そうだなあ…
[ゼルギウスの内心には気付いたかどうか、けれど任務の完遂という話になると、笑みは苦笑に変わる]
[因子を全て消してしまえば、自身の故郷を滅ぼしたような事件は無くなる、だからそれを成すのが自分の役目だと、もっと幼い頃には信じていたような気もするけれど、いつしか、男にとって、そんな使命感は遠い物になってしまっていたから]
[命じられたから殺した、殺して欲しいと請われたから殺した、死にたくないと叫んだ者も、殺さねば終わらないから殺した。そこに正当性など欠片も無い]
まあ、俺も、この調子じゃ、近いうちにゃ「獣」と同じものになりそうだったしな、いらん因子を増やさなかったって事で、イーヴンじゃね?
[結局、男の本音はこんなもので]
それに…まだ、イレギュラーが居るしな。
[思うのは、自分を殺した青年のこと。彼の本当の望みは何だったのか?]