[クロエが振るい、迫る刃をよける素振りを見せずに受ける。
相手に返すのは鋭い爪は、言葉と矛盾したかのような行動に相手にはとれたかもしれない。
どちらも、選ぶ結果として自分が出した答えの為だった。
討たれることも、討つことも、血肉を口にせずに為すことが、最期に人としての……]
クロエさん……
[受ける傷は自分の致命傷となるもの、それでも微かに動けたのは月のいとし子の為か、自らの最期の意志の為か。
振るった爪もまた、クロエの致命傷になっており、互いの血に部屋と視界が染まっていく。
伸ばす腕は、クロエの体を慈しむように抱きしめようと、意識が薄れ行く中で……**]