情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 エピローグ 終了 / 最新
[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [11] [12] [13] [14] [15] [16] [17] [18] [19] [20] [21] [22] [23] [24] [25] [26] [27] [28] [29] [30] [31] [32] [33] [34] [35] [36] [37] [38] [39] [40] [41] [42] [43] [44] [メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
俺の心は一度は死んだ。
なれど、この里は心を見せるという。
[すう、と片腕を上げ、指差すは、真白の深き霧の向こう]
ならば、その心の果てに、何があるかを見定めましょうよ。
はてさて、
ならば好かったかな。
如何様な道をゆこうとも、
ここにて過ごせし時が水面のひとしずくともなれば、
此方にては幸いと思おう。
[―消え行く紫苑の背中を見ながら、昨日見せた仕草―口元に指をやるあれ―を再びしてみせる。そして言いしは―]
烏―
天狗の里で見た事は誰にも言っちゃいけないよ―
[―それはかつて己が『あの人』―真の雅詠から聞かされた文句―そして烏との最初の別れの時に告げたのも―]
〔紫黒の眼が白霧の向こうに見るは何ぞ、
遠き過去の記憶か遥か未来の希望か、
何方かは定かならず或いは何方もか。
伸ばす女の手はいずこまで届かむか、
深紫の髪の舞ひて藍墨茶の袖の翻り、
風に揺られし闇の花は白の海に消ゆ。〕
[耳の奥によみがへりしは鈴の音ではなく、
記憶の水底より響く笛の音にわらべうた。
けれども其を紡ぎし男はもはやいぬ、
いとしかれどかなしかれども、
己が手にて終はらせしがゆえに――
女の逃げて来しは自らがさだめより、
人の命の奪ふを厭ひて導かむを望みて、
終には望まれるを望むやうになりしかな。
さてはて、ここにてあはれなる女の話をば終はらむ。
*昔を語れど意味はなく、未来を語るは出来ぬゆえ*]
[館を出、向かうは緑の鎮守の森。
慕うよに擦り寄る仔うさぎと。
最初に出会いし深き帳]
……お前は、お前のいる場所にいないとね?
風漣も、風漣の居場所にかえるから。
[森の祠のその前で、そう、と小さき獣を撫でる。
見上げる円らな瞳は寂しげか。
しかし、紅緋は揺らがずに。
抱えてきた二つの物の内一つをそう、と草の上に置いて。
もう一つの物を手に、祠に向き合う。
その手に咲くは、朱と金の華]
ひいや ふうや
みいや ようや
いつやの むさし
ななやの やくし
ここのや とおや
[てん、てん、と。
鞠つく音が、静かに響く。
くるり、くるりと回る華の紋。
仔うさぎ、じい、とそれを見つめしか]
[最後のひとつき、その後に。
空へと舞った、華を受け止め。
紅緋は静かに祠を見やる]
……行けたらよいなと思ったよ。
だけど。
約束したの。
[小さな言の葉、誰へと向くか。
紅緋はやがてゆる、と閉じ。
開きし時には、静かな色彩]
……じゃあね?
[最後にそう、と仔うさぎ撫でて。
手には、鞠と紙風船。
鮮やかなる色彩大事に抱え。
緑を抜けて、再び白へ]
[白の中に、静かに佇み一つ息を吐く。
まつりの中から逃げるよに──否、逃げるため。
飛び込んできた、白の野を。
紅緋の瞳で、静かに見て]
また、来ることになるかな……それとも……?
[呟く言葉はそこで途絶え。
ゆる、と首振り空を見る]
……かえらなきゃ。
舞弥のにいさまに、叱られる。
[冗談めいた言の葉残し、*濃色は白の向こうへと*]
[リーン、リーン、と鈴が鳴る。]
[りぃん、りぃん、と鈴が鳴る。]
[白銀は誘うよに、
小さき金は願うよに、
相響けば道開き――]
[薄い霧に包まれて、白は彼の地へと導かれん。]
[*白消えて残りしは、飴色たる笛のみや*]
[行って良いのか、行かずが良いのか]
[わからぬままに選んだ答え]
[りぃん]
[鈴の音に惹かれて]
[行かぬという]
[小兄とも、大兄とも]
[会えはしないものだろう]
[いまだ少しの悩みはあれど]
[戻らぬ方が、よろこばれよう]
[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [11] [12] [13] [14] [15] [16] [17] [18] [19] [20] [21] [22] [23] [24] [25] [26] [27] [28] [29] [30] [31] [32] [33] [34] [35] [36] [37] [38] [39] [40] [41] [42] [43] [44] [メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 エピローグ 終了 / 最新