集会所ね。あァ、お前を運んでやるつもりなど、さらさらない。ひとりで行け。[相手を見る闇の双眸に、温かみなどは見当たらない。視線を変えぬまま、無造作に手を伸ばしたテーブルの上。置かれた赤茶の果実を、長い指が摘んだ。]それとも、 ――喰って行くか?[爪が皮を裂き、真珠に似た色があらわれる。濡れた指、くれないが薄く開いて、実は口の中に隠された。]