情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 6日目 エピローグ 終了 / 最新
[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [11] [12] [13] [14] [15] [16] [17] [18] [19] [20] [21] [22] [23] [24] [25] [26] [27] [28] [29] [30] [メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
教師 オトフリート に 1人が投票した
シスター ナターリエ に 1人が投票した
青年 アーベル に 1人が投票した
読書家 ミリィ に 2人が投票した
歌姫 エルザ に 6人が投票した
酒場のママ ヘルガ に 4人が投票した
歌姫 エルザ は村人の手により処刑された……
次の日の朝、騎士 ダーヴィッド が無残な姿で発見された。
現在の生存者は、教師 オトフリート、シスター ナターリエ、学生 リディ、研究生 エーリッヒ、青年 アーベル、傭兵 マテウス、ランプ屋 イレーネ、職人見習い ユリアン、召使い ユーディット、読書家 ミリィ、探偵 ハインリヒ、小説家 ブリジット、酒場のママ ヘルガの13名。
[眼鏡の竜がちょっと情けない顔をしていたものだから、みゃーんと鳴いた。
そんなくらい顔してると楽しいことも逃げちゃうわよ。にゃにゃ。
白い猫にぴったりすりすり、二匹でふかふかしてたらとってもあったかくてとっても幸せ。
だからメガネさんもだれかとするといいんだわ。にゃーん?
無責任に黒猫は鳴いた]
[補足]《 190176419: 30213 211413 5420417 》
[識別]《 1924154: 517012/317061413 》
[幼子の声][機械的な音][低い唸り]
[如何なるものとして聞こえるかは定かでない]
[周囲を振動させる音の波]
[地下奥深くより][蠢き][世界を震わす]
< おとーさん、っていうのが、伝わってないなんていうのも、それ以外の言葉が伝わってるっていうのも、猫にはどうでも良いことなのでした。
でも、伝わってるならうれしいのですけれど。
黒猫のことばに頷くように、白猫もにゃーん。あったかくって幸せだもの。 >
[リディの言葉に、心の中でクスリと笑うと]
半径に融通が利かないから、対象との距離によっては腕チョンパ、顔チョンパが起こりかねないんだけど
……それでもよかったのかな?
…んや。
壊していいって言われたから返事したらいなかったからびっくりしただけ…。
席、立ってたっけ。
[反応鈍いか俺?とか呟きつつ指を舐めた]
[猫たちが何を考えているのか、と。
そんな事を考えている余裕は果たしてあったか、否か。
相変わらずてちぺちを繰り返していた従魔。
その動きがぴたりと止まり、身体が震える]
……セレス?
[どうした、と。問うのと、違和感を感じたのは、どちらが先か──]
ああ、エルザか?
さっき広間出てったぜ。
中見たり外見たりしてたから気付かなかったんじゃね?
[どこか不思議そうなマテウスにそう返して]
[やがて]
[竜は、呼ぶだろう]
[己が求めたものを、己が元へと]
[其の姿を見せんと。]
[彼らが如何なるコトバを聞くかは、その者次第だろうが。]
[屋敷の中の様子が少しだけ騒がしいけれど、良くわからない。
何だろう、――なんか、壁が少し寒そうだけど
…多分、それが問題なんじゃ無くて。]
…?何か、あった?
[マテウスが、おねーさんの名前を読んだ事に気付いて
部屋の中を顔だけ覗き込もうと]
[リディの言葉にカチンと来たのか、幾分冷たい声で]
……腕ならともかく。頭切り落として生きてる生物が居たら見てみたいもんだ
目的は、機鋼竜のもとに力を持ったまま送ること。殺すことじゃないんだよ
そこんとこ、お分かり?
[違和感の元。
それは、比較的近い所に感じられた。
つい先ほどまで、いつもと変わらぬ軽口めいた言葉を交わしていた火炎の若竜の周囲、で]
……!? この、力……。
「……ダメ!」
[時空竜と従魔の声が、重なり。
振り返った先、目に入ったのは──火炎の若竜の、数字の羅列への変化。
そして……霧散]
若竜……ダーヴィッド!
[叫びつつ、伸ばした手を掠めたのは、消え行く粒子。
急速に弱まる、火の気配]
……なんで。
[掠れた呟きに重なるように、遠く、深くから響く、音。
それは、軋むよな、機械音にも聞こえるか]
「…………ダメって。言ったのに」
[ぽつり。従魔が小さな呟きをもらしたのは、他者の耳へと届いたか]
< 猫はぽかぽかしていましたけど、あらあら、さすが動物かしら?
ちりちり、毛先がしたような気がしました。 >
?
< ちょっと不安に思ったのですけれど。
なにがなんだか、わからなくて、でもやっぱり黒猫のそばがぽかぽか、ひだまりみたいで気持ちよくって、それを見てはいませんでした。うっとりと、目を閉じていたんです。
火の竜のからだが、よくわからない数字になっていったのも。
それが、さっと、消えてしまったのも。
猫は、見ていなかったのです。
――ただ、オトフリートの声に、そちらを見たとき。
そのときには、すべてが終わっていたんでした。
ちょっと、こわいなって思った人は、でも、そう思ってごめんなさい、って思ったひとは、どこにもいませんでした。 >
―果樹園―
[私は差し出された手に捕まり、緩やかに立ち上がる。
密やかに尻尾を出して払えば、服に付いた土も落ちようか]
……私は…そなたが力の恵みを…無為とは思いませぬ。
そこな双葉を見れば、気が和らぎまする故に…。
私も…何時しか何れお役に立つ時が…来るやもしれませぬの…。
[消えそうな声で呟き、幾度か瞬いて潤む視界を散らす。
未だ足取りは鈍りがちではあれど、促されれば大人しく付いてゆく]
[綺麗な歌声の余韻を。
その波動をかき消すように響いた音]
エルザさんは違うのに!
そんな気配なにもなかったじゃない!!
なんで連れてっちゃうの?
無差別ってどうしてっ!?
[微かに聞こえた声のようなものに向かって叫ぶ。
それは無駄であるだろうとは思っても]
…大丈夫、そんなに焦りなさんな。
世界ってのは、意外と何とかなるように出来てる。
[ナタリェの手をとったのはわずかに翠樹の気配が潜んだ手。
幾種類にも幾重にも腕に連なる輪はさらさらと澄んだ音を立てただろう。
ちょうど、ナタリェが立ち上がるのと、闇の竜の気配が消えたのは、同じような頃合で。
わずかに、表情が凍ったようにも見えたかもしれない。
葡萄酒色の瞳はわずかにうつむき、翳り]
…何が、どうなってんだ。
[かすかに呟いて顔を上げる。いつもどおり]
[目の前で、膝をついた青年。そこに意識が向かう前に、時空竜の声が届く]
ダーヴ殿?
[闇の中飛び交う雷光が、一瞬、屋敷の真上に集まって…霧散]
[かくりとバランスを崩すアーベルに気づくと]
ちょ、危なっ。
[そう言って、咄嗟に倒れるアーベルの懐に身を潜らせて支える。
しかし、咄嗟のことでこちらの体勢も崩れており]
ふぎゅっ。
[こっちもこけて、下敷き。]
[マテウスの方へと振り向き]
火の気配が唐突に消えたものですから。
広間を見直してみましたけど、やっぱりいませんね。
これも機鋼竜のしわざ・・・・?
――炎竜?
[部屋の中から、オトフリートの声が聞えて。
少し驚いていると同時に、強い炎の「声」が消えて、きょとんと瞬く。
まるで、そこから突然居なくなったみたいに。前にも、似たような――]
[呆然としていた従魔が、服の裾を引くのに、我に返り。
その傍らに膝を突き、ぽむぽむ、と背を叩きつつ支えてやる]
……機鋼竜……か。
[ぽつり。零れた言葉は、やや唐突だろうか]
……こんなところまで、再現してみせるこたねえだろう……くそったれ!
[低く、らしからぬ悪態が、その唇から漏れたのを聞いたものはあったかどうか]
―屋敷二階・個室―
[階下からの喧噪と、ややあって悲鳴。
それがブリジットのものだと気付くまでに少し時間が掛かった]
……。
[窓の外を雷光が掠めて行ったようだった。
欠伸をして、目を擦る]
[ユーディットの言葉、マテウスの問い。それを聞いて彼女に視線を向け。途端に聞こえたのはオトフリートと幼き従魔の声の重なり。異変を感じ視線を向けると、見えたのは数字の羅列の最後の一欠けが消える様。そこに居たのは大食らいの赤髪の青年ではなかったか]
んな…。
何が、起きた?
[彼の青年の姿は既にそこには無い。地の底から響く何かの音。それは声か機械音か。従魔の呟きは風がしっかりと傍へと運び]
…原因、もしかして分かってんのか?
< ねえ、ところで。
何なのかしら。
あのこえは。ううん、声じゃないのかもしれません。
白の猫は、黒の猫を見ました。不安そうな、なきごえでした。
――ねえ、なんなんでしょう。
ひびいているんです、地下から。なにか、音が。
猫の耳は、しゅんと、たれました。とても怖く、かんじられたのです。 >
[ふわふわ、ぽかぽか。
猫は猫同士、陽だまりの中。
ふわふわ夢見心地。
だから、赤いでこっぱちさんが数字になって消えてしまったのは、最初は黒猫の夢だとおもったのだけど。
みんな怖い顔してでこっぱちがいたところを見ていたから、きっと夢じゃないんだってそう気づいて、だから猫はにゃー、と鳴いた]
< そして、オトフリートのことばに >
機鋼竜?
< 声が。
こぼれました。
人だったらきっと、たずねていられたことでしょうけれど。 >
って、わ。 ふたりとも。
[アーベルの下敷きになった形のミリィに気付いて、慌てて駆け寄る。
一人で、起こせるか自信ないけど…そのままよりは、マシかな。]
大丈夫?たてる? 平気?
[アーベルが立ったようなので、ミリィへ手を差し出して]
これが二幕目ってことでしょうか。
毎日イベント起こしてくれる気の使いようには頭が下がりますが身がもたないかもしれませんね。
[唐突に立ち上がると広間の外へ*立ち去った*]
[私は刹那の時の後、元の表情を浮かべた麗人へと、問うように見上げた。
葡萄酒色の瞳を淡い菫色が見つめる]
…何か、あったのですか…?
[自らは異変を掴めなかったなれど、仄かな不安が過ぎる]
< 黒猫のあったかさと、なきごえ。
白の猫は、黒猫が不安におもっちゃだめよって、思って、身をふたたびおこしてすりよります。
ぽかぽか。ぬくぬく。あったか。
こうしていると、不安もぜんぶ、どこかいってしまいそうなんですもの。 >
[立ち上がり、叫ぶだけ叫んで。
フッと目の前の状況も入ってくる。
そう、見えてはいたのだ、その消失の瞬間もまた]
や…だ…。
[思い出すのは、あの時の事。
やはり隣で一人消え、遠くにいた対が…]
や…。
[もう悲鳴にすらならない。
まだ上に少し残っていた皿も取り落とし、膝を突いた]
[膝を突いて、半身を起こした形]
[かかる重みからは免れた筈だが]
[雷撃の精と][精神の竜と]
[両者からかかる声]
ん、……大丈夫。
[ふるり、][頭を振って答えた。]
[ハインリヒの問いに、従魔はふる、と震えつつそちらを見やるが。
すぐさま、怯えたように顔を伏せ]
……セレスは……機竜の従魔。
機竜王とも、深い関わりを持つ存在。
機鋼竜が、何か事を起こせば、察知する事も叶わなくはない……。
[震える従魔に代わり、静かに言葉を綴る。
説明の言葉を選んだのは、多少の警戒を込めての事だろうか]
[イレーネがどちらの手を差し出していたにしろ、左手でその腕を掴んで、引き起こされる。]
いつつ……。あっ、アーベル大丈夫?
いきなりバランス崩したりして、ビックリしたよ。
おち、ついて?
< 四つの、いつもより重くて。
それでも、猫は、彼女……影輝の精霊にちかよりました。
ついた膝のそばに、そっと身をよせて。
にゃあ。 >
……皆、吃驚したり怖がったり警戒したりしてるみたいだから。あんまりゆっくりやってると、いよいよ難しくなるかもねえ。
[広間の様子をいい加減に伝えて、通信を切る。
そろそろ使い方を覚えてきたようだ]
あ…。
[白の猫が膝の傍へとやってくる。
震える手を伸ばし、そっと触れる。
変化を司る流水の波動。
そこを基点の一つとして、揺れてしまう感情を抑えようと]
……というか。本当に突然どうしたの?
もしかして、下に誰か……って多分、ダーヴィッドさんか。を送った影響とか?
ふーむ、まだシステムに詰めないといけない所があるのかな
[ブツブツとそんなこと呟いていたり]
……。本当に?
[アーベルの言葉に、僅かに眉を寄せる。
でもさっき、歩くの少しゆっくりだったし(それでも追いつけないけど)
ご飯食べたがってた気がするし。…でも上げたら、オレが困る。すこしだけ、困った。
と、差し出した手に、ミリィの左手が触れて。]
――…、
[その手を、握ったまま。無言。
一度、蒼を瞬いた。]
[そういえば、この間は触れた途端に倒れたのだったと思い出して、少し警戒したが、今回は大丈夫そうだと安堵]
ん?足りてないって?
[聞きながら、取られた手を引く]
ちょっとね。
……いや……まぁ、隠してもいずればれるから言う。
───月が落ちた。
[曖昧で、けれど酷く端的な一言。
けれどそれ以上の言葉以外での表しようがなく。
そしてやはり微笑だけ浮かべ]
…いこうか。
たぶん落ちたのは、月だけじゃないとおもう。
[ブリジットの様子に、微か、異眸は陰りを帯びる。
彼女が何を思っているのかは、容易に察する事ができて。
……できたからこそ、苛立ちは強く、募り。
それでも、自身の精神の乱れを思えば、声をかけるのは躊躇われたから。
白猫が近づく様子には、ほっと安堵の息を漏らして]
……。
後で。
向こう、行って。
調べてみる。
[短い言葉]
[生命の魔の伝達は聞こえていたか]
[通信は其処で一度、途切れる。]
< 猫にはあまりよくわかりませんけれど。
そうやっているだけで、不安がやわらぐんだよって、名前をつけてくれた人が言っていました。
だから、本当はちょっと、まだ、全身が重くても、触れてくるブリジットの腕を舐めました。ざらりとしたけれど、あたたかい舌。人よりも高い体温。
おちついて、と思って。
そう思ったことが、ちょっと魔法を、使ってしまいそうで、猫には怖かったですけれど、手じゃないから、だいじょうぶだったようでした。 >
[広間の雰囲気が酷く緊迫していたので、空気を壊さぬようにそーっと広間に入り、オトフリートやブリジット、猫などを交互にみた。恐る恐る発言した]
ええと……どうしたの、かな?
[黒猫鳴いた。にゃんと鳴いた。
でこぱちいなくて、だから鳴いた。
白猫がちび影のそばにいっちゃったから、だから黒猫もついていった。
三対の一対欠けて怯える一対、本当の一対にはなれないけれど。
けれど陽だまりの力があるから、もしかしたら猫はちび影の力になれるのかしら?]
[ブリジットの叫び。エルザが連れて行かれた。レベル2。分からぬ単語と僅かに信じがたい事実。彼女が言うことは本当なのだろうか? 判別するには未だ情報が足りないか]
[問いかけた従魔は怯えるようにし。代わりに答えたオフリートに視線をやって]
ああ…そうか。
じゃあ、そいつが反応したってことは、この現象は機鋼竜の仕業であると言う事なのか。
[オトフリートの言葉に少し納得したように言葉を漏らす。受信専用アンテナか?とは自分の中での勝手な解釈]
[大丈夫という端的な答えに、そうと少し心配そうに頷くと]
何か私にできることあったら言ってくれれば考えるよ。
[そこで、イレーネが自分の手を握りっぱなしであることに気づく。]
ん? どうかしました?
ありがと。
ごめんね。
[腕に温かくてざらっとした舌の感触。
まだ笑うことは出来なかったけれど、どうにか言葉にして]
だめだよね、落ち着かなくちゃね。
揺れちゃったらダメなんだもんね…。
[同じように近寄ってきた黒猫にも手を伸ばして。
もう一つの対の気配。今必要な理性の力。
あの時言われたこと。それも思い出す。
キュッと唇を引き結んだ]
[広間にやって来たリディの問いかけに、静かに視線をそちらへ向けて]
若竜と……あと、エルザ殿が。
消えた。
……恐らくは……地下に。
[確かめてみないとわからんが、と。最後にそう、付け加えて]
機鋼竜が直接、手を下したのかどうかはわからんが。
何かしらの関与をしたのは、間違いない。
[ハインリヒには、短く応じる。
彼の解釈を知ったなら、恐らくは否定も肯定もしないだろうけれど]
[ミリィの声に、手に向けたままだった視線を、上げる。
そのまま、不思議そうに。じっと赤の髪を、見つめた。
聞こえてくるとは予想していた、翠樹の「こえ」と。
それに、微かに混じる]
……、 なんでも、ない。
[ぱた、と手を離す。
そのまま、少女から一歩離れて]
揺れても……弱気になっても、いいと思うよ。
< と、猫は本当はいいたかったのでした。
ブリジットを見て、猫はないて。 >
つらいの、悲しいから
< だけれど、その言葉は、決して黒猫にも、ほかのだれにも、意味は通じなかったでしょう。ほんとうに、ちいさかったのです。
ただ今は、ブリジットが、少しでも、かなしいのを、どうにかできるといいなって。 >
――月が…
[返ってきた答えは曖昧で、なれど酷く端的なもの。
その響きには、有無を言わせぬ深き意味が込められて]
…はい…!
[行こうという声に頷いて後を付いてゆく
月だけではないという言葉に、躊躇いよりも不安が勝った]
……はっきりとは、わからんさ。
今は大分、探査の力も落ちてるしね。
[リディの問いには、小さくため息をついて]
今の所は、この場所の事前知識と、推測と……。
[視線は一瞬、自身に縋る従魔へと]
……セレスが感じるもの。それから状況を判断しているに過ぎん。
は?くれる…て?
[意味を取りかねているうちに、右の手が首筋に触れる。触れた瞬間にその意味を理解した]
ちょ……
[逡巡…けれど振り払おうとはせず]
[黒猫は白猫のそば、ちび影の傍らで撫でる手にさからわずににゃん、と鳴く。
ちび影が落ち着くまではしょうがないから撫でさせたげる。
ぽかぽかするでしょ。あったかいでしょ。
…おちついて、おちついて。大丈夫よ。にゃーぁ]
[風を繰る。屋敷の周囲までなら、何とか範囲内。覚えている闇の気配を探る。屋上も、二階の部屋の付近も、庭も。範囲内を全て風が駆け巡る。しかし、この周囲に気配は無い]
………。
[眉間に皺が寄る。ブリジットが言ったことは本当なのか。事実である可能性は上がった。彼の闇が範囲内から外れていれば、その限りでは無いのだが]
直接下さなかったとなれば──『共犯者、か』。
[極小さな呟き。聞こえずともその前の言葉で察することは出来るだろうか。リディが降りて来たことに視線を向けて。少女がオトフリートに対して訊ねた問いを聞いて、またオトフリートに視線を戻す]
じゃあ、セレスさんは何か判るわけ?
[両手を背中の後ろに組んで、身体を傾けた]
ほら、”界の狭間”の事件のときとか、なんか色々調べたり、見付けたり出来るひとが居たって聞いたよ?
…慰めてくれるの。
[もう一度聞こえた小さな小さな、聞き落としそうな鳴き声。
その意味はやはり分からなかったのだけれど。
とても優しく響いた気がして]
ありがとう。
うん…ありがと…。
[二匹の猫を抱き寄せて。顔を伏せた]
…いそご。
早くしないと、果物の鮮度も落ちる。
[ナタリェが随分はっきりとした意思を見せたので、若干頼もしく思いながら館へ果物籠を手に戻る。
随分白猫と黒猫は仲良くなったものだとしげしげ見ながら、焦りと揺らめきに力と気配を乱すちび影の存在に気づいてあまりいい顔はしないだろう。
果物籠をとりあえずテーブルに置き、それから猫を撫でて必死にどうにか落ち着こうとしているちび影のすぐ傍らにしゃがみこんでその肩に手を重ねながら]
…おちび。大丈夫?
[葡萄酒色の瞳は細まり、影の精霊の調子を尋ねる]
< 影の少女にぎゅっと抱かれて、猫はにゃあ。となきました。
そっと、頬をすりよせて、その腕にぬくもりを伝えましょうか。
黒の猫と目があったら、にゃあ、とないて。
いっしょに、落ち着かせて、あげられると、いいね。 >
――なんでもない。
[ミリィが、首を傾げるのに、ふるふると首を振って。もう一歩下がる。
よく、判らないけど――聞こえたから。 きっと、”そう”なんだ。]
えっと、ミリィ。 …部屋の中、入る?
[ミリィの背後で繰り広げられてることは、
…あまり見せちゃいけない気がして、何となく話題を逸らす。
というか、女の子に見せるな!って、中でメーアが叫んでるから。]
[ハインリヒの呟きは捉えきれずとも、意図は察したようで、注視せねばわからぬほどに小さく頷き]
……ま、機竜の従魔というくらいですし。
機鋼竜の動きを、多少なりとも察知はできるんじゃないかと。
【界の狭間】の時は……まあ、影輝の王が力の流れを辿ったりできたようですが。
セレスの感覚は、そこまでは汎用的じゃないかな。
[黒猫は、白猫と顔を見合わせ、おんなじ気持ちと鳴いた。にゃう。
大丈夫かしら、ちび影ちゃん。
そんなことしてたら葡萄酒色の瞳をした旅の友が帰ってきて、ちび影のそばに現れて。
遅いのよ、ばかー!にゃうー!
黒猫ご立腹。とってもご立腹。
ちび影がびっくりしちゃうから暴れたりはしないけどね]
[払われなかった手は項へと回り]
[もう片手も同じように添えられる]
[顔を寄せて]
[触れ合わせ]
[口唇から直接――喰らう]
[親しくも遠い、雷撃のちから]
[オトフリートに視線を向けていたが故に彼の小さな頷きは感じられた。リディの話を聞いて浮かんだのが一つ]
そういやブリジット。
さっき言ってた「エルザは違う」、とか「無差別」とか。
ありゃどう言うことだ?
[もしかして何か分かるのでは無いか、と猫達を抱き寄せるブリジットへと視線を向ける]
―広間―
[陽の麗人に僅か後れて、広間へと入る。
中にある姿の多さに怯えを抱くも、真っ先に探すは彼の仔の姿]
セレス…!
[急ぎ側に寄れば、震える彼の仔へと跪こうか]
…はい、大丈夫です。
[肩に置かれた手。安定した陽光の力。影を生み出す存在の片方。
それに猫達にも随分と慰められていたから。
顔を上げれば今度こそしっかりと頷いた]
エルザさん、連れて行かれちゃいました。
下に引きこまれていったの。
多分、ダーヴさんもじゃないかな。
動転して、しっかりとは確かめ損なっちゃいましたけど。
[声の震えも消して、そうヘルガに答えた]
[手の中でなにやら黒猫が抗議するように動いて。
その声も理解はできないのでちょっとだけビックリ。
さらにはリディがこっちに向かってきながら]
にゃぁ?
[思わずそのまま猫真似で返してしまったり]
[駆け込んできた声と、対ならざる対の気配。
視線を向ければ、駆け寄る姿が目に入り]
……大丈夫。セレスは、無事。
[少し怯えてるけどね、と言いつつ、ぽんぽん、と従魔の背を叩く]
「……だいじょぶ、だよ……」
[声と気配に気づいてか、従魔も小さな声を上げて]
< あらあら、黒猫が怒ってるみたい。
白い猫は首をかしげて、ヘルガのことを見上げました。
ブリジットがさっきより、ちょっと、力強い声で、猫はほっとしました。
ほっとして、にゃあ、と、なきました。 >
[近付く青…唇に触れた感触にも身じろぎもせず、ただそこから流れていく雷撃の精霊力に、僅かに身体を硬くする……鋼の瞳を見開いたまま]
えっ、あ。ええと。
[ハインリヒの声に慌ててそちらを振り返り]
「防衛レベル2実行します」って声が。
たとえ無差別でもって重なって聞こえたの。
でもその時のエルザさん、確かな月闇の波動をしていたんです。
さっきまでのお話からして、何かをしようとしているのは機鋼の竜の力でしょう?
そんな感じ、全然しなかったもの。
だから、手伝ってくれる人を連れて行かないでって…。
[アーベルのお食事?中を、ぼんやりと眺めながら
…あの後、疲れちゃうからなぁ。ユリアン大丈夫かなぁ?
オレよりは体力有るから、きっと倒れたりはしないか。]
必要なら、誰か呼んで来たほうが――良いのかな。
[えっと、あとで。
……メーアが、何だかうるさいけど。
でも、真後ろなんて普通気付くよー…止められないよー]
…そうかい。大丈夫そうだね。
[ぽすぽすとその頭をなでると、まっすぐなちび影の瞳を葡萄酒色の瞳は受け止めるだろう。
ふむ、と小さく相槌ひとつ]
…なるほどね。
とりあえずは事態と現場の検証かな。
それから、対策を立てる。
まぁ、幸いなのか悲しむべきなのか探偵さんもいることだし?
…うだつの上がらないさえない馬鹿(とっても強調)探偵だけど。
[ちらりとハインリヒのことを口にしただろうけれど。
ちび影の髪を労わるように撫でながら苦笑しただろう]
しっかし…あんたは毎回厄介ごとに首を突っ込むのが好きだね、まったく…。
[時の竜の――対ならざる対の声に、私は跪いたまま顔を上げる。
その顔色は、やや蒼褪めていようか]
……セレス、無事で…
[大丈夫という声に、小さく頷いて。視線を広間へ向けて見回す]
にゃー。
[ハインリヒに必死に説明をして。
息をついたところでぱたぱたと振られた手。
クスと笑いながらやっぱりそう答えて手を振り返した。
もう大丈夫、自分の中の均衡も落ち着いてきた]
[遅いのよ、遅いのよ!
何で一人で果物食べてるのよ!
みゃーみゃーみゃーみゃー猫ご立腹。
白猫が不思議そうなので、黒猫はちょっとだけ大人になって我慢しようとおもったけれど。
リディの泣きまねにはぷーいと尻尾も首もそっぽを向くかもしれない]
[近く近く、][瞬きもせず]
[深い青の合間に覗く淡い青は見えたか]
[数瞬と呼ぶにも長い間を置いて、]
…………、は
[口唇を離す]
[ちり、]
[体内で巡る雷撃の精霊力]
はい。
[ヘルガにももう一度頷いて]
べっ、別に首を突っ込んでるわけじゃ。
厄介ごとを見つけて回っているわけでもないのに。
ただ、気になったことをそのままにするのって気持ち悪くて…
[でもそれ良く言われるのです。というか怒られるのです。
結局自分のせいでいつも巻き込んでる人いますから。
抗議しつつも段々と語尾は小さくなってゆく]
「うん、セレス、大丈夫。
みんな、いるから」
[小さな声で、従魔は呟くよに]
……と。悪いんだが、ちょっと、セレス、見ててくれる……かな?
[そ、と従魔から手を離しつつ、問いかけて]
< にゃー。って人がいっても、それは猫のことばじゃないんですけどね。
なんだか、うれしくて、猫はにゃあ。となきました。
黒い猫にも、にゃあ。
青い布は、あとにしましょう。
だって、くるしいのを放っておくほうが、あのたいせつな布よりも、大切ですもの。きっとくれた人も、ゆるしてくれるはずです。
でも、黒猫さんったら、とっても怒ってるみたいだから。
ブリジットにいっしょに抱えられているんだもの。頭をおしつけて、にゃぁ。おこってると、つかれるよ?
棒読みの飼い主さんには、ちょっととがめるみたいに、もういちどなきました。 >
にゃー。
[ブリジットが笑ったので、満足げに言って
黒猫を威嚇した。(にゃーっ!)]
……にゃー、じゃなくて。
手伝ってくれる人って?
ブリジットは何かが判るの?
[天青の色…間近に掠めて、離れていく気配に、僅かに目を細める]
まー、分けてあげられる程度には溜め込んでたけど。
食事の仕方は魔族らしいってば魔族らしいねえ。
[呑気に言って、笑う]
< それから、戻ってきたナターリエの姿も、ちゃんと捉えました。
猫はほっとしたように、にゃあ。となきました。
ナターリエもきえちゃってたら、かなしいなって思ったんでした。
ほっとしたらなんだか、眠くなってしまうのでした。ぽかぽか、黒猫といっしょだからかもしれません。 >
「防衛レベル2実行」…防衛プログラムか。
確か防衛プログラムは暴走してるんだったな…。
無差別で、それの対象になったのがエルザで、そのエルザは消えたんだな?
どっかに転送されたってことか…。
んで、そうやって言うってことは、ブリジットにはエルザから機鋼竜の手伝いしてるような感じはしなかった訳だ。
『じゃあ共犯者はまだ居るってことだよな』
[自分が理解するためにブリジットからの情報を口に出して纏め直して行き。最後に腕を組み口元を右手で覆ってぼそりと呟く]
…ユリアンは、元気?平気?
イレーネがされた時は、すっごく疲れて、寝ちゃったけど。
[何だか、笑って元気そうだから。少しだけ安心したけれど
倒れると大変だし、一応尋ねてみる。]
探偵は名目上だ。
俺は情報屋に過ぎん。
人間相手の、な。
[当てにすんな、とブリジットに向けてヘルガが言った言葉に返す。何とも情け無い言葉であるが]
[目をパチパチ。いや違う見ちゃダメだから。
リディの方に慌てて視線を返して]
ええと、その。
もっとハッキリ分かればいいんだけれど。
[少しだけもごもご]
でも動いた力を読むことくらいなら、どうにか。
[聞こえてきたハインリヒの言葉に。
自分でも説明し切れないものを説明してもらえた気がして]
うん、そんな感じ。
[心配そうなイレーネにも笑みを向ける]
え?そちらも?じゃあ雷撃の力が欲しいってわけでもなかったのかな?
僕は、昨日精霊力を溜め込み過ぎたくらいだから、むしろバランスが取れたかもしれないですねえ。
[言ってから、アーベルに向き直る]
さて、お腹一杯になったんなら、中に戻りましょうか。
どうやら、今夜は表でウロウロしない方が良さそうだし。
あ、眠くなっちゃった?
ごめんね、本当にありがとう。
[腕の中の白猫の動きがちょっと変わってくればそう言って]
んー、どうすればいいかなぁ。
[せっかくいい気持ちなのを壊すのも悪いし。
いつもはどこで寝ているのかなと思案顔]
< アーベルとユリアンがなにかしてるのを見ても、猫はなんとも思わなかったでしょう。
そして、ねむい猫は、にゃあとなきました。
どうでもいいんですよ。
どこだって、猫は*ねられますもの* >
[彼の仔の声に、私は宥めるように彼の仔の背へと指先を伸ばす。
時の竜に頼まれれば、迷う事なく頷きを返して]
えぇ、私が側に…。
[離れ行く手と指先は、触れたや否や]
動いた力を?
ふーん……よくわかんないや。
ハインリヒ探偵は、人間相手だから機鋼の竜相手にはしょーこが見付からなくて困ってる?
[再びくるり、と身体の向きを変えた]
どうすればいいのかな。
よーし、じゃあリディは明日に備えてお散歩。
[広間のドアを開けて、屋敷から出ようとしたが
ユリアン達が居たので慌てて引き返し、二階へ*上がった*]
ん、……
食事のし易い、し難い。
それと、
した後。
違う感じ、はある。
[それが属性の違いとは認識してはおらず]
…………ん。
[中へ、と促されて頷いた。]
……助かる。
[返された言葉に、ほっとしたよに笑んで。
手を指先が掠めたなら、伝わる力──対ならざる対のそれに、微か、気が鎮まるのを感じるか。
ともあれ、まだ震える従魔をナターリエへと託して立ち上がり]
……さて、と。
ちょっと、風に当たってくる……。
[遠くには行かないから、と言いつつ。
誰に引き止められても止まることなく、ふらりと外へ]
あっ、一人にならない方がいいよ!
[慌ててリディに声を掛けるけれど、その時には既に姿は無くて]
…早いなぁ。
[どちらかというと遅いんです、自分が]
あ、こぼしちゃったんだ。
[今更ながらに落としてしまった皿に気が付いて。
寝てしまった白猫と黒猫をソファーの上に一度下ろすと、それを拾い上げて厨房の方へ片付けに]
へえ、やっぱりねえ。
[アーベルの言葉に頷いて、先に立って屋敷の中へと向かう。リディが逃げ出したのは目に入ったが、とりあえず放置したとか]
そっか、元気で平気なら良かった。
[笑うユリアンに安心して、小さく笑った。
アーベルの言葉に、やっぱり属性の関係かなぁ? と少しだけ考えて]
……ユリアンの力は、美味しそうだったのかなー…。
[…そういえば、どういう基準で選んでるんだろう?
メーアが後で怒ったらしいから、今日はオレを食べなかったけど。
何か、あるんだろうな。多分。
ユリアンの言葉に、漸く気付いて考えてみる。けど、やっぱり判らない。
まぁ、いいか。 中に戻ろうという言葉には、一つ頷いて]
仮に手伝っている奴が居るのなら、機鋼竜は直接手を出せていないと言うこと。
そいつを押さえれば機鋼竜が何をしようとしているのかも分かり、やろうとしていることを阻止出来る、か?
直接手を出してるんなら、お手上げだがな。
[誰に言うでもなく声に出して。リディの声には]
人間と比べちゃ分が悪すぎらぁ。
勝手が分からん。
当てはまる常識が当てはまらなけりゃ、どうにもならんだろ。
いやちょっと待て。
いつドロイドが出てくるか分からんのにふらつくのは…。
[そう言って止めようとしたが、何かを見て二階へと上がっていく様子にそのまま姿を見送って]
[返された笑みに、私は密かに安堵の息を吐く。
掠めた指先は、僅かなりとも対の竜を鎮めただろうか。
未だ私は彼の対ならぬ対という自覚は持たぬままであったなれど]
……お気をつけて。
[震える彼の仔を抱き寄せ、去り行く姿を見送る。
不安そうに見送る幼子の頬へと鼻先を摺り寄せ、柔らかな頬を濡れた舌先で触れたろうか]
ああ……ちょっと、風に当たってくる。
[ユリアンの問いには、短く答え。
すぐ戻るから、というや、足早に──というか、捕まらぬよに、多少の『加速』も交えて、外へ。
外に出れば、一つ息を吐いて夜空を見上げ。
なるべく、広間から離れた所で、おもむろに拳を握り締め]
……上等っ……。
[低い言葉と共に、それを壁へと打ち当てる。
異眸にあるのは。珍しくも、憤りの色彩。
それがどこに向けられたものか、恐らく知るのは*魂分かつ、白梟のみ*]
[アーベルとユリアンの薔薇な展開をぽかーんと眺めていたわけだが]
……節操なしは嫌われるよ。
[それだけ言って、スタスタと中へと入っていった。
その声にほんの少し苛立ちが混じっていたのに何人が気づくか。]
…おいしくない?
[アーベルの言葉に、思わず首を傾げる。味じゃないのかな。
だったら、何でだろう。オレは機鋼の三対の一つだから。
多分……アーベルの言葉で言うなら、食べにくいと思うんだけど。
ぼんやり考えながら、すれ違うオトフリートの様子に、僅かに眉を寄せて、
しかしそのまま、アーベルたちを追うように*広間へと*]
[時空竜の表情に…声はかけてみたものの、止まらないとは判って]
迷子にならないでくださいよーー!
[背中に向かって叫んで見送った]
[食器を片付け戻ってくれば、アーベル達が戻ってきたところで]
あ…おかえりなさい。
[ちょっと間が空いたのは先程の影響。
でも違う。この目の前の青年は同じじゃない。
再び猫達の傍へと行って、ちょこんと座った]
[広間に入ると][挨拶の声]
ん。ただいま。
[声を返して][普段通り壁際に陣取り]
[座り込んでぼんやりと。]
[視線は猫達を気にしていたが。]
ん、ただいまー。
[遠くへ出掛けていたわけではないが、ブリジットの出迎えにそう答えて近付く]
大丈夫だからね?
[多くは言わずに、そっと頭を撫でようと手を伸ばす]
[ミリィの言葉は聞こえたが、何があったのかなぞは知る由もなく。何イライラしてんだ、とか思ったが、言ったらまた荒れそうなので止めておいた]
動いたことは多々あれど、根本的な解決には届いていないっと。
…今やれることをやるしかねーな。
おーし、マテウス。
見張りでもすっかー。
[アーベル達を通してまた玄関に鼻を覗かせたマテウスにそう告げて、その鼻先をぽんぽんと叩く。外に出ればマテウスは玄関前で、ハインリヒは屋根の上に上がり、睡魔が襲ってくるか、誰かが交代してくれるまで警戒に入る*だろうか*]
[猫達をそっと撫でていたら、ユリアンに頭を撫でられて]
…うん。
[暫くぼんやりと見つめ返してから、コクリと頷いた。
それは知っている者ならではの一言なのだと理解して]
私も、頑張るから。
[例え力が弱くても。出来る限りを]
[そうしていたのも暫くの事]
[ふらりと立ち上がると広間を出て]
[今日は階段を昇ってはゆくけれど]
[*彼がどの部屋に居るか知る者はいるだろうか?*]
[頑張るから、というブリジットの言葉に微笑んで]
ん、僕も頑張るよ。
[それから、一度、二階に上がって、リディの部屋を確かめてから、ハインリヒかマテウスが眠そうなら、途中で見張りを*交代しただろう*]
[階段を昇り人目が無くなると同時]
[転送装置へと手を触れる]
[その動作はもう既に慣れたもので]
[粒子へと分解されて][此処より遥か地下へと]
−中央塔下部・ファクトリーエリア−
[耳に届いた彼の猫の声に、私は彼へと視線を向けて一音啼く。
白の猫が無事であるを見、黒の猫と仲良く寄り添うに安堵すれば、意識は自然震える幼子へと向こうか]
[少し前に来たであれば、その疲労にも気付けたであろうが。
今はそれだけの余裕が、私には在りませなんだ]
[驚きかくすぐったさにか。
頬を舐められたセレスの震えが止んだのを見、私は彼の仔から唇を離して、唄を口ずさむ。
それは――震える彼の仔へと、落ちし月が紡いだ唄]
[一度しか聞かぬそれを、私は間違える事なく紡いでゆく。
彼の仔が、心痛める者が、落ち着くように。
姿消えし彼等がどうか無事であるように、との*祈りを込めて*]
[ユリアンにもう一度頷いて。
麒麟が紡ぐ唄に聴き入っていた。闇と生命の微かな波動。
目を閉じて聴いているうちに疲労もあってふわりと意識が*解けた*]
[他者の目はあったろうか?]
[声を投げられたかも定かでなく]
[意識に入れる事は無く彼は動いた]
−中央塔外周通路下部・メンテナンスエリア−
[整備機器や][数多のパーツ]
[一室には未完成の翼も置かれた場所]
[その一角に、屋敷の広間のものと似た、一冊の本]
[異なるのは][触れても反応は起きず]
[開いた頁には何も書かれてもおらず]
[ただ、中央に小さな真四角が埋め込まれていること]
[刻み込まれし文字は、]
[ David von Feuer ]
[対象を捕えし際に得た][データを詰め込んだチップ]
[それに手を触れても、常人ならば、何も読めはしないだろう]
[専用の装置を用いるか、][機鋼のちからを持つ者でなければ]
[――そして彼は、後者だった。]
[手を触れて]
" 174038136 30190: 30213 211413 5420417 "
[コトバを紡ぐ]
[隠された右眼][天青石の睛]
[其処に浮かぶ文字の羅列]
[対象の記憶][経験][ちから][その一部を、得る。]
" qPA#r'p fiP "
足りない。
" uhlp geh "
だから。
" cluUSp Jy "
手に入れる。
" Eli "
奪う。
" l#Mcv bgpb. "
[散り散りの言葉][聞くものがいれば][二重音声と聞こえたか]
―ファクトリーエリア―
[竜は、語る。
翼亡き躯で
繋がれた頚の先、自由に動く眼を
ダーヴィッドに据えて。
自由が欲しいと
力が必要だと
力あるもののそれが必要*だと*]
―屋敷二階・個室―
[ユリアンが様子を見に来た。
廊下から光が射し込み、すぐに室内はまた暗くなった。
足音が遠ざかる]
……。
[暫し待機]
…………。
[むくりと起き上がった]
そんなのお見通しよっ
[見張りに立っているものが居るようだった。静まった屋敷の中でも、活動しているものの気配が幾つかある。
外には出られない、だが
暗闇の中、静かに宣言*した*]
[ポケットから転送機を取り出し]
ねーねー。
昔ね、”界の狭間”ってとこでちょっとした事件があったんだけど。
[理解させる気があるのか無いのか、手短な説明]
その時にね、なんかこー。
犯人を見分けられる人がいたんだって。
あ、人じゃなくて精霊で、今はもう王様……の、ハズなんだけど。
でね、でね
「犯人が誰だか分かっちゃうんでーす」
ってもしリディが言ったら
色々やりやすくなったりしないかな?
[悪戯を思い付いたように、楽しげだがその表情を見るものは居ない。”さっさと終わらせたい”一言で言えばその程度のことしか考えてはいないが]
ちょっと訊いてみたんだけど、そういうの出来そうな人は居なかった気がするの。だからリディが嘘ついてもバレないんじゃないかな
[どうかな?と言って、ベッドの上に置いた転送機を見ている]
─ファクトリー─
[ダクトの上から、ダーヴィッドと機鋼竜の一部始終を眺めていたが、リディからの通信が入ると、少し思案し]
なるほど。……面白いんじゃない? やってみれば?
[そう返答した口元には楽しそうな笑み]
―屋敷外/昨夜―
[壁を殴り付けた姿勢で立ち尽くしていたのは、どれだけの時間だったのか。
決して、長い時間ではないだろうけれど]
……とにかく。
防衛手段は、確保しねぇと。
……エターナル・ロンド!
[呼び出したそれを確りと握り、天へとかざす。
ゆうらり、揺らめく、煌めく、黒]
護りの力……欠片となりて……天と、地へ。
エターナル・ロンド……護法天陣!
[声に応じて天へ向け、光鎖が翔ける。
黒が天蓋に描く六芒星を、不寝番に立った者は目にしたか。
そして、それが煌めきとなって崩れ、舞い散る様を。
天と地に、散りばめられしは、護りの欠片]
……とりあえず。
これで、物理的な……ドロイドの攻撃なんかは止められるが。
[二人の同族を消した力。
それに対しては、無力であるのもわかっていた]
っとに……恨むぜ、機竜卿。こんなに事態をややこしくしてくれて。
……心なき力は、暴走する。
『魂』無き、『器』も然り。
例え……それがどんなに重荷だとしても……。
[続いた言葉は、ため息に飲まれて]
……ま。
どうせ俺が言っても、説得力ない、って言うんだろうけどな!
[っとにもう、と。
疲れたように言いつつ、頭を掻いて。
も一度夜空を見上げたなら、広間に戻り。
預けた従魔を引き取って、*自室へと*]
< ソファの上におろされて、猫はおねんね。ぽかぽか、ふわふわ。
気持ちよさそうになでられて、 >
―朝:広間―
< 朝はやく、目をさました猫は、左の前あしに布がまいてあるのに気がつきました。
あらあら、おどろいちゃう。にゃあ と ひとなきしてしまいました。
寄りそうような黒猫に、すりっ、身をよせて、猫はソファから床にとびおりました。
しゅたん。うん、だいぶ、楽になったみたい。でも、人の姿になろうかなって思うとむりでした。こまったなぁ。
猫はそれから、てとてと、とてとて、あるいてゆきました。お水のそばに、いきたかったのですけれど――ねえ、おそわれたの、おぼえてないのかしら。昨夜のうちに、時空の竜が、どうもとめておいてくれたみたいですけれど。 >
< 屋敷のあたりのお空に、結界(っていうのかしら?)があることも、猫は知りません。
てこてこ とことこ、いちばん近い川辺にたどりつきました。朝だから、ドロイドたちも眠っているのかもしれませんね。
猫は川に顔を近づけると、水を飲みました。つめたくて気持ち良いです。でも水中に魚がいません、どこかへいってしまったのかしら。 >
―昨夜:広間―
[繰り返されし歌が止んだのは、時の竜が戻りし頃であろうか。
戻ってきた彼の竜の言葉にひとつ瞬いて、なれど何も問う事なく彼の仔を返す]
…おやすみなさりませ。
[二階へと上がる二人を見送って、私は氷の窓越しに天を見る。
天蓋には既に何もなけれど、広間で彼の竜が告げし通りに対ならぬ対たる時空の力が屋敷を包むを仄かに感じ取った]
……
[感じたのは安堵か疲れか。
気配の多さと料理の匂いに柳眉を寄せ、密やかに吐息を零して。
私は広間に残る者へと小さく頭を下げ、重い脚を緩慢に動かし、部屋へと戻ってゆく]
[部屋に入り目にしたは、美しき青の布。
私は彼の猫が大切にしているそれを手に取り、緩やかに…なれど叶う限り急ぎて広間へ戻る。
寄り添う黒と白、そして銀茶の髪の少女を起こさぬよう、静かに彼の猫の左前足を取り、青の文様の上へと優しく布を巻きつける。
全てに干渉しつつ、何物にも干渉を受けぬ天聖が属は、その行為を無事に成し遂げたろうか]
[重い脚を半ば引き摺るようにして部屋に戻り、私は褥へと潜り込む。安堵か疲れか、眠りは速やかに深く訪れて。
目を覚ましたは、朝の光が窓から差し込む頃――]
―現在:二階個室―
[痛みは薄く――なれど鈍く続く脚へと触れれば、そは熱を孕んでいて。少々無理をしすぎたかと、柳眉を下げる。
私は気付かれぬ内に足を冷やそうと、負担かけぬよう緩慢と屋敷を出て川へと向かう。
既に先客がいるとは*思いもせずに*]
[ドロイドの視界をジャックして、オトフリートの腕輪から現出した漆黒の光鎖が六亡星を描くのを通信機に搭載されていたホログラムモニタで見ていたが]
ふむふむ。まあ、私としても、屋敷に襲撃くらうのは勘弁願いたいしね
< 左の前あしの青い布は、濡れてしまうまえに、においをかいでありました。
ナターリエが、つけてくれたのかなって、猫は思いました。だって、とてもやさしくて。
それにいくら疲れているからといっても、あんまり知らない人なら、目をさましたでしょうし。あと、青い布をなくしてしまったのは、温泉でしたし。 >
…水のほうが、やっぱり、いい。
< 猫は真剣に、つぶやきました。にゃあ。 >
[生命の魔の提案]
[緩やかに瞬いて]
……誰か、犯人だと仕立てあげる?
それとも、犯人でないと、嘘を吐く?
そうだとして。
嘘が知られてしまう、事は無い?
もし、知られたのなら。
[他者の持つちからは知らず]
[少女が大丈夫だと言えば]
[彼にはそれ以上何か言う事も出来ずに]
…………思うように、すると好い。
[幾許かの思案の後、それだけを告げた。]
[眠りにつく事もせず]
[彼には必要ないが故に]
[機械に囲まれた空間に佇んでいた]
[周囲の気温は低い]
[彼が知る事は無いが]
[翼の置かれたエリアへと向かう]
[未完成の翼]
[光か]
[羽根か]
[鋼か]
……、
[何れにせよ核のみの翼は]
[未だ飛ぶ事は叶わず]
[空を知らず、其処に在る]
[護りの陣が何処までかを明確に知るは叶わず、私は一番近い川辺へと歩を進め――小さく跳ねる水音に首を傾げる]
……だれそ…?
[半身を引きつつ問うたは、前日の機械を警戒しての事]
[不意にファクトリーエリアへと足を戻す]
[コードに繋がれた機鋼竜の前で止まった]
――……名前は?
[問い掛け]
[されど]
[無いとの答え]
[創造主より与えられねば][己がものとは認識出来ぬ]
[当の竜が其処までを知っていたかはわからないが]
そう。
無いなら、呼ばない。
[自ら名を与えようとはせず]
[関心無いかの如くに]
[否、伏せられた睛には何かが過ったか――]
< 声が水音にまぎれ、声がしました。猫は川べりに前あしをふたつ、のっけて、身を土の上に。 >
ナターリェ?
< でもやっぱり、ただのなきごえ、なんですけれど >
[川べりに乗せられた二つの前足と、その間を覗く違く鼻先に、私は目を丸くする]
エィリ殿…であったか。
水浴びなりや…?
[行こうか、帰ろうか、惑うも。
此処で踵返さば怪しまれようと、私は緩やかに近づいてゆく]
…気持ちよいですか…?
[そう訊ねつつ川べりへと腰掛けて。
裾を――彼の猫に見えぬように――僅かに引き、両の脚を浸す。
流水が側に在る水は清らかなりて、熱を優しく宥めてくれようか]
ああ、そうだ
[そう呟くと、ぴょんとフロアに降り立ち、機械を弄る
タンッとエンターキーを叩くと、ファクトリー、廃棄エリアにアトランダムにドロイド経由の映像が映し出されるようになるか]
−東部:草原−
[雷鳴轟く山の未だ望める位置]
[晒された土から][豊かな緑へと][移りゆく地面]
[南へと下り草原を進んでいく]
[その傍らには小さな湖]
[細い路はせせらぐ川へと繋がり]
[波の音とは異なる断続的な旋律が連ねられる]
[途中、アーベルが来て機鋼竜に語りかけていたのを、キーボードを叩きながらちらりと見ていたが、声をかけることはせず]
そうだよ
< 猫はそう答えたつもりです。ナターリエが腰掛けたそうなので、ちょっと場所をあけます。
気持ち良いよというように、羽根をぱたぱたさせて、にゃあ。
足をひたす様子に、猫は心配そうに、近付きました。にゃあ。 >
[彼の猫の鳴き声に、私は目元を和ませて指先を伸ばす。
水に濡れた耳を軽く突付くよに触れ、羽根が散らす雫に目を細める]
冷たくて気持ちよいの…。
[心配そうに近づく様子に、心配ないと緩やかに首を振る。
10年前の怪我を――暴かれし真珠の角を削られ、左後脚に骨まで貫く棘の枷を嵌められていた姿を――彼の猫は知っているが故に]
< 細い指が、猫の耳に触れます。もっとというように、頭を寄せて >
…気持ち良いけど。
< 少し、水を見ました。その中の足を、見ました。
にゃあ。
もし人の姿だったら、見せて、って、言えていたでしょうに。 >
< それから、やってくる足音に、そちらに視線をむけました。
アーベルの問いかけ。あら、もうこんなに近い。 >
みずあび?
< にゃー。 >
[歩み寄る足音に気付き、私は警戒の眼差しを向け――かけて、それは戸惑いへと変わる。
未だ恐れは消えぬけれど、逃げ出すほどではなく]
…何をと、や?
私は脚を浸しておりまする…心地よき故に。
そなたこそ…?
[私は僅かに迷いつつも、問われた言葉に答える。
緩やかに首を傾けて問わば、白金の蓬髪が頬と肩を覆おうか]
[白猫の言葉][鳴き声にしか聞こえず]
……心地好い。
[足を浸す様子を見やり]
[少し離れた位置、][しゃがみ込む]
[流れゆく水を視線で追って]
[僅か斜めになった姿勢][長い前髪が揺れる]
< アーベルの様子をけげんそうに、猫は見ていましたけれど。なでられて、きもちよさげに、目をほそめました。
それでも、少しかんがえて、その手の下、ぽちゃんと水にふたたび落ちます。いえ、もぐります。
とうとつな、行動でした。
言えないなら、自分で見に行ってしまえばいいだけです。 >
[少し離れてしゃがむ姿を、横から見つめる。
長い前髪が揺れらば、色の異なる双眸が垣間見えるや否や?]
……どう…なされた?
[水面に触れかけて止まりし様子に、緩やかに瞬く]
[ぱち、]
[何かが弾けたように思って]
[一瞬、手を止めたのだけれど]
ん。何でも無い。
[ぱしゃり、]
[川の中へと沈む右の手]
[抑えられぬ雷撃の気]
[水へと呼ばれ、][内より外へと流れ出る]
―昨夜:屋敷前―
[オトフリートの言葉、ユーディットの言葉。
そしてほかの幾重にも重ねられる言葉に、月闇の竜と火の竜が消えた事が把握できた。
エルザに答えようとして遅れた時、聞こえたのは声――何を言っているのかは全く分からなかったが。
遠隔で人を「消す」なんて事ができるのか?と一度屋敷の周りを走って回ってみたが何も見つけることは出来ず。
相変わらず、その体躯を玄関に詰まらせるしか出来なかった。
夜半、オトフリートが展開した防護の陣にほう、と息を吐き、少しの間眠ったか]
バレないもーん。
[転送機を肩と耳の間に挟んで立ち上がった]
勝手にするさ。ていうか、ミリィは役立たずだし、アーベルは何考えてるかわっかんないしねー。
―現在―
くぁ…。
[欠伸をひとつ。
寝てしまっていたようで、ふるふる、と顔を振って目を覚ました。
屋根の上のハインリヒは起きているだろうか、ユリアンと交代しただろうか?
前足で顔をでしでしと叩いた。]
< ナターリエの足を見ようと思ったその時でした。
猫の身体の、骨がすけてみえた、なんていうこと、あったかもしれません。 >
―屋敷二階・個室―
[結局朝まで大人しく部屋に居たようだ。
小走りに階段を駆け下り、広間に人が居ないことを確かめてから厨房に入った。
フライパンの蓋をあげると昨晩の残りのムニエル。他にもサラダ、パンなどが残っていた。火竜は”消えた”ようだし、彼はどうも大食漢のようだったから料理が残ったのかも知れない。
探査の結果、大きなナプキンを発見した。残っていた食事を風呂敷包みにして足早に外へ出る]
< みごとなまでの、感電でした。
水の中で、猫の身体が、あらら。かわれなかったはずの人の身体に、ショックでかわってしまったみたい。
びりびりびりびりしながら無理やり手をのばして顔をあげて。でも頭から、びしょぬれです。
そうして、ナターリエが倒れてるのを、みました。あわてて、手をのばします。びりびりしてるから、みょうに、動きはにぶいんですけどね >
[気付けば][白猫は][人の姿]
[妙に鈍い動き][事態を察したか]
……、…………ごめん?
[ほんの僅か、すまなさそうな色]
あ、ちょ…!
[単独行動は危ない、と昨日誰か言ってなかったっけ。
ちょっと考えて後を追おうと、のそりと動いた。
と、その時、(ミーー)と聞いたことのある音がして。
振り返ると、拳くらいの小さなドロイドが、木の上で動いていた。
すぐにその木に登って(太い木で折れなくて良かった)ドロイドを叩き潰す。
そんな事をしているうちに、リディを見失ってしまった。]
[獣たる私に、精霊力のあるなしなど把握できてはおらず。
成す術もなく意識を失い、身体は崩れ落ちる。
水の中でなく、後へと倒れたは幸いか。
身体を半ば捻るよに衣の前を握りしは、無意識や否や]
[身体の内を巡りし電撃の力ゆえか。
私は獣の耳と尾だけではなく――普段は決して出さぬ角までも露にしていただろう]
―果樹園―
[マテウスがついてきて居ないことを確認して、風呂敷包みを開いた]
やっぱりなってたなあ。これ、ヘルちゃんかな?
[手早く(盗人の如く)果物を収穫し、他の食料と共に包んで、抱えた。周囲を確認し、果樹園の木陰に隠れた。一瞬の後に、リディの姿は果樹園から完全に消える]
―ファクトリーエリア―
[分解]
[転送]
[再構築]
[転送完了と共に駆けだした。転送機の使い方にもかなり慣れたようだ。風呂敷包みを両手で抱えて、廃棄エリアへ]
< すまなそうなアーベルの声に、一瞬めばえた殺意(?)も、消えてしまいました。
手伝うかと問われ、猫(人間)は首を横にふります。
うん、水からあがったら、だいぶ、回復。 >
だいじょうぶ。
…ナターリェ
< 手をのばして、その頭にふれます。そっとなでて…目をさましません。
ちょっと困った顔になりました。 >
―廃棄エリア・第二集積所―
[以前来たときよりも、明るくなっているようだった。
頭上、目線の高さ、足下。空中のあちこちにモニタが展開され、ほのかな光を放っている。といってもそれらは照明用ではなく、地上の様子を映しているようだ。
映像のひとつに熊の手が迫り、画面一杯に広がったところでノイズが走った。それより後は、ただ砂嵐が映されている]
[ふと見てみると、足下といわず、機械のようなものが転がっている。機械というにはやや形が不完全だ。失敗作、壊れたもの、使われなかったもの。少し、ひとの形に似ているものもあった。モニタの青白い光に照らされて、鈍い光沢のある球体から、ケーブルや基盤が付きだしている]
……なんかグロい。
[滴を散らして][水から離れる]
[二人より少し距離を置いて佇み]
[下がった眉尻には先日より感情が見えるか]
……、
心地好い、邪魔した?
[かっちーん。リディの不遜な態度にちょっとムカッと来ました]
『………クソ餓鬼が好き勝手言いやがって』
[通信機で僅かに拾えるかどうか程度の呟き。たとえ聞き取れても、その呟きは彼女の生まれた東方の言葉で紡がれたもの。意味は通じないだろう]
[残骸たちを踏み越え、辺りを見回す。
空間の横幅はさほど広くない。
長いトンネルのようだ。
遠くは暗く、見通す事が出来ない。
壁際に積んである残骸を足場代わりに跳んだ。
太い鉄骨が一本、壁あたりから突き出ていた。そこに、食料を包んだ風呂敷をぶら下げた]
ちからを貰うんだったら元気で居て貰わないとね!
ちゃんと見付けて貰えるかなあ……
……大食いみたいだから、大丈夫でしょ。
もうひとりのひととうまく分け合ってくれるといいんだけど
[遠くの暗がりで、赤い目が光った]
でで出たー!!!
[ミリィの呟きなど聞き咎める余裕も無く逃げだした]
だからどーしてリディまでおっかけられるのよ!
暴走しちゃってるから?
馬鹿ーっ
[ドロイド達は、運び込まれた食料には目もくれずリディを追って疾走した。彼らに食料の概念は無いため、壁際の廃棄物の一部としか見なされていないようだ]
< ナターリエの頭にそっと手をおいたまま、猫はアーベルを見ました。
そして、首を横にふるふる、ふります >
だいじょうぶ。
…びりって、しなかった?
―ファクトリーエリア―
[何処をどう逃げたか、ファクトリーエリアの天井近く、キャットウォークの上に辿り着いた。ドロイドもこのエリアまでは追ってこない]
あ、ねえミリィ。
こないださ、メイドさんのやってた占いみたいの
望みだっけ?なんか見えるんだよね。
ねーねー、ほんとは何か見えてたんでしょ。何が見えた?
…倒れてる?
[手をあげてくれたエーリヒの横には、こちらを振り向いた青とその裾には蓬髪が散っているのが見え。
慌てて木から飛び降りて、四肢で駆けてた。
草が横から後ろへと流れて行く。]
[机に足を掛けてぼーっとしていたら、突然駆け込んできてキャットウォークまで避難したリディにため息。おそらく、ドロイドも機鋼竜および周辺機器の保護のためファクトリーエリア・メンテナンスエリアには立ち入らないだろう
頭上から問いかけてくるリディに、スッと目の温度を下げると]
……私があなたに言う義理はないでしょうが。言いたくない
…なにか、びりびりするもの、触った?
< 雷撃の精霊…ユリアンとのことなんて、猫はみちゃいません。
だから、そうたずねて。
それから、走ってくるマテウスを、猫はただ、みていました。 >
大丈夫か?何かあったか?
襲われたのか?!
[早口でまくし立てながら、走りこんできて急ブレーキ。
草がばさっと舞った。
心配げにナターリェを覗き込みつつ、アーベルとエーリッヒに怪我がないか、ざっと目視。]
って言うってことはやっぱり見えてたんじゃん!
[冷淡な物言いのミリィを、茶化すように続ける]
なんで隠すのー?
メイドさんの言えば、かなえて貰えたかもなのに
[手すりにもたれて、下を覗き込む]
それと、私たちだけ襲われないのは不自然でしょうが
だから、普段は私たちを含めた無差別に設定されてるわけ
そも、これに関しては降って湧いた事態なんだからあんまり多くを求めるもんじゃないよ
[あえて、設定を解除できることには触れず]
……。
[ばさりと舞う緑][目の前に立ち塞がる巨躯]
[意識に入らぬ様子で流水の獣の問いに思考]
ああ。
食事? ……雷撃のちから。
違う、よ
< マテウスの、あわてようったら。
心配してくれているのは、わかったけれど、猫はなんだかうれしくって、おかしくって、小さく笑いました。 >
電気。
びりって、したんだ。
食事?
< 猫は、ナターリエの頭をなでながら、おうむがえし。
アーベルを見ます。
雷撃…? 猫には、ちょっと、思い出すのに時間がかかりました。機鋼のことを教えてくれたときに、雷撃っていうのも、教えてくれてましたっけ? >
かみなり、食べた?
そうか、襲われたのでないのなら良かった。
3人とも、太刀打ちできなさそうだから…。
…食事?電気?
[アーベルの鋼の爪など知らない為、ただ心配で。
ほっとした後に、聞こえた言葉を復唱する。
意味が、分からない…。]
[自分たちだけ襲われないのも不自然だ。
それもそうか、と脚をぶらつかせた。
設定や制御には興味が無い、というよりも、動くモノを設定ひとつで制御することが出来るという事に対して根本的な理解が無い]
[しつこく聞いてくるリディに相変わらず冷たい目を向けていたが]
…………ねえ。Curiosity killed the cat(好奇心猫をも殺す)、って諺知ってる?
[腰の銃を抜いてリディの眉間にロックオン]
ん。
バンダナの、から。
貰った。食事。
[雷を直接食らった訳ではないから]
[短く説明とも言えない言葉を添えて]
……多分。
それで。
ちから、溜まって。
水に触れたら、 弾けた。
えぇと良くわからんが。
雷を水に流したのか?それは危ないぞ。
山で川に突き立った木に落雷したとき、魚が殆ど浮き上がってきたことがあったなぁ。
危ないことはしちゃだめだぞ。
[な?といいつつ前足でアーベルの頭をぽふぽふしようと伸ばし]
< ユリアンが食事をくれた。
というのは、猫が理解したことでした。なので、ユリアンから食事を貰う=電気っぽくなる という構造ができあがりました。 >
ええと? ちから…たまった?
…はじけた、ね
< 感覚をおもいだして、ふるふる。頭をふります。 >
……危ない。
[漸く理解したらしく][首肯を一度]
[多少は反省したのか][沈んだ色が覗く]
[けれど、]
[頭を撫ぜられて、][きょとり瞬いた。]
そうそう。
大丈夫だ、失敗は誰にでもあるさ。
次できればいいんだからなー?
[まるで学校の先生のように、しょんぼりしたアーベルの頭をぽふぽふと肉球で撫で。
脇のナターリェの口元に毛まみれの耳を寄せて呼吸音を聞いて、ほっとする。
生えている角には少々驚いたが]
あ、わりぃ。
さて、彼女運ぶかな…?
[肉球で頭をぽふぽふやったが、先ほど四肢で駆けた為青い髪に草がついてはらりと落ちた。
ナターリェを見下ろしつつ、周りもキョロキョロと見て警戒を怠らない。]
< アーベルが気持ちよさそうなので、猫はにこにことしました。
それからナターリエの頭をなでて、 >
…うん。
< マテウスのことばに うなずきます。
そっと川の中に手を入れて(もうびりびりはしませんでした)、足を…すそをなおして、水からだしました。けっして、ほかの人には、みせないように。 >
……はてさて、どうだか
[どう見ても好奇心で死ぬタイプのリディに嘆息交じりにそう言うと、ホルスターに銃を仕舞う]
じゃあ、私は行くけど。あんまり出歩くとまた襲われるよ
こっちの方が上よりもドロイドの数が多いから、ね
[それだけ言うと、通信機を操作して上へ]
?
[謝罪の理由がわからず]
[大地の獣を見て傾ぐ首]
[まだ僅か][青に残る緑]
運んだほうが、好い?
[問い掛けは傍らの流水の獣へ]
[其方のほうが理解していそうだったから]
や、髪に草とかつけちまったなーとか。
運ぶなら、乗せてくれるか?
[ついでに乗るか?と笑いつつ、背中を低くするためそっと伏せのポーズ。
エーリヒが水の中で何かしていたのは見なかったのか見えなかったのか、コメントは全くせずに]
< すこし、猫は悩みました。だけれど、アーベルの申し出にうなずきます。
自分でも運べる、のですが。それは体調が、良いときであり。今はおせじにも、そうとはいえないって、自分でわかっていたのです。 >
部屋、のほうが、良い、かも。
< 他人に見せるのは、のぞまないだろう。
そう思って、猫は言いました。
運ぶのなら、ついていって、人の目から、*かくそうとするでしょうか* >
乗せる。
[自らの手を見][熊の巨躯を見る]
[手伝う前、流水の獣が先に彼女を抱き上げた]
乗れる?
[伏せた大地の獣の上に乗せられた身体]
[じっと見つめ]
[彼女が、なのか][自分も、なのか]
[曖昧な問い]
なんだ、エーリヒもえらく疲れてんな…。
大丈夫か?無理すんなよ?
アーベルも乗るか?
[ナターリェ程度の体重を持ち上げるにもふらふらするエーリヒが背中にナターリェを乗せたならば、前足でエーリヒの背中を引き寄せ、一緒に背中に乗せてしまう。
ばふ、と背中にふたりとも乗ったのを確認した後で、アーベルにも乗るかを聞く。
乗るといえば乗せただろうし、乗らないといえばとりあえず2人を屋敷まで連れて行く、とその場をゆっくりと揺らさないように4足で歩いて*去るだろう*]
……。
[じゃらり、]
[持ち上げた左手][鳴る鎖の音]
重い、だろうから。
いい。
[ゆるり][首を左右に一度振る]
[緩やかな歩みで][やがて屋敷に辿り着くと]
[室内へと入り][廊下を抜けて][階段を上り]
[流水の獣の案内で、眠る天聖の獣を部屋に寝かせる]
[彼等が話す間も、私は意識を手放したまま身じろぎ一つなく。
胸の上に在りし手も、衣を強く握り締めたまま]
[豊かな毛並みの大きな背に乗せられ、緩やかに運ばれてゆく]
[流水の獣に代わり]
[真白い寝台に力の抜けた身体を横たえる]
[姿は人のものなれど][人とは異なる][耳][尾][そして角]
[それらを傷つけぬよう、彼にしては細心の注意を払って。]
……、
[身を起こそうとして、]
[見慣れぬ角へと右の指先が伸びかける]
[が、]
[横から投げられる][咎めるような視線]
[僅かに白金を掠めて、離れた。]
―二階個室―
[静かに下ろされたは、私の使う部屋。
在るは肩掛の大きな鞄が一つと、洗い干された亜麻色の布のみ]
……
[褥へと横たえられ、吐息が零れる。意識はありやなしや?]
ん、
ごめん。
[目を覚ましていたは定かでない]
[謝罪の言葉は][短く][小さくて]
[起きていたとて届いたかすらも]
[伝わるまで残るべきだったかも知れず]
[けれど傍らに別の存在があったためか]
[開かれたままの扉へと足を向けた。]
[額の角は肉に覆われ、何者をも傷付けぬもの。
なれど良く見れば、その内に抱くは歪な形]
[触れんとする気配を感じたか、僅かに睫毛が揺れる。
ただ、それだけ]
[謝罪は届いたや否や?]
[部屋を出][大地の獣の元へ]
[簡潔な言葉で説明を終えると]
[その傍らに腰を下ろして、ぼんやり巨躯を見上げ]
[*乾いた手を、伸ばした*]
─二階・自室─
……っ!
[唐突な覚醒は、何に寄るものか。
護法天陣──高位の守護陣の展開で疲れ果て、悪夢を伴う眠りに堕ちていた意識が目を覚ます]
…………また…………いつもの、か。
[掠れた呟き。
見守るように見つめていた白梟が、ばさり、と翼を羽ばたかせる]
ああ。悪い、ヴィンター。
[零れるのは、苦笑。魂を分かつ白梟とは、夢をも共有するから。
……だからこそ、丸い瞳には、案ずる光が宿るのだけれど]
……ん、そんなに心配……。
[心配するな、と。笑いかけようとするのと、呪印が痛むのとは、どちらが先か]
やれ、やれ。
これも安定させねぇと。
[傷む呪印のある、胸の辺りをつい、と撫でて立ち上がる。前後するよに目を覚ました従魔は、きょとり、とその姿を見つめて]
「時空竜?」
ちょっとでかけて……ああ、セレスも一緒の方がいいか。
獣態なら、俺に掴まってられるだろ?
[名を呼ぶ従魔に声をかければ、天青石の瞳は一瞬きょとり、とするものの、言葉に従い碧の獣へ。
小さな身体を右肩に掴まらせて]
……いよっと!
[……だから、窓から出るなというのに]
[唐突に降ってわいた姿を見た者は驚くだろうか。
行く先を問われたなら、常と変わらぬ声と表情で、西の森の様子を見てくる、と。
そう言うのと、その姿が『翔けて』消えるのとは、*果たしてどちらが先だったか*]
―広間―
[ふわりと顔を上げ目を開く。
猫達の姿は消えていて。部屋の一部は氷で塞がれていて]
…大丈夫かな。
[近寄り少しだけ触れる。冷たい。でも気持ちがいい。
昨夜は色々失敗してしまったけれど、対が消えたのは自分だけじゃなかったのだ。共に居てくれた白猫もまた。そしてこれを作り出してくれた人も。動揺の仕方は人それぞれだろうけれど]
……大丈夫、だよね。
[引きこまれた二人はどうしているのだろう。
何事もなく、とは難しくても無事でいて欲しいと。
探ろうとした力は無機的で慣れない波動に弾かれた]
ほい、っと…。
[入り口まで運び、屋敷の中へはアーベルとエーリヒに任せて昨日から陣取っている屋敷入り口に腰を下ろす。
アーベルに伸ばされた手が胸元のふわふわの毛を撫でるにはそのままにし。
まったりと目を閉じると、窓からふわりと時の竜の姿。]
単独行動するなって昨日言ったのはあんただぞー?!
[西の森へ、といいつつ掻き消えるその姿に、少し大きめの声をかけ。
あー、とか言いながら苦笑した]
[むぅ、と小さく唸る。
何となく分かってはいたけれど]
ねぇ、どうしてなの?
[呟いた問いは対象を定めたものではなく]
もっと他の場所も見たかったな。
でも一人じゃ危ないよね…。
[その直前、一人で出かけて行っている人がいるとは知らずに。
とりあえず外へと向かう]
―…→屋敷の外―
あーやってどっかいかれると、全然追いつけねーって…。
いや、さっきもリディのお嬢ちゃん見失ったけどさぁ。
[左手の肉球の間につまった土を、右手の爪で器用に取りながら、傍らに座るアーベルに話しかけているのか独り言かわからない呟きは、風の中。]
[入り口に回ればそこには身づくろいしている大きな姿。
傍らの機鋼の青年は我関せずなのだろうか]
何かあった?
[青年とは反対側から顔の前へと回り、小さく首を傾げた]
よ。
んや、アーベルがナターリェとエーリヒを電気でバリバリした、くらいか?
敵っぽいのは殆ど見てないなぁ。
[少女の姿を認め、大きく首を巡らせて目を合わせる。
首の周りの毛が波打ち、ゆらりと鬣が揺れた。]
電気でバリバリって、なんでアーベルさんが。
[きょとんとして聞き返す。
反対側の青年の様子を窺いつつ、揺れる鬣に何となく手を伸ばし]
それってナターリェさんとエーリヒさんも大丈夫だったの?
…ナターリェさんは、確か天聖の人。…エーリヒ?
[問い返してから改めて首を傾げる。
未だに名前と一致していなかったらしい]
[一階に下りて来て、台所から適当な果物を見繕って懐に入れると玄関に。
するとそこには数人の姿。]
やっほぅ。おでかけ?
[手を上げて挨拶。]
一応大丈夫みたいだが…ナターリェは何度も倒れている気がするから。
限界が近そうで心配、だな。弱ってないといいが。
あぁ、えぇとエーリヒは白い猫、羽根の生えたヤツな。
[言いながら、鬣に手を伸ばす彼女が背伸びをしなくて良いように(そのまま背伸びをしてこけるのではないかと心配したとかそんな)、そっと身を屈めた。]
よ。
や、おでかけじゃなくて俺は見張り。
どっか行くならボディガードするか?
[ミリィの姿を認め、手を上げた。
彼女が強いという事なんて知らないからでた言葉。]
あっ、こんにちは。
お出かけはしたいけれど…どうしようかなって。
[ミリィに声を掛けられれば手を振り返してそう答え]
何度も…大丈夫なのかしら。
何かできることないのかな…?
[心配そうにそう言って。続いた言葉にはああ!と]
猫さんの名前。エーリヒさんと言ったのね。
やだ、まだちゃんと憶えてなかった。
[照れくさそうにしながら鬣を掴んだ。くるくると指に絡めたり。
身を屈めてくれたので倒れずに済んだようです]
ん?でかけたいのなら俺ついていこうか?
肉の盾くらいにはなる。
[鬣を撫でられるなら目を細め、引っ張られれば「いて」と言葉を発し、ブリジットの方を向いて首を傾けた]
あっ、ごめんなさい。
[引っ張るつもりは無かったけれど、ちょっと絡めすぎちゃったり]
まだ、見れて無い場所もあったから。
火山とか…多分大丈夫だとは思うのだけれど。
[自分でも見てみたかったというのと、昨日目の前で居なくなってしまった人の影響と。少しだけ気になっていて]
ミリィさんは?
どこかに行く所だったの?
火山か。
うん、必要なら行く。単独行動危ないしな。
っつって、さっきオトフリートが単独で力いっぱい西の森とか行ったが。
[ブリジットがミリィにたずねた言葉の返答を、ミリィの方に顔を向けて待つ。
撫で撫でには更に目細め。]
―自室―
……どうしよう。
[開いた窓から、足を外に放り出すようにして座る。風が気持ち良い。
二階だから、普通の人なら少し危ないけど、オレは飛べるし、平気。
行儀悪いって、アルが居たら怒られるんだろうけど――いないし。
両手にもったリンゴを、ひょいっと軽く投げた。キャッチ。
……食べたいなー。アル、早く戻ってこないかな。]
本当に、そうなのかなぁ。
[一度、二度。
私は睫毛を揺らし、瞼を持ち上げる。
淡い菫色の瞳に映るのは、天井か、心配そうなあおの瞳か。
痺れの残る指先を持ち上げ額へと当てようとして――感じる違和感]
……わたく…し………嗚呼…
[内へと戻そうと幾度か集中を試みるも、果たせずに]
――ううん、お姉さんの「声」に混じってたのは本当。
だから、それは間違いないんだけど。
[ふる、と。中から聞こえてきた声に首を振る。
聞こえたのは確かだから、…きっとそうなんだ。でも、]
…どうして協力、…協力?してるのか、聞こえなかったの。
[全然、判んない。っていうか…「声」って協力?するのかなぁ。
でも、翠樹の声になじみにくい筈の声が、反発してなかったから
これが、一番しっくり来る言い方。
メーアには「何言ってるか抽象的過ぎ」って言われるけど
でも、本当にそんな感じなんだ。]
[側に付いていてくれた彼の猫に、優しく止められて。
私は細い肩を落として、その言葉を受け入れる]
そう…いたしまする。
今、無理をしても…また姿を抑えられなくやるかも知れませぬ故…。
[素直に頷けば、彼の猫は安堵の気配を滲ませて。
私は心優しき恩人にまた心配を掛けてしまった事を申し訳なく思う]
[ふと触れし手が、ずぶ濡れのままであるを見て。
私は亜麻色の布を彼の猫へと掛け、温もってくれるようにと願う]
このままでは、病を召してしまいまする。
私は…此処で大人しくしておりますゆえ、どうか…
[愁いを帯びた瞳で見つめれば、彼の猫は暖を取りに向かおうか]
[ひとの動き出した気配がして目を覚ます。欠伸]
そーいえばさー。
ブリジットが何か判るとかわかんないとか、結局よくわかんないとか言ってたんだよねー。
もしほんとに、なんかわかっちゃう人が居たら、わざわざ嘘つくのも危ないかなって思うけど。
[再び*微睡む*]
…火山行っても、2人はいないとは思うけど…何か探す手がかりがあるといいな。
火山の火口に入るとかは、俺は無理だぞ?
[「何かわからないもの」を探すよりも、「つい最近まで知っているもの」を探す方が楽でそれほど強くない彼の属性の力を持ってしても可能で。ましてや閉鎖された空間のどこにも、探しても探しても彼と彼女の「気」は感じられず。
ブリジットが行きたいといえば火山にいっしょに向かって彼女の邪魔にならないよう少し後ろからついていくだろうし、いかないといえば再びその場で見張りを*続けるだろう*]
< 横たえられたナターリエのそば、顔をのぞいて、ほっとしました。でも、まだ無理をしているのが見てとれて、猫はそれを止めます。
答えてくれた言葉。猫は、安心して、ナターリエをなでました。でも、びしょびしょに濡れたままの姿なんですもの。 >
うん。
わかった
< 猫はうなずいて、そこを出ましたけれど、あてなんてありません、本当は。
いつもこういうとき、猫になって、かわかしていたから当然でしょう。
それでも、かわかさないと、あたためないと、ナターリエが悲しみそうだと思ったから、猫はどこかへ向かうことにします。
暖をとるといって思い浮かぶのって、温泉くらいしかなくって――結果、そこに行くか、それとも誰かに見つかって、服を変えることに * なるのかしら? * >
[掌に包んだリンゴを、ぎゅっと握る。
服の裾で、赤を軽く擦ったら少しだけ光った。
困ったな。…何か理由があるのかもしれないし、
だから、返してって、たくさん怒ることも出来ないかも。
でも、だってみんな探してるんだ。
オレだって、炎竜と闇竜も心配だし。]
[気配が遠ざかり――誰もいなくなってから、私は両手で顔を覆う。
俯けど蓬髪は角を隠してはくれずに、深い溜息だけが漏れて]
……せめて…草の香りでも……
[部屋へと風を入れるべく、私は大きく窓を開けた。
よもや近し窓に腰掛けている少年がいるとは、思いもせぬ故に]
……オトフリートさん。
あとでユリアンさんに頼んでおこう。
[別に言いつけるわけじゃないんですが。
彼を止められるのは彼だけな気がしたから]
うん、二人は居ないと思うけれど。力の動く場所だから。
何かないか、少しでも探しておきたいし。
そんな無理はしないし、長居もしないで戻るよ。
[ミリィやアーベルにもどうする?と尋ねながら。
大きな姿と一緒に南へと向かった]
…うわ!
[悶々としているところに突然窓が開いて、思わず声が上がる。
…でも、考えてみたら、部屋に誰かいたら窓だって開くよね。
びっくりしたのは、失礼だったかなぁ。
謝ろうかな、と思ってそっちを覗き込むように視線を向けて
知ってる人だったことに、また少しだけびっくりした]
…あ、おねーさん。
[角だ。とか少し思ったけど、でも獣族ならありか。]
―南部・火山地帯―
[火口の近くへ。あまり近寄れなかったけれど。
炎竜はこの場所からもファクトリーへ供給されていると言っていた]
…でもやっぱり無理ね。
ここなら少しは辿れるかと思ったのに。
[強い火炎の力。煽られて僅か汗のようなものをかくか]
ねえ、どうしてなの。
何がしたいの、機鋼の竜。
[思いついた言葉を火口に向けて投げる。
こちらから声を届ける手段など知らないから]
何のためにこんなことをしているの…?
[横から聞こえた声に、私の耳は驚き跳ねてそちらへと向く。
引くべきか否か迷う間に掛けられた声は、覚えのあるものか]
……あ、そなたは…彼の時の。
[覗き込む視線に、私は目を丸くして少年を見つめる。
視線が少し見つめあうとは異なる事に気付けば、柳眉を下げた]
やっぱりおねーさんだ。お部屋、そこだったんだね。
えっと、足は大丈夫?
[左手にリンゴを持って、ひらひらと手を振ってみる。
ついでに、気になってたことを聞いてみた。
すっごく痛そうだったから、メーアも心配してたし。]
……辿る。
何か、わかる?
[不意に問いを投げる]
[昨晩の疾風の男との会話を知らぬが故に]
[彼女から回答が如何なるものであれ]
[また茫とした様子に戻り、後を*ついていく*]
あ、はい……
[言葉が続かぬは、無事とは言い難きゆえに。
なれど助かっている事も真なりやと、私は小さく頷く]
…そなた、まだ食べては…
否、何ゆえ窓になど腰掛けておる?
[今、食べている最中やも知れぬと言葉を止め、不可思議に思うまま問う]
ううん、分からなかった。
[唐突な問いに目を瞬きつつもアーベルに答えて。
けれどそれには反応せずまた茫とした様子に戻るのを見た]
アーベルさんは何か見つからない?
[機鋼という属はまだ特に分かりにくい。
同じ属性を持つ彼ならばと一抹の期待を寄せる。
それは彼にとっては迷惑だったかもしれないけれど]
…そうだね、戻っておく。
昨日みたいなのが出ても困るし。
[一緒に来た者達と幾つか会話を交わして屋敷へと戻る。
途中何かに出くわしたとしても、頼もしいガーディアン達が倒してくれたり*しただろう*]
そっか、ならよかった。
[でも、無理はしちゃダメだよ。
言葉が消えた理由は判らないから、へらりと笑う。
と、続く問いに、不思議そうに瞬いて、
手に持ってるリンゴと、腰掛けている窓枠に視線を向けた。
そっか。ぱっとみたら、何してるかわかんないか。]
うん、あのね。アルがリンゴ好きだから、
戻ってきたら分けてあげようかなって思って。
少しだけ、色々考え事しながら、待ってたんだけど。
[まだ戻ってこないや。と、小さく苦笑して。
少しだけ、考えるように口許に手を当てる。何を考えたのが
一つ、納得するように頷いて]
おねーさんは、どしたの?
考え事…そう…。
アル…?
[語られる言葉に頷いて、名と思しき単語には問うように緩やかに首を傾ける。
仄かな草の匂いを含む風が、白金の髪を揺らし過ぎて行く]
わたくし…は……少し驚いたがゆえに、休憩を…。
[電撃を浴びて気をやったと言うも憚られて、曖昧に返す。
声が聞こえているとは知らぬままに]
うん、考え事。
アルは、えっと…いつも一緒にいる妖精で、
鴉だったり猫だったり犬だったりするんだけど
[おねーさんは、そういえば見て無いかな。
こてりと首を傾げて、思い起こしてみる。会ってないかも知れない。
続く言葉にはきょとりと瞬いて。…そっか。と一つ頷いた]
あのねぇ、おねーさん。
今回の機竜の事件に、本当に”共犯者”っていると思う?
[聞いてから、唐突だったかもしれない。と思った。
オレはずっと考えてたけど、おねーさんからしたらビックリかも。]
そう…そなたは妖精の祝福を受けし者であったか。
[実際の関係は知らねど、素直にそう言葉を受け取りて瞬く。
何故に休憩をと問われず済んだには、密かに安堵を抱きつつも、唐突に問われた言葉には目を丸くしようか]
…共犯…者……?
嗚呼…なれど、そはありえるのやも知れぬ。
彼の『器』は未だ…生まれしばかり故に。
そなたは…どう思っておられようか…?
[唇へと指先を当てて、私は少年の碧き瞳を見つめる。
心配と不安、そして愛しきものへと心砕く心が伝わろうか]
[ブリジットにマテウスとついでにアーベルが付いていくのを]
んじゃ、私は留守番をしてますよ。
[と見送ったが、オトフリートの結界のおかげでドロイドが来ることはなく。
欠伸をしている間にブリジットたちが帰って来るだろうか。]
――うん。”イレーネ”はね。
[祝福、の言葉に少しくすぐったくて小さく笑った。
まぁ、”オレ”は怒られてばっかりだし、どうか判らないけど。
続く言葉に、そっか。と小さく呟いて]
やっぱり、そっか。…いるって考えた方が普通だよね。多分。
犯罪?なのか判らないけど、機竜に協力してる人。
オレ、は。――居ると、思う。
[少しだけ、躊躇って。でも、嘘をつくのは良くないから。
おねーさんの声に、みんなを心配してる「声」が混じってて、
あぁ、こういうところは天聖だな、って思う。
やっぱり、みんな心配なんだ。]
…もし、居るなら、多分この人かな、って人も。
多分、知ってる。
─昨夜から今朝にかけて・屋敷の屋根の上─
[見張りに入ってからオトフリートが展開する結界を目にする。これがあれば、ドロイドの攻撃からは護れると彼は言っていたか]
ひとまずは安全になった、ってとこかね。
…物理的なもんにはな。
[時空の者の実力の程は知らないが、あの数列の羅列や防衛プログラムの暴走に対処出来るかは分からない。もちろん自分にどうにか出来るとも思っていない。この事態に対応する術は無いのか。見張り番をしながら様々考えを巡らせる]
[如何に何事も無くとも、神経を研ぎ澄ませていれば疲れも出て。更に時間が経てば睡魔に襲われる。それは朝の挨拶が相応しい時刻だったろうか。流石に限界を感じるとユリアンに交代を頼み、自身は部屋へと戻り。睡魔に負け深い眠りへとつく。人間の限界なんてこんなもの]
[目を覚ましたのはそれでも昼過ぎだったか。顔を洗って再び屋根の上へ。草原を見渡せば飛翔し単独で出かける者や、纏まって南の方向へ移動する人や獣]
…なんだ、皆でお出かけかい。
おいちゃん一人でお留守番?
[部屋に誰か居るかなぞ露知らず。明け方に交代したユリアンもどこに居るのかは知らない。どこか寂しげにその様子を眺めた]
─現在・屋敷周辺─
イレーネ…そなたとは異なるや…?
嗚呼、私の痛みをやわらげし御方も……
[私の痛みを和らげし者と、今話している少年。
我ら獣の族が姿変えるよに、心が変わるのであろうかと瞳で問う]
…そなたも…そう思われるかの。
なればこそ、私に問うたであろうが。
[返りし言葉に頷いて。
なれど、続く言葉に――瞳は揺れようか]
………知っておられるであらば…どうかお教えいただけまいか?
私は…命が傷付けられるを止めとう思うが故に。
[知らねばならぬと、なれど知るは怖いと*怯えるかのよに*]
[屋根の上、視線を巡らせば中央の塔がはっきりと見えて。そう言えばあそこには近付いたことも無かったか、と思い立つ。しかし単独行動はあまり良く無いと理解しているが故に少し考え]
……少し近付いて戻って来るくらいなら良いよな。
[警戒はしつつ風を纏い、屋敷を取り巻く結界の外へ]
オレも”イレーネ”だけど、
メーア…、えっと、痛みを弱めたイレーネの事ね。
それも、イレーネなんだ。他にも、たくさんイレーネいるよ。
[少しだけ、見た目も変わる。
おねーさんの目が不思議そうに聞いてたから、簡単に説明して。]
うん。でもオレ一人じゃ
考えててもグルグルしそうだったから。聞いてみたの。
[突然ごめんね、と短く謝って。
でも続く言葉にきょとんと瞬いた。少しだけ悩む。
嘘を教えるわけじゃないし、間違っていないのは確かだけど。
でも、――教えても良いこと、なのかな。]
[でも、心配なのは一緒で。その「声」は痛いほど判ったから。
考えるのを、やめた。
さっきも一人で考えてたら判らなくなっちゃったし。
それにやっぱり、皆が連れていかれちゃうのがその所為なら、
オレも止めたいから。]
――うん、
[いいよ。と。 小さく応えを返す。
囁く様に、小さく告げた一人の少女の名は、
吹き抜けた草の香りを纏った風に*消えて*]
[近付いてようやく塔周辺にある外周区画に気付く。エリアと繋がる通路であることから、他のエリアにも繋がっているのだろうか]
なんでぇ、ここ通ってくればこの間結構楽に戻って来れたんじゃねぇの?
[疲労し損かよ、と自分に呆れるように一人ごち。屋敷と中央部の丁度中間点まで来た時だった]
<未確認飛行生命体を感知>
<強制排除開始>
[上空よりいやーな気配。聞こえた合成音に視線を上げると、急降下してくるドロイドの姿]
飛行型のドロイドまで居るなんざ聞いてねぇぞっ!!
[慌てて来た道を引き返す。直角急降下してきたドロイドは、ハインリヒの横を掠め下へと落ちる。しかしすぐに体勢を立て直し、その後を追って来た]
[ドロイドはみーみー言いながらレーザーを発射。後ろを確認しながらどうにかレーザーを回避していく。頬やら脇腹に掠めて行ってはいるが]
でーい、鬱陶しい!!
--Die Mauer des Windes--!
[風を繰り、ドロイドの前に風による壁を作り出す。突如現れたそれにドロイドはその速度を落とすか]
--Der Käfig des Windes--!
[速度を落としたドロイドに畳み掛けるように風を繰る。今度は風による檻を作り出し、ドロイドの周囲を囲った。ドロイドがそこから抜け出そうとしている隙に、屋敷の傍、結界の中へと滑り込む]
うひー、どうなるかと思ったぜ。
[屋敷へと戻って来ると、再び屋根の上へ。風を解放し、一息つく]
やれやれ、あのみょーな光が厄介だな。
防ぐ手立てはあるんかねぇ。
[風で止められるだろうか。魔法や物理攻撃の類ならばどうにかなるが、あのようなものには試したことが無い]
まぁ、試してみる価値はあるか。
効果があるならこれからも何とかなるだろうし。
[先程向かった方向へ視線をやれば、風の檻から抜け出たドロイドがこちらに来ようとして結界に阻まれていた。ここに居ればひとまず安全ではあるだろう。倒す方法を考えている時、草の香りを含んだ風がそよいだ]
………あ?
[風に告げられた言葉。呆気に取られたような声を出す]
…んだよそれ、何でそんな話になってんだよ。
何で”アイツ”が機鋼竜に協力してるって話に…。
[風が運んだ言葉。鴉を連れていた少年の名と、彼が誰かに告げたらしい少女の名。それは自分も良く知る人物で]
………。
[彼が本当のことを言っているのかは分からない。しかし精神である彼が心を読み、それを知り得た可能性はある。彼が嘘の情報を流す人物なのか、また嘘をつく必要があるのかまでは分からないが、風が運んだ言葉は俄かには信じられないもので。屋根の上に佇んだまま、深く思考に耽った]
[時空竜の護法陣のおかげで、ハインリヒと交代した見張りは楽なものだった。空に浮かんで散った六芒の星に、相変わらず我が身を省みずに力を使うものだ、とため息を漏らしはしたが]
まあ、この状況じゃ、やめろってのが無理かな。
[永遠の反抗期らしいし、と、呟いて]
[夜が明けてから、またハインリヒと交代し、朝食をとると、少し眠りについた。疲れはしなかったが、力のバランスを取る為の安静は必要だったので]
[だから、小川でびりびりした三人の騒ぎや、精神の竜と天聖の獣の会話も、ハインリヒの動向も知らないまま]
─西部森林・広葉樹の森─
[影と命の親和する森。
『器』の両親、それぞれの属を帯びたその場所はこんな状況でも心地よく。
白梟にじゃれかかる碧の獣の長閑さは、平和そのもの。
……もっとも、それは光鎖の作る、陣の内に限られるのだが]
……あー。
大分、落ち着いたか。
[陣を巡らす当人は、寛げた襟元から胸元を覗き込みつつ、こんな呟きをもらしていたりする]
[猫は白猫の傍らで。
飼い主は自室に戻り、明けた一晩。
猫は白猫がいなかったのでそのままソファーでまちぼうけ]
[一方、飼い主。
昨日の果物籠から苺をつまみ、リンゴを手に館のなかをふらふら。
頭上から風の気配を感じたものだから]
…?
[首を捻りながら館の屋根を目指す]
[起き上がると窓を開ける、結界の外で、何やら風の檻に捕まってもがいているドロイドが見えた]
あれはー…ハインリヒさんの風、かな?
[窓から身を乗り出し、屋根の方を見上げる。風精の集まる気配は感じられた]
ハインリヒさーん!無事ですかー?!
[思考は尚も続く。しかし考えれば考えるほど分からなくなっていくような感じがして。ふとかけられた声にハッと意識を戻した]
んあ、何とかなー。
[声のした下を見れば、顔を覗かせるユリアンの姿。その声に無事である返事をして。何か苦手な気配が感じられ振り向けば、そこにはヘルガの姿があっただろうか]
―屋敷・屋根の上―
ああ、無事だったんですか。
あっちのドロイドから風の気配がしたから…
また一人で探索に行っちゃったのかと思いましたよ。
[屋根の上に立つと、ハインリヒに笑いかけ、ヘルガに気付くと]
ヘルガさん、こんにちはー!
[屈託なく挨拶して、手を振る]
おりゃー、誰かさんと違って無謀なことはしねーよ。
一回こけてっから、無理はしない。
[誰かさんがユリアンも良く知る人物のことであることは伝わるだろうか。言葉を紡ぎながら軽く肩を竦めて]
ちぃーとばかし中央塔の方へ行ってみたんだ。
途中までだけどな。
そしたら飛行型のドロイドが出やがってよ。
倒せるかどうか微妙だったから閉じ込めて逃げてきた。
[気温は高かったかも知れず]
[けれど、]
[彼は汗一つ掻いていなかった]
[以降の帰り道に特別な事はなく]
(小型のドロイドは熊によって粉砕された)
[草原に出ると][吹き抜ける風][頬を撫ぜてゆく]
−東部:草原−
[――何処か、惑っているようにも感じられたが]
[返された、小さな応え。
一人の少女の名。
私はそれを、心に仕舞う]
――かたじけのうござりまする。
[私はイレーネ――少年がどのイレーネかは知らねども――へと深く頭を垂れる]
…これで、手掛かりが出来ますれば、囚われし者を救う手立ても見つかるやも知れませぬ。
先日お助けいただいたメィ…メーア殿にも、どうか深く感謝していますとお伝えくださりませ。
[頭を上げ、身を翻しかけて、私は肝心な事をお聞きしていない事に気付く]
…っ、重ね重ね失礼を。
私はナタ・リェ。
そなたが名もお教えいただけまいか…?
[応えあらば、私は名を呼びて*深き礼をする事だろう*]
……、
気配は辿れない、らしい。
能動的には、無理。
なのかも、知れない。
[ブリジット][影輝の精の名と悟って]
[短く返す答え]
[端的なそれは意味が通じたか怪しいが。]
[予想通りの姿に、眉が寄せられることはなく、無言のまま手にしていたリンゴを投げる。豪速球]
…やる。
[一言だけ。
何となくそちらへ近づきながら。
ユリアンの声にそちらに軽く手をふり]
― →果樹園 ―
大食いさんが1人いなくなったけれど。
食べる人がいなくなったわけではないから・・・。
[木々の間をまわり実を吟味しながらいくつかもいでいる]
[緩やかな足取りで屋敷まで]
[中へと入ろうとして][足を止める]
[上に在る気配に反応したか]
[或いは見張りをする熊の為かは定かではないが]
中央塔は一番危ない気もしますけどー?
[くす、と笑って「誰かさん」の例えには当然気付いたようで]
まあ、オトさんよりマシ、という主張だとは受け取っておきます。
[さっくり]
< 猫は、ナターリエの部屋を出たあと、のんびり温泉に向かいました。その途中、広間を通って…… >
あ。
< 黒猫の姿を見つけて、中に入りました。ぽつんとしている黒猫さん、ごめんねって謝っても、てちぺちされちゃったりするのかな。
でもぬれぬれな人型の猫は、抱き上げることもできないのです。ごろごろごろごろ。喉ならすことも。猫に戻りたいって、思いました。まる。
それから、 >
服、かわかしてくるね
< 黒猫にそう言って、さいごにもいちどなでなでわしゃわしゃ。
露天風呂へと向かいました。
お風呂に入る前に、服をぬいで、かわかすためにハンガーにかけて……ってこの流れ、ずいぶん昔に覚えたものですもの。どたんばたんとうるさい音が響いたかしら。 >
さて……と。
[どこかで無謀とか言われている当人は、そんな事など何処吹く風……いや、無謀といわれたなら、「お褒めに預かり光栄」と、真顔で返す質だったりするのだが。
とにかく、傷ついた呪印に応急処置を施して]
……セレス、ヴィンター。戻るか?
[軽く言いつつ、白と碧を左右の肩へ呼び。
光鎖を右手に巻きつけた状態で、歩き出す]
[白猫の気配にぽつねんとしていた黒猫は尻尾をぴょこり、耳ぴょこり。
でも白猫じゃなくて見えたのは金の髪の男の子。あれ?にゃー?
でも、撫でてもらっていい気持ち。
お風呂にいっちゃうっていうから、尻尾をふりふり。行ってらっしゃい。
ああ、でもまたひとり(いっぴき?)になっちゃった。しょぼん。にゃ…]
んごあ!?
[突然飛んできたリンゴは顔面にクリーンヒット。若干メリッと音がしたかもしれない。ぽろりと顔面から零れたリンゴはどうにか手でキャッチし]
……おー、さんきゅな……。
[一応礼は言っておいた。もちろん鼻の辺りを摩りながら。ユリアンの言葉には「あー…」と声を漏らしながら]
そういやそうだったか。
すっかり忘れてた。
ただ単にあそこの傍行ったこと無かったよなー、とか思って。
折角濁したのにはっきり言ってくれたな。
[さっくり言われた言葉にからりと笑った]
……、
[屋根の上の色彩を捉える、片側の青]
[幾つかの存在を認め][緩やかに首が傾いだ]
何、してる?
[大きくはない声][遥か上までは届くや否や]
はふ。
[火山を降りる時に襲ってきた小型ドロイドを握りつぶした時の破片が肉球の間に挟まってなかなか取れず、もう片方の爪でちょいちょいつついては気にしつつ草原までやってきた。
屋敷が小さく見えてくるだろうか。
風は、相変わらず優しく黒茶色の毛を波打たせてゆく。]
よー。
[屋敷前、屋根の上の風の気配に手をふる。
ヘルガやユリアン達の姿も目で確認し、なんとなくほっとする。
オトフリートはあれから帰ってきてないのかな、リディは帰ってきただろうか、等気にしながら]
[風に乗って聞こえた声。更にはその傍に黒茶色の塊]
おー、戻ってきたか。
まぁこっちは見張りみたいなもん。
[何か見つかったか?などと訊ねながら視線を下にいる人物達に向ける]
[実でいっぱいになった籠を見て満足したのかこくりとひとつ頷いて。何かが弾ける音に屋根を見上げれば顔面に林檎を炸裂させた瞬間が見えただろうか。くすりとひとつ笑って。]
仲がよろしいですね。落ちないように気をつけてください。
[とはいえ、『加速』を用いて『翔ける』のは、何度も使えはしない訳で。
必然的に、騒動に突っ込む形になるのだが。
その危険をおしても──確かめたい、と。
そう、思う事が一つ、あったから]
─中央塔前─
……セレス。どうだ?
[周囲に光鎖を揺らめかせつつ、問う。
その更に周辺には、一撃で急所を突かれた数体の哨戒用のドロイドの動かぬ体]
[顔面に減り込んだ林檎に、あ、とか小さく驚いたかもしれないけれど謝るような様子はなく。
ライデンとハインリヒの会話のなかに出てきた建物の名前に、そちらへと視線を向けただろう]
…まったく、ひとり浦島太郎にでもなった気分だよ。
いない間に何か起きてるんだからね。
[屋敷を取り巻く時のうっすらとした気配でも感じ取ったのか、肩をすくめてひとつ息を吐いた]
ううん、いいよ。
オレも色々悩んでたから、逆にスッキリした。
[ありがとう、と。頭を下げるおねえさんに、告げた後
続く言葉に少しだけ瞬いて。中の気配に、へらりと笑った。
メーアも照れなくたって良いのに。]
うん、メーアにもちゃんと伝えとくね。
ナタ、…リェ。 ん、覚えた。
名前はイレーネだけど、オレを指す「言葉」なら、”ノイ”。
[聞かれて、答えを返す。そしたら、またお礼を言われてビックリした。
丁寧さに驚きながら。気にしないでって、笑いながら応えて手を振ったら、
今度こそナタ・リェは部屋の中に戻っていった。
少し、考えて。 左手に持ってたリンゴを両手で包みながら、
ぶらりと投げ出していた足に勢いをつけて、ひょいと庭園へ降りる。]
そこを濁しても、意味ないと思うんで。
[笑い返されると、笑顔のまま答え、マテウスや、果樹園帰りのユーディットにも手を振る]
落ちませんよー。大丈夫!
ああ、そうだ…ヘルガさんは大丈夫ですか?
[昨夜消えた一人は、陽光の精の対だったと思い出して、問いかける。以前…そうずっと以前にも三対の一人が欠けて、残された二人は随分と安定を崩していたし]
[暫く見上げていたが、]
[中から屋根に出ようと思ったのか]
[皆から離れて室内へと向かう]
[入る間際、]
……、わからない。
[そう告げたのも、また、唐突だった]
…仲良いのかこれ?
まぁ落ちても一応飛べっからな。
[ユーディットの声に鼻を摩ったまま視線を送り、そう返して]
竜宮城に行って楽しんできたわけでも無いのにな。
これからもまだ何か起こりそうだぜ。
ドロイド然り、妙な現象然り。
[ヘルガが謝らないことには何も言わない。それが当たり前と思っているが故に]
火山見てきた、しょぼいドロイドがちょいちょい居ただけ。
なんかしょぼいのが続くと後からでっかいのきそうで怖いよなー。
そっちはなんもなかったか?
[物騒な事を相変わらず言いながら、ハインリヒに口をかぱっとあける。(笑っているらしい)]
[ライデンの言葉を一瞬飲み込むのをためらいかけ、首をかしげたあと、ああ、と曖昧に相槌ひとつ]
……まぁ、大丈夫といえばね。大丈夫かな。
なんかしっくりこないって言うのはあるけど。
ちび影ほどの影響は受けないみたい。なんでだろね?
[実際のところ、多少なりの安定は欠いているのだが、それを表前面に出すほど弱くはないのか、どうなのか。
手を握って、開いて、大丈夫、と笑った]
< 露天のお風呂はぬくぬく……っていうかだからあついんですってば。
猫、さんざん。
体はぽかぽか。お湯からあがって、タオルでふいて……とかやりながら、髪をかわかすのも、得意ではありません。
ちょっとびしょっとしたまま(とうぜん、すぐにあつくなってしまいますもの)の服を着て……つまり意味がないってことに気付きました。
風とかにあたれば、かわくかなぁ。
猫、そんなことを考えましたけど……黒猫のことを思い出して、まずは広間にいこうかしら。 >
[かぱりと開けられたマテウスの口目掛けてリンゴを投げてみたくなったが、折角貰ったものなのでその衝動は抑えて]
しょぼいドロイド?
ちっこいのかね。
こっちは屋敷には特に異変無し。
ただ、中央塔の近くに行ってみたら飛行型のドロイドに襲われた。
食い止めて逃げてきたけどな。
[そう告げるハインリヒの頬と左脇にはレーザーが掠った痕が見えるだろうか。ユリアンの対の話が聞こえると、自然視線はヘルガへと]
[ユーディットの声、落ちるのを心配するような様子に軽く肩だけすくめ]
落ちる前に、どうにかするさ。
[屋根の淵から下を除けば結構な高さだったが、けろりとこともなげに]
ドロイドは幾つあるのでしょうね。
頻繁に会うところを見るとかなりの数が用意されていたと考えるべきでしょうか。
[手を振るユリアンに手をふりかえし。いつもと変わらない笑みを浮かべて。]
今日は果物でシャーベットでも作ってみようと思います。
広間に置いておきますので適当につまんでください。
< あらあら、広間を見たら、黒猫、アーベルと一緒にいますね。
ちょっとのぞいて、どうしようかなぁ。
…………でもやっぱり、顔を出して。 >
でかけてた?
なら、いいですけど。
[少しは無理をしているのだろうと、判ってはいてもそれは言わず、ヘルガに笑みを返す]
そうですね、ブリジットは、以前にも対が消えてしまう事件に遭ったことがあるし、今は、大切な方とも離れているので不安が強いんだと思います。
でも、頑張るって言ってたから。
[昨夜のブリジットの様子を思い出して目を細めた]
[問いに、従魔は碧の翼をぱさり、と広げ。
肩にしがみつきつつ、きゅ、と短く声を上げる。
……静寂。
獣は、ふるりと首を左右に振る]
……そう……か。
「……でも……」
……でも?
「……なにか……嫌、なの、かも」
[あとわかんない、と。従魔は小さく呟いて]
[こちらに向くハインリヒの視線に何か用かと言わんばかりの葡萄酒色の視線を向けるだろう。
それから一度男に残るレーザーのあとに視線をやりながら]
…何。
[やっぱり口に出して聞いたとさ]
落ちてもどうにかなる方は少ないとは思いますけど。
念のため、です。
無茶なことが好きな方が多いみたいですから。
[肩をすくめる様子ににこりと笑いかけ。]
ヘルガ様もあまり無理はなさらないでくださいね。
ドロイドって、自然に生まれるモノなのか?
誰かが作るものなのか?
…あれ、イノチは入ってないんだよな…?
[ふと、自分がいくつもつぶしたドロイドを思い出しながら。
鼻先を窓から広間に入れると白い猫が見えたので、ちょい、と腕を伸ばしてみた。]
[ソファに近づき]
[黒猫に触れようとして、]
[背後からの声に止まった]
[普段よりも熱い手]
[火傷する程ではないのが救いとは言え、]
[黒猫セーフ。]
それくらいでへばるほど、柔じゃないさ。
[けろりと笑顔ひとつ。
そしてちび影の過去の話に少しだけきょとんとして、ふぅん、と相槌ひとつ]
…いい大人が、まったく。
[そう、すっかり忘れがちだがちび影のほうがこのふてぶてしい陽光の精霊よりも生きている年数はずっと上のはずだった。
思わずこぼれた言葉は、小さく]
……うん。アル、探しに行こう。
[こくりと頷いて、着地した庭園を歩き出す。
悩んでて、待ってたけど来ないし。リンゴ食べれないし。
そもそも、アルが居ないと何にも太刀打ち出来ないから
ドロイドの所為で出れなくなっちゃうし。…それも、困るんだ。
屋敷の出入り口に向かう。
……何だか人たくさん居るけど…出てったら、怒られるかな。
出来る限り、気付かれないように静かに端っこを通る。]
火山?
< 猫は、黒猫かんいっぱつ、だったのを知りません。
それから、近づいて >
……そんな、場所、あるんだ。
< ぽつり、こぼして、猫に手を。
もしかしたら、ちょっとあったかい手は、においをかいだら、白猫だってわかるかしら。 >
[黒猫ちょっと驚いた。
だってこの間は冷たいおててだったのに、今日は近づいた手が暑そうな気配がしたんだもの。
にゃん、とひとつないて、白猫の気配がする金の少年のほうへてちてちダッシュ、にゃーんとジャンプ。
金の男の子は飛び上がった黒猫をどうするかしら]
ドロイドは誰かが作ったんじゃないでしょうか。
自然には生まれないと思います。
もしかしたら、今も作られている最中なのかもしれませんね。
ドコから来ているのかわかれば、何かわかることもあるかも・・・。
んにゃ、大丈夫なんかな、と。
[ヘルガからの短い問いにはこちらも短い返答。対が欠けると言う経験はしたことが無い故にその感覚が分からず。純粋に相手に心配の念を向ける]
んー、イノチ、イノチなぁ…。
どうなんだろ、あれは。
生き物のように動くが、身体の構成は鉄やら鋼やららしいし。
[マテウスの疑問には考えるように首を捻った]
でも、無理はしないでください?影響が全然ないってこともないでしょう?
[ヘルガの言葉の後半は聞こえないったら聞こえない。年齢の話はタブーだし]
ま、ここで撃墜大会してても、キリありませんか。
……どうやら、早めに戻った方がよさそうだしな。
[ちら、と光鎖を伸ばす銀の腕輪に目を落とし。
それから、東へ向けて歩き出す。
……その間、どれだけ撃墜したかはさておいて]
─中央塔前→東部エリア─
< わぁ。
なにに、黒猫が驚いたのかはわかりませんけど、ジャンプしたその子をちゃんと、猫はだきとめました。
……どうしたの? と言いたげに、猫は黒猫の喉を、指でなでます。
きもちいい? >
鋼や鉄なぁ…
今作られてるってのはあるのかもな。
な、アーベル、そのへんってわかる?
[ひょい、と肩をすくめながら、青に聞いてみる]
< なんだか、アーベルは、ちょっとショックみたい?
表情が動かないから、猫にはあんまりわかりません。
ただ、
あついのしらずに、手をのばしました。撫でようと思ったわけですけれど。 >
だから、大丈夫だって言った。
それとも、何。
大丈夫じゃないほうがお望みなわけ?
[ハインリヒの声に対し、返答する声はわずかに苛立ちを含み。
それが三対の一対が欠けたゆえの不安定さからくるのか、それとももっと別のものからくるのかは謎だったけれど。
ライデンが歳の話をスルーしたのはさりげなくそっとしておきつつ]
…さぁ、どうだろうねぇ。
[自覚症状がないゆえに、首をひねる。
だから、ユーディットの心配も適当に手を振って応じておくのみ]
そういえば、ユーディットさんとエーリッヒさんもダーヴ殿の対でしたっけ…精霊程の影響はないかもしれませんけど…
[火竜の名を口にした瞬間に、視線を落とす。屋敷の中の二人を案じているようにも見えたか…その手はポケットの中で、何かを軽く握りしめて]
[喉をなでてもらうのは気持ちいいの。
驚いたの。にゃーぅ。
だってあの人のおててとっても熱いんだもの?
まるでフライパンのそばにいるみたい。にゃ。
だからおにーさんごめんね、おにーさんはだいすきだけど、でもそのおてては今はちょっと嫌いなの。みー]
大丈夫な方が手間がかからんで良いが。
無理してなきゃ良いな、と思っただけ。
[相手の苛立ちは知ってか知らずか。思うままの言葉を口に出す]
とりあえず、降りねぇ?
このままここに居ても何だし。
[屋根の上のヘルガとユリアンに提案する]
─屋敷前─
[くしゅんとくしゃみをするブリジットに]
1回は良い噂、2回は悪い噂、3回は惚れられて、4回以上は風邪ひきだっけ?
[灰銀色の髪の少年から聞きし後。
私は思い沈みつつ、彼の仔の様子を見に時の竜の部屋を訪れた。
なれど]
セレス…何処へ…?
[部屋には姿なく、開け放たれた窓があるばかり]
[庭園側から、出入り口付近で集まる人の隙間を抜ける。
多分、皆お喋りに夢中だから気付かない、かな。
さくりと草を鳴らしながら、草原に出て。
「声」を辿ろうと気配を広げて、ふと、僅かに眉を寄せた。
結界の向こう、微かな機鋼の気配。]
< 猫の動きは、いっしゅん、とまりました。黒い猫をなでなでなでなでしてたのと、おんなじつもりで撫でようとしたから、悪かった……わけではなく。
あつい。
ばっと手をはなします。だって猫舌(手?)だもの。 >
火山……あつかった?
< おもわず、たずねました。 >
……なんで、こんなもんがここに留まってやがりますか、と。
[何となく、呆れたように呟きつつ。
ぐるり、見回せば護法天陣の内側は無事な様子で]
ま……いずれにしろ、おいとくのは危険……か。
[未だ右腕に巻いたままの、光鎖。
瞬間の動作で、天へと舞うそれは、的確にドロイドのコアを貫き、動きを止めた後、瞬間に腕へと戻る]
…悪かったな、手間ばっかで。
[一気に不機嫌マックス。
淵に立っていたかと思えばゆらりとその姿が傾いで、下へと落ちてゆく]
わたしは特に影響らしい影響はありません。
ダーヴィット様が選ばれた理由は想像するしかありませんが・・・。
邪魔であったのか、何か必要とされるものをもっていたのか。
そもそも誰が選んだのでしょうね?
2人とも屋敷の中に居たんです。無作為になんでしょうか。
[あまり自分でも信じていない様子で言葉を口にする。]
大丈夫、自分で降りられ……
[マテウスに答えかけて、結界の外で光鎖が舞うのを目にすると、とん、と屋根を蹴って一気に地上へ飛び降りた]
なら、もう一回くしゃみしちゃえばいいんじゃない?
それ以上したら、風邪になっちゃうけど。
[実際は、連続で出た場合の話なのだが、あえてそこは隠して。]
[ユリアンの頷きに屋根の端へと移動しつつ]
いや、手間ばっかとも言って無いんだが。
[やってもた、な表情になるも次の瞬間落ちるヘルガが見えて]
おま…!
[手を出しかけたが猫のように着地した様子にその体勢で一時停止。心配した自分が馬鹿だったかも]
…大丈夫か。
んぁ、オトフリート?あっちは大丈夫なのか?
[ヘルガの様子にぽりぽりと後ろ頭を掻き。
その瞬間、光がキラリと見えて。
目を凝らすように細めて見た。]
冷やす。
…………川?
[厨房の水という考えは無かった]
[言うが早いか、][踵を返して広間を出て行く]
[当初の目的、すっかり忘れてる。]
…もう一回ってワザとするの?
[わざとってそもどうやるんだろうとか。
そも惚れられるって言われても困るしとか]
んー、まぁいいや。
そうそう風邪もひかないし。
[疲労でそれに近い状態になることはありますが。
意外と気にしないようすであっけらかんと笑った]
< 猫はぽかん、と、見送り……
かけて。 >
あ。かわかさないと。
< 黒猫だいてるところは、そんなにしめっぽくないですけどね。風でかわかさないと。
それにもうひとつ、聞きたいこともあったのです。誰に? ――さあ、* 誰にかしら? * >
[ほんの一瞬、意識がどこかへ飛んでいたのか。
目の前に降り立ったユリアンに向ける異眸はきょとり、として]
「こわいの、ないよ?」
[時空竜と一緒だから、と。
問われた従魔は、屈託なく答えて、尻尾をぱたり]
飛んだほうが、…良いかなぁ。
[上にも気配はあるけれど、地上よりはマシっぽいし。
声を先読みして、逃げることだけは出来るだろうから。
でも、少し疲れるから、あまり好きじゃないんだ。大丈夫かな]
まぁ、これの外に出てから考えても、平気かな。
[傍には居ないみたいだから、直ぐには襲ってこないだろうし
一番近くにいた気配はさっき消えた。多分、時竜が倒したっぽい?
一つ頷いて、一歩、結界の外へ踏み出そうと]
大丈夫。問題ないから。
[猫のようなしなやかさを以って地に下りてくれば熊男の心配もよそに、上にいるハインリヒを軽くにらんだだろう、まるでお前の手なんて借りない、とばかりに]
[降りようとして風が彼の人物の所在を告げる。今は一人、あのことを確かめるチャンスだろうか。それから上空に居たドロイドが機能を停止したのを見て]
あ。
…まぁ手間が省けたってことで。
[別の人が手間をかけたのではあるが。ひょい、と身を躍らせ地面に着地]
[あっけらかんと笑うブリジットと一緒にクスクスと笑っていたが]
……それで。火山の方はどうだったの?
何か収穫はあったのかな?
大丈夫なんじゃないでしょうか。
手も足も欠けているようには見えませんし。
[空を見上げながら]
それでも心配で見にいった方も居るようですけど。
……だから、誰がおとーさんですかと。
[ユリアンの言葉に憮然としつつ。
無茶の部分は、否定はしないというか、できないらしい]
「大丈夫ー。時空竜、お休みしてただけー」
[撫でられた従魔は嬉しげに尻尾をしぱたた、とさせつつ、お気楽にこんな事を]
……って、ちょ! セレス!
[ヘルガからの視線には、へいへい…、と言うように頭をぼりと掻いて]
………。
[周りの視線が自分から外れた隙を狙って、その場から姿を晦ます]
[向かうのは結界を出ようとしている少年の下]
ううん。
ダーヴさんがあそこも中へと通じてるって言ってたんだけど。
火炎の力も強すぎて分からなかったの。
[ふるふると首を振って]
ダーヴさんも大丈夫かな…。
[違和感が気になったのと。
…お腹すかせて無いかなとかちょっぴり思ったり]
ああ、そうなんだ。
[めっちゃ笑顔のまま、時空竜を見る]
ちゃ ん と 、 休 ん だ ん で す ね?
[鋼色の目は全然笑っていない]
! …わ。
[結界の目前で、突然吹き抜ける風にきょとんと瞬く。
それの取り巻く「声」を、思わず見つめながら、
現れた人物に、あー、と暢気な声を上げた。]
あ、えーと、…おじさん、おはよう?
[リンゴを左手に抱えて、ひらりと右手を挨拶と一緒に振って]
[ハインリヒから視線を地上の面子に戻し。
時の気配が濃くなれば、眼鏡竜を見上げるようにして。
ライデンと彼等のやり取りを見上げながら]
…おとーさん?
[上から落ちてくる言葉、はて、と首をひねり。
そして両の手を口元に当ててメガホン代わり]
おーい、とっつぁーん?
[ちょっとした出来心]
冷やす?
[アーベルの返答と指し示す方向を見て]
…………台所に製氷機とかなかったっけ? あと、水道とか。
[盲点を気づいていないと知らず、突いてみたり。]
そっか。
…ナターリェは大丈夫なのかな。弱ってたみたいなんだが。
あと…リディがどっかいって戻ってこない気がする。
[ヘルガの言葉には、うん、と頷いて、ユーディットには視線を追ってそうだな、と呟き。
そういえば、と見えないふたりの事を呟いた。]
……何かな、その怖い笑顔は。
[思わず、引いたかも知れない。
がっしゃん、とか。
時間差で堕ちてきたドロイドの響かせた音が、心境を端的に示すエフェクトになったやも]
……休まなかったら、ここまで動けませんが。
なーにしてんだ、こんなとこで。
[出るなと言われた部屋を抜け出そうとしている悪ガキを見つけたような様相で声をかける。ニッと笑うハインリヒの手にもリンゴが一つ。リンゴを持つ手の甲を腰に当てるような姿で少年の傍へと]
結界の外へ出るつもりか?
ドロイドがうろうろしてるかもしんねーってのに。
ナタリェが?
[マテウスの口から出てきた名前、若干心配げな気配をもたらすのは何気にナタリェを気に入っているからだろうか。
リディのことは、いつものことだとばかりに特に反応も示さないだろうけれど]
[私は開いたままの窓を閉めるかどうか迷い、少しだけ顔を出す。
空に在る機械に息を飲んで下がるも、何ゆえか動かぬままの様子に幾度か瞬こうか]
……?
結界…それとも……
[悩むも理由はわからないまま]
お会いしてない方に関しては何とも言えません。
[上の2人を指差し]
リディさんは上の方に言ってみれば血相変えて探してくれるんじゃないでしょうか。
戻ってこないのは穏やかではないですし。
どこかへ行くとは言っていなかったんですか?
動く為に休んだ、と。了解。
[怖いと言われた笑みを引っ込め、真顔で、もう一度セレスを撫でる]
あなたに何かあれば、この仔の心も傷つきますよ。あなたは、セレスを傷つけちゃいけない。
[それから、にこりといつもの顔になる]
それに、これ以上の戦力ダウンは勘弁です!
ちゃんと冷やした方が良さそうだね。
[それがアーベルにとって普通なのかどうかも分からないので。
でも人としてならちょっと異常だったのでそう言って]
自分では大丈夫なの?
[一応そう聞いてみた]
…あ、ばれた。
[ニッと笑うおじちゃんの顔に、へらりと笑って。
持っているリンゴを見て、お揃い。と自分もリンゴを翳してみる。
尤も、オレのリンゴは、数日前にもらった物だけど。]
やっぱりウロウロしてるかなぁ?
でも、声は聞こえるから、逃げれるかなぁって。
それで、昨日は西から南まで、移動出来たから。
[アル、探しに行こうと思ったんだけど。
こてん、と困ったように首を傾げながら、言葉を返して]
ナターリェは完全に気失ってたからなぁ。
見に行ってくれるか?
リディは…確かにそうだな。戻って来たら言って見るか…。
果樹園の方に行ったようなんだが、そのときにドロイド見つけてそっちつぶしてたら見失ったんだよな。
[ヘルガには頷き、昼に運んできたことを伝える。
ユーディットの言葉には少し笑い、ユリアンに任せるもいいだろうか、と思いつつも心配なので果樹園を見に行った方がいいのだろうか、と少し思案顔]
[しばらく動きが止まるも、恐る恐る落ちた方へと顔を覗かせる。
角を見られるやも、という恐れは驚きで忘れた模様]
………?
[なにやら集まっている様子に、首を傾げて見やる]
[従魔を撫でるユリアンの言葉に、右の肩の従魔を見やり]
……それは……わかってる。
俺の役目は、セレスを護る事だから。
……それに、あんまり無茶すると、あちらにも怒られちまうし、な。
[続いた部分はごく小さく、近くにいなければ聞き取れないほどで。異眸には、微かな陰り]
戦力ダウン……は、確かに。
若竜がいなくなったのは、痛手だしね。
[それでも、こう返す時には、その表情はいつものそれに近かったか]
[翳されたリンゴには、「お」と声を漏らし。自分の手の中のリンゴと相手のリンゴに交互に視線を向けてから小さく笑う]
してる可能性はあると思うぜ。
オトフリートの結界で屋敷の周囲には来ないけどな。
声を聞いて、逃げる?
それで囲まれたらどうすんだか。
[浮かぶのは苦笑。続く言葉には僅かに首を傾げて]
アル?
…ああ、そう言えばいつも一緒の鴉がいねぇな。
探すなら、着いて行っても良いぜ?
一応戦えはするからな。
あ、こけた。
[とっつあんったら、なんて緊張感のない一言をぼやきながら上の眼鏡竜を見上げていたけれど]
了解。しょうがないから頼まれてやるよ。
ちび子は…ライデンに頼めばいい。
むしろ、ライデンに頼んだほうが早いだろうさ。
[慣れの問題だとばかりに呟いて、マテウスの依頼を実行するためにその場を離れ、館の中へ。
ナタリェの気配を頼りに、館の中を移動し]
[よもや噂されているとは思わず。
手を振る地の獣へと、私は戸惑いつつも同じように手を振り返す]
……下へ降りた方がよいであろうか…なれど……
[心迷う内に、青の青年が此方を見上げて。瞳と瞳が合おうか]
それもそっか。
でもみんなビックリしちゃうもんね。
とりあえず、冷やしに行く?
[なんだかこの人も無理しそうだなぁとか。
誰かの姿が脳裏を掠めただなんて内緒です。
それでも冷やしに行こうとしていたってことはそうなのかなと、軽く首を傾げた]
[時空竜の言葉に頷く]
ええ、随分な痛手です。それが、機竜の目的だと思いますか?
[戦力を削ぐ事が、と、問いかけながら、それは違うのではないか、とどこかで思う]
あ、すまん、ありがと、ヘルガ…
ナターリェ無事ぽい、顔出した…っ!
[屋敷の中、階段へと移動しようとしたヘルガの背中に声をかけるが、その声は届くだろうか?]
……、
[交わる][海の青と][淡い菫]
無事なら、好い。
[声は彼方までは届かないだろう]
[視線を下げると影輝の精へと頷いて、]
[やはり向かおうとする先が川なのは如何なものか。]
[つられて上を見る。そこにはナターリェの姿。]
そんな所で何してるんですかー? こっちに下りて来ませんかー?
[とりあえず、声を掛けてみる。]
[ミリィの声に同じように顔を上げて。
昨日の歌声の主。ニコリと微笑む]
あ、だから何でそっちに。
[なんてことしてたら川に向かった人一名。
今まで会話してた内容理解されてなかったのかなと一瞬呆然]
機鋼竜の目的……。
[問いに、しばし、思案の素振り。
ちらり、と従魔に目を向けて]
それが、全くない……とは、思わんが。
だが、単純にそれだけ……とも、思えんかな。
「……なにか、嫌みたい」
[ぽつり、と。続けるように従魔が呟きをもらして]
……このヤロ。
遅ぇんだよ…!
[ただでさえいらいらしているところに、無駄足を踏まされ掛けたと知れば余計に苛立ちは募り。
思わず近くにある拳ほどの瓦礫をつかみ上げてマテウスに怒りと共にぶん投げた。
どうやら物を投げる癖があるらしい]
[小さく笑う相手に、楽しそうにへらりと笑って。]
そっか。やっぱり危ないか…。
でも、ちゃんと静かに聴いてたら、
「声」は一つのエリアぐらいならちゃんと聞こえるから。
[囲まれないように、逃げるんだよー。と
向けられる苦笑に、少しムキになって言葉を返す。
……尤も、たしかに、戦うのは出来ないけれど。]
本当に?手伝ってくれる?
でも、どこに居るか判らないんだ。
[大丈夫かなぁ、とハインリヒの言葉に、僅かに眉を寄せる]
―果樹園―
[ごん]
んーなあにおかーさ……
[林檎が落ちてきて、頭に当たったようだった。
拾い上げて暫く見つめた。ぽい]
そろそろ屋敷に戻ったほうがいいかなー?
[海の青と淡い菫。
何か言われたようなれど耳には届かず。
私は瞬いて、不意に耳へ蘇った言葉に小さな声を上げる。
気にせずとも良いと首を振れど、背を向けた青年には届く事なく]
この前は冷えていたのに、今度は熱いんですか。
忙しいですね。
体調には影響がないみたいですけど・・・。
[何気なく側まで近寄りアーベルの額に手をあてようと。手はとっても冷たいです。]
―廃棄エリア・第二集積所―
[食料は時間と共に美味しそうな匂いを漂わせながら、壁際でぶら下がっている。ドロイドが近くを通過する度に、ゆらゆら揺れた]
ま、極論すると。
単純に戦力を削ぐのであれば、若竜よりはむしろ君か……或いは、俺。もしくは、ユーディット嬢。
機鋼の動きを制御し得る辺りを優先して来る気もするしね。
[機鋼という力、それへの関わり方を思えば、その方が自然と思えて]
「わかんないけど……何かが、嫌。そんな感じ」
[問い返された従魔は、か細く言った後、きゅう、と鳴いて]
静かに聞いてられる暇があれば良いな?
[それは邪魔をされたら出来ないという意味であるが故に。悪戯っぽくそう返す]
なんでぃ、場所は分からんのか。
行きそうな場所とか思いつかんか?
とりあえず移動しながら探してみようぜ。
[ぽん、と少年の肩を叩いて移動を促す。結界を出て少ししたところでぽつりと漏らした]
…それと、聞きたいことがある。
[何やら不可思議な動作をしている赤毛の少女へと、私は愁いを帯びた瞳を向ける。
惑うように指先を額へと上げれば、角が当たって。
私は窓から離れ、部屋の中でそうすべきか迷い――]
……聞いたであれば…見届けねば…。
[沈む声音で小さく呟き、下へと思い足取りで向かおうか]
うーーーん、やっぱり色々微妙だねえ。
[時空竜の言葉と、従魔の言葉両方に、そんな風に零す。断定出来るだけの情報と事実が、まだ足りない]
――う。
[尤もでした。
ハインリヒの言葉に、口籠もる。少し悔しい。]
突然、黙って飛んでっちゃったんだ。
勝手に行っちゃうのは良くあるから心配しなかったんだけど
流石に、今は外があまり安全じゃないから。
[移動しながら、との言葉にこくりと頷いて。
促されるままに結界の外へ一歩踏み出す。
と、投げられる言葉にきょとんと首を傾げて]
…? なぁに?
無駄足ふむのが一番嫌いなの。覚えといて。
[不機嫌マックスの表情でマテウスをノックアウトしたあと、パンパンと手をたたいて埃を落とすかのように。
みなの視線がそろって見上げる上の窓に清浄な気配の獣を見つけると表情を和らげて手を振るだろう。
まるで強すぎる力を抑えて怯えさせないようにとの配慮にも見えるだろうが]
あるいは……竜だから……というのも、あるかも知れん。
[ぽつり、小さな呟きが零れる]
今の機鋼竜は……恐らく、本能のみで動いている。
その感覚のままに、同族を求めた可能性も、否定できん。
[手を当てた瞬間に感じられた熱に顔をしかめるが、手はそのまま。手から発する冷気を強くする。瞳の奥に赤い光が灯るのが見えたかもしれない。]
ええ。思ったよりもずっと体温が高いですね。
何をされていたんですか?
本当に体調に影響はないんでしょうか・・・。
[徐々に体温は下がっていく]
[急激な変化に][きし、][先程とは違う][微かな音]
火山、行っただけ。
一緒に。
[終わりの言葉]
[影輝の精と大地の獣を見て、]
[……毛皮を染める赤に瞬いた。]
[口篭る様子には大人げなく勝ち誇った笑み]
ま、緊急事態ではあるもんな。
しかしどこに居るやら。
[自分も風を繰り鴉─もしかしたら今は違う姿なのかもしれないが─を探す。きょとんとする様子を目端に捉えて歩きながら]
…風に、聞いた。
お前が………ミリィのことを機鋼竜の共犯者だと言っていた、と言うことを。
…それは本当なのか?
[先程までの軽い声色とは打って変わり、その声は真剣味を帯びていたか]
< 猫が出ていったのは、マテウスがノックアウトされたあとでした。
黒猫を抱いて外に出て、きょろきょろ。 >
……ものしりな人、いないね
< ぽつり。 >
いずれにしても、今の段階では全て憶測ですが…
機鋼竜への協力者がいるかもという話、どう思います?
[話題の転換は唐突に聞こえたかもしれない]
うん、本当に。
[ミリィに頷いていたらひっくり返ったマテウスが]
わ、大丈夫?
[何か血が出てたりするし。
慌てて傍に行くとハンカチを差し出してみた]
[黒猫にゃん。
白猫?金の子?どっちかあいまいだけどどっちも大好きだからいいの。
抱えられたまま移動すれば、腕の間から長い尻尾がゆらゆら揺れていたかしら。
物知りなひとって誰かなぁ。にゃーん?
きっと飼い主のことじゃないのだろうけど]
……、
……………。
[翠樹の少女の問い]
[沈黙。]
なんとなく。
[あまりにあまりな答え]
[ふと、そっちと言われた方角を見て]
ん。
[氷破の魔からも離れて歩みだした。]
[下へと降りる途中で、葡萄酒色の瞳に捕まる]
…あ、ヘルガ殿…?
[その向こうで巨躯の獣が鼻血を出しているなんて想像もせず]
[唐突に切り替わった話題。
それに、異眸はすい、と細められ]
……あり得ん事ではない、と思っている。
[告げる言葉は、仮定形でありながら、どこか確信めいたものを感じさせて]
この騒動が始まった時点で、機鋼竜の『器』は未だ、完成には至っていなかった。
そんな状態から、単体でここまでの事を起こせるとは……さすがにな。
[勝ち誇った笑みに、思わずしょんぼりする。
でも、言い返せない。…むぅ。 ハインリヒに並んでゆっくり歩く。]
どうだろう。…何処に、いるかな。
[気配を探ってみるけれど、妖精だから。
同じ属性な分、いまいち感じるのも精度が悪い。
アルの本当の名前を知ってたら、直ぐに呼べるのに。
と。投げられる声色に、少し驚く。いつ知ったんだろう?
でも、真面目な「声」だったから、こくりと頷いた。]
――うん、本当。
翠樹の気配に、機竜の声が――混じってたの。
でも、少ししか聞こえなくて、理由までは判らないから。
”共犯者”って言うのが正しいかは判らないけど。
でも、「協力してる人」がいるなら、そう。
< 答えるよにないてくれた黒猫に、指先で触れました。喉こしょこしょ。きもちいいんだよね! 猫だからわかるの。
でもでも、飼い主さんのところ、戻らなくていいのかにゃあ?
……あったかいから、離したくないですけど。
探してるのは、機鋼のことをおしえてくれた人とか、あとその他の情報をもってきてくれた人……ええと、名前は、ユリアンとオトフリートだったかしら。
でも猫は声をかけることなく、アーベルが氷の人(ユーディット)に冷やされているのをみました。今度、つめたすぎないかなぁ…… >
[先ほどとは違うわずかな音に手を離し。水ぶくれのようになった自分の手を後ろに隠して距離をとる。]
余計なお世話だったかもしれませんね。
川、行くんですか?
[通信機から聞こえてきた声に、スッと目を細めると]
出来るって。襲撃?
……そうだね。弾は完成したよ。そう、今日は……
[ちらりと視界に映るとある人物を盗み見ると]
『彼』なんてどうだろう?
…大丈夫そう?
調子悪いって聞いたけど。
[現れた清浄な気配に、少し心配そうに葡萄酒の瞳細めてたずねるだろう。
先ほどブチキレてマテウスに瓦礫を投げたり、疾風と精神の二人をフルボッコにして楽しんでいた人格とは同一とは思えぬほど、陽の光は穏やかで]
トロかった?
[瓦礫投げられた現場は見てなかったんです。
でも良く聞く言葉にちょっと横から鸚鵡返し]
血、止まるかな…。
[撫でながらそっと力を使ってみるけれど。どこまで効果でるかな]
[黒猫は、今は飼い主よりもあなたが大好き。
だって猫だもの、気まぐれな生き物だから。
ぽかぽか陽だまりのにゃんこは白猫かもしれない腕の中で喉こしょこしょされて気持ちよくて尻尾がゆらゆら揺れたのかしら]
違う。
[氷破の魔への答えは短く、]
[離れた位置で会話をする三者へと歩みを]
何か、あった?
[時竜と雷精の合間へ問いを投げた]
[繰っていた風のバランスが崩れる。それは少年からミリィについての返答を得た時]
共犯じゃなくても、協力はしている、か…。
理由はどうあれ、手を貸していると。
『何故だ。
機鋼の力を持つ存在を探していたミリィが、機鋼竜に協力するとは。
アイツの仕事上、てっきり退治するか何かのためだと思っていたのだが──』
[口には出さずとも、この「声」は少年に届いてしまうのだろうか。少し驚くような気配を感じれば、「ああ」と声を漏らして]
聞くつもりは無かったんだが、風がおせっかいにも運んできやがってな。
ただでさえ、自然と感知したりもするもんだから…。
[普段は必要以上に感知しないように抑えてはいるのだが、と付け足して。盗み聞きしたような形であることに、気まずそうにぼりと頭を掻いた]
んー…そうか…
[時空竜の答えに、歯切れの悪い逡巡…そこへ、かけられた青年の声]
やあ、アーベル。
[思わず、じっと見つめる]
< 人の目だと、遠くまであんまり見えなくって、不便。
でも猫を撫でているときは、黒猫さんにだけ集中です。だって、よそみされながら撫でられたって、そんなに気持ちよくないですもの。
人の姿の白い猫は、満足させるくらいなでなでごろごろ。
それから、もう一度きょろきょろして、あ、 >
ナターリェ
< と、その下に、陽光――黒猫のご主人様。 >
[投げかけられた短い問いに、声の主を見やる。
肩の従魔が、ぱた、と挨拶するよに尾を振った]
やあ。
大きな出来事は、なかった……かな。
[俺の方ではね、と問いにこう返しつつ。
思案する様子のユリアンには、軽く視線を向けて]
ん、さんきゅー。
大丈夫だいじょぶ。
[撫でられる手から流れる暖かい気に、気持ちよさそうに目を細めた。
血はすぐに止まったようだ。]
[直前に何があったか悟らせぬほど、彼の麗人は穏やかで。
私は心配そうに細められた葡萄酒色の瞳へと、小さく頷く]
…大丈夫…少し気をやっただけ…ゆえ。
十分休ませていただきましたしの…。
[裏を返せば、それだけ起き上がれなかったということでは在る]
……何か、あったでしょうか。
皆様集まっておられるようで……
[側まで行けば心配そうに外の方を見て、訊ねるだろうか]
< と、アーベルの移動した先。けっこう遠くなのかしら。
目当ての二人が一緒にいました。
あらあら、ちょうど良いこと。 >
どうする?
< 黒猫にたずねました。離れます? はなれません? >
[ツボをわかってるその手になでなでころころされて猫ご満悦。
飼い主見つけたけど、なんかちょっと百合の香りがしたような気が下から猫見ないふり。
そんなことより手が気持ちよいんだもの。
みねこきかねこなかねこ。にゃーん]
[耳に届いた小さな声にそちらを見やれば、黒猫を抱えた金の髪の青年が見えて。
私は目元を和ませて、小さく頭を下げる]
…もう温まれましたか?
[服が生乾きとはまだ気付いてない様子]
[アーベルから視線を外し、時空竜を真っすぐに見つめ]
ぶっちゃけると、怪しいと思ってる人が二人ばっかいるんですけど。
て、いうか、一人は確実に、思いっきり隠し事してるのが見え見えなんですが。
確証がないんです。
[ほんとにぶっちゃけた]
――うん。身に纏う「声」は、嘘つかないから。
そうやって聞こえた以上は、それだけは本当。
…おねえさん、機鋼を退治するの?
[ハインリヒの言葉に、再びこくりと頷く。
と、響いた疑問を含む声に、一度だけ蒼を瞬いて。首を傾げた。
ミリィが、機鋼の存在を探していたりしてるなんて初めて聞いた。
…アーベル、大丈夫かな?と少し不安になる。
まさか、既に銃を突きつけられたなんて知らないけれど。]
そっか。…じゃあ、ナタ・リェとお話してた時だね。
ビックリさせてゴメン。気をつければ、良かったね。
[盗み聞きしたような事に関しては、
大して気に留めていないのか小さく謝罪を述べた。
尤も、魂の声を聞き取る自分も、似たようなものなのだろうけれど
――まだ未熟な所為か、抑えられるものでもない]
……何もない、と言うのはいい事だが。
同時に、状況を動かす術が見つかっていない、という事でもあるね。
そういう意味では、いい事、とは言えないかも知れない。
[惑いを帯びた言葉に、静かな口調で返す。
肩の従魔はゆらゆらと。尻尾を揺らしつつ、青の青年を見つめて]
…そう。よかった。
[かすかに唇には安堵の笑み。
飼い猫が百合だの何だとおもっているなんて露知らず。
だって心配なものは心配なだけで、本人は別にそれだけの気持ちで、しかもこの人の正しい性別を知っているのなんて陽光王だけで猫だって本当は知らないのだから]
…なんか、があったんだってさ。中央塔絡み。
もう、浦島状態だけどね。
[さっぱり、と肩をすくめてそばにやってきた獣の頭をそっと撫でるだろう]
ん。サンキュー。
[ブリジットには撫でられるままに、気持ちよさそうに。
ミリィの手が伸びて来たので、手をそっと乗せる。
肉球の間に挟まったままの、ドロイドの破片がチクリとしてちょっとピク、と動いた。]
……はい?
[思いっきりぶっちゃけられて。
声が少し、ひっくり返ったかも知れない]
……思いっきり隠し事って……一体。
[誰ですか、と。こんな開けた場所で聞いていいのか、さすがに悩んだ]
[雷撃の精の言葉]
[聞こえていたかいないか、]
[視線は揺れる従魔の尾へと注がれたまま]
……、
[暢気に手を伸ばそうとしてる]
< 飼い主のことみてないし、猫いいのかなぁって思いました。
黒猫だいたまま、ミリィたちにご挨拶。
そのまま、ユリアンとかオトフリートとかがいるところに、とことことこと……いくまえに、ナターリエに声をかけられて。 >
うん。温泉に、いってきたよ
< かわききってないのは棚にあげました。黒猫が行かないなら、一緒につれて、ユリアンたちの方に移動します。 >
[声は嘘をつかない。何故かそれがすんなりと受け入れられた。自分も風は嘘をつかないと思っているが故か。続く疑問には僅かに息を飲み、「ああそうか」と苦笑する]
退治するのかは、分からん。
アイツが探してたってだけだからな。
[実際それ以上のことは何も知らない。退治するのでは、と考えたのは、あの少女の生業故に]
ナタ・リェ?
……ああ、天聖の。
未だに会話したことねーんだよな、顔は見てんだが。
いや、謝る必要はねぇ。
こっちも修行不足だってこった。
[名前と属性が一致するのは本を見ていたお陰か。謝罪を聞けば緩く首を横に振る]
それはともかく、アルとやらを探さないとな。
ドロイドに囲まれる前に。
[マテウスを引き起こす際に、毛むくじゃらの中に弾頭を改造した時限装置をこっそりと仕込む
時が来れば、発動した弾頭が彼を廃棄エリアへと送るだろうか]
[撫でていた身体がピクリと強張った。
どうしたのかな?と覗き込む。
こちらからはミリィと握手(?)しているだけに見えたけれど]
[ちらとアーベルの様子を見て、苦笑]
あー、そうだな…なんていうか、こっそり悪戯してそれがばれないようにがんばってる時とか、どっかで小動物拾ってきて、隠れて飼ってる時とか、そんな感じなんですけどね。
問題は、今回、どういうつもりで何を隠してるのかが、いまいち不明瞭で。叱るに叱れないっていうか。
[判る人には判るだろうが、きっと時空竜には判らない…とは、知っているのかいないのか]
[頭に手が向かうを見れば少し震えるものの、悪意なきは笑みよりわかるが故に大人しく撫でられる。
角には触れぬよう、気をつけつつではあるけれど]
…中央塔で……怪我をなされておらねば良いのですが。
[事情はわからねど、無事であろうかと声の響きに不安が混じる。
撫でられるは気持ちよいものの、視線は外へと向かい行こうとする]
[マテウスが手を載せれば、彼を引き起こす……とはいえ、今の彼はクマーなわけで、正確にはその表現は正しくなく、なにやら握手してるように周りには見えたか。
ちなみに彼女の方は手袋ごしなので破片の違和感はあれども、痛みまでは至らず。]
悪戯。
頑張っている。
小動物、飼う?
[繰り返すのは彼の癖]
[が、傍から聞けば意味不明]
[当人にとってはどうか、知らないが]
…わかんないか。
[良く判らないけど、頷いた。わかんないなら、わかんないんだろうし。
探してるのは、何でだろう。人探し?
そういえば、昨日ミリィがアーベルに何か聞いてた。それかな。
でも、アーベルはリンゴくれたから、良い人だと思うなぁ。
……メーアは、何か怒ってるけど。反論してるけど。]
うん、聖獣の。
ナタ・リェは、人間が「怖い」って。声から聞いた。
だからちょっとお話しするのは大変かもだけど、良いお姉さんだよ。
[そこまで言って、…そういえば、ミリィも人間だったなと思い出す。
……ナタ・リェ、大丈夫かな?
続く言葉にこくりと頷いて、再び草原を歩き出す。
…可能性が多いのは西のほうだとは思うけど、どうなんだろう。]
アルがいればね、ドロイドも多分大丈夫なんだけど。
< かくしごと、とかいう言葉が聞こえました。
猫はこんわく。
さて、なんの話をしているのかしら。
黒猫と顔をみあわせ(?)、それから近づいて >
ええと、おはよう?
< ちがいます。
ユリアンたち、どう考えたって、おきたばっかりじゃありません。 >
[伸ばされる手に、従魔はくるりん、とからかうよに尻尾を振ってみたり。
更にこちらに来るエーリッヒに気づけば、きゅ、と鳴いて片手をぱたぱたと]
……あ、えーと。
[そんなほのぼのな従魔とは対照的に、時空竜は言われた言葉に困っていたとか]
……ようするに、隠し事は察しつつ、確信がないんで動けないと?
[対象は多分、気づいてないやも]
んー、あー。
コレ、抜いてもらえるか?細かい作業苦手でさ。
[リディに預けていた手をそっと離して嫌がらなければぽふ、と一度頭を撫で。
ぺたりと座った状態のまま覗き込んできたブリジットにそっちの手を開いて見せた。
肉球と肉球の間に、ドロイドの破片。
素手で握りつぶすもんじゃないと]
[黒猫は飼い主はとってもスルー。
緑の瞳の男の子と顔見合わせ、きょとん。にゃ?
隠し事隠し事、猫は知らないほうがいいのかしら?]
< あらあら、セレスはアーベルの手に。
片手をふってくれる様子に、猫も片手をふりました。黒猫はどうなのかしら。
でも声をかけただけで、お話おわるのをまつつもり。 >
[口と鼻をぎゅーと押さえたが手遅れのようだった。そういえば昔、人間界で拾った猫を無理矢理、精霊界に連れて帰ったことがあったなあと思い出した。
さくさくと歩いて]
……おこんばんは。
…………猫なんか拾ってないもんね!
[余計な刺激と警戒を与えないように注意して、その手はナタリェのほうから自分のほうへと引き戻される]
さぁ、どうだろね。
怪我はしたって治る程度ならいいのさ。
命さえあれば、どうにか生き物ってのは生きていける。
[小さく肩をすくめる。
白ちびの腕の中、尻尾の長い黒猫のようすはちらりと見ただろうけど、こっちもどうでもいいらしい]
[ん、と頷きを返して。ナタ・リェの話になれば]
人間が怖い?
あー、だからたまに怯えた視線向けてたんかな。
[それは感じていたらしく、何故そう見られるのかが分かっていなかったらしい。自分は何もしてないし]
獣族らしいからな…大方しょうもない人間に捕まって、酷い目に遭わされたんだろう。
全ての人間がそうじゃねぇんだがな。
と、人間の俺が言っても説得力ねーか。
[最後はおどけたように言ってからりと笑う]
へぇ、つえーんだな、アルってのは。
どっか行きそうなところとかねーのか?
[どうにも草原には気配が無いっぽい]
[リディから時空竜に視線を戻して肩をすくめる]
ま、平たく言うとそういうことです。
オトさんには言っておいた方がいいかと思いまして。
[そこで言葉を切ると、近付いてきたエーリッヒに手を振った]
やあ、おはよう!良く眠れた?
[しっかり合わせた]
うむ、そうなんだ。
こういうのはちょっと不便だよなー。
[ユーディットには頷いて、逆の手で頭を掻き。
人間に変わっておくかなぁ…とか呟く。]
[思った以上のにくきうのさわり心地にほんわかしていたが]
あー、何か硬いと思っていたら。
ピンセットとか使う?
[そういうと腰からファーストエイド救急セット・ハンディ版を]
わっ、これは痛いよ!
[マテウスに示された破片を見れば慌ててその手を取って。
注意深く破片を握って引き抜こうとした。抜けない。
困ったように周囲を見る]
もしかしてさっきの時?
気がつけなくてごめんなさい。
[きっと抜いたら血がにじんでくるだろうけれど。
ハンカチ…はさっき渡しちゃったから、さて何で押さえればいいだろうか]
< 拾われた猫。
……いっしゅん、こんわくしましたけど、ちがいます。自分じゃない。
知らないほうがいいのかしらね? 黒猫にこてん、首かしげ。
それから、ユリアンの言葉に、こくりと頷きました。 >
うん。よく。
「きゅ♪」
[肩に掴まる従魔は楽しげな声を上げつつ、尻尾をくるくると]
……まあ、了解。
覚えとくよ。
[今視線が向いた先は辿ったか、それは定かではないけれど。
ユリアンに一つ、頷いた]
もう、怖がられちゃった?
[ハインリヒの言葉に、首を傾げて]
うん。でも人間が色々いるの、オレ知ってるよ。
オレも変な目で見られた事、たくさんある。もう慣れたし、
気付くまでは本当に優しい人もたくさんいたから。平気だけど。
[おどけたような声に、小さくけらけらと笑って]
…アルが強いのかな?
多分、アルとイレーネが一緒だから、強いんだよ。
鴉だとね、樹が生えてるところが好きなんだけど
猫の時は、高いところが好きで、犬の時は水が好きなの。
[草原に気配が無いらしいことに、眉を寄せた。
どうしよう?もう遅いし、やっぱり明日探した方が良いのかなぁ。]
ん。
でも救急セットがあるなら大丈夫そう。
[ユーディットにはありがとうと微笑んで]
ええと、お任せした方がいい?
[マテウスの手は握ったまま、ミリィに首を傾げた]
命…
…なれど、怪我をすれば…痛いゆえ……
[引かれてゆく手を見送り、私は緩やかに――脚に負担をかけぬよう歩き出す。
痛みを与えるを嫌う麒麟の性ゆえにか、私は不安を拭えなかった]
「……きゅ?」
[尾が触れた、枷。
そこから伝わる感触に、従魔はきょとり、と瞬いて。
尻尾を揺らすのも忘れて、青年をじい、と見やる]
……セレス?
[唐突に動きを止めた従魔の様子に気づけば、時空竜は怪訝そうにその名を呼ぶ]
包帯があるなら、そっちの方がいいですね。
そういえば先ほど、一緒に外へとアーベル様が仰ってましたけどドロイドには遭遇されなかったんでしょうか?
[配置に偏りがあるのかな、とぽつり]
小さいのは来たけど、マテウスさんが倒してくれたの。
この傷、その時のだよね…。
[ユーディットに頷いて答えながらちょっとしゅんとなる。
だって行きたいと言ったのは自分だったし]
ん? 私でいい? 私は構わないよ
[そう言うと、止血点(ぽいところ。クマーは専門外だ)を押さえて、破片を摘出。てきぱきと処置を済ませていく。
なお、クマーのままなので、包帯・ガーゼ・消毒液ともにけっこうな量を使用。]
皆と広間に居た時にな。
まぁ大体の奴らに怯えた視線向けてたような気がするが。
[それもあってか声はかけにくかったのだろう。他の者と話をしていたために、まぁいいか、とも思っていたようだ]
おめーも苦労してんだなぁ…。
ま、過去に何かあった奴が、そんな奴らばかりじゃないと言われてもなかなか「はいそうですかー」と考えは覆させられないだろ。
こう言うのは時間かけねぇとな。
2人で一つ、ってか?
何か揃ってようやく一人前、って感じが。
[とっても失礼な物言い]
まぁね、それは否定しないよ。
でも、生きてりゃ痛いものも痛いこともいっぱいある。
[歩き出したナタリェの足元がかすかにおぼつかないのに気がついたのか、いつ倒れてもいいようになのか、その傍らを彼女の歩幅に合わせてゆるりと歩く]
あー、え?
鴉だけじゃなく別の姿にも?
…それじゃどこ探して良いか分からんじゃないか。
[変化するなんてことは初めて知って。川のある草原に気配が無いということは、犬の形態では無いようだが]
てことになると今から移動すんのは拙いかね…。
木が生えてる場所ったらここから真反対だ。
誰かに頼んでもう少し人数増やして行った方が良いかも。
[じゃ一旦戻るか、と足を屋敷の方へと向けるか]
< 黒猫にもやっぱりないよね。
って、猫は思いました。
……リディが仁王立ちしているのは、なんでなのかしら。そこにユリアンが近づくのを、ただ見ます。 >
[尾に触れた手。
金属の枷。
従魔はそれらを一度振り返り、また、青年を見やり]
「……おさえ……られ?」
[問うような、違うような。
曖昧な響きの、小さな呟きが零れ落ちる]
あ、いやいやいや。
リディおっかけたときも、なんか虫っぽいのをつぶしたし。
昨日もやりあったし。
ぶっちゃけいつからコレ刺さってるのか、わかんないんだ。
[ブリジットの様子に、慌てて無事な方の手でブリジットの頭を撫でようと伸ばす。
壊さないように、そーっとそっと。]
[仁王立ちの生命の娘を見ながら、妙に頑固なとこは、父親似だよな、とか、考えてたかもしれない]
お嬢、どこに行ってたの?
うん、お願いするね。
[手首(?)の方を握ったまま手際の良いミリィの治療を見ていたが]
…あ。
[左手を離し、軽く持ち上げた]
[側を緩やかに歩く姿に、私は一つ瞬いて見上げる。
意図に気付けば、申し訳なさそうに柳眉が下がろうか]
……そなたは強いの。
心も…魂も。
[羨ましい、と掠れる呟きは届いたろうか]
[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [11] [12] [13] [14] [15] [16] [17] [18] [19] [20] [21] [22] [23] [24] [25] [26] [27] [28] [29] [30] [メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 6日目 エピローグ 終了 / 最新