[背後からバタバタと遠ざかっていく足音を聞きながら、レッグは異臭の元である、クローディアに近づいた。
室内はそれなりの広さがあり、窓辺には客を迎える小さなテーブルが備え付けてあった。
彼女は、そこに真っ赤な水溜りの中で座っているように息絶えていた]
銃創って事は射殺か。
ご丁寧に額と心臓に一発ずつ……。普通、銃で殺る時は引き金を二回引くのが慣わしだが、それをピンポイントで急所のみ打ち抜くとなると……。
[...は大きく溜息をつきながら、彼女の足元に転がっているもう一つの死体も見た。
見覚えがある。
クローディア付のメイドだった女性だ。
彼女もまた同じく二箇所打ち抜かれて死んでいた]
このビル内に進入するなんて馬鹿はいねぇ。すると、この死体を作ったのは、俺等の中の誰か……か。
[杞憂になれば良いと考えていた事態が発生し、...は面倒くせぇとポツリと呟いた]