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細工師 クロエ に 1人が投票した。
シスター ナターリエ に 6人が投票した。
シスター ナターリエ は村人達の手により処刑された。
次の日の朝、細工師 クロエ が無残な姿で発見された。
現在の生存者は、研究生 エーリッヒ、家事手伝い ローザ、修道士 ライヒアルト、少女 ベアトリーチェ、狩人 ユリアン の 5 名。
……あたし以外。絶対に朱花は出てこない。
他の人を期待してたなら。もっとしっかりした人を期待してたなら。
あたしで、ごめんね。
[今の少女に出来る精一杯の笑みを惚けた声を上げる青年>>4:185へと向ける。]
─ 1階廊下 ─
……… は ?
[広間に行く途中、目ん前が急に真っ暗になった。
そん姿誰か見とったら、廊下ん真ん中で立ち尽くしとるように見えたと思う]
[目ん前に広がっとったんは、今までと違った白昼夢やった]
─広間→─
[朱花と名乗る声>>0に、驚いた様子は見せず、ただ小さく息を吐く。
椅子に座っていた時間は僅かで、音も立てずに立ち上がる。
戸惑う青年の返答>>2を背に、男は静かに広間を後にした]
[新たに命が散らされたのを感知したのか。
ツルバラは少女の首筋に、巻き付くように伸びて、
そこで緋色から変化した朱き花を咲かせる。]
わからない。
多分、お祖父ちゃんなら知っていたと思うけど。
左の太ももの内側に白いツルバラの痣があって。
それをお祖父ちゃんは絶対に見せるなって言ってた。
……お祖父ちゃんが死んで、気がついたら。朱く染まってた。
[エーリッヒの掠れた声と問い>>2に、少女の声は揺らぐことなかった。
祖父が亡くなったのは経った数日前の事なのに。
だいぶん昔に思えてしまう。]
─ 1階廊下 ─
[いつもは息苦しゅうなる白昼夢やったのに、今回は息苦しくあらへん。
それもそんはずや。
うちは水中やなく、水面に立っとった。
空は白い。
やけど、見下ろした先の水中は、闇みとぅに真っ暗で。
そん中に、人影が一つ、漂っとった。
ナティやった。
周囲に紅いもん滲ませて、ナティが水中漂っとった。
それ見た瞬間、判ってもうた]
[ ”人狼や” て ]
─── ァ 、 ァ、 ァア !
[自分ん心とは裏腹に、歓喜が籠められた声が出てん。
見つけた、見つけた!て、頭ん中に声が響いとった。
思わず両手で頭を抱えてまう]
ッ ウ ァ 、 ナ ティ …!
[声は喜んでんのに、ものすごぉ泣きたなってくる。
もう頭ん中がぐちゃぐちゃやった]
[少女は両の手をしばし見てから、目の前にいる青年を見る。
ライヒアルトが静かに広間を辞す>>4のには気付かない。
ぞくり、とした快感に似た何かが背筋を駆けて行ったが。
それを堪えながら、少女は感じていた違和に。眼を逸らしていた事に眼を向ける。]
……エリお兄ちゃん人狼、だよね?
[少女はできるだけ笑みを作る。
銀のナイフは結局取りにいけてないから、少女は無防備のままだ。]
……ったく。
[ぽつり。
零れ落ちる、コエ。
それを聞くものがない、という認識は、未だないままに]
……ほん、と。
つき、ない、なぁ……。
― 1階廊下→ナタの部屋 ―
分かった。
[ロザと一緒に階段を上がる。
ナタの部屋がどこなのか、ロザに教えてもらって扉を開けた]
……クロ。
[ナタの胸に突き立っているのは、アベさんの形見のスティレット。それを突き立てたはずのクロは瞳に涙を滲ませて、悔しそうにも哀しそうにも見えた]
そう、だね。
すごくできが悪い。
[少女は、エーリッヒの言葉>>11に頷く。
ツルバラは、誰の目にも視認できる位置まで伸びていた。]
うん。
前にも、そういってくれた、ね。
[少女が手を汚す必要はない。
ローザがカルメンを殺した日に聞いたのと同じ言葉に、クスクスと笑った。]
……我が儘だけど両方、かな?
人としてのあたしは違うって言って欲しい。
朱花としてのあたしはそうだって言って欲しい。
[問いに返された問いに、正直に答える。]
―広間―
[先程まで男の座っていた椅子の上には、一冊の黒い手帳が置いてあった。
表紙には名が刻まれていて、誰のものかはすぐ知れるだろう。
その頁の途中には一枚の紙が挟まれ、閉じたままでも分かる程度にはみ出していた。
真面目な男らしい、几帳面な文字の並ぶ手帳の中とは違い、紙にあるのは殴り書いたような乱雑な文字だったが、それでも何が書いてあるのか判別する事は可能な筈だ。
そこにあるのは、過去に起こった一連の人狼騒動の真実。
人狼の発祥と、教会の関わりと、『場』の条件と、快楽と苦痛と。
そして一番下に、丁寧な文字の一文が加えられていた。
『何らかの要因により、通常とは異なる形で、“場”が崩れるケースもある――』]
― →階段―
[二階へと上がる階段の途中で、男は立ち止まった。
シスターを人狼と告げる娘の声>>8が、その耳に入った]
嗚呼。
彼女でも、越える事はできなかったか。
[小さく息を吐いて、手を組む。天井を仰ぐ]
……願わくば。
止まらぬ『突風』の進む先が、主の御意志に沿うものでありますように。
[教会ではなく、神の意志と、男は呟いた。
2つは似ているようで、大きな隔たりがある。少なくとも、男はそう思っていた]
間に合わなかった。また。
[クロの首筋から吹き出したのだろう血は、部屋を赤く染めていた。ナタの手は、人が持つはずのない鋭い爪が伸びて同じ赤に染まっていた。けれど]
……ナタ。
[倒れてもなおクロの方を向いている、その顔に浮かんでいたのは慈愛に満ちた微笑だった。
シスターらしく、優しすぎて、胸が苦しくなる]
[青年の答えは、どうだったか。
少女は表情を変えぬまま、青年の方へと足を踏み出す。]
…本当なら、役目を重んじるべきなんだろうけど。
でも、あたしにとって一番大事なこと、なにより優先させたいことがあるの。
[少女は青年の正体と共に、目を背けていた感情を認め、受け入れ。
あと一歩、踏み出せば手が届く場所で立ち止まった。]
― →ナターリエの部屋前―
[男は決して急ぐことなく、その部屋へと向かった。
先に立つ2人の背後から部屋の中の惨状を見て、眉を顰める]
……相討ち、という事か。
[死の直前の彼女の望み>>4:172通り、その死を悲しんではいたのだろう。
それは人間に対するものと変わらず、他人に対するものとも変わらない。
男はそっと十字を切って]
弔いをせねばな。
[そう言い出したのは、それからどの程度時間が経っての事か。
神に仕える者は、ここにはもう一人しかいない**]
……俺、は、『俺』。
エーリッヒであり、ラファール。
[人としての名と、銀の獣としての名。
その二つを同時に告げる]
けれど、どちらか一方を選べ、と言うなら……。
俺は、風で……ラファールで、あり続けるよ。
[そう、静かに告げて、手を離す。
あの時──家主に、記憶が戻ったか否かを問われて、剣を向けられた時。
そうある事を受け入れ、その在り方で生きると選んだのだから。
それを曲げる意志は──ない]
[告げた後、踵を返して向かうのは、窓の方。
容易くは開かぬように、確りとした建て付けと施錠のされたそれを、半ば力任せに開く。
吹き込む風に翠が細められるのは、一瞬。
窓枠に手をかけて床を蹴り、そのまま外へと飛び出し、森へと駆ける。
金色は、すぐに消え。
白へと消えるは、銀色の、影。**]
うん、我が儘だよ。
どっちもあたしだもん。
[えへんぷい、とやりながら、少女は伸ばされる手>>23を拒むことはない。]
ラファール…。
[明かされたもう一つの名>>25を口にして。]
ちがっ、あたしはそんな意味で言ったんじゃ…!
エーリッヒさ…、ラファール…!
[続いた言葉に否定を口にしたものの。
離れる手に。確りと建て付けと施錠された窓を開け、森へと狼の姿をとって駆けて行く人>>26の名を、叫んだ。]
[暫くの間、エーリッヒであり、ラファールでもある窓の外にある森を眺めていたが。
何かあった時のために、開け放たれた窓を細め。
完全に閉めないのは、青年が屋敷に戻ってこれるよう。
ふと広間を見渡すと、確かにいたはずのライヒアルトの姿が無くなっていて。
修道士の代わり、と言うように黒い手帳>>16が残されていた。]
…なに、これ。
[手帳からはみ出した紙に気づくと、それを引っ張りだして。
少女は真剣にそれを読みはじめた。**]
[手帳とは別の紙にかかれた事を読み終えた所で。
クロエとナターリエがどうなったのかが気になった。
手帳ごと置いていくのは気が引けて大事そうに抱えてぱたぱたと、二階にある客室へと向かっていき。
少女が二階に現れたのは、二人を弔っている最中だったか。]
……二人、とも?
[ローザとユリアン、ライヒアルトを交互に見ながら、疑問を口にしたが、その先の言葉は続かなかった。
けれど、少女の言いたいことは伝わったか。
答えが返れば二人の死と、今までの犠牲となった人を悼んだ。]
あ。
ライヒお兄ちゃん。
手帳、広間に置いていったでしょ?
手帳に挟まってた紙…勝手に読んじゃった。
ごめんなさい。
[ライヒアルトに謝罪しながら、黒い手帳を手渡そうとして。
修道士はどんな表情を浮かべただろうか。
手帳を受け取ってくれるかも分からない。
ユリアンとローザが手帳に挟まれた紙を読みたいと願えば、
修道士は読ませるような気がしている。]
ユリお兄ちゃん。
エリお兄ちゃん、外の方に行っちゃったから。
着替えて追いかけるね。
[ユリアンに断りをいれて。
着替えに上へと向かう。
途中からずっと寝間着なままだったから。]
[着替えに上へと向かう前に、ローザから首の蔓薔薇に問われたなら。]
あたし、『双花聖痕』の朱花なの。
[と、答えて自室に入って春色の服とコートに着替えた。**]
……それも含めて、俺、だからな。
[呟きは、しずかな虚空に、ぽつりと落ちる]
なら、それを否定すれば。
……俺は、俺でなくなる。
それは……選べない。
……ん。
[不意に、銀の獣の歩みが止まる。
紅の瞳がく、と天を仰ぎ。
それから、首が傾いだ]
……あ……そっ、か。
[応えがない、だけでなく。
気配そのものが、感じられない。
それが何を意味するのかは、すぐに気づいた]
……覚悟、決めてたみたいだったし、な。
[最後に交わしたやり取りを思い出す。
低く、笑うようなうなり声が、落ちた]
でも、ほんとに。
……ついてない、よなぁ。
[届いていない、と認識した上で、それでも。
コエは、ぽつりと零れ落ちる]
俺は、ただ。
……父さんの追っていたものを。
この森の緑の生き様を、自分でも追いたくて。
そのために、戻ってきた……そんだけだったのに。
なぁんで、こんなことになっちまったかなぁ。
[答えのない、見つからない、疑問はとめどなく]
……爺様も、爺様だよな。
知ってたんなら。
……自分の孫が聖花の持ち主って、わかってたんなら。
なぁんで、俺を受け入れたんだか……。
今更言ったって、仕方ないんだろうけど、さ……。
[問いたい相手はもういない。
自ら殺め、その命を喰らった。
だから、この疑問は永遠に答えの得られぬもの。
それと知るから、落とすのは、聞くもののない虚空へと]
……あのとき、喰らわなければ、なんて。
そんな事は考えても仕方ねぇし。
何より……殺される気なんて、なかったし、今もないし……な。
[ふるり。
首を、軽く横に振った。
考えても詮無いこと、と切り捨てたはずの思いが、とめどなく巡るけれど。
それを言葉としては織り成すことはしない。
この在り方を選んだ時点で、全て繰言と。
そう、知っているから]
……さて、と。
問題は、ここから、か。
一体、どーやって、生き延びるか。
[銀の獣たる、己として、生き残る術。
求めるのは、ただ、それのみ。
御伽噺の黒い影の如く、神の名の下に誅されるつもりは毛頭なく。
風は風として突き抜ける術をただ、模索する。**]
ぇ ?
エイリが 外行ったて なんで
[リアに向けられた言葉の意味は正しく汲み取れんかった。
うちはもう人狼おらん思うてん。
やって、ナティが人狼やったんやから。
複数おるなんて知らんねや]
―ナターリエの部屋前―
そうか。
[娘の言ったシスターの言葉>>29を受けて、男は床に伏した彼女の顔を見る。
すでにもう一人によって瞼は伏せられていたか>>31。
そっとその傍に寄り、屈んで]
越えられなかったのは残念だが…… よく、今まで耐えた。
主も、きっと見ていてくださったはずだ。
[黙祷を捧げる二人の耳に、囁くような声は届いたかどうか。
微かに笑うような表情までは見えなかっただろうけれど]
2人とも此処で良いかな。
それともクロエ君は、別の部屋に移動させるか。
[立ち上がり、二人から弔いへの了承を得たなら、そう問いを重ねる。
喜ぶ>>30という言葉に何か言うこともなく。それぞれの遺体にシーツを被せた後、祈りは双方に平等に捧げられた]
…… そう言えば、アーベル君の姿が見えないな。
[蒼花が散った事を男は未だ知らなかった。
答えを得られても驚く事はしなかったが]
嗚呼、そうだ。
[少女が二階へ上がって来たのは、そんな時だっただろうか。
疑問>>33には短い肯定で応え。
名前を呼ばれ、差し出された手帳を見る]
ふむ。
……読んだのは、ベアトリーチェ君だけかね。
[謝る少女>>34を咎める事はしない。まるで最初からその心算だったと、そう言うかのように。
手帳を受け取り、けれどすぐに仕舞う事はしなかった]
[少女が狩人に向けた言葉>>34に、そちらを見遣るがやはり何も言わない]
『双花聖痕』。
朱と蒼の痣を身体に宿す『聖なる導き手』。或いは、『人狼の餌』と言われる役目を持たされた者だ。
[何かを諳じるかのように、男は娘の疑問>>41に答えた。
少女がその場に残っていても、もう“餌”と言う言葉を隠す事はなく]
神の名を騙る者――教会によってな。
[続く言葉の端に、嫌悪を滲ませて]
[一度言葉を切り、向き直る。
手帳に挟まれていた紙を引き抜いて]
……真実を知りたければ、読むと良い。
[二人に向けて差し出し、告げた]
―少し前―
あ、うん。
お兄ちゃん、それ読む前に出ていっちゃった、から。
[ライヒアルトからの問い>>44に正直に答える。]
あ、と。
…ちょっとした行き違い、かな?
[ローザの問い>>40には、何とも言い難い答えを返して。
それは少女と青年の仲の良さを知る者たちに違和感を覚える答えとなったか。*]
[少女の答え>>47にも特に表情を変えることはなく、短くそうかと返すのみ。
差し出した紙は受け取られたか如何か。
受け取られなくとも無理に強いる事はなく、いずれにせよ手帳は懐に仕舞われて]
“彼”は、己の思うまま――生きるのを望むと、そう言っていた。
……君たちは如何だ。何を望み、何を選ぶのかね。
[誰のことを示すか明確にはしないまま、問うような言葉と、常の通り真っ直ぐな視線を双方に向けて。
暫し後、答えの有無に関わらず、男は背を向けてゆっくりと歩き出した**]
[タイミングがいいのかは分からないが。
ライヒアルトが口にした『贄』>>45という単語を少女が聞くことはなかった。]
よ、し。
[ピンクと指し色で纏めた動きやすい服装になると、ぱたぱたと足音を立てながらエントランスホールへと降りていき。
一度広間の方を見て、何かを考えていたが。
小さく頭を振って、無防備なまま外の森へと。]
[外の森へ向かう前の少女の頭に浮かんだのは。
兄以上に慕っている人を殺すことも、その人に殺されるのも嫌で。
それならばいっそ自分で、という悲しすぎるものだった。]
─ ナティの部屋 ─
別ん部屋 ゆぅても うち 、 クロエさんの部屋 知らんしなぁ …
[ライさんの問い>>43に答えれる情報は持ってへんかった。
ひとまずそこで弔ってもろて、場所分かったら移動させたらどうか、て提案しといた。
続いた問いかけには、ちょい眉尻下がってまう]
… アベルさん は
……… 人狼に 襲われた て うちは 聞いた
[状況は多分リアの方が知っとるやろから、詳細はそっちから伝わったやろか。
うちは聞いただけやったさかい、そないに答えておいてん。
ベスから曖昧な答え>>47返って来たんは首傾げおぅたけど、そっちよりももっと驚くことがあって、意識はそっちに向いてもうた]
……………────── !!
[書かれとった内容に目ぇ瞠る。
俄かには信じられん内容やった。
綴られぇ内容の中で目ぇ引いたんは、「快楽と苦痛」の項。
うちに起きとった異変によぅ似とった]
も 、 もしかして うち も ─── ?
[うちだけやない、クロエさんやナティも。
うちが知らんだけで、他にももっとおるかもしれん。
文章読んどる間、知らず身体が震えとった]
[リアは紙見たやろか。
一緒に見たか、見ぃひんかったかになるやろから、紙はうちん手元にあるままにして]
…… リア 、ベス 追いかけたって
うち 、 ちょい 橋ん方見てくる
様子見たら 、すぐ 戻るさかい
[ベスん様子もおかしい見えたよって、リアにそう頼む。
大丈夫か聞かれたら、うちは大丈夫や、て笑ろておく。
どないするかの判断はリアに任せて、うちは橋見に行く準備しに行った。
そん時にはもう、ライさんは目ん前からおらんくなっとったと思う。
どこ行ったかは分からへんかった]
─ →急流傍 ─
[ショール代わりにブランケット畳んで羽織って、うちは急流傍まで足運んでん。
相変わらず雪嵐で荒れたまんまの道。
気ぃつけぇ歩いて、対岸が見えぇ位置まで来た。
川向こうに資材がいくつか見えてんけど、復旧は芳しゅうないようやった。
今は対岸にも誰もおらん。
それ見たら、なんや腹立って来てん。
さっきん理不尽なもん見たんもあって、吐き出すように腹に力入れた]
[声嗄れるんやないかっちゅーくらいの大声やった。
お兄ちゃんやったら必ず復旧に参加しとるはずや。
なんやあった時、お兄ちゃんはいつも助けてくれた。
今回やって、きっと]
……… は … ぁ ………
ぅ え、 しん ど
[あんまり気張りすぎて吐きそなったわ。
しばらく呼吸整えとったんやけど、動けぇようになったらうちは屋敷ん方に足向けた。
さっきん声が届いたかは分からへん。
やけど届いとればええと思う。
殴り書いたような文字ん下にあった丁寧な文字>>16。
うちはあれ思い出してん。
声が届いて橋直るんが早ぅなるんやったら。
”場”っちゅーもんを作る要因が無ぅなったら。
もしかするかもしれへんやないか**]
― ナタの部屋 ―
[ライさん>>42の囁くような言葉が耳に届いて眉を寄せた。全てを知ってて見逃したかのようにも聞こえる言葉が少しだけ不快だった]
……うん。アベさんは狼と戦って、死んだ。
おれは鈍すぎて、力にもなれなかった。
ライさん、アベさんのも頼める?
[ロザ>>50の説明に頷いて、続けた。
アベさんの命を奪ったのも、ナタだったかもしれない。
銀の毛に繋がる傷は上着で隠されていたから、そこの真実は知らないままだった。
それでも死は冷たく平等で。ハンスさんのことを殺してしまった時も自分を気遣ってくれたあの二人ならきっと許してくれるだろうと思って、彼の弔いも共にと頼んだ]
間に合わなかった。
[ビチェ>>33の声に振り返って、頷いた。
誰かに対して説明すると、クロを失ったことがより深く感じられて、胸の奥がズキズキとした]
エリが外に?
……待った。一人は駄目。
せめてビチェは。
[護らなければ。着替えにいくビチェを追いかけようとした足はロザ>>51と同じ言葉に引きとめられて、大きく目を見開いた]
教会が、騙る?
[真実を求めて、ロザが受け取った紙を覗き込んだ]
……おれは。
[快楽を感じたことは殆どない。いや、あの一瞬、ハンスさんを手に掛けた時だけは、いつものようでいつもとは違う動きをしていたことを思い出す。
震える手でロザ>>52の手を握って衝撃をやり過ごした]
─ 森:急流上流付近 ─
[真白の上に続くのは、四足の足跡。
銀の獣は周囲を伺いつつ、速い流れの傍を歩く]
……飛び越してどーにか、ってのは、さすがに無理か。
[対岸との距離を目測し、川面を覗き込んで小さく呟く]
ま、それができるくらいなら……ってとこかね。
[ゆらり、と銀色の尾を揺らした後、また進む。
その歩みが、ひた、と止まった。
く、と顔を上へと向ける。
紅の瞳が捉えるのは、ひらり、零れる白の一片]
……奥に入り込むのも、限度あるしなぁ……と、なると。
[術として考えられるものは限られる。
銀の獣は再度尾をゆら、と振り、その場でしばし、空を眺めた]
……いっそ、全部喰らっちまえば、ラクなんだろうけどなぁ。
[ぽつり。
零れる、コエ。
けれど、それを拒絶する意思もまた、確りと存在しているから。
実行に移すことは──ない、のだけれど]
―森―
エーリッヒお兄ちゃん、どこー!?
[少女は森に辿り着くと。
先にこちらへと来た銀狼の人としての名を大声で口しながら。
森の中を彷徨い歩き始める。
ユリアンが後をついて来ていても、少女は気付かない。
どれくらい歩きながらそうしていたかは分からない。
森に慣れていない少女は、現在地さえも見失っていた。]
んもぉぉぉう!
……ラファールいるんでしょ!?
出てきてよ!!
[寒さと疲れからか、やけくそ状態で求める人の狼としての名を呼んだ。]
……ったく。
ま……後は、なるようになれ、か。
[零れるのは、哂うような、コエ]
俺は、俺の思うままにやる、だけ、だ。
―森 ―
[少女の大声は、どうやら届いたらしい。>>62
聞こえてきた遠吠えに、ぱ、と笑顔になったものの。
暫くその場で待ってみて、こちらへと来ないことが分かると、少女の目が据わって]
……そう。
そっちがそのつもりなら。
こっちだって、諦めたり、なんか、しない、もん、ね!
[ガスガスと森の中を前へ前へと進んでいく。
どれくらい歩いたかは分からないけれど。
奇跡的に真新しい足跡に気付くと。
空から舞い降りる新たな白にかき消されてしまう前に。
それを追って急流上流付近へと。
―まだ、そこに彼がいるかは分からないが。]
い、たぁ!
[急流を背に座る銀狼の姿>>65が見えると、ほ、とした表情になって。
左の前足にある、色を違えた痕を目にしても、
少女はひるむ事はしない。]
あるよ。
……あたしが言いたかった事。
全部言えてないから。
[最後にあった時と変わらず、少女は無防備なまま銀狼に近づく。]
あと、ライヒお兄ちゃんが教えてくれた事も。
ラファール、知らないでしょ。
[叶うのなら、銀狼のすぐ目の前。
その気になれば少女の喉に噛み付くことの出来る、
近さの雪の上に膝をついて、相手と視線を合わせようと。]
うん。
あたしね。
どっちかを選べ、なんて言うつもりなんてなかったの。
[こてり、と緩く首を傾げた銀狼と同じように。
少女も首を傾げる。]
だって、どっちもあなたでしょ?
[後退する態>>69に、ほんの少し碧が翳るも。
問いには、青年が広間から出て言った後、
ライヒアルトが黒い手帳を置いて行った事。
その手帳からはみ出した紙に書かれた事>>16。
一番下にかかれてあった事も含めて全て、説明をした。]
─ 外 ─
最後までやらんで 終わらす 方法
なんや あるやろか
[うちは持ったままやった紙ぃ見詰めながら、丁寧な文字が示す方法があらへんか考える。
歩きながらやったさかい、途中蹴躓きながらやったけど、転ぶんはどうにか耐えた]
始まりんきっかけ は これで ……
本来終わらせぇは ここ が
…………
[『人』っちゅー項目見詰めて、うちは足止めてもうた。
”人”はもうだいぶ減ってしもうてる。
人狼かてもう見つけとる。
それでも終わっとらんらしい雰囲気が辺りを支配しとった]
…… 『人』ん部分は もう減らしとぉないよ
[呟いて、紙握る手ぇに力を籠める。
また小さく震えてもうたけど、さっきみとぉに握ってくれる手ぇ>>59は今は傍にあらへんかった]
一番 崩しやすいん は 『場所』ん部分 やけど
[復旧は急いでも1日や2日で出来るもんではあらへんやろし。
今んペースやったら、また遠くないうちに誰か襲われぇかもしれん]
…… あかん
上手ぁこと 思いつかん ……
[頭から煙噴きそうんなって、天仰いでもうた。
空からちらちら白いもんが落ちてくるんが見える。
また寒ぅなるんやろな、なんて思考が擡げて、肩んかけてたブランケットをきっちり前で合わせて境目掴んだ]
通常とは異なる形で、“場”が崩れるのか、よくわかんないけど。
あたし、ラファールに誰かが殺されるのも。
誰かにラファールが殺されるのも嫌!
[はき、と拒絶の意を示したあと。]
……だって。あたし。
家族として、兄としてでなく。
…あなたの事が、好きなの。
人狼だって、知っても。
[じ、と銀狼の紅の眼を、少女は逸らすことなく見つめる。]
― 森 ―
[遠吠えに耳を澄ませて、そちらに向かっている足跡を探して追いかけた。
着いたのは銀の獣の前にビチェが膝をついてからだった]
――……パキ。
[小枝を踏んで小さな音が鳴った。
鏃を銀のものに付け替えた矢と赤い弦を張った弓を手にしながら、ビチェとエリの会話を聞く]
愛されていようが、想われていようが。
獣が、人を喰らうものとして求めるには変わらない。
だから、俺は、その言葉を受け取らない。
[受け取ることが、受け入れるのが、痛みになるから、とは言わず]
……獣は、人を、想わない。
[紡ぐのは、短い拒絶、ひとつ]
……ったく。
祖父も祖父なら、孫も孫、だな。
[零れるのは、呆れたような、わらうような、声]
ま、そんなんだからこそ。
俺が転がり込むのを、受け入れたのかも知れん、けど。
─ 外 ─
…… せや
ベスん方 どないなったやろ
[天に向けとった顔を森ん方に向ける。
今から追いかけたかて、迷ってしまうんがオチやろか。
うちは森に入るんに慣れてへんかったさかい、そう考えて足踏み入れんのは躊躇しとった]
エイリ ………
[なんでエイリが外出てったんか。
なんでベスがあんな答え方しとったんか。
ちょい考えれば、思いつくことではあった。
こん紙の通りなら、うちは死者を、クロエさんは生者を。
そんクロエさんがライさんは人やゆぅとったんやから、ライさんは人狼やなくて。
ベスは、双花の朱。
そんでリアは……]
[少女は身の内の朱花が苦痛を強いても、屈する事を良しとはしない。
屈してしまったら、朱花が少女の体を支配して、目の前にいる思い人を殺そうとする予感を感じ取ったから。]
…あたしは、まだご両親と同じように喰べられてないよ。
[昔話>>76にはきょとんとして。
短い拒絶>>77には]
獣が、人を想わなくても。
あたしが。
――人が、獣を想うわ。
春を告げる花が咲いたら、一緒に見るって約束を。
獣がしてくれた事を、覚えてるから。
[少女は春の野辺を思わせる微笑みを浮かべ、銀狼を抱き締めようと。
彼の人の反応はどうだったか。
抱き締めることが叶ったなら、その背を撫でて。
拒絶されても、懲りずに繰り返す心算。]
[間の悪い時に踏み込んでしまったので、せめても沈黙を守っていたが。
ビチェが銀の獣に手を伸ばしたのを見て、矢はつがえずに弦を引いた]
ビチェは殺させない。
人は、エリは、ビチェを想っていたから。
[それがビチェと同じ想いかは知らないけれど]
……『まだ』、喰ってない、だけ、だ。
喰わない、とは、言ってない。
[零れ落ちるのは、低い、声。
再度、距離を詰められるならば、牙を立てるをとめる事は難しい、という予測がある。
己の『望み』のまま、最後まで駆けるためには。
それは、避けたい所ではある──のだけれど]
――……ピィィン!
[音を立てて弓が鳴る。
淡い光がビチェの周りを環となって取り巻いた。護る対象が拒絶して振り払ったら、どうなるのか分からないが]
続けては、無理。
[今度こそ、矢を番えて備える]
うん、そうかもね。
[お人よし、との評>>82に、少女は小さく笑って。]
…あたしを機会なんて、今まで沢山あったのに。
なんで『まだ』喰べてないの?
[零れ落ちる低い声>>83にも構わず、
銀狼の『望み』も知らず少女は一歩踏み出した。
弓鳴りの音>>84が聞こえると、眼を瞬かせたものの。
取り巻く淡い光を、振り払うことはしなかった。]
[少女のお人好し、と評された部分は母親から受け継ぎ。
良くも悪くも意思を曲げない頑固な所は、祖父であるギュンターと良く似ているか。
銀狼へと一歩踏み出したあと。
淡い光を纏ったまま、もう一度距離を詰めた。
飛び掛かられたとしても、そのまま受け入れる。
淡い光が、何をもたらすかは分からないが。]
[喰らわなかったわけ。
それは、二つの存在──『朱花』と『護り手』の認識から、意識を逸らし続けていた事と直結する。
前者は、自らがその生を断ち切った、もう一つの命と重ねて。
後者は、幼い日に渡された餞別>>1:288の礼を、ずっと言いそびれて、何かを返したい、という思いが根ざしていたから。
──青年にとっての亡くせぬ理由が、獣にとっての喰らえぬ理由であったから]
……だって、お前。
『今まで』は、邪魔しなかっただろ。
[けれど、それは告げる事無く、淡々とこう返し。
あくまで近づこうとする様子>>85に、今までは抑えていた爪を振るう。
急所を狙ってのものではなく、振り払う目的のそれは、淡い光>>84に阻まれるか。
いずれにせよ、爪が届かぬ、と覚った獣は、本能的に跳びずさり、紅を周囲にめぐらせた]
『今まで』は、大人になりたくない、守られた子供のままでいたいって、ずっと甘えてただけ。
あたしは、もうこれ以上。誰かの血が流れるところを見たくない。
ラファールもロズお姉ちゃんも、ユリお兄ちゃんも、ライヒお兄ちゃんも。
死んで欲しくないんだ。
…『望み』があるから。
もう甘えた子供のままじゃ、いられないんだ。
[真っ直ぐ碧を紅へと向ける。
振るわれるもの>>87に、思わず眼を瞑ってしまったが。
衝撃がこない事に眼を見開いた後、瞬かせた。]
……… ん ?
… もしかせんでも リアん足跡 やろか
[他ん人ゆぅても選択肢は少のぅし、ほぼ間違いないやろ。
うちはそう思い込んで、足跡追って森ん中分け入った]
[急流沿って上った方が早いっちゅー突っ込みは無しやで。
うちそこん居ること知らんのやから]
……は。
っとに、もう。
この、意地張りめ。
[零れ落ちるのは、呆れを帯びたコエ]
でも、な。
……受け入れらんないんだよ、俺には。
[向けられるものが無垢とわかるからこそ。
相容れぬ、と定めた本質はそれを拒絶しようと]
[淡々と告げながら、身を低くして四肢に力を込める。
それが跳躍の前動作であるのは、狩人の目には見て取れるはず]
……『獣』が存在する限り。
容易くは叶わない。
[紡ぐ言葉はどこまでも。
相容れるを、受け入れぬもの]
俺の本質が、獣である以上。
……人を殺めずには、生きられない。
共に在る事を望んだ結果が、これだっていうなら。
……望めるわけ、ないだろ?
[言葉に出さない想いが零れる。
聞かせるつもりのない、本心。
届く先がないと思うが故の、独り言]
…いま、の。
[護らないと>>4:94、と言っていた人の顔が浮かぶ。]
近くに、いるの?
[こて、と首を傾げて。
思わず銀狼>>87と共に、周りに視線をやったものの。
聞こえた事>>93に、碧が悲しみに染まったが。]
……れでも。それでも、あたしは!!
叶わない、なんて言葉で、簡単に諦めたくない!!
[拒絶の言葉>>94に拒絶を重ね。
銀狼へと両腕を延ばした。]
……そー、だな。
俺も、諦めたくはない、よ。
生きることも、殺さないことも。
けど。
[静かに静かに、言葉を紡ぐ。
その口調は、常の青年のそれとなんら変わらない]
ここに『在る』限り、それが避けられないなら。
……選択肢は、多くない、だろ?
[言いながら、じり、と後ずさる。
ここにいる誰もが、他者の死を望まぬというならば。
直接的な『死』、以外に、『獣』を消す方法は──]
―アーベルの部屋―
[男は一人、蒼花持つ青年の眠る部屋にいた。
今までしてきたように彼に対しての祈りを捧げた後、その部屋の窓の傍に寄り、がらりと窓を開け放つ。
途端に入り込んで来る寒気にも、表情一つ変えはしない]
……如何なるか、な。
[外から獣の遠吠えが聞こえたのはただ一度きり。
それきり他の者たちが何処でどうしているのか、此処からでは知り得ないが、男はその部屋から動こうとしなかった]
[男がかの真実を知り得てから此処へ来るまでの間、幾つもの文献を調べつくした。
けれど紙に記した最後の一文については、それ以上の具体的な情報を見つける事はできなかった。
――例え見つけていたとしても、そう簡単に教えはしなかっただろうが。
望みを持ち、その望みの為に努力を尽くした者だけに、神は救いを与えてくれる。
男は頑なにそう信じていたからだ]
─ 外 ─
[銀の獣。
見たことあらへんそれから発される声は、聞き覚えんあるもの]
ッ 、 エイリ ッ !!
[ふ、と後退る様子に思わず声を上げとった]
[そん後ろにあるんは、うちんとっての”絶望”のはずで]
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