[言いたい事を堪えたり、何を言えば良いか解らない時。
無言で頭を強く撫でるのは、昔からの癖。
幼い頃カルメンと良く一緒にいたのはヘルムートや彼女の母親だったけれど。
お転婆を窘められたり叱られたりして、落ち込んでいる彼女の傍に居たのは自分の方が多かった様に思う。
今以上に慰め下手だった子供が、元気を出せと言う代わりに考えた結果の行為が、いつしか癖に変わるまでになって]
ん。
じゃ、また後でな。
[離れる間際、もう一度彼女の頭にぽん、と手を置き]
…お前より先に、楽になっちまって。
悪かったな。
[意味が伝わらずとも、謝罪の言葉を吐いてから傍を離れた]