[事実を告げても、頭の上の手は止まらず、声の調子も変わらない。ほんの少しだけ、息を吐き出した]うん。なにも。[大人しく撫でられ続けたのは、きっと彼があの日既にいなかったから。あの時、広間にいた人間が来たらどうするか――ベアトリーチェにもまだ分からない]生きようって、思ったのに。