[オトフリートの会釈の向かう先にエーリッヒを見る。此方と上手くすれ違うよう眸を伏せてくる辺りが何処か彼らしい気がして、苦笑を零してからオトフリートを見て小さく肩を竦めた。]―――……いや。[首を横に振る、違う、謝るのはそこではなく…そして、謝らなくてはならないのは…]…すまなかった。[言っても、許されることではないけれど。]すまなかった…取り返しの、つかないことした。[あの時何故手を伸ばしたのか。衝動か――…危険と見てか、よく覚えていない。両方なのかもしれなかった。]