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白練の歌子 エルザ に 2人が投票した。
職人見習い ユリアン に 1人が投票した。
司書 オトフリート に 2人が投票した。
司書 オトフリート は村人達の手により処刑された。
今日は犠牲者がいないようだ。何かの介入か、それとも……?
現在の生存者は、白練の歌子 エルザ、職人見習い ユリアン、青年 アーベル、奏者 ミハエル の 4 名。
んあ? ……あれ、アーベル。何でお前ここに居るん。
[掛けられた声に振り向き、よっと声を掛ける。]
あー、話すと長いんだけどなぁ……
[そう言って語り出すは、昨日の顛末。
それに付け加えるは、自分の血族の役目。
絵筆のチカラの暴走の際には、己が身を以ってチカラを封じるのが末裔としての自分の役目。
しかし、その血も薄れ、今の自分に出来たのはチカラのほんの一部を封じるのみだったこと。]
ああ、俺は人手がないってことでブリジットの手伝い。
[己が入る理由を簡潔に説明して]
長いのか…できるだけ手短に…疲れてて脳に上手く入るかわからんから
[そう軽くいいながらも。黙って
ユリアンの話を聞き]
守られた…とかミハエルがいってたがそういうことか…なんてーか…ほんっと。色々あんだな。絵筆にせよなんにせよ…で、もういいのか?
[黒色が侵食していた腕の部分を見るように視線を動かし]
☆業務連絡(後ほど読み飛ばしよしなに
ええと、予想外トラブル発生しておりますが。
まとめサイトやメモで相談していると手間取りそうなので、必要ならサポート掲示板(トップページor鳩の村一覧からいけるヤツ)に設置した避難所もご利用くださいませっ!
[己の返事に返ったのは苦笑だったろうか。
兄の幼馴染みの男。
その態度と、何よりその腕に抱えられた絵、それに気を取られていたからだろうか。
何の疑問も持たずに、中に招入れた]
[アーベルの視線に気づき、右手に視線を落とす。
黒の部分の侵食は昨日よりも進んでいて。]
……ん。大丈夫。ほれ。
[そう言って、にかっと笑うとブンブンと腕を振り回す。]
[……実の所。彼の状況は決して楽観できるものではない。
本来であれば、絵筆のチカラを封じる際、術者はその命を引き替えにしなければいけない。
呪いとはそういうものなのだ。
それゆえ、彼がチカラの一部しか取り込めなかったのは、ある意味で彼の命を助けていたのだ。
しかし、それでもその呪いは徐々にではあるが確実に彼を蝕む。
そして……いずれは…………]
[黒の変色のある腕を動きにあわせるように目で追う。
ブリジットも怪我ではないとはいっていたが]
だったらいんだけどな。悪いが俺はそういうのさっぱりわからんしな
[とりあえずはそういって済ます]
で、なんだが…そっから何かわかること、ないのか?
[それから、幾つか話をしただろうか。
己の体調を気遣う言葉や、もしかすれば昔の話もあったかも知れない]
絵筆?
…ええ、これがそうですけど。
[ふと何気なく問われ、少し怪訝な顔をしたが。
キャンバスの前のそれを示した]
[そして、ほんの少し目を離した時に。
絵筆は男の懐に隠された。
消えたそれに気がついたのは、男が絵を残してアトリエを去り、暫くしてからのこと]
[腕の動きを目で追うアーベルに、くすりと笑う。]
ん。アーベルが気にすることねぇよ。
[そして、アーベルの問いかけに、んーと顎に指を当てて少し考えるが]
……あくまで俺にはチカラのカタチが『見え』て『封じ』られるだけで、その封じの絵を誰が描いたかとか、何処から描いたかとかはわかんねぇんだわ。
役に立たんでわりーな。
―図書館の前―
[オトフリートのことを待ちながら
歌っていると、気分が良くなったか
どんどん声は高くなる。]
♪ネッスン ドローレ、
ヴォラレ ヴェルソ イルシェーロ、
ペル アンダレ リベロ
[怪訝な顔をして
前を通る人が、見ていく。]
ふーん。そんなもんなんか。
[いうからにはそうなのだろう。その仕組みなどは知らないまでもユリアンが嘘をつく理由はなく]
いや、役に立たないなんてこたーねえが…まずいな。
[そうして、オトフリートが現れる。
笑顔で手を振ると、その手に布で包まれたものをそっと、
渡された。]
これ…?
[彼は、微笑んで頭を撫でてくれたかもしれない。
彼女もにっこりと満面の笑みを浮かべ、]
ありがとう!
[お礼を言った。
少女はそれをぎゅっと胸元に抱きしめて、
自宅への道を駆け出した。
そして彼は、図書館へと入っただろうか?
背中に、蜜蝋を噛む音が聞こえた気がした。]
[少し考える。心を封じる絵。というのは絵の描くものの趣味趣向で構わないのだろうか。それとも一定の描きかたでもあるのだろうか。エーリッヒは穏やかな顔をしていたが]
ここで考えてても仕方ないな…で、動けるか?動けないんなら寝てろよ。ああ、それとリディはそこな。
新しい話は…特にでてきてないはず…診療所にずっといたからわからんけど
[早口でそんな説明をユリアンにして、立ち上がったところでふと、止まり]
…なぁ?もしもの話だが、ユリアンが絵筆を持っていってたやつだったとして、だったらどこかに隠すか?それとも離さずに持ってるか?
ん。まずいって?
[アーベルの言葉に首を傾げる。続いた言葉には]
んあ。……ん。大丈夫、動ける。
それに寝てるわけにはいかないしな。
リディは……ん。大丈夫そうか。
ってか、はえぇ。寝起きにそんな一気にまくし立てるように言うなよ。
[苦笑いを浮かべる。しかし、続く言葉にスッと目を細め]
ああ、もしもの話だけどな。
もし俺が筆を持っていたら、絶対に誰にも探されねぇ場所に隠す。
自分で持っていたら、探られればすぐに露呈しちまうしな。
なら、目が届かないところでも普通探されねぇ場所に置いとく。
……その方が、逃げて追われてても、時間の勝負だが少なくとも絵を描く時間が確保できる可能性があるし、な。
[忌憚のない自分の考え。]
―自宅―
[軽い足取りで家へと入ると
大きなキャンパスを広げその脇に、
受け取ったばかりの布に包まれた絵筆を、置く。]
あ、そうだ、言われてた事をやらないと。
やる事があるってすてき、素敵ね。
[言いながら、鼻歌を歌いながら。
鳥と魚の彫り物のある絵筆を鞄から取り出し、
絵を描いていく。
単眼鏡の部分には、水晶花の花びらをはりつけて
空の青には、綿毛の雲。
描いていて、ふと昨日の事を思い出して
一瞬ぴくりとしたけれど、
どうやら何もないようで、ほうと息を吐き。
司書の絵を、描き終えた。]
[がたん。
椅子の倒れる音]
…嘘、だ。
まさか。
[見開かれた瞳は揺れる。
そんな筈はないと、信じていたから、周囲を必死に探して。
本当にない――盗まれたのだと理解した時には、大分時間が経っていただろうか]
ああ、率直に言ってまずい。
ギュンターのおっちゃんやベアトリーチェが…二人は年取ってたり、幼いしな。
[直接的な意味は口にはせず手短にいって]
だからはえーのも許せ。
俺はお前のような血族でもなければまして絵師でもなんでもないから焦っちまうんだよ。なにすりゃいいのかとかな
[そしてユリアンの考えをゆっくりと咀嚼するように聞いて]
そっか…それなら。ってこともないが、リディが犯人の一人だった。だったらもう一人もある程度知ってるやつかね?とも思う…絵を描いたのは多分リディだろうし、渡すにしろ隠すにしろ。連絡取れないと無理だろうしな
[それだと俺ら怪しいけど。なんて内心苦笑して]
そっから絞って探せばなんとかなっかねーっと…いつのまにかミハエルも絵師になってっし
[物理的な頭数はそこから、など、それでいいのかどうかわからないが出来ることと考えた上でそう思ったのだが]
ユリアンは何か考え…あるか?
[向かった先は図書館。
いつも通りの挨拶も忘れて、戸口から中を見渡し。
やはり中には人がいて、驚いたような目で見て来るが、その中に目的の人物がいないと知れば、早足で中を進む。
そうして、書庫の扉を勢いよく開き]
……そういうことか。なるほど、確かにまじぃな。
[事情を把握して、チッと舌打ち。]
てか、俺だってそんな大したもんじゃねぇよ。
……リディの変化にも気づいてやれなかった間抜け野郎、だしな。
[自嘲気味に呟き。だが、気を取り直すと]
……しかしもう一人、か。
確かに連絡はとれねぇとかなると、未だ筆がみつからねぇ道理が通んねぇしな。
となると、限られてくる、か。
[ふむと思考に沈みかけるところでアーベルに問いかけられ]
ん? ……考えね。
…………いや。わりぃ。
[倒れ伏す男の姿。
一瞬、己が何をしにきたのかを忘れた]
…っ、
[慌てて傍へ。
程なく、それが絵筆で封じた者と同じ状態であると悟る]
…これは。
どういうこと、だろう。
[絵筆を盗めるとしたら、彼しかいない筈だった。
だかその彼は眠り。
困惑し、眉を寄せる]
ま、初めっから悠長にできるようなものでもなかったけどな
[単にこの中ではその二人が危険になるのが速いというだけ、いずれは]
そうはいってもなぁ。俺は不安になって体調崩したのやら喧嘩したのやらの世話するブリジットの手伝いばっかしてっしなぁ。すっげー裏方だ…仕方ねえけど
……言ってくれないもんはそうそうわかんねーよ。
[自嘲的にいうユリアンには、己への言い訳めいた慰めをぼそりといって]
リディが逃げたときからは誰かに渡すこともどっかに隠すこともできなかったろうし、リディを封じられてから、ミハエルは襲われたんだろ…こっから何かわかるのかわからんのかは考えながらいくか
[そう促しつつ、向かうのは診療所より出てアトリエの方向]
―自宅―
[それから、オトフリートから預かった布をゆっくり開いた。
鈍く光る、つがいの片割れ。
にこりと、これほど無い笑みを浮かべて、暫くみつめる。]
[思考が巡る。
リディが兄の絵を描いて、けれど絵筆は見つからず。
オトフリートが絵筆を持ち出して、けれどこうして封じられて]
じゃあ。
…誰か、別の人が?
[小さく、言葉を洩らし]
[床に散らばった綿毛を取り、布に居れ。
そうっと絵筆を2本、揃えて。]
これで、さみしくないわ?
つがいだもの、ね。
[笑いながら話しかけていたが、はたと思い出し、
鞄からエーリッヒから借りたままのハンカチを取り出して包む。]
これでもっと、寂しくないわ?
[嬉しそうに言うと、鞄へとそっと閉まった。
それから、描き終えた(といっても大した出来では無いのだけれど)絵を見て、首を傾げる。]
これで、良いのかしら?
そっか。…………ありがとな。
[ポツリと呟き]
ん。そだな、行動しねぇとわかるもんもわかんなくなっちまうしな。
[そう言って、アーベルとともにアトリエへ。]
[書庫から出て、館内にいた男性に倒れた司書を頼み。
誰かが彼と接触していなかったか、1人1人に尋ねる。
そうして得たのは]
…エルザ、さんが?
[1人の少女の名前]
まぁな。行動してわかるんなら俺としてはありがてぇ
[そしてブリジットに告げてから診療所を出てユリアンとともに真っ直ぐアトリエまで向かって]
―アトリエ―
[アトリエには見張りなのかなんなのか。そのものに止められ]
ミハエルに会いてえんだけど…あ?オトフリート先生が尋ねてきてその後しばらくしてから出た?どこに向かった?
…なんか変な様子だったって…
[そんなので黙って見送ったのかとばかりに睨みつけるが、そういってもはじまらないと、いった道を聞いて]
図書館…かね。やっぱ
[と言うかそれ以外該当するのが浮かばないが確認するようにいって同意が帰れば今度は図書館へと]
―自宅前―
[自宅の中、奥の扉を開き。
桃色の花の上にそっと、絵を置いた。
小脇に抱えられる程のサイズのキャンパスだが、
何処かに誰にも見られずに運ぶ自身が無かったから。
そうして、鞄に大事に絵筆を入れたまま、家を出る。
鍵もかけずに出るのは何時もの習慣。
誰かが家に入れば、綿毛を敷き詰められた床の向こう、
中庭へと通じる扉を開けば、
くらりとする程の良いとはあまり言えない芳香を放つ桃色の花の中、
まだ染料の乾かないキャンパスが見付かるだろう。
少女は、ゆっくりと自宅を離れて歩く。]
[図書館の前で楽しげに歌う彼女を、何人もが覚えていて。
何かを手渡していたようだ、という者もいて。
疑念は確信に変わる。
少女の自宅の場所を聞き出すと、即座に駆け出した]
[アーベルと連れ立ってアトリエにやってきたわけだが、]
んだよ使えねーな。
[アーベルが目で訴えてることをこっちは口に出して言ってみる。
行った道とアーベルの言葉には]
だな。…………つーことはまさか。
……とりあえず俺らも行くか。
[そう言って、図書館へと歩き出す。]
ああ、こんなときだから…なんもなかった。なんてことは多分ねーだろうしな
[もう結果的に見ながらも立ってただけの人は無視して図書館のほうへ向かった。
現在図書館から出て行こうとしているなんて知らない]
[2人が図書館に向かう道を、司書を診療所に運ぶ一団が通り過ぎるかも知れない。
探されているとは知らず、聞いた方向へひた走る]
…く、
[時折つまづいたりしながら、歯を食いしばる。
己の体力のなさを呪いながら、それでも止まろうとはしなかった]
[図書館へ向かったところで、誰かを運んでいるのが見えて]
ん?今度は何…ってっ。オトフリート先生?
[運ぶ一団を押しのけて近くで見れば間違いなく。更にそれは最近よくみた症状であって]
まじかよ……ちっ!…でこれどこで?…図書館でミハエルが…か。
そんでミハエルは!?
[一団の一人に詰め寄って聞けば]
エルザ…?おいっ!?エルザがなんなんだよ!言え
[胸倉を掴んで揺すれば、歌っていた。とか。オトフリートと喋っていた。ミハエルが家の場所を聞いて向かった。と言われそれ以上は知らないらしく。一団の他のものに止められる。]
………いくぞ。ユリアン
[一団を見送る暇もなく低く呟く。
何があったかまでは詳しくは知らない…内心どこかで、知りたくないということなのかもしれないが]
エルザの家は知ってる。
[ついて来いというように*駆け出した*]
―綿毛畑―
[立ち入り禁止の紐を跨いで入り、ぺたり座り込んで鞄を開ける。
座り込めば、荒らされたとは言え、まだ大分綿毛の残る畑にに
頭のてっぺんまで、隠れてしまう。
中にモノが入っているのを見て安心すると、ふと、鞄の底に黒い石が連ねられたペンダントを見つける。]
……――
[無言で引き摺りだして、首にかけようとするが
やはり、首の後ろで留め具を着ける事が出来ず、
結局手の中に握りこんだ。]
…何時かしら。いつかしら。
ふふふ、ねぇ…――?
[きゅ、と握った手を鞄の上に置き
綿毛畑の中、小さく歌声が、響いた**]
[そうして図書館へと向かっていた途上。
こちらへと走ってくる一団に足を止める。
だがその一団に運ばれていたのは、探し人の片割れ。]
な!? ……どういうこと、だよ。
[理解が追いつかない。
オトフリートが犯人で、それをミハエルが? いや、ならここにミハエルがいない理由が。
いやむしろ前提が違う? オトフリートは犯人じゃない?
思考は混乱し、]
…………え? エル、ザ……が??
[だからこそ次の言葉でそれが完全にフリーズした。]
[ただただ、出てきた名に呆けていたが、アーベルから掛けられた言葉にハッと我に返り、]
あ、ああ。わかった。
[そう言ってアーベルに続いて駆け出す。
内心は、その結論が間違っていて欲しいと言う願望。
しかし、彼の中の理論の部分はその結論を肯定し、そして残酷にもそれこそが*真実なのであった*。]
[目的の家の前。
よろめき、扉にぶつかるようにして止まった]
…ッは、
[肩で息をしながら、強く扉を叩けど返事はない。
ここにはいないのか、そう思いながら手を掛けて]
開いて、る?
[すんなりと扉は開いた]
…え、と。
[踏み込むのを少し躊躇ってしまうのは、他人の家だから仕方のないこと。
けれど今はそう言っている場合でもなく。
首を振り]
エルザさん?
[呼び掛けながら、中へ踏み入った]
[やがて一通り見回った後で、中庭に通じる扉を見つけ]
…っ
これ、は。
[そこにあったのは、咲き乱れる桃色の花と。
己にとっては異質な存在の『絵』]
[どうして封じられたオトフリートが、彼女に絵筆を渡したのか。
そんな疑問はあったけれど。
同時に浮かぶのは、古くからの伝承]
「心の力を集めれば、空へ」…
[低く呟いて。
く、と下唇を噛み、踵を返す。
中庭の扉も玄関も開け放したまま、外へ走る。
思い当たる場所など、もう一つしかなかった**]
[少し、冷たいと感じる感触が髪を揺らす。
広げた両手、体重を感じる事の無いからだはゆっくりと、
下降する。
そうして地面へと近づいてから手で周りを優しく、
叩くように掻けば体は上へと向き、
頬に感じるのは、きっと、風。
青の中、蒼は溶ける事無く、ゆったりと。
とても自由に、浮き、沈む。]
[岩の隙間から太陽の光が、天使の梯子をかける。
畑の真ん中、柔らかい土に抱かれ白い綿毛の下、少女は眠る。
その手にはしっかりと、黒い石を連ねたペンダントを握り
だいじなものを入れた鞄を両の腕でしっかり抱えて
何時もと同じ、碧い夢を見て。]
[とても昔の、話し。
ママと一緒に良くキノコ畑へと行った。
パパと一緒に良くじゅんかいをしに町を歩いた。]
[その両親が、仕事中の事故で居なくなった。
周りの大人は、「2人はお空へ上っていったの」と、彼女に言った。]
[綿毛畑で、それを見つけたのはとても偶然。
白い白い綿毛の中
白い白い鳥の骸。
それを見つけた時、少女は、気づいた。
それを見つけた時、少女は、思いついた。
どちらが真実かは定かでは無いが、彼女は、言う。]
[中庭の、桃色の花。
沢山吸い込むと、くらりとするその花は
少女を気づかせず蝕んでいた。
少女は、わらう。
くすくすと、たのしげに。]
[地平は白く、揺れていた。
上を目指すように。
地面へと縫い付けるその茎を厭うように。
あの騒ぎで踏まれた無残なものも、あちこちにあった。
地の色と混ざった綿毛は、きっともう月を目指せはしない。
立ち入りを禁じる境を越えて、その間を進み。
白の中に溶け込む、蒼を見つけた]
[柔らかな土は足音を吸い込む。
穏やかな寝息を立てる少女は、近付けども起きる気配はない。
傍らに立ち、声はなく。
緑はただ見下ろした]
[音が近くで聞こえた気がして
両手で抱えた鞄を強く抱えなおすように
もぞり、と、少し動いた。
その白いワンピースは、染料がついているだろう。
主に屋根や壁に塗るペンキの匂いが
うすく、香るかもしれない。]
[アーベルとともに駆け、辿り着いたのはエルザの家。
その玄関は開け放たれたまま。しかし中に誰か居る気配はない。]
……開い、てる?
[僅かに逡巡するが、意を決して中へと。
途端に鼻腔に広がるのは、くらりとする程の濃密な香り。]
……くっ、何だよこれ。
[その匂いに眉を寄せる。
そして、匂いの元に辿り着くとそこにあったのは]
……嘘、だろ? 何で……くそ!!
[壁に寄りかかり、苛立たしげに壁を殴る。
そこにはキャンバスに描かれた『絵』。]
[名を呼ばれ、うっすらと目を開く。
何時もと違う風景に、その姿の儘何度かぱちぱちと目を瞬き
ゆくりと、声の方へと頭を向ける。
ミハエルの姿を認め、半身を起して]
おはよう、ごきげんよぅ。
[にこりと笑い、何時もの挨拶をした。]
―エルザの家―
ミハエル!エルザ!いるか!?
[ユリアンとともに駆けて来て、家について開け放たれている家に入り言う。家の中はがらんと暗く静かで、誰も居ない。ただ中庭に続く扉と漂う濃密な香り。それを辿るように中庭へいけば
そこにはあったのは濃密な香りの下である咲き乱れる桃の花。]
…あ……あ…ぁ……
[ユリアンが壁を殴る音もどこか遠い。
信じたくない。それ以前に考えたくもなかったのに。そこにおかれている絵を見て言葉をなくす]
どうして、笑うのって?
不思議な事を、聞くのね?
[ふふ、と笑いながら
鞄を抱えたまま、ゆっくりと立ち上がる。
白いワンピースについた土や白い綿毛が、ぽろぽろふわりと落ちた。]
不幸じゃないときは、わらっていればいいの。
そうしたら、不幸もしあわせになるのよ。
[笑みは絶えず、浮かべたまま。
不思議そうに首を傾けた後、また、わらった。]
[頭が白く。音が遠く。ただ妙に己の心臓のなる音が高く聞こえて]
……馬鹿が…そんなに空に…
[いきたいのか。といいかけて止める。手段は褒められたものではない
でも己だって空に行きたくて。その想いが叶うかどうかわからずいた…いや、心のどこかでは諦めていたかもしれない。とも思えて先がいえなかった。ただ]
空には…外には…何があんだろな
[己にとっては必要以上に明るいかもしれないし、何もないかもしれない。今より楽しいのか辛いのかさえわからない。
だがそんな実物ではなく。エルザは空に何を夢見たのか]
……――っ
[ミハエルの言葉にはっと息を飲み表情を硬め、
くるりと後ろを向き、走ろうと足を踏み出す。
回った表紙に白いワンピースがふわりと広がった。]
[ぎり……。歯噛みする口からは一筋の血が滴り落ちる。]
……何で、だよ。
何で……リディも、エルザも。俺に何も言ってくんねぇんだよ。
[──ぞわり。右腕の呪いの模様が蠢き、]
……そんなに。そんなに、俺のこと信じれなかったんかよ!!
【びしぃぃぃっ!】
[右手を叩き付けた壁。そこを中心に蜘蛛の巣状の亀裂が壁全体に走る。]
待って!
[制止の声を飛ばす。
その背が駆け出す前に、腕を掴もうと手を伸ばした]
今ならまだ、誰にも言っていない。
誰にも、言いませんから。
[悟る者はいたかも知れないけれど、それは事実]
…だから、返して。
[呆と。絵を桃の花を見ていて、そのせいか。いつもなら絶対しないように心がけているのに左目でヒカリゴケを捉えてしまい痛みと軽い頭痛が襲う。
反射的に左目を手で覆う。気持ち悪い。深く息を吐く。
だがおかげで正気に戻れた。だから]
あの馬鹿娘が何を思ってたって関係ねぇ。
[後何人の力を封じたら伝承にあるとおり登れる?町にある全ての人間を描いてもできないかもしれない]
…はたいてでも取り戻す
[腕をつかまれて
髪とスカートの裾が、ふわりと体から遅れて戻る。
急な制止に、たたらを踏んで止まり振り返る。
ふるふると、顔を横に振り]
…いや。
せっかく、もらったのに。
[ミハエルの目を、じいい、と見た。]
なっ!?
[自身が招いたその結果を呆然と見る。]
……う、ぐぅっ。
[同時に襲い掛かる、ぞわりとした悪寒にその場に座り込む。
ガクガクと震えていたが、脂汗を流しつつ立ち上がると、]
……行かねぇ、と。
[そう呟き、歩き出す。向かう先は、綿毛草の畑。]
そんなん知るか。戻して、問い詰める。そんだけだ
[直後にユリアンが壁を殴った光景にはさすがに呆然として]
おいっ!無事なのか………まあいい。ちょっとぐらい無理しろ
今は、な。
[どうせあそこだろ。と向かうのは綿毛草の畑]
うん、そう。
あたしが、もらったんだもの。
[こくり頷いて、
鞄を胸で抱く腕に、力を入れた。
つかまれた片腕を抜こうと、引く力を入れる。]
─綿毛草の畑─
[右腕を押さえながら、たどり着く白の世界。
そしてその只中で対峙する蒼色と金色。]
エルザァァッ!!
[声の限り叫ぶ。]
[手を掴む力が緩んだ隙に 腕を強く引いて抜き、
直後、ユリアンの声が聞こえたけれど、その声が鋭く聞こえたから、
振り返らずに、駆け出した。]
やだ、…!
[土の上、白の中、力いっぱい走ろうと足を出す。]
─綿毛草の畑─
………
[ユリアンが叫ぶ声を横に立ち入り禁止とされている境を飛び越えて走り、駆け出したエルザを捕まえようと手を伸ばす]
…ユリアン?
アーベルも、どうし、
[響く声に、目を見開いて振り向き。
振りほどかれた手]
…ッ、待…
[逃げ出す背を追いかけようと、駆け出そうとして、
ふ、と視界が白く染まる]
[考えてみれば、朝からまともに食事も取らず。
それで今まで走り回っていたのだから無理もない]
く、
[戻った視界に遠ざかろうとする蒼が映るけれど、すぐには動けず。
その場に膝をついた**]
[アーベルの腕に手を取られ
勢いが殺されてくんと引き戻され、
一度体は浮いて、地面へと倒れる。]
…や…!
[ぱっと、白い綿毛が、散った。]
[エルザが倒れた勢いで腕は外れたが、それでもすぐに、逃がさないように寄って]
なんでエルザはそこまでして空に行きてんだ
[絵筆を出せ。と言うより先に出たのはそんな言葉]
[地面にぺたりと座ったままアーベルを見上げ、
きょとり、ぱちぱちと目を瞬いて]
だってあたしは鳥だもの。
だから、空へ帰るの。戻るの。
[言って、
――わらった。]
[駆け出すエルザ。それを追い、捕まえるアーベル。その場に膝をつくミハエル。
その間、彼はガンガンと痛む頭を抑え、ジッとエルザを見ていた。]
エ、ルザ……。どういうことだそれは。
鳥?んなわけあるか。エルザはエルザだ…鳥じゃない
[笑う。エルザを見ながらもきっぱりといって]
だから、もうやめろ。
絵師が心を封じて空に向かうのに、絵師じゃないエルザが描いて…いけるはずないだろ
[ユリアンの声が聞こえ、それは叫びではなかったから
頭をめぐらせて、そちらをむく。
そしてやはり、にこりと笑みを浮かべたまま]
どういうこと?
って、どういうこと?
[まるで異国語を聞いたかのように、
不思議そうにぽかんと口を開いて、聞き返した。
それから、否定をしたアーベルの方も、同じ表情で見返す。]
何を言っているの?あたしは、鳥なのに。
それに、絵筆が2本揃っていて、彼を描けば行けるって。
教えてもらったもの。
鳥は絵も描かないし、綿毛も集めない……と思う
[実際に見たこともない知識だけのものだから自信はないが]
…だったら…だったらなんでいってないんだよ
今居るのは空か?違うだろ。俺を次に描くか?…描いたっていけやしねぇ。これから何人何十人描いたってな!
[伝承の通りにすればいけるのか。いけるとしてもそれはいつかは知らないけど、少なくとも絵師が描くことに意味があるのだと思って]
だから…返せ。な?
[アーベルの少し大きくなった声に肩を竦め
ぎゅ、と鞄を胸に抱いて、ふるふると頭を横に振る。]
…いや。
だって、絵師さまが描くのとは違うのだもの。
だからきっと行けるもの。
空で、パパとママも待ってるもの。
[ぐ、と眉を中央に寄せて
アーベルを睨むように見る姿は、拗ねた子供。]
じゃま、しないで。
俺だってなぁ。大概のことなら邪魔したくねえんだよ
親父にも母さんにも怒られるし
[拗ねた子供のように見えるエルザに、苦笑のような嘆息。]
待ってねえよ。封じた心を一箇所に集めて、空にみなで行く
だから独りで言ったって、一人ぼっちだぞ。きっと
[オトフリートにも言われた言葉に、ゆる、と目尻が少し緩んだ。
手の甲でぐしと一度目を擦り、
それでも鞄を抱いた腕に力を入れる。]
いい、の!
もう決めたの!
[ゆっくりと腰を上げようと足に力を入れて
横目で周りを見る。――考えている事なんてバレバレだが。]
[強い眩暈。
ただでさえ遠のきそうな意識で、話の内容が理解できるはずもない。
暫く座ったまま、回復を待った。
地面に手をつき、よろけながらも立ち上がって]
っ!!
[ガンガンと頭の痛みは増す一方。
だが、それでもエルザの言葉は耳に入る。]
っざけんな!! ひとりで外へ出て!!
それからどうすんだよ!!
そんなの…………寂しいじゃねぇかよ!!
[心の限り叫ぶ。その目には涙。]
こんっの…!馬鹿娘が!!!
[決めたというエルザ。
もし、エルザが空にいけたとしても、絵筆が戻れば戻せるのだろうか。それさえもわからないが、それを考える冷静さも消えた]
今まで積み上げられてきた想いを無駄にするのか。エルザの父さんや母さんの想いだってあんだぞ。勝手な行動で死に掛けてるのもいる。だってのにいいわけあるか!!
[エルザに向けたことのないような怒声を発し。肩を掴もうと手を伸ばす]
[ユリアンとアーベルの怒声が重なり
アーベルに肩をつかまれて、目を限界迄見開いた。
小さく震えながら、2人をその眼で、じっと、見る。]
やだ、やだ。
それからとか、わかんない。
むだとか、わかんない。
だって、あたし、もどるんだも、の…っ
[ぐ、と下唇を噛み締めて、
赤く染まった鼻に上がるツーンとした痛みに、耐えた。]
さびしいとか、おもいとか…ひぐっ
[しゃくりあげた。]
…よく、ないです。
[小さく首を振る。
2人よりも、声は弱かった]
ご両親に言われませんでしたか。
他人のものを盗ってはいけないと。
それに、エルザさんの歌が聴けなくなったら、寂しいです。
きっと、みんな。
[ミハエルの声が届いて
そちらへ、下唇を噛んだまま顔を向けた。
声を出そうと口をあければ、
思っている言葉と違う言葉が出てきてしまいそうだったから、
耐えて、耐えて。
鞄を抱いた手の指先が、只でさえ青白いのに
更に力がこめられて真っ白になる。]
[掴んだままエルザを引き寄せる。離さないというように]
いくな…親しいやつが居なくなるのは、あんま好きじゃねえんだよ
エルザだってそうだろ
[エルザの両親のことまではさすがに口に出せなかったが]
わかんないなら教えてやるから。
…それとも俺らといるのは嫌か?一緒に空に行くのは嫌か?
[声が柔らかくなれば、体の震えは止まり]
…一緒にいるのは、嫌じゃないわ?
一緒に行くのも、嫌じゃないわ?
[引寄せ近くへと寄れば、桃色の花の香。
それはあまり、芳しいとは言えない香。
口を開けば、ほろりと、目から水滴が零れた。]
だったら一人でいくなよ
…ほら、ユリアンなんて寂しがって泣いてるぞ
[己の心情を隠すように、あえてユリアンを出し口内でくっくと笑って]
嫌じゃないならいいだろ…?一緒に行ったほうが、きっと楽しいぞ。
[アーベルの肩ごしにユリアンを見て
その目に溜まっている涙に、釣られるようにまたほろりと、
水滴を零した。]
ききゅう、待てなくてごめんなさい。
のせてくれるって、言ってたのに。
[小さく、言う。
暫く黙ってまた鼻を赤くしていたけれど、
大分たってから、頷いた。]
……うん。
じゃあ…かえす。
ちょ、おまっ。……くそ、卑怯だぞ。
[目に浮かんだ涙を拭いて、アーベルに文句を言う。
何時の間にか、頭痛は治まっていた。]
[アーベルから離れると、鞄を開けて手を入れる。
中から現れたのは、
エーリッヒのハンカチに包まれた、つがいの絵筆。
愛しそうに、酩酊したような目でうっとりと
暫くそれを見つめていたけれど、く、と一度唇を噛んで。
手を伸ばして、ミハエルへとそれを、差し出した。]
そうだぞ。ちゃんと謝らないとな。あいつだって少しは傷ついたりするからな
[ユリアンに対して滅茶苦茶失礼なこといいつつ、少し待って頷いたのを見て]
ああ。いい子だ
…っつーことで、ミハエル
[歩み寄るミハエルを見て任せるというように]
[アーベルに頷きを返し。
大事そうに取り出されたハンカチと、それに包まれた2本の絵筆。
少し見つめて]
…ありがとうございます。
[ここに来て初めて、仄かに笑みを見せた。
受け取ろうと両手を伸ばす]
[じいい、とミハエルを、赤くなった目で見つめる。
それから、ゆっくりと。
一本ずつ、剥がす様に、手をはなした。
不安げにミハエルを、
首をめぐらせてアーベルを、ユリアンを見る。]
[一本一本外れる指を黙って待つ。
やがて戻った絵筆を、一度両手で抱くようにして。
見つめる視線には、微笑を浮かべたまま。
片手をエルザの頭に乗せて、撫でるように]
…ん…
[不安げなエルザに微笑と軽い頷きを返して
絵筆がミハエルの手に渡ったのを見届けた後]
…ところで、それでどうやって戻すんだ?
速くしたほうがいいかも
[ギュンターとか、ベアトリーチェとか。
しかしやりかたについては当然でもあるが、絵師…ミハエルに丸投げだった]
[ユリアンの言葉に、こくり、頷き
ミハエルの手が頭に乗れば目を細めて
嬉しそうに、わらった。]
うん。
言うわ、いうわ?
[何時もの笑み、何時もの口ぶり。
ふわりと髪を揺らし、口を開くと。
小さく口の中で、歌を紡ぎ出した。]
♪ヴォレイ チェ ヴェロ
セシ ヴォルアン アラ
♪イル ビアンコ アリ コメウン ウッチェロ、
シペルガ ディ インドッサレ
スル レトゥロ
♪レ アリシ スヴィルッパ
ヴェルソ イルシェーロ、
♪ヴォグリオ アンダレア ヴォラーレ
♪ネッスン ドローレ、ヴォラレ
ヴェルソ イルシェーロ、
ペル アンダレ リベロ
ああ、そうしてくれっととんでもなく助かる。
[と、エルザに。
こんなことになる前に。だけども。と心中で後付けする。
何せここ最近……事件があって…ブリジットの手伝いしたり、ブリジットの手伝いしたり…あれ?]
いや、いいのいいの。そんなん気にするような仲でもないだろ
[ミハエルの謝罪の言葉に手をひらひらさせて軽く応じ。]
任せたぞ
[と、エルザの歌声を聞きながら、見送った]
[ミハエルの謝罪にスッと目を細めると]
……なぁ、ミハエル。ひとつ言っとく。
おめーもだ。ひとりで抱え込むんじゃねぇよ。
俺ら、幼馴染だろ。
[そう言ってにかっと笑うと]
さて、んじゃみんなを戻しにいっか。
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