[ゆる、と首を左右に振り男はミハイルの方へと歩んでゆく]これで、終わり……[彼の言葉を鸚鵡返しに呟いた。終わりであれば、これ以上失われない。夜に怯えず常の長閑な暮らしが戻るはず。否、戻りはしない。欠けた者が戻るはずもなくぽっかりと空いた穴は塞がらない]ミハイル、済まない。嫌な役を、押し付けた。[キリルを殺す事を選んだのは同じだが手に掛けた彼の負うたモノを思えば謝罪の言葉が零れる]