[>>+53ばつが悪そうに笑うジョエルに、だろう?と笑いかけ。
不思議そうにこちらの言葉を繰り返した彼にこくと頷いた。]
そうだ。
…これを見ろ。
[言うなり、親子の傍に歩み寄って食事中の少年の頭に手を伸ばす。
が、その手は子供の柔らかな髪に触れることなく透り抜けた。]
こんな風に、誰かに触れようとしても私の手は透り抜けてしまう。
無論、触れないのは人だけではない。
何も触れなくなってしまった。
でも、お前は触ることが出来る。
お前が私に触れてくれたことが、本当に安心できたんだ。
[そう言って微笑むと、ジョエルの頬に手を伸ばし。
温もりは感じられないが掌にしっかりと伝わる感触に、安堵の息を零して手を下ろした。]