[ゆらりと、影は揺れる。惑うように]…「あの子」は、生まれた時に名前を貰えなかった…だから、僕にも…[ゆらゆらと揺れながら、影は姿を薄れさせる。一瞬だけ、やせっぽちで、薄汚れた、傷だらけの小さな子供の姿が浮かんで]名前は……無い………[闇に溶けるように、その姿は消えた**]