─ 庭 ─[自分の手で、と促され>>12、墓と、場にいる人々を見比べる。元より拒否する理由はなく、ネリーやグレンからも促されるなら、うん、と頷いて。質素な墓碑の前に跪き、即席の花束を供えた。解いた金の髪が風に乱れて揺れる。その様子が、亡き母に生き写しである、と知るのは、当時の母子を知る者ののみか]……アーヴ小父、今まで、ありがと。[立ち上がる直前、小さくもらした言葉は、風に攫われて、消える]