― 外 ―奇妙な縁だな。[アーベルの肉親の話をしっかり聞くのは初めてだった。このような状況でなければもっと聞きたいと思えただろう]似て、良かったんじゃ、ない、か。人狼は、厭われるもの。 ……殺すべき、もの、だ。[己を人間であると思うことはずっとむかしに止めた。だからアーベルの行動を肯定する]――――…は、ぁ。[刃に傷ついた中が悲鳴をあげる。傷ついた箇所から溢れる血が衣服を濡らしてゆく。熱に浮かされるように朦朧となる意識。それを繋ぐのは目の前の相手]