[驚いた拍子、短く悲鳴を上げてしまったかも知れない。人形の倒れる音。振り返った目に入ったのは、先程まで笑い掛けていた相手が、]――ッぁ……[喉を衝かれた反動でのけ反る。亜麻の髪が波打つ。手を離れた裁ち鋏が、ミハエルの左腕を傷つけたのには気付けなかった]