─ 宿・一階 ─
[始まった言葉の応酬は、どこか冷静に見ていた。
感情を入れたなら、容易く一方に傾いてしまう自覚はあったから。
だから、出来る限り、冷静に、場を見つめていた……のだが]
……フォルカーくんっ!?
[突然クロエに掴みかかるフォルカー>>1に、声を上げる。
振り払われた少年の手に光るものを見て。
突き出されたそれが向かった場所と、散った紅>>2に、数度瞬いた。
慌ててそちらに駆け寄った時には、既にクロエの身体は力なく崩れ落ちて]
……くろ……?
[微か聞こえた呟き>>4に、ひとつ、ふたつ瞬くが。
今は、それを問うている場合ではない、と思考を切り替えた]