[小さな声を聞き取るためにベルナルトへと意識を向けていたから。 広間の動きには気づかなくて。 届いた声にゆるりと瞬き] ――分かるから……としか、いえないわ――…… アタシには、そうだとわかるの、それだけ……[根拠もなにもない。 御伽噺のように証拠になるものもない。 ただの感覚でしかなくて。 だからこそ、明確に声を挙げることはしなかった。 ――その結果を、これから知ることになるのだけれど]