─ 屋敷の裏 ─
[イヴァンとて戦い方を知っているわけではない。
だから動きは無造作で、どうしても力任せになった。
振るった腕も、避けられてしまえば>>15大振り故に引き戻すのに時間がかかる。
その時だ、意識外に置いた黒猫が飛び掛ってきたのは]
でっ…! このっ!!
[意識外に置いた油断もあって避けるには間に合わず。
引き戻しかけた右腕を盾代わりにしたことで黒猫が右腕にしがみ付き、爪と牙を立てた。
それを左手で引き剥がし、放物線を描くようにして黒猫を投げやる。
右腕から紅が零れていたが、気にしている暇は無かった]
大人しく…捕まれ!
[傷を負った右腕を庇うように、今度は左腕を振るう。
黒猫を相手にしている間にエーファは体勢を整えたか。
それを確認しないままに再びエーファの首元を掴もうと狙った]