─ 第二階層・集会室 ─
[傍に居た父親が、倒れるのを、はじめ夢でも見るように見ていた。
とーちゃんは強いから死ぬはずが無い、そうずっと前から信じていたのに。]
とーちゃ……。
[駆け寄れも出来ずに、倒れる父親の隣に立ち尽くしたままで。
大好きだった父親は、どろどろに溶けていく。母親のように、綺麗なままでない。]
にせ、もの
[父親が父親じゃない
「本物は無くなり偽者だけとなる。」そう言っていたのもスティーヴだった。]
あ………あ………
[「考えろ」、の棘が痛い。
顔色は見る間に真っ青になり、かたかたと身体を震わせながら、義足が壊れても構わないといわんばかりの勢いで、集会室から逃げ出そうとした*]