人狼物語 ─幻夢─

47 【いばらの王 blue-side】


【墓】 教員 オトフリート

―― 回想 絆が生まれた訳 ――

[目を閉じる。ゆっくりとした、音楽が聞こえた]

[低音が、ずっと静かに流れて。
 どこか不安な音色を湛えたそれは、徐々に音が大きくなる。
 けれど、曲調は激しくなることなどなく]

(ああ、これは)

[凍りついた眠りの中でずっと頭の中に響いていた、音]

[そのときは、それが何なのか知ることはなかった]

[伝染病メドューサが、脳に到達して外側からゆっくりゆっくり染みこんでいく、音。
 冷たい冷たい眠りの中で、本能をつかさどる中枢は、脳みその一番真ん中で、ただ眠ったように動いていた]

[一見それは止まっているようで。でも確かに生きていた]

[ソレは、知る。本来なら病を止める、冷たい眠り。けれど、病がその中枢の近くを蝕んだがゆえに、目に見えないほどゆっくりと、でも確かに動いていることを]

(+47) 2009/10/09(Fri) 02:22:58

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