[サリィが、台車を持つ。台車なら持たせても、大丈夫だろうと思ったから、ミケルは声をかけなかった。ミレイユの様子もおかしいし、二人の様子を見ていて。だから、その一瞬、何があったのかさっぱりとわからなかった。いきなり、消えたのだ。消えた。人が。サリィが。今ここにいたはずの彼女が、どこにもいない。手に持っていた荷物が、地面に落ちた。困惑のまま、ミレイユを見る。それから、サリィのいたはずの場所を見て。]……サリィちゃん?[呆然とした声で、ただ名前を呼んだ**]