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教師 史人 に 1人が投票した。
研究生 孝博 に 1人が投票した。
徒弟 裕樹 に 6人が投票した。
徒弟 裕樹 は村人達の手により処刑された。
次の日の朝、探偵 利吉 が無残な姿で発見された。
現在の生存者は、教師 史人、研究生 孝博、学生 涼、旅行家 蓮実、細工物屋 玲、小説家 榛名 の 6 名。
「揺らされてはいけないよ。心惹かれてはいけないよ」
[言われていた言葉]
「さもないと」
[それでも人は惑う]
「悲しみが、増えてしまうよ――」
自信なんて私にも一切ありません。失敗も多いですよ。呆れるほどに
[そんなことだけきっぱり言える自分は情けなく感じるが仕方ない]
そのときはそのときです。
……それにあと少し。あと少しで、きっと…終わります
[それは利吉の言葉を聞いていたからというのもあるが、外から来た人間ばかり食うというのはそれは…]
れーちゃん、
[差し出した手はそのままに]
……あのね。
もしも、
もしも、りきっちゃんが、ころされてたら、
[聲の調子が、怖い。言葉にするのが、怖かった。]
調べても、誰にも、言わないで。
私だけが、知ってたい。
…世の中、上手くいくこと、ばかりじゃ、ない。
だっけ、か。
失敗、ばかりでも、誰かの、助けに、なるなら…。
[立ち向かうことは出来るだろうか。未だ全ては受け入れがたい。疑いをかけたい者は居ない。信じたい者ばかり。
ただ。
引っかかる言葉を発した者は、一人居たか]
あと…少し…?
[錯乱状態だった時の周囲の話は聞こえていなかった。利吉が玲に孝博を視て欲しいと言ったことも、榛名は知らない]
[ぼんやりと差し出された手を見つめている]
探偵さんが殺されていたら?
…言わないでって。
[困ったように]
良く分からない。
視るの、は――。
[熱い。何だろう]
[どこかから声が聞こえた。
ずっと耳を塞ぎ続けていた声が]
…うん。
[視界が白く染まった]
視るのは、あと、で――。
[何も見えない。聞こえない]
はい。私は要領が悪いので特にですがね
[情けないような笑みを浮かべる
琉璃が何者であるかを、言うのは今は憚られたが]
ええ、皆、できることをやっていますからね…
うん。
……れーちゃん、捕まって?
[困ったなぁ。
しゃがんで手を取れば、動くかな。]
……あのね、
れーちゃんが大変だと思うから、先に言っておくね。
でも、絶対言わないで。
れーちゃんなら、そうしてくれるって、信じてるから。
そんなこと、無いよ。
私、蓮見君に、助けて、もらって、ばかり。
[ようやく、精神も落ち着いてきたのだろうか。小さな笑みを浮かべることは出来るようになった]
そ、っか…。
もう少し、って、こと、は、誘われた者、が、誰か、分かるかも、って、こと、かな…。
……私は、何が、出来るん、だろう……。
[ただ泣くばかりで何か出来たことはあっただろうか。声のトーンが少し落ちた]
/*
Σ今日最終日のつもりだったんですね
問題はないと思いますがしっかり返り討ちにあうつもりでしt(笑
村のかんじ、だれそーですかね。…うん。
「よろしく」
[短い言葉の意は、一瞬、掴めなかった。
けれど、迷いなく進む様子に、こちらも迷いは持たず。
手にした刃を、繰り出した。
肩書きこそ塾講師──とはいえ。
大学在籍時はそれなりの荒事とも接していた身であり、今でも身体を鍛えるのは、忘れていない事もあって。
刃は、狙い違わず──鼓動を刻む辺りへと]
[零れるあか。
手に伝わる振動と、衝撃。
刃が生命を切り裂く感触。
声は上がったか、どうか。
どこか遠い感覚と雨音は、それを掴ませず。
ただ、ひとつだけ。
自身が他者を殺めた事だけは、端的に、理解していた]
……は。
[突き刺した刃を返し、下がりつつ、引く。
溢れる色が周囲を染め──記憶を呼び起こし、眩暈を呼んだ]
……人の……他人の、願いとか、そういうモノ。
引き継ぐ余裕は……俺にゃ、ない、けど。
[それは一度やって、でも、できなかったこと。
悪友の、最期の願いを叶える事はできなかった、自分]
少なくとも……生きてる、以上、俺は。
……やるべき事を、やる。
……終わらせるさ……絶対、に。
[決意をこめた呟き。
それに答えはあるや否や。
あったとしても、それを聞き取る余裕はなく。
裕樹が崩れ落ちるのと前後するように、その場に座り込んだ]
そうですかね。
でしたらいいんですが
[同じように小さな笑みを返し]
できることでいいんですよ。できないことは誰かに任せればいいわけですからね
[ぽふぽふと頭を撫でた]
あ、うん。
[手を引かれるままに立ち上がる]
まだ視れないし。
涼ちゃんのことを待つわ。
[そのまま歩き出しもするか。それでも足取りはかなり危ない。
手を引いてもらわなければ、まともに歩けもしないのだろう]
探偵さんのこと、信頼しているんだね。
[微笑と共に。だが涼の顔を見てはいない]
[無意識は、目の前の少女を通してその相手を視ようとして。
意識は、目の前の少女の願いを叶えたいと思ってしまって。
その結果は。その代償に求められたのは。
一切の力の喪失。
一時的なものか恒久的なものかは不明であるけれど]
…玲ちゃん?
[歩き方が、さっきとは違う。]
うん、りきっちゃんは、信頼してる。
りきっちゃんは、私を助けてくれたから。
私がここにいるんだって教えてくれたから。
りきっちゃんがいなかったら、私はいないよ。
――玲ちゃん。
[目をあわせようとする。]
[だが、撫でた手が止まる。
不可解な…だが最近では慣れ親しんだ感覚。例えるなら、己の知覚する範囲より外から、球体が爆ぜる音と明滅する色彩。その色彩が何者かを教えてくれるようで]
本当に…要領が悪い…ツケでしょうかね
[落ち着いているつもりで、本当は一切落ち着いていなかったんだろう。涼の言葉、史人がどうするか。考えればわからなくもなかっただろうに
幾度でも繰り返される後悔はまた今日も順調に続いて]
少し、離れますね。すぐ、戻りますから
[笑みを形作れる余裕がある内に、もう一度榛名の髪を撫でれば、立ち上がる
向かう先は既に決まっている]
ここにいる、か。
大切なことだね。
[声のする方を見てはいる。だがまだ視界は白くて]
何?
[境界で迷ったまま。不思議そうに首を傾げた。
視線は…合わない]
うん……。
出来ること、探して、みる。
[蓮実に小さく頷いて。撫でられ、感謝するように微笑んだ]
…え…?
[その後に聞こえた言葉の意味が分からなくて。疑問の声を漏らすも、蓮実はどこかへ行くようで]
うん…分かっ、た。
[撫でられるままにし、離れると言う蓮実に頷く]
……あー……。
[紅の中、ただぼんやりと]
そいや、随分、煙草吸ってねぇ……。
[零れたのは、ある意味場違いな呟き。
ごそり、と左手でポケットを探り、箱を探す。
幸か不幸か、濡れて全滅、は免れているようで。
無事な一本をくわえ、いつもよりも緩慢な動作で火を点けた]
[階段を登る。ノックもせずに扉を開ける。
映る光景は予想していたけれど]
人…でした
[なぜ。とも聞かずに呟けば、裕樹の近くに膝を着く]
ただの…恨みでは、なかったのですよね?
……ふーみんせんせーのところに、戻ろう。
りきっちゃんもいるし、
[でも、いない気がしてならない。
ぎゅっと手を強く握る。]
きっと、だいじょうぶだよ。
…うん。ありがとう。
[強く握られた手は少しだけ痛い。けれどその分震えも逆に伝わりにくかったかもしれない]
……だいじょうぶ。
[返した言葉は小さく小さく。頼りなかった。
それでも足は踏み出して]
[蓮実を見送った後、ゆるゆると床から立ち上がり。そのまま椅子へと座り込む]
[がらんとした食堂内。今、ここに居るのは自分だけ。二階に史人達が居るのは分かっていても、がらんとした中に一人だけ居ると寂しさが募ってきて。無意識に、椅子の上で膝を抱えていた]
[その状態で考えるのは、心の中で引っかかっている疑問。彼に問うつもりが、自分が取り乱してしまったためにタイミングを失った。彼の姿も、ここには無い]
[心配が募っていく。
でも、りきっちゃんなら大丈夫だよね、と。
そう信じるように、願うように、思って。
やがて辿り着いた旅籠。]
玲ちゃん。ハタゴ、ついたよ。
[扉を開けて、手を握った先の玲ちゃんを引く。]
[入ってきた蓮実の問い。
向けるのは、緩慢な視線]
……ん。
……なんか、やるだけやっちまったら、よくわからなくなった。
[ぽつり、呟いて]
取りあえず、後悔は、してねぇ。
……そんだけ。
良かった。
[安堵の声。景色は見えなかったが、明るさの違いでその通りなんだろうと思う]
ただいま…?
[けれど予想より更に人の気配が少ない。どうしてだろう]
[中に入る。
はるなちゃんがいる。]
――りきっちゃんは?
[玲ちゃんをまずは、椅子のほうにつれていってあげないと、と、思いながらも、尋ねた。]
[じっと膝を抱えていると、出入り口の扉が開く音がした。顔を上げ、視線をそちらに向ける]
…涼、ちゃん。
玲ちゃん、も。
[涼に対しては先程のことで若干警戒の色を強めたが、続いて手を引かれ入ってくる玲の姿を見ると、それもすぐに消え失せ。椅子から足を下ろし、立ち上がった]
外、行ってた、の…?
無事で、良かった…。
[二人が外へ向かったことは気付いていない。外から戻ってきて無事であるのを見ると安堵の色を浮かぶ]
そうか…
ま、あなたに、後悔は、似合わないですしね
[幾分声を震わせながらいって、大きく息を吐いて]
さすがに、余裕がないな
こうも続けて、大事な存在を亡くすのは辛いな、やはり
[裕樹の顔を覗き見て、指でそっと目を閉ざす]
榛姉、ごめんね。
[反射的に涼を追いかけて飛び出していたことに対して謝る。
榛名の声が聞こえた辺りに顔を向けて]
探偵さんも?
もしかして探しに出ちゃったとか…?
[ここに居るか居ないのかも確信はなく]
――っ、
はるなちゃん、玲ちゃんを、お願い。
目、見えないって
[返事も聞かないで、玲ちゃんの手を離す。向かう先は、――わからない。
でも、探さないと。]
……後悔とか、しはじめたら、きり、ねーよ。
[ぼそり、呟いて。
目を閉じさせる様子に、緩慢な瞬きを一つ]
……俺、いねー方がいいか?
邪魔なら、隣辺りの空いてるとこにいる……。
[少し、一人で落ち着きたいと。
その意は伝わるか]
[玲がこちらを向いていることから、まだ見えていないことには気付かないだろうか]
ううん…無事、だったから、それで、良いよ。
[落ち着いた様子で小さく笑んだ]
探しに…?
二階に、居たりは、しないの、かな。
外へ、出たか、どうかまで、は、私、には、分からない、や。
涼ちゃん!
一人じゃ…!
[慌てて声を掛ける。だが手を離されてしまえば今は追いかけることもできなくて]
…言いつけ、守らなかったから。
[後悔の念が浮かんできた。唇を噛んだ]
え、え?
[目が見えない。まずそのことに驚き。そして外に向かおうとする涼に瞳を見開く]
外は、危ない、んじゃ…!
[反応は数瞬遅れ。しかしその僅かな時間でも、涼の姿を見失うには十分だったか]
そうですね…
[後悔について、頷くが、自分でもどんな表情をしているかわからないが、申し出には首を落とすようにして頷いて]
そうしてください。私
今は、自分が制御できるか。わかりませんので
[目を閉ざす。どちらも己には縁をもった存在で、今は顔も見れない。ただ手は裕樹の手を捜すように動かして]
[声も掛けずに伸ばした腕は、何時もの通りその核を狙う。
抵抗はあっただろうか。
それとも、気づきすらしなかっただろうか。
何れにせよ結末は同じ。]
[赤い色が流れた。]
[心配する声も聞こえたけど、走る。
向かう先はわからない。もしかしたら、死体を見たのかもしれないと、商店街へ。
走って、見つける体。
琉璃の体。
小百合の体。
立ち止まって、場所を覚える。
此処は、どこだろうって。
でも、また走り出しても、見つからず――]
…うん…。
[手を引かれ、椅子の一つに腰掛ける]
気が付いたら見えなくなっていた、の。
涼ちゃんに、言われて。
多分…コエを聞いてしまったから。
聞いてはいけないと、言われてたのに。
揺れてはいけない、と。言われてたのに。
[ゾクリとした。濡れた寒さからか、他の何かからか。
けれど一番怖いのは]
もう、視れない、かもしれない。
まだ、終わっていないのに…!
[赤い色は、水滴に混ざり。
花弁のように、身体から剥がれ落ち。
桜の樹へと還って行く。
――ふつり、ふつり。
花は色づき、また増える。]
ん、わかった。
[蓮実の返事に、ゆっくりと立ち上がる。
桜を刻んだ黒檀の短刀は、今だ右手に。
その時になってようやく、手の強張りに気づいた]
……っと……おかしく捻ったか……?
[ぽつりと呟き、部屋を出る。
蓮実の様子は見なかった。
二人の間に、どんな縁があったか、自分は知らないから。
何も言うべきではない、と思って。
ふらつく足取りで廊下に出て、空いている部屋に転がり込む。
そこでようやく、短刀を離して。刃を拭い、再び内ポケットの鞘へと戻す]
……後悔は、しねぇ……絶対に。
[ベッドの上に座り、壁にもたれるようにしつつ、呟く。
薄暗い室内に、ぼんやりと紫煙が*広がった*]
はい
[足音だけで去っていくのがわかるが]
史人。
私ら昔なじみの中で最年長はあなただ。しっかりしろ
私も少ししたら戻ります
[その声は届いたかどうか。だが別にどちらでも構わないだろう。己のように後悔しないのならば]
[ゆっくりと、立ち上がる。
人影を捉えた。]
アハハッ。
見つかっちまッた。
[愉しげにわらい、涼のほうへ近づいて。
だが立ち止まることは無く、傍を通り過ぎて行こうとする。]
こ、え…?
誘われし者を、判じる、ための…?
[玲の持つ力の詳細は知らない。何がどうなったのかの詳細は理解出来なかったかも知れないが、彼女の様子から探す術が失われたことだけは理解して]
誰が、誘われし者、なのか、探せなく、なっちゃったん、だ。
どうにかして、誘われし者を、探し出さないと、惨劇は、終わら、ない…。
…とにかく、玲ちゃん、は、少し、休もう?
タオル、取ってくる、から。
[きゅ、と一度玲の手を握り締めてから、そっと離す。濡れたままでは拙いと、一旦奥へと向かい、タオルを持ってきた。ふわりと、玲を包むようにタオルをかけてやる]
[一度崩れると一気にあふれ出てきてしまうが]
裕樹。
愚痴りたい。聞いてくれるだろ。付き合え
[返答が帰ってくるはずがないと知っているが構わない。
何かを愚痴るなど不慣れな自分はどうせ結局*押し黙ってしまうわけだから*]
あ、
[桜が煙る。]
たか、ひろ
まって
[何でって、見えないけど、何か、あるのは、わかって]
たかひろっ…!
[通り過ぎようとする手は、握るだけじゃなくて、引いて、引き止めなければ]
コエは。準備の時にも一度だけ聞こえた気がしたの。
さっきのはそれよりもずっと弱くて。だけど気になってしまって。
分からないけど、怖くて。
でも…うん。探さないわけには、いかない。
[榛名の声に、恐慌に陥りかけていた心が少しだけ凪ぐ。
今は現実の視界も閉ざされていて、恐怖は薄れてくれないけれど]
…ごめんなさい。ごめんなさい…!
[タオルに包まれて泣いた。榛名に縋るようにして]
さァね。
見て来れば?
[視線で桜の根元を示す。]
仕方ねーよな。
言うコト聞かなかッたんだから。
[わらいながら、背を向ける。
掴まれた手を振りほどこうと、強く引いた。]
準備の、時──。
[それは、もしかしたら自分も聞いたものでは無かろうか。そうなると考えられるのは、巫女の、声。玲がこのようなことになってしまったのは、それに触れてしまったからなのだろうか]
…謝らなくても、良いんだ、よ。
玲ちゃん、たくさん、頑張った、もの。
私より、ずぅっと、たくさん。
[ふわりと、包み込むように玲をタオルの上から抱きしめた。あやすように、その背中を撫でながら]
蓮実君が、言ってた。
皆が、出来ることを、少しずつ、やってるから、この事態も、もうすぐ、終わるだろう、って。
私には、誰が、どうなってるのか、さっぱり、分からない、けど。
けど、今まで、玲ちゃんが、頑張った、分から、判ることも、あるんじゃ、ない、かな。
[背を撫でる手はゆっくりとリズムを取り。今自分が出来そうなことを、玲を落ち着かせようとその動作を繰り返す]
嫌なら、
何で殺さなかッた。
[離れない手に舌打ち。]
・・・我儘な子は、キライなんだケド。
[もう片方の手で、無理に引き剥がそうとする。]
…っく、うぐっ。
[声に出して泣いたのなど、何時以来だっただろう。
兄たちは外へ。他の幼馴染たちはそれぞれの仕事を。
自分だけが取り残されるような気分になってしまって]
…うん。終わる…終わらせる。
私にできることを、する。
[暖かい手の感触に、次第に涙も収まってくる。
何度かすすりあげ、コクリと頷きながらそう言った]
後で、もう一度、試してみる。
それで分からなくても。…多分。
[蓮実にも聞けば更に狭まる。後は、涼が]
…涼ちゃん。大丈夫かな。
[命を奪いはしなかったのは慈悲からではなく、必要が無いと判断してのこと。]
――ッたく。
面倒くせェの。
[濡れて張り付いた髪を掻き、未だ残る傷に触れ。
突き飛ばした先、少女がどうなったかを見もせずに、*丘を下って行った。*]
[玲が落ち着くまで、ただただ背を撫で続け]
うん、出来ること、やろう、ね。
私も、出来ることを、やる、から。
でも、無理は、しちゃ、駄目、だよ。
史人も、心配、する。
[「ね?」と、玲には見えないだろうが笑みを向けて]。
涼の話が出ると、視線を外へと向けて
…一人で、出ちゃったし、ね。
何事も、無ければ、良いの、だけど…。
[彼女を、許すことは出来ないが、流石に安否は気になって。また、外へ出たらしい利吉の安否も気になるところか]
うん…怒られちゃう、ね。
[兄の名前に小さな笑みのようなものを。
何事も無ければ、というのには同じように心配そうに]
涼ちゃんは、まだ取り込まれていないの。
だから、探偵さんの言ったとおりに。できるかもしれない。
許されることではないけれど。それでも。
…探偵さんも、一緒にいるのかしら…。
[視力が戻ればすぐにも探しに行きたかった。
兄たちも今ここにはおらず。だが榛名を行かせるつもりは玲にとて到底無く。微妙な焦燥感を抱えたまま*座っていた*]
[玲に笑みが浮かぶようになると幾分安堵の息を漏らすか]
取り込まれて、ない?
誘われは、したけど、人の、まま、なんだ、ね。
じゃあ、今は、どうこう、する、必要は、無い、のかな…。
[取り込まれていないのならば、取り込まれてしまったものだけを処せば、おそらく惨劇は収まるのではないか。ただ漠然と、そう思った]
利吉さんが、一緒だったら、少し、安心、なんだけど、ね。
ちゃんと、会えた、かな。
[僅かな希望を口にし。自分が外へ探しに行っても、移動だけでかなりの体力を消耗してしまい、ろくに探すことも出来ないだろうか。それを理解しているが故に自分から探しに行くことも出来ず。
今は玲を落ち着かせることに力を*注いだ*]
[自分の手で誰かを殺したときよりも泣けるとか、おかしすぎる。
手を伸ばしたけど、いつもみたいに抱きつくこともできない。]
ばかぁっ…
[誰に言ってるのか、わかんなかった。]
[心の中でなにかが脈打つ。
血を求めないといけないと思うけど、絶対そんなことしないときめた。
涙だって枯れちゃうんじゃないかっていう以上にぼろぼろ泣いて、りきっちゃんから手を離す。
呼吸の音もない。
離れたくないけど、離れないと。孝博が、誰かを、また殺すまえに。
でも、どこにいったんだろう。わからない。]
[閉ざしていた目を、ゆっくりと開ける。
右手を動かした。
軽い、痺れ]
……っしゃ、動くな。
[それでも、動かない、という訳ではなく、動くならそれで十分だった]
……取りあえず……このカッコは何とかしねーとな。
さすがに、いい気はしねー。
っつうか、この帰郷だけで一体どんだけの服が廃棄決定になってんだか……。
[薄給の塾講師になんつー仕打ちだ、と。
ある種場違いな事を呟きつつ、吸殻を携帯灰皿に放り込んで立ち上がる]
[ふらつきながらも部屋を出て、階下へ。
榛名と玲、二人の様子に軽く目を細める。
紅く染まった様子に、さすがに榛名は動揺するか。
それに返せたのは、ただ、苦笑。
裕樹の事を問われたなら、端的に、己が成した事を告げる]
後付けの理由やいい訳なら、いくらでも出来るが……様にならねぇから、それはしねぇ。
俺は、俺の信念貫いただけだからな。
[その信念とは即ち、失わず、奪うものを許さず、という、簡単で自分勝手なものなのだけれど。
今はそれが、狂気と正気の境界線を形成し、自身を見失うには至らせず。
悔いる様子は、微塵も感じさせなかった]
で、俺、ちょいと家に戻る……なるべく、早めに戻るが。
……玲を、頼む。
[支えてくれ、と。
そう言って、外に向かおうとするのと、涼が戻ってくるのはほぼ同時か]
南部クン……どうした?
[どこか、何か、違う様子。
決意を固めたような姿に、静かに問う。
返されたのは、利吉の死。
そして、孝博の居場所を問う言葉]
探偵の旦那が……そうか。
ったく、人に御身を大事に、なんつっといて、てめぇは何してんだよ……。
[口調は吐き捨てるよに。それでも、僅かに伏せられた目には僅かな陰り]
孝坊の居場所、か……どっか行ったっきり……みたいだが。
……とにかく、俺、一度家に戻る。
っても、そういう事なら、早めにもどらねぇとならんだろうな。
[静かに言って、外へと飛び出す。
不自然な闇。これは、いつ晴れるのかと思いつつ、自宅へと駆け戻り、部屋へと戻る。
机の上のファイルケースと蛙の灰皿。
そこにあるのは、今は遠く感じる、日常]
取り戻さねぇと、な。
[完全には無理とわかってていも、そう、呟いて。
紅を帯びた服を脱ぎ、荷物から出した物に着替えた。
適当に選んだそれは、期せずして黒一色に統一され。
シャツのポケットから僅かに覗く煙草の箱の紅が、冴え冴えとして見えた]
…………ん、動く、な。
[着替えを終えた所で、もう一度、右手の状態を確かめる。
痺れはあるが、動くならば問題はなかった]
……物を生み出す事のできねぇ手でも。
奪う事しかできてなくても。
……それでも、まだ、先を掴む事ぐらいは……できる。
[静かな呟き。
黒檀の短刀はまた懐へと収められ]
よっしゃ、戻るか。
[黒一色のその身は再び、広がる開けぬ*闇の内へと*]
[玲が落ち着いたら温かいお茶を用意し差し出して。出て行った涼や二階へ向かったままの史人達を待つ。ややあって、姿を現したのは、史人]
…っ、史人、その、格好…!
[これまで何度か見た紅を纏った姿。その姿に思わず椅子から立ち上がる。母親のことなどがフラッシュバックしかけるが、どうにかそれに耐えて]
なん、で……。
…そうだ、裕樹君、は…?
[史人は裕樹の部屋へ居たはず。史人がそのような姿であるなら、共に居たはずの裕樹はどうなったのか。心配になりその安否を訊ねた。無事であることを願ったが、それは儚くも崩れ去る]
……そ、んな……。
[手を下したのは、他ならぬ史人。彼の纏う紅は、即ち裕樹のもの。告げられた言葉から史人が理由と信念を持ち行動を起こしたと言うのは理解出来た。理解は出来たが、告げられた事実に対するショックは大きい。幼馴染が、己と親しかった者を手にかけたのだから。その心に去来するのは悲しみ。それは、裕樹が死んでしまったこと、史人が裕樹を手にかけねばならなくなってしまったことに対して。大切な者を奪われた者が抱いた憎しみは、何故かあまり起きなかった。抱くのは、ただ悲しみのみ]
…………。
[何も言えなくなり、ふらりとよろめき、また椅子へと座り込んだ。しばらく思考がぐるぐるとしていたが、続いて玲を頼むと言われると、やるべきことがある、と気を奮い立たせ、心持ちしっかりした様子で史人に頷いた]
[史人が旅籠を出ようとしたと同時に涼が戻って来て。無事な姿に僅か安堵する。しかし直後に告げられたのは利吉の死。また人が死んだ、と更に悲しみが募る。孝博の居場所を訊ねられると]
ここには、居ない、みたい。
どこに、行ったか、までは、分からない、な。
……聞きたいこと、あったのに、どこ、行ったんだろう……。
[最後はぽつりと呟くように。
着替えに行く史人を見送り、窓の外を眺めた。空は曇天、光が差し込む気配は無く。時間の感覚が狂い、最初の事件からどれだけ経ったのかも分からない。そんな空を眺めながら今後の行方を思い、深く溜息を吐いた]
[死した者と会えなくなるという事実を認識して、落ち着けるのに幾らの時を過ごしたか。愚痴るといったわりには無言でいたが]
それでも、一人でも多く生きて欲しいと思うのは、偽善だろうか
[この気持ちは、己が抱くに値しないもの]
その中に、親しきものが入っていて欲しいと思うのは、傲慢だろうか
[目を開いて改めて外でできた友人を見やる]
二度と会えなくても、どこかで生きていてくれたらいいと思うのは、自己満足だろうか。
[裕樹の持っていた剃刀を手に取り立ち上がる]
もらってく。嫌だったら取りに来い
[部屋を出て、階下へと降りた]
[幼い頃から慣れ親しんだ集落とはいえ、最終的に帰る場所と言われれば一つしかない。
雨に濡れた身体を人目から避ける為――父親を手に掛けた時と同じように――裏口から自分の部屋へと向かった。]
・・・ッち。
んだよ、コレ。
[扉を閉めたその内、ぼやく顔色は優れない。
服の左胸を掴むようにして、扉に寄り掛かる。]
兄さん…。
[降りてきた史人。その姿は見えなくとも、纏う空気が、そして臭いが何が起きたかを悟らせる。その通り、榛名の問いに対しても端的な答えが返ってきて]
…そうだったね。
[呟きながら胸元を握る。固い感触。その覚悟もしたつもりだったのに、押し通すことができなかった自分]
情け無いな…。
[小さな呟きは溜息と共に]
[剃刀を懐にいれる。服に血もついているが、気づかぬ間についたのだろう。なんて今更ながら気づきつつ、階下へと降りれば
榛名と、先程出て行った内の二名。涼と玲の姿]
何が、ありましたか?
[何かあったか。ではなくあったものとして、聞く]
あっ、家に戻るなら…。
[自分の分の着替えも頼もうとして。だが部屋の中に入ってもらうことになる、と思ったら躊躇が出た]
……ごめん、何でもない。
気をつけて。
[そこにもう一つの声]
涼ちゃん?
[硬い響き。強い決意]
………。
もう、視るまでも無い、か。
[息を吐くのと同時、僅かに光が戻って来た。何度か目を擦る]
蓮実君…。
[階段から降りてきた蓮実に視線を向ける。その表情には悲しみの色が広がっているか]
裕樹君……は、知ってる、かな。
利吉さん、も、だって…。
[蓮実は史人の様子を見に行ったはず。それならば裕樹のことは知っているだろう、とそれ以上は言わず。続く利吉に関しても言葉を濁すようにして何があったかを示唆した]
涼ちゃんは、大丈夫?怪我とかは。
[交渉が決裂したのなら、ただで済んだとは思えない。
影の方へと立ち上がったところで、階上からもう一つの声]
…だそうです。
孝兄がどこにいるか、ご存知ですか?
[顔だけを蓮実に向けて問うた]
…うん。
まだちゃんとは見えないけれど。
もう一人でも動けるよ。
[榛名にコクリと頷いた。完全に見えなくなるのは初めてだったけれど、あやふやな視界というものは覚えのあるものだった]
[心臓を喰らったのはそれが必要だったからで、格別美味いモノだとは思ってはいない。
それでも、]
気持悪・・ッ
[身体がソレを拒絶することは、今までは無かった。
奥底にねとりと闇が纏わりつくような感覚。
それが喰らった相手の出自によるものか、或いはその最期の願いに起因するのか。
少なくとも、かれには知り得ないこと。]
・・・クソ。
[嘔吐感を堪えて口許を拭い、ひとまず着替えを始めた。]
裕樹のことは…知ってますが、利吉さんも…
[榛名からの濁された言葉。でも、内容は伝わる。
己が感知できなかったということは、多分]
いえ…わかりませんが、やっぱり、そういうことなんですかね?
[見分けられるものである玲に返し、確認するように聞く]
視界、ぼやけてる、のかな。
でも、まだ、危ないから、あんまり、動いちゃ、駄目、だよ。
[もう少し回復してから、と玲に無理はしないように注意する]
…ごめんなさい。視れていないの。
[蓮実の言葉に俯きながら答えた。
利吉との約束を破ってしまったことが今更のように思い出され、ズキリと胸の奥が痛んだ。だがそれも自分が招いたこと]
でも、涼ちゃんの言葉を信じるならば。
それに…。
[続けて走る痛みを無視して]
もう、時間もないと思います。
桜に血が注がれすぎた。
――力ずくでも止めなければ。
[旅籠へ戻る道すがら、煙草に火を点けてくわえていた。
この後はまたしばらく、のんびりと吸えそうにない、という思いがあったから]
……さっさと片付けて、ゆっくり吸えるようにしねーと。
[やりきれねぇな、とぼやきつつ。
見えてきた旅籠の灯りに目を細め、そちらへと急ぐ。
扉の前に立てば人の気配と、話し声。
どうやら、何事も起きてはいないらしい、と安堵しつつ、扉に手をかけ、ゆっくりと開いた]
[目というのには軽く首をかしげながらも]
そうですか…いえ、いいんです。
外の人間ばかり襲われていたのを見て、薄々村の人間に取りついているのか…と思っていまし…
[涼の言葉というのを聞き、一度涼を見た後]
できることはありますか?
[蓮実の確認するような言葉に一つ頷いて。彼の視線が玲に向かうのを見ると、つられ玲に視線を向け]
時間が、無い…?
力ずくでも、って、止めるべき、相手は、誰?
[玲達が知った情報は、榛名は伝えられていない。それ故に誰を止めるのかが分からなかった]
[髪はタオルで水気を取ったものの、未だ湿り気を含む。
その合間から、一筋の傷跡が僅かに覗いた。]
また・・・も一つ喰えりゃ、少しは、
[気分の悪さを解消したくて、そんな考えに至る。
気絶していた涼が帰って来たことを、獲物であるヒトビトにその正体が知れ渡っていることを、
かれは未だ知らなかった。]
そう、なんだ…。
でも、無理は、駄目。
[大丈夫と言われても心配なのは心配で。少し強い語調で玲に告げる。
そんな中、旅籠の扉が開く音を聞き、視線をそちらへ向ける。そこには着替えてきた史人の姿。無事な様子に安堵の色を浮かべる]
涼ちゃんと、約束したの。
説得する間だけは、孝兄を視ないようにするって。
だから、涼ちゃんが説得しに行った相手が。
私が視ないと約束した相手が。
桜に魅入られてしまったモノ。
[玲と蓮実から止めるべき人物の名を告げられ、僅かに息を飲む]
孝博君、が……。
[驚きはあったが、同時に心に引っかかっていた疑問が解ける]
そ、っか……だから、あの時、綾野を、引き合いに、出したんだ…。
無意識、だったのかも、知れない、けど。
よ……ひとまず、何事もなく、か。
[そこにいる面々を見回して、一つ息を吐き。
丁度、耳に入った、止めるべきものの名に。
す、と表情を引き締めた]
……孝坊が、か。
[ぽつり、零れ落ちるのは小さな呟き]
[気配に顔を上げた。僅かな紫煙の匂い]
うん。
終わらせないとね。
私たちには私たちの大切なものがあるから。
[少し前、涼に言ったのと似た言葉を]
どんなに哀しいと思っても。
両方を取ることはできないから。
[もう一度。確かめるように口にして]
私は外のものではないと。そこまでしか考えていませんでしたが
[外のものが外のものばかり襲うのはいい手とは思えずにいて
後は利吉のいった相手だと…涼のことを思うならば真剣に考えてのことであろう。そして利吉が死んだということは
合致した玲の言葉と榛名の綾野を引き合いにという言葉で、軽く頷き]
これから、起こりそうですがね
[戻ってきた史人にはそういって考える
裕樹が琉璃を殺せたということは、殺せるということで]
ん、そうだな。
[顔を上げた玲の言葉に、頷いて]
終わらせなきゃならない……こんな事は。
これ以上、何も失わずに、奪わずに、済ませるためにも。
[それに、と。そこで一度言葉を切り]
……見守り、鎮め、そして諌めるが役割を、果たすためにも、な。
ま、起こるだろうな。
[蓮実の言葉に、軽く、肩を竦める]
後は、それを最後にできるかどうか……ってだけだ。
勿論、そのつもりでいるけどよ。
[言いつつ、服の上から確かめるのは、黒檀の短刀]
ダレに、殺されるッて。
オレが。
[苛立たしげな声が洩れると同時、扉は音をたてて開かれる。
ヒトの気配のほうへと足を進めた。
漏れ聞こえて来る話の内容など、ろくに耳に入りはしない。]
終わらせる…。
やらなきゃ、いけないんだよ、ね…。
[いくら魔に侵されし者とは言え、相手は村の人間、己も良く知る人物となれば表情は曇る。これだけのことが起きたと言うのに、何故か負の感情が浮かばない。在るのはただ悲しみのみ]
…私にも、何か、出来ること、ある…?
[誰に言うでもなく、不意に言葉が漏れ出た。皆やるべきことを、やろうとしている。自分は一体何が出来るのだろうか?]
でしょうね
[軽く言って史人と同じように肩を竦めるが]
史人。裕樹は私にとって大事な存在でした。
…ですが、あなたもそう。
だから、生き残りますよ。でないと許しません
[目を見てきっぱりと言い切り]
ま、私は臆病なので許さないといっても大したことできませんがね
[なんていって情けないような笑みを浮かべようとして、開いた扉を見る]
――!
[音に振り返る。開かれた扉の向こうから近付く人影]
私たちが。
あなたを殺すよ。
[薄汚れた白の懐に抱いていたそれを抜き出した。
葛木の技を見せてもらう、その一番最初に渡された一本の鑿]
これ以上は、もうさせない。
させるわけには、いかない。
[無意識に洩れた言葉が、聞かれていたとは思いもしない。]
・・・へ?
どーしたのさ、玲チャン。
[玲の手のモノに、軽く驚いた顔を作って。
同意を求めるように、周りを見る。]
[出来ること、という榛名の問いに]
……取りあえず、荒事って訳にはいかんし。
そこで、支えててくれると助かるかね、俺としては。
[さらりと返して。
蓮実の言葉には、ああ、と頷く]
死ぬ気なんざねぇよ……それこそ、バカヒトに怒られちまう。
[冗談めかした言葉を投げて。
玲の動きにあわせるよに、その隣へと]
支える…。
[史人の意図をはっきりとは汲み取れなかったが、前に出ないで居れば良いと言うのは理解し。頷いたところで扉の開く音がした。そこには孝博の姿。僅かに身を硬くするようにし、一歩、史人達より後ろへと下がる。両手は胸元で握られ、皆より後ろの位置から孝博を見つめた。その瞳に宿るのはただ悲しみのみ]
[その表情はしかりとは見えなくて。けれどその声も意図的に作ったようなものには聞こえなくて]
…どうして。
どうしてそんなところだけ、変わらないの…。
[強く握り締めた手が震える。それでも下ろすことはせずに]
惟仁さんだけですめば、いいほうですよ。きっと
[同じように冗談めかした言葉を返す。気まずい気持ちもなくはなかったが、楽になれた気はして、入ってきた孝博を見て]
なんというか。おまじないみたいなものですよ
[それはいつもの柔らかな声音]
[いつもと変わらぬように見える、孝博の様子に、は、と一つ息を吐いて]
答えは。
お前が一番よく知ってんだろ?
[静かに静かに、返す]
……いや、あいつが一番うるせぇのは、間違いねぇ。
[蓮実の突っ込みには、ぼそりとこんな言葉を返していたり]
私は、だいじょーぶ。
[ほんとはちょっと、ぶつけた背中がいたいけど玲ちゃんにかえして。
それから聲を飛ばした。まったく意味はなかったみたいだけど。
決して自分から、そうだと言ったわけじゃないなんて、思ってないけど。]
『逃げて』
[それは本気の言葉だった。]
ちが…っ
[でも、違わないから、口に出せなくて。]
『だから、逃げて、逃げてよ!どこかに…
わかんないよ、もう!たかひろは仲間なのに、』
りきっちゃんを、殺した…っ、なんで。なんで?
だめ、だよ。
だって、巫女さんが、悲しいよ…っ
ひとりぼっち、だったんだから…、だから、せめて、巫女さんが、望むこと、叶えてあげたいよ…っ
たかひろだって、そのために
[そう、思っているけど。]
[孝博と涼の様子をしばし見つめ。
涼から投げられた言葉。
それに、小さく息を吐く]
願いを叶える、そのための術が。
他の生命を喰らうという事。
その時点で……ほっとく事はできん。
[告げる言葉は、酷く静か]
――ソレは、オマエの所為だろ?
言うコト聞かねェからだ。
[低い声が洩れる。
最早誰に聞かれていようが構いはしなかった。
そして不調から来る機嫌の悪さそのままに、]
巫女?
・・・ッハ、関係ねーな。
[涼の弁解を、あっさりと打ち砕いた。]
[聞こえる内容の半分以上もわかっていないだろうが]
願いも方法も関係ありません。
単純に言って…人は結構。勝手な生き物なんですよ
[涼に手を伸ばす。可能ならば引き寄せるだろう]
涼ちゃん。私、言ったよね?
涼ちゃんが、例え説得してくれたとしても。
見逃すことは出来ないんだよ、って。
[静かな兄の声。それに続けて]
哀しくても。
新しい悲しみを作らせ続けるわけには、いかない。
だが、君の中に魔はいない。
しかし、孝坊は、そうじゃない。
……だから、鎮めなきゃならないんだよ。
[涼に向ける言葉は、あくまで静かに]
……巫女が関わりないなら、尚更、ほっとけねぇな。
[ついで、孝博に向けたのは、鋭さを帯びた言葉と、視線]
だって、やだって、言った。
私は、人だって、言ったよ。それでいいって
――え?
[孝博を見る。]
なん、で?
巫女さんが、咲かせてって、言ったからじゃないの?
そう、これは私の我侭。
死にたくない。死なせたくない。
[蓮実の声を聞いて。孝博の方へと目を凝らす]
魔を開放してしまうわけにも、いかない。
独りよがりと笑われても。
[涼の言葉に少し息を詰まらせる。巫女は悲しみ、その願いを涼達に伝えた。それを叶えるために彼女達は動いていたと言う。気持ちは分からないでもない。
でも]
悲しみは、悲しみを、生み出す。
連鎖し、伝播する。
巫女の悲しみ、望み、それにより発生した、憎しみの、連鎖。
それは、いくつもの、悲しみを、引き起こす。
……そんなの、続けちゃ、いけないんだ。
[ぽつり、小さく呟く。自分に孝博を止める力は無い。前に居る皆に頼るより他ない。
だから、願う、祈る。全てが、悲しみから解放されることを──]
[涼の視線。見えないからこそ、感じた]
思うかどうかじゃないわ。
そうしなければいけないだけ。
[もう一つの冷たい視線に、僅か身動ぎながら。
それでも構えは解かない]
思ってなかったら、言わねぇ。
[冷えた視線を向ける孝博に、ふ、と笑んで]
そして、俺は、やると決めた。
葛木の血を継いだ者として。
ただの俺として。
……これ以上、何も失わない、奪わせない。
[右手は既に、懐の黒檀を掴んで]
[切欠は、確かにコエだった。
最初に犯した殺人も、或いはその為だったかも知れない。
それでも、]
オレはなァ、
愉しけりゃ、
何だってよかッたんだよ。
[続けたのは、かれ自身の為。]
それが一番の問題ですね
[このような惨劇の舞う陸の孤島に法などというものはない
単純に強いものが勝つわけで、孝博の言葉は己にはしっかりと当てはまるが]
別に全員にそれがあてはまるとも限りませんしね
[涼をつかみ引き寄せ、孝博から離す]
[男の人の力に、今は逆らうこともできず。
ただ、見る。
――それでも、孝博が本当に危険だったら、かばってしまうんだろう。
そういう風に、ちょっとだけ、思った。]
こんな状況じゃ、自信過剰な位の方が、生き易いぜ?
[くく、と笑う。
口調は冗談めくが、瞳は険しさを帯び。
漂う桜の香に、それは更に強くなる]
咲いた桜は散らせばならぬ。
凝りし魔を散らせばならぬ。
[その構えは素人のもの。
けれどその意思は連綿と受け継がれてきたもの]
負けることなんて。考える暇、無い。
[均衡の崩れる一瞬を待つ]
[言い捨てて、それきり彼女からは興味を失ったように。]
じゃァ、
――やってみりゃ、イイんじゃねェの?
[顔から手を外し、同時に地を蹴った。
向かう先は史人。
力で言えばかれより上であろう琉璃ですら、殺されてしまったということは、今は意識には無く。
無辜の者を殺したときとは、明らかに状況が違うことにも気づかない。]
そうですか。自分の意思ですね…では同じです
単に道が外れただけですが
[愉しければと口にする孝博に軽く頷き]
涼さん…いい子にしててもらえますかね。
できれば死んでもらいたくないですから
[こちらへと駆ける、孝博の様子に、ふ、と笑みを浮かべ]
……遅いぜ、孝坊っ!
[右手に、ぐ、と力を入れる。
走る痺れは意識に入れずに、刃を抜き放ち。
その勢いに乗せるよに、短刀を斜め上へと大きく振るう]
[孝博のことばの意味なんてすぐにわかった。
ただ自分はいらなかったんだと思った。
だからはっちゃんに止められても、止められなくても、動けなかったのは本当だ。
でも、――私は魔に染まりきってはいないけど、その要素もあって。]
――…
[空耳だと思う。でも確かにまた、桜を咲かせてと願う声がきこえた気がした。]
[孝博と兄が交錯する。
その隣でザ、と一歩横へ踏み出した]
………。
[動きを追えている訳ではない。
ただその気配だけを読もうとしながら]
ッと。
[振るわれた刃の軌跡に合わせるように、上体を逸らす。]
ダレが、遅いッて?
[上がった手を掴み取ろうと、片手を伸ばす。]
[もはや別人のような孝博の姿。昔慣れ親しんだ彼は、もうここには居ないのだろうか]
人が、死ぬのは、もう、嫌。
ここに居る、誰も、死んでは、欲しくない。
でも、それじゃあ、終わらない…。
終わらせる、ための、代償が、必要。
私には、手を下す、力も、勇気も、無い。
出来ないから、出来ることを、する。
見届け、背負う、覚悟を。
[命は須らく平等。命を刈ることは他者の生を背負うと言うこと。自分は他者の命を刈る勇気は無いが、それを止めることもしない。だから、刈る者と同じように、その者の生を背負わねばならない]
[史人へと踏み込む孝博。2人の動きをじっと見つめ。この惨劇が終わることを、ただひたすら願う]
[史人と孝博を見て、懐に手を入れる。
役に立たないというのが高い。こんなときでもちゃんと下せる辺りなんともいえない気持ちが浮かびながら、ぼうっとしている涼を見る。この子が一体何をするのか。わからないが]
そうですね…いい子にして、生きていたら。
…利吉さんの願いが叶うんじゃないでしょうか
んなもん、お前に決まってんだろっ!
[返す言葉は、軽いもの。
伸ばされる手の動きとその意図を察して。
とっさに、腰を落として蹴りで足を払おうとする。
右手の経緯は知らずとも、何か異変がある事は、いつかのやり取りから気取られているかも知れない、と。
ふと、そんな事を考えつつ、右手に力を入れなおした]
終わらせることだけを、考える。
[兄の右へとずれた位置から、孝博の脇を狙って。
更に前に一歩、踏み込んでその尖った先を突き出した]
そうですね
[なんとも最もな意見である…が、それでも一度手に力をこめる]
私が、いい子に、生きていて欲しいと思うのではダメですかね?
ッち、
[手が届くかという直前、足の動きが見えた。
舌打ちをして、後ろに下がる。
身体は思うように動かず、蹴りは僅かに足を掠めるか。]
あァ、そーいや、
そッちの手、どーかしたッスか?
[体勢を立て直しながら、
口調だけは余裕を装い、力の篭る右手に視線を投げた。]
[問うた直後、視界の隅に入るもの。
其方に意識は向けていなかった。]
ッく、
[胴を庇うべく動いた片手に、痛みが走る。
横目で玲を睨む視線は鋭く。
力を篭めて振り払おうとすれば、細かな赤が舞った。]
[軽い舌打ちは、蹴りが避けられたからか、それとも唐突な問いのためか]
……別に、大した事はやってねぇよっ!
ネコ一匹の生命と引き換えに、壊し専門になってるだけだ!
[微か苛立ちを交えて返した所に、目に入ったのは、玲の動きと、紅。
そこに生じるであろう隙は逃せぬと、低い姿勢から弾みをつけて距離を詰める]
こんななかかどうかは関係ありませんが
そうなのかもしれません。私は偽善者ですから
ですが、みなを明るくしてくれる涼さんにいてほしいとも思っています
…この後色々大変ですからねぇ…
[掠めるような、でも確かな手ごたえ。
しかしそれは狙った場所へは届かずに]
ぁ!
[差し込めたわけでもない刃はたやすく押し返されて。
赤を散らしながら弾き飛ばされ、床に転がった]
…まだ。
[何箇所かに覚える痛み。
だがどこか遠いそれは無視して再び立ち上がろうとした]
[弾き飛ばされ、転がる刃物が視界に入る。
脇から掛かる声へ首を向ければ、]
ッ、そりゃ、難儀なコトでッ
[直ぐ其処へと迫る影。
身を引くが、その反応は明らかに遅れていた。]
そっか、じゃあ、
[赤い色。わたしたちの血でも、桜が咲くのかな。]
あかるくない、私はいらないね。
[玲ちゃんが立ち上がる。
私は手を取り戻す。
もう一瞬のことだ。]
――っ
[攻撃をしている先生に、走って、手を伸ばした。]
てめぇの選択だから、後悔はしてねぇけどなっ!
[言い放ちつつ、刃を繰り出す。
黒の上、桜花の舞い散る柄を持つ短刀は、生命の鼓動を刻む場所を目指すものの]
……っ!?
[不意に、後ろへ向けてかかる、力。
それ自体は大きなものではない、けれど。
それが与えた衝撃に体勢が崩れて狙いがそれ、突きの勢いも大きくそがれた]
[転がってしまった鑿を急いで拾う。
振り向いた時には涼が兄の背へと手を伸ばしていて]
駄目っ!
[もしそのまま掴まれれば兄の体勢が崩されてしまう。
その隙を狙ってくるだろう動きを妨害しなければと。
無論、実際はそんなこと考えている余裕などどこにも無かったが。立ち上がった勢いのままに孝博と史人の間に割り込もうとした]
[間に合わないならばいっそと、伸ばした右手は心臓を狙う。
何時もかれがそうしてきたように。]
ッ
[その手が動きを止めたのは、尚身体に巣食う闇の所為だったか。
それとも視界に入った、小さな姿の所為か。]
[狙いの逸れた刃は首元を浅く切り、襟が赤く染まる。
だが体勢の崩れた、その隙を逃すことは無い。
左胸に向けて再び伸ばされんとした腕は、しかし、]
な・・ッ
[再び割り込んできた小柄な影に目を見開き、勢いが緩まる。]
そもそも、誰かの手を借りても、自分の足で立てないものは
[続く言葉は行動に遮られて、だから己もその後ろから涼へと手を伸ばし
届くなら引きずるようにまた下げるだろう]
させない…っ!
[闇雲に右手を振るった。
最早狙いも何も無い。ただ反射的に動かしただけ。
支えきれなくなった左足が、ガクと崩れた]
[逸れた刃は、浅い手応えを伝え。
建て直しをはかるより先、飛び込んできた、影]
……玲っ!?
[名を呼ぶのと前後するよに、後ろにかかる力が離れ]
って、こらっ……。
[更に崩れる姿勢、それをどうにか建て直そうと試みる]
[勢いを凪いだ右手が、闇雲に振るわれた刃と重なり。]
ッ、
邪魔、すんなッての・・・
[喰らうつもりが、赤を撒くのはかればかり。
苛立たしげに、玲を脇へと突き飛ばそうとする。
史人の動きから、意識は完全に逸れていた。]
[史人と孝博の間に玲が割り込み。ハラハラとした面持ちで行方を見つめる。状況は良いとも悪いとも言えず。そんな中、体勢を崩す様子を見ると悲鳴を上げそうになった]
史人、玲ちゃ…!
[ともすれば駆け出してしまいそうな自分を抑え。その代わりに胸元で握り締めた手に力を込めた]
/*
更新時間に言及したからきっと終わるとおもいまs(メタ
むしろ今日ここまでやったのに明日があるとかそれなんて村側いじめですかw
下手にかばうのはやめときますね。うん。
……混乱状態をどうにかしなければならないでしょうから。
[先程よりも深い手応え。だが返された力もずっと強い]
っっ!
[崩れた体勢のまま突き飛ばされ、近くの椅子を巻き込んで床へと倒れる。痺れが走って咄嗟に起き上がれない。
手にしていた刃は遠く、孝博の足元に転がったまま]
[再び散る紅と、崩れ、突き飛ばされる玲と。
苛立たしげな舌打ち、一つ。
しかし、孝博の意識はこちらから逸れている。
それならば、自分のやる事は]
……いい加減……終わりに、しようぜっ!
[右手に、足に力を込めて。
床を蹴り、再度刃を繰り出す事。
生命の鼓動を刻む、その場所へと向けて]
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