…………ん。[不意に、微睡みが破れる。ゆるく開かれた蒼はどこかとろん、としたまま周囲を見回し。そこに求める薄紅色がない事に気づくと、それを求めてとてとてと歩き出した。呼び止められても答える事はないまま、向かうのは三階の自室]…………。……おしえて。[部屋に入り、机の上の薄紅に手を触れる。小さな呟きに応じるが如く、零れ落ちたのは黒いひかり。広がったのは、あかい彩の、月のひかりの幻燈]