イレーネさんと、お兄さんは仲が良かったんだね。
羨ましいな。
[向けられる笑顔に、目を細める。
言葉裏に、自分はそうでなかったと
――アイスブルーを思い浮かべて。]
……そうだね。だから、僕らが忘れてはいけないのは、
きっと、恨んでも先はないってこと、かな。
[もうお互い死んでしまった魂だから。
カルメンが仮にそうであったとしても、恨んでもしかたないと。
憎しみの果てに、相手を殺すことはもとより、
――僕らは、理性をクスリで狂わされてる訳でもない。
相手の昏い方へ向かう意識を、再度ぽんと頭を撫でることで、
穏やかな笑みを浮かべることで引き戻そうと。]
なによりも、彼女の話を聞きたいと、僕は思うよ。
[視線は、唯問うようにカルメンの姿を追った**]