[考えているうちに小鍋が沸騰し始めた。
ユリアンがビルケ用の木の容器を取り出すと、敷物の上の犬はもう待ちきれない様子だ。
魚の骨を取るのには時間がかかるので、煮えてくたりとなった野菜の上に、煮汁だけを掬いかけた。
一旦座らせて、]
伏せ。
……よし!
[号令をかけると、ビルケは忠実に反応する。
若いころのような俊敏さはまるでないけれども。
老犬の食事の様子をしばらく眺めていたが、ふと視線を伸ばすと、
窓の外にエーファ>>2:122らしき人影が見えた。
庭園>>0:4のほうへ歩いて行くようだ。
ビルケにここで待つよう指示し、ユリアンは勝手口へ向かう。]*