが死んだ時に、あんなお墓を立てたなぁ…とか、思ったり。
…実際は、冬眠していたらしく、死体は検出されなかったワケなのだが]
[自分を無視して発せられた言葉に、一瞬きょとん、とし]
いやだから、お前ね、一体何を……。
[何をどうがんばれと言っているのか、と。
困ってる。正直困ってる]
/中/
正直先程まで寝落ち組に合わせてました(真顔)
…このタイミングでエーリッヒ送ったら楽しそうなんて思ってませんよ?(こら)
…………おっけ!ミハ君の意思を尊重する!
[ミハエルの言葉に、握り拳と共に力強く頷いた。
…死者、との言葉には何も突っ込まない。]
あ、けど流石にずっと座ってると…雪で濡れちゃうよ?
[とりあえず立たない? と目の前に軽く手を差し出して]
[なにか、金色の光が見えた――ような気がしたけれど]
ぱとらっしゅ…?
[なんともいえないメロディーが見せた幻覚だったのかも
と思ったり思わなかったり。]
/中/
……ていうか、あれってもしかして、死亡フラグなのかと。
……能力者送りだと切ないけど、そっちにしますかー?(ぉぃ
日常茶飯事…
[そういえば先日もずぶ濡れになっていたような。
あれも日常茶飯事の一環なのだろうかなどと些か間違った思考を展開しつつ。
何だか天使が舞い降りてきそうなエーリッヒを見遣った]
[傍に膝を突くユーディットだとか、彼の頭を撫でるアーベルだとか、それから力強く頷くリディだとかに、何時までもこうしていられないと思ったのか]
……だから、撫でるなというのに……
[青年に小さく反論の声を零して]
[差し出されたリディの手は、大丈夫だと言って取らずに、何とか立ち上がる]
[はふ。幾度目かの、嘆息。]
[エーリッヒとそれはもう物凄く気の合う夫を思い起こせば、軽く現実逃避していたらしい]
[聖歌の調べとともに、エーリッヒに向かって一条の光が…]
[そんな幻を見た気がした]
[本日は御日柄も良く、とか、ご趣味は、とか聞いてる場合でもなく、そもそもユリアン自身も困っているように見えるし、どうしたものかと…少し泣きそう]
[なんというか二人の様子に困った。
きょろきょろした。
子供は誰かに助けを求めている。
二人とも情けないとか思っているかもしれない。]
/中/
みんな惜しいのが同じで、編成的に能力者あてが避けられないなら、それもいいかと。
……あれで残ると、後が続かない感じもありますしっ。
(いや、残ったら残ったで続けてくれると思いますが)
[はむ。]
[蒸しケーキに、齧り付く。以前の彼からは考えられない行動だったが、ここ数日での慣れと、ついでに、ヤケになっていた部分もあったのかもしれない。
チョコレートの甘さが口内に広がって、気分がほんの僅か、落ち着いた]
[ミハエルが立ち上がったのを見れば、うむ、と満足そうに頷いて
手をを引っ込める。行き場の無い手がちょっと寂しかったのは秘密。]
うーん、さて。
掘り起こすのもアレですが、流石にマジメな話
エリにぃがこれ以上風邪を引くと大変なことになりそうだなー。
[仕方ない、と小さく呟けばエーリッヒの方へ歩み寄ろうと]
[…エーリッヒの金髪が見えなくなると、ふと、ミリィとユリアンの様子が…]
…なるほど。
[ユリアンが好きなのって、彼女なのかなぁ。と思いつつ…
話が進まない様子を、少し微笑ましく見ている]
/中/
復活(?)しましたけど…う、うーん?(困)
できれば初回に能力者は避けたいんですけどね…
……送った方が色々面白そうな気もしなくもないし…(?)
[ダーヴィットの様子に]
[これでも少し静かになったんだけど
…と、姿が見えなくなったある人物を思い出しつつ]
[静かなのは好きだけど、
でもそれは嬉しくない静かさなので口には出さなかったが]
[少しずつ、少しずつ、力を凝らして行く。
視る力を持つ者の目には、その背にふわりと閃く銀色の羽の広がりが見えたろうか]
……大人しく、従う気はねぇからな……。
[低い呟きと共に、その手に光がふわりと生まれて]
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